9月23日の「乳ガン術前抗癌剤治療」
で、乳ガンに対する、
手術前の抗癌剤治療について
メリットの多い有効な治療と考えられるという旨のことを、
書きました。
手術治療を前提として、
その手術前に抗癌剤治療を行うのは、
乳ガンだけではありません。
現在、乳ガン以外の多くの種類のガンでも試みられています。
しかし、乳ガンほどは、
大きなメリットは得られていないように感じます。
肛門のごく近くに発生した直腸ガンで、
人工肛門にならざるを得ない状況から、
大量の抗癌剤を使った治療により、
人工肛門を作らずに、
ガンの切除が可能になった、
などという報告論文は散発的には見ますし、
私も現在診ていますが、
その患者さん以外で、
私が診ている手術前の抗癌剤治療を受けた患者さんの多くは、
結果的に手術ができなかったかたです。
あるいは手術は行うも根治手術は不可能であったかたです。
腹膜転移を伴う胃ガンでは、
はじめから手術は行わないのが原則でした。
しかし、
2006年1月28日の「仏作って魂入れず」
でチョットだけ紹介しましたが、
TS-1とシズプラチンを使った抗癌剤治療を術前に行い、
その後に手術を行い根治を目指すという方法が、
最近、治験という形で行われているようです。
私は、その治験がはじまる前に、
某大学外科の信頼できる教授から、
「手術が可能になるケースも多いよ」
と、その治療法を教えてもらい、
どうしても根治を目指したい患者さんに行いましたが、
結果は惨敗でした。
その後、その教授からは、
「あれはビギナーズラックだったみたい、
症例が増えてきたら、ほとんどがダメだよ」
と聞かされました。
言い訳のように聞こえるかも知れませんが、
私が治療をして惨敗に終わった患者さんでは、
まだ、子供も小さく、
「延命治療ではダメ、確率が低くても、
どうしても根治の方策を考えたい」
との強い希望がありましたので、
結果は敗北でしたが、
間違った治療であったとは考えていません。
当時、「実験的な治療」と一蹴していた病院で、
現在は、まったく同じ治療が治験として行われています。
時代の流れを感じます・・・・
話しはそれましたが、
乳ガン以外のガンでの、
術前抗癌剤治療は、
まだ、その効果は未知であり、
むしろ、それは行わなかったほうが良かった、
という結果に終わることも少なくないように思います。
はじめから手術が不可能の状態のガンでは、
標準的なエビデンスに則った考えでは、
副作用の大きな辛い抗癌剤治療を続けて
エビデンスどおりの、
無治療と比較して僅かな延命を期待するだけですから、
ガンの状態をシッカリ、頻回に観察しながら
最適の抗癌剤治療を見つけ出し、
それ行い、経過によりチャンスがあったら手術を行うという考え方であれば、
それは悪くはないと思います。
しかし、何が何でも手術、
すなわち、不可能を可能にすることだけを目指して
大量の抗癌剤を一気に使った治療では、
その抗癌剤爆弾が外れたときには、
手術も不可能になり、
さらに、大きな延命も叶わなくなる可能性も出てきます。
エビデンスどおりの
誰も期待しない結果に終わることも覚悟しなければなりません。
しかし、かなり進行してしまったガンであるも、
現状でも根治手術ができる可能が高いと思われる状態での、
術前の抗癌剤治療では、
大きなメリットもあります。
それは、ガンが見えている状態で抗癌剤を使うのですから、
その抗癌剤が効いているのか否か、
一目瞭然、ハッキリと確認できることです。
そして、進行ガンの術後では、
多くの場合、再発予防の抗癌剤治療が
主治医から勧められますが、
その時に使う抗癌剤が、
効くのか否か、
事前にある程度把握できるのです。
術前に使って、
効かなかった抗癌剤では、
術後に残存しているかも知れないけれど、
いまだ見ることができないガン細胞に対しても、
効くことは期待できません。
抗癌剤治療に反応しやすい乳ガン以外の
多くの種類のガンにおいて、
術後再発予防の抗癌剤治療では、
満足な成績は得られていません。
その原因は、
他の種類のガンでは抗癌剤が効き難いことに加え、
術後の再発予防では、
まだ見えないガン細胞に対して、
抗癌剤治療を行うわけであり、
その抗癌剤が効いているのか否か分からないことにあります。
その点、手術前で、まだガンが見えているときに、
抗癌剤を使えば、
その効果を肉眼でも顕微鏡でも確認することができます。
したがって、
手術前にすでに、
手術は可能であるも、
かなりの進行ガンであり、
手術後の抗癌剤治療が必要であると予測されるときには、
術後の再発予防を兼ねた、
術前の抗癌剤治療は、
有効であるように思います。
本日も、術前・術後の抗癌剤治療がまったく無意味だった患者さんが、
セカンドオピニオンに来られましたが、
術前抗癌剤治療は、
セカンドオピニオンで受ける頻度の高い質問の一つです。
私の勝手な考え方を書きました。
以上 文責 梅澤 充
で、乳ガンに対する、
手術前の抗癌剤治療について
メリットの多い有効な治療と考えられるという旨のことを、
書きました。
手術治療を前提として、
その手術前に抗癌剤治療を行うのは、
乳ガンだけではありません。
現在、乳ガン以外の多くの種類のガンでも試みられています。
しかし、乳ガンほどは、
大きなメリットは得られていないように感じます。
肛門のごく近くに発生した直腸ガンで、
人工肛門にならざるを得ない状況から、
大量の抗癌剤を使った治療により、
人工肛門を作らずに、
ガンの切除が可能になった、
などという報告論文は散発的には見ますし、
私も現在診ていますが、
その患者さん以外で、
私が診ている手術前の抗癌剤治療を受けた患者さんの多くは、
結果的に手術ができなかったかたです。
あるいは手術は行うも根治手術は不可能であったかたです。
腹膜転移を伴う胃ガンでは、
はじめから手術は行わないのが原則でした。
しかし、
2006年1月28日の「仏作って魂入れず」
でチョットだけ紹介しましたが、
TS-1とシズプラチンを使った抗癌剤治療を術前に行い、
その後に手術を行い根治を目指すという方法が、
最近、治験という形で行われているようです。
私は、その治験がはじまる前に、
某大学外科の信頼できる教授から、
「手術が可能になるケースも多いよ」
と、その治療法を教えてもらい、
どうしても根治を目指したい患者さんに行いましたが、
結果は惨敗でした。
その後、その教授からは、
「あれはビギナーズラックだったみたい、
症例が増えてきたら、ほとんどがダメだよ」
と聞かされました。
言い訳のように聞こえるかも知れませんが、
私が治療をして惨敗に終わった患者さんでは、
まだ、子供も小さく、
「延命治療ではダメ、確率が低くても、
どうしても根治の方策を考えたい」
との強い希望がありましたので、
結果は敗北でしたが、
間違った治療であったとは考えていません。
当時、「実験的な治療」と一蹴していた病院で、
現在は、まったく同じ治療が治験として行われています。
時代の流れを感じます・・・・
話しはそれましたが、
乳ガン以外のガンでの、
術前抗癌剤治療は、
まだ、その効果は未知であり、
むしろ、それは行わなかったほうが良かった、
という結果に終わることも少なくないように思います。
はじめから手術が不可能の状態のガンでは、
標準的なエビデンスに則った考えでは、
副作用の大きな辛い抗癌剤治療を続けて
エビデンスどおりの、
無治療と比較して僅かな延命を期待するだけですから、
ガンの状態をシッカリ、頻回に観察しながら
最適の抗癌剤治療を見つけ出し、
それ行い、経過によりチャンスがあったら手術を行うという考え方であれば、
それは悪くはないと思います。
しかし、何が何でも手術、
すなわち、不可能を可能にすることだけを目指して
大量の抗癌剤を一気に使った治療では、
その抗癌剤爆弾が外れたときには、
手術も不可能になり、
さらに、大きな延命も叶わなくなる可能性も出てきます。
エビデンスどおりの
誰も期待しない結果に終わることも覚悟しなければなりません。
しかし、かなり進行してしまったガンであるも、
現状でも根治手術ができる可能が高いと思われる状態での、
術前の抗癌剤治療では、
大きなメリットもあります。
それは、ガンが見えている状態で抗癌剤を使うのですから、
その抗癌剤が効いているのか否か、
一目瞭然、ハッキリと確認できることです。
そして、進行ガンの術後では、
多くの場合、再発予防の抗癌剤治療が
主治医から勧められますが、
その時に使う抗癌剤が、
効くのか否か、
事前にある程度把握できるのです。
術前に使って、
効かなかった抗癌剤では、
術後に残存しているかも知れないけれど、
いまだ見ることができないガン細胞に対しても、
効くことは期待できません。
抗癌剤治療に反応しやすい乳ガン以外の
多くの種類のガンにおいて、
術後再発予防の抗癌剤治療では、
満足な成績は得られていません。
その原因は、
他の種類のガンでは抗癌剤が効き難いことに加え、
術後の再発予防では、
まだ見えないガン細胞に対して、
抗癌剤治療を行うわけであり、
その抗癌剤が効いているのか否か分からないことにあります。
その点、手術前で、まだガンが見えているときに、
抗癌剤を使えば、
その効果を肉眼でも顕微鏡でも確認することができます。
したがって、
手術前にすでに、
手術は可能であるも、
かなりの進行ガンであり、
手術後の抗癌剤治療が必要であると予測されるときには、
術後の再発予防を兼ねた、
術前の抗癌剤治療は、
有効であるように思います。
本日も、術前・術後の抗癌剤治療がまったく無意味だった患者さんが、
セカンドオピニオンに来られましたが、
術前抗癌剤治療は、
セカンドオピニオンで受ける頻度の高い質問の一つです。
私の勝手な考え方を書きました。
以上 文責 梅澤 充



