昨日の「ブックスのダイエット」はじめ、
何回も、
治らないガンで命を落とす場合、
それは「ガン死」よりも、
「餓死」の確率が高い、
ということを書いてきました。
如何なる原因であっても、
人間は物を食べないと生きていくことができない、
普通の動物です。
野生では、
怪我を負って食べることができない、
あるいはエサが無くなると、
その動物は餓死していきます。
人類の歴史もそうだったはずです。
恐らく野生の動物でもガンは発生するでしょうけれども、
ガン死の前に、
餓死します。
しかし人間では、
それを阻止する知恵があります。
一つは、一般的にペグ(PEG)と呼ばれている、
経皮的内視鏡胃廔造設術(Percutaneus Endoscopic Gastrostomy)、
内視鏡で胃に穴を開けて、
そこから流動物の栄養を補給する方法があります。
胃廔の造設手術時には、
短期間の入院は必要ですが、
一度入れてしまえば、
栄養補給は在宅で自己管理できます。
もう一つは、
在宅中心静脈栄養という、
名前のとおり、
在宅で点滴にて栄養を補給する方法です。
私は多くの場合、
24時間持続で在宅点滴をしています。
いずれの方法も、
すべて健康保険で認められています。
昨日紹介したメールのような状態では、
患者さんは間違いなく、
近い将来、餓死に至ります。
餓死することが見えている患者さんに対して、
ガン治療など、
意味がありません。
先ず、生命を支えるエネルギーの確保を考えた上でなければ、
ガン治療は成立しません。
何らかの事情で、
ガン治療ができない状態であったとしても、
餓死を防ぐだけで、
寿命は確実に延ばすことができます。
全身状態の改善により、
再度ガン治療が可能になることも有り得ます。
また、ガン性腹膜炎により、
経口食事摂取不能の患者さんで、
在宅中心静脈栄養を続けつつ、
抗癌剤治療を続けたところ、
口から十分の食事の摂取が可能になり、
点滴栄養を中止できた患者さんもいます。
しかしガンの存在により、
極めて大きな苦痛が発生している場合には、
食べることができないために、
寿命を縮めることがあったとしても、
患者さんの「生きていたい」という、
強い願望が無い場合には、
強制的に栄養を補給することは、
憚られることもありますが、
ガン治療はすべて、
患者さんご自身で考えて決めるものです。
以上 文責 梅澤 充
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