一昨日の「腫瘍マーカー」
の続きを書きます。
再発に対して抗癌剤治療を行っているにもかかわらず、
一月に1回しか、
その治療が効いているか否かを知る指標の一つである
腫瘍マーカーを測定してくれないことは、
健康保険の範囲で治療を行うからには、
仕方がないことでもあります。
面倒な手続きを踏んで、
自費で採血をすることが許される道はあるようですが、
それをしている病院は私は見たことがありません。
「もっと頻回に測定して欲しい」
と患者さんが主治医に訴えると、
「そんなにチョクチョク見ても変化はない」
などと言われることがよくあるようです。
私は週に1回抗癌剤の点滴をしている患者さんの多くでは、
毎週、腫瘍マーカーのチェックをしています。
腫瘍マーカーは毎週シッカリと動きを見せてくれます。
それは次回の点滴の内容を決定するうえで、
大きな判断材料になります。
マーカーが増加してしまうような抗癌剤は、
少なくともその量では効果が無い、
と判断しなければなりません。
抗癌剤の量を変える、
種類を変更する、
あるいは、別の抗癌剤を上乗せする、
など何らかのアクションを起こす必要が出てきます。
そのタイミングを逃さず、
最善のクスリ・組み合わせを探していくには、
頻回な腫瘍マーカーの検査は大いに役に立ちます。
健康保険に縛られ、
月に一回しか検査したことのない医者が、
何故、「そんなに頻回に観ても腫瘍マーカーは動かない」
と言えるのか不思議でなりません。
もっとも、
腫瘍マーカーをあまり熱心に観てくれない医者の気持ちは分かります。
再発の有無(ユウムではありません)をチェックするのに、
3ヶ月に1回1項目というのにも理由はあります。
再発ガンに対して抗癌剤治療を行っている場合でも、
腫瘍マーカーを頻回に観て、
それが増加しても、
それに対して打つ手が無いのです。
標準治療では、
あらかじめ決められた○回のコースを、
全部やり終えてから、
はじめてその治療に効果があったか否かの判定をします。
治療の途中で、
生命の存続を危ぶむような副作用が発生したりしない限り、
その治療は続けられます。
それが決まり、ルールですから、
患者さんは、
途中で効果の無いことが判明してしまっても、
その治療はなかなか変更してはもらえません。
効果の無い治療で、
副作用だけ受けることになります。
これは間違いなく寿命を縮めるはずです。
無治療の方が長生きできる可能性が高くなります。
また、各種癌の取り扱い規約や、
抗癌剤治療の効果判定基準という決まりごとを書いたもの、
すなわちルールブックのようなものがあります。
年末にはガイドライン、ガイドラインと連呼されている、
コメントの投稿者がいましたが、
同じ類の覚え書きをまとめたものです。
その判定基準では、
腫瘍マーカーは抗癌剤治療の効果判定においては
「不要」となっているのです。
抗癌剤治療がどの程度効いたかの指標である、
奏効率では、
腫瘍マーカーは不要であり、
一般的には、
画像診断上の「ガンの面積」だけで判定されます。
ガンの面積が半分以下になっていたら「奏効」です。
その時、
腫瘍マーカーを同時に検査していたら、
画像上、せっかくガンが半分以下の面積になっていても、
腫瘍マーカーも同様に低下していなかった場合には、
奏効したと判定できなくなるのです。
また、いくら腫瘍マーカーが大きく低下しても、
画像診断上半分以下の面積にならなければ、
奏効したとは判定されません。
したがって、
うがった見方をすると、
自分が行っている抗癌剤治療の奏効率を上げようと思ったなら、
腫瘍マーカーは邪魔な存在になります。
某がんセンターなどでは、
腫瘍マーカーが大きく増加して、
明らかに再発であることが、
分かっても、
画像診断でその再発が、
ハッキリと確認できなければ治療を開始しないこともあります。
消化器ガンで、
腫瘍マーカーの一つCEAが300近くまで増加しても、
画像診断上、明確な再発が確認できなかった患者さんでは、
まったく治療はしてもらえませんでした。
画像診断上はガン性腹膜炎が疑われるも、
それは、画像からだけでは、
確定診断には及びませんでしたので、
無治療でした。
私から診ると、
PET、およびCTでの所見、
さらに腫瘍マーカーから判断して、
間違いなくガン性腹膜炎だと判断して、
治療を開始しました。
2年半経過した現在では、
CEAはフラフラ動いてはいますが、
概ね1〜3.0の間で安定しています。
毎月1回腫瘍マーカーは確認しながら、
抗癌剤治療は続いています。
同様の患者さんを現在何人も診ています。
それらの患者さんの場合、
頻回に腫瘍マーカーの検査をして、
3.0 → 7.0 → 13 → 25 → 50
となれば、
13の時点で「再発」と
決め付けて治療を開始することは間違いではないと思います。
しかし、標準治療では、
それを開始した時点から
「○○か月だけしか生きることはできない」
というエビデンスが出されていますので、
もし、上に例にあげた患者さんが、
腫瘍マーカーの異常増加だけで、
標準治療を開始していたら、
今年のお正月どころか去年のお正月も迎えることはなかった確率が
極めて高くなりますから、
画像上見えない、
だから腫瘍マーカーがいくら高くなっても、
再発とは判断しないで、
治療を行わない、
は大正解だともいえます。
他の多くのガンでも、
再発が確認されたなら、
行われる治療は決まっています。
そしてその治療が開始されるや、
あと○○か月という数字まで、
エビデンスとして、
はっきり提示されています。
したがって、
3ヶ月に1回の腫瘍マーカー検査、
それも一つだけだとしても、
標準治療だけしか許されない環境の患者さんにとっては、
けっして間違ってはいないと思います。
そう考えると、
標準治療の愚かさをあらためて感じます。
また、ガイドラン、規約などは、
実際にガンを患っている患者さんの立場に立って、
患者さんのために書かれたものではありません。
医者の立場から、
その病気・治療を分かりやすく分類、整理するために
作られているものであることを、
忘れないほうが賢明だと思います。
以上 文責 梅澤 充
の続きを書きます。
再発に対して抗癌剤治療を行っているにもかかわらず、
一月に1回しか、
その治療が効いているか否かを知る指標の一つである
腫瘍マーカーを測定してくれないことは、
健康保険の範囲で治療を行うからには、
仕方がないことでもあります。
面倒な手続きを踏んで、
自費で採血をすることが許される道はあるようですが、
それをしている病院は私は見たことがありません。
「もっと頻回に測定して欲しい」
と患者さんが主治医に訴えると、
「そんなにチョクチョク見ても変化はない」
などと言われることがよくあるようです。
私は週に1回抗癌剤の点滴をしている患者さんの多くでは、
毎週、腫瘍マーカーのチェックをしています。
腫瘍マーカーは毎週シッカリと動きを見せてくれます。
それは次回の点滴の内容を決定するうえで、
大きな判断材料になります。
マーカーが増加してしまうような抗癌剤は、
少なくともその量では効果が無い、
と判断しなければなりません。
抗癌剤の量を変える、
種類を変更する、
あるいは、別の抗癌剤を上乗せする、
など何らかのアクションを起こす必要が出てきます。
そのタイミングを逃さず、
最善のクスリ・組み合わせを探していくには、
頻回な腫瘍マーカーの検査は大いに役に立ちます。
健康保険に縛られ、
月に一回しか検査したことのない医者が、
何故、「そんなに頻回に観ても腫瘍マーカーは動かない」
と言えるのか不思議でなりません。
もっとも、
腫瘍マーカーをあまり熱心に観てくれない医者の気持ちは分かります。
再発の有無(ユウムではありません)をチェックするのに、
3ヶ月に1回1項目というのにも理由はあります。
再発ガンに対して抗癌剤治療を行っている場合でも、
腫瘍マーカーを頻回に観て、
それが増加しても、
それに対して打つ手が無いのです。
標準治療では、
あらかじめ決められた○回のコースを、
全部やり終えてから、
はじめてその治療に効果があったか否かの判定をします。
治療の途中で、
生命の存続を危ぶむような副作用が発生したりしない限り、
その治療は続けられます。
それが決まり、ルールですから、
患者さんは、
途中で効果の無いことが判明してしまっても、
その治療はなかなか変更してはもらえません。
効果の無い治療で、
副作用だけ受けることになります。
これは間違いなく寿命を縮めるはずです。
無治療の方が長生きできる可能性が高くなります。
また、各種癌の取り扱い規約や、
抗癌剤治療の効果判定基準という決まりごとを書いたもの、
すなわちルールブックのようなものがあります。
年末にはガイドライン、ガイドラインと連呼されている、
コメントの投稿者がいましたが、
同じ類の覚え書きをまとめたものです。
その判定基準では、
腫瘍マーカーは抗癌剤治療の効果判定においては
「不要」となっているのです。
抗癌剤治療がどの程度効いたかの指標である、
奏効率では、
腫瘍マーカーは不要であり、
一般的には、
画像診断上の「ガンの面積」だけで判定されます。
ガンの面積が半分以下になっていたら「奏効」です。
その時、
腫瘍マーカーを同時に検査していたら、
画像上、せっかくガンが半分以下の面積になっていても、
腫瘍マーカーも同様に低下していなかった場合には、
奏効したと判定できなくなるのです。
また、いくら腫瘍マーカーが大きく低下しても、
画像診断上半分以下の面積にならなければ、
奏効したとは判定されません。
したがって、
うがった見方をすると、
自分が行っている抗癌剤治療の奏効率を上げようと思ったなら、
腫瘍マーカーは邪魔な存在になります。
某がんセンターなどでは、
腫瘍マーカーが大きく増加して、
明らかに再発であることが、
分かっても、
画像診断でその再発が、
ハッキリと確認できなければ治療を開始しないこともあります。
消化器ガンで、
腫瘍マーカーの一つCEAが300近くまで増加しても、
画像診断上、明確な再発が確認できなかった患者さんでは、
まったく治療はしてもらえませんでした。
画像診断上はガン性腹膜炎が疑われるも、
それは、画像からだけでは、
確定診断には及びませんでしたので、
無治療でした。
私から診ると、
PET、およびCTでの所見、
さらに腫瘍マーカーから判断して、
間違いなくガン性腹膜炎だと判断して、
治療を開始しました。
2年半経過した現在では、
CEAはフラフラ動いてはいますが、
概ね1〜3.0の間で安定しています。
毎月1回腫瘍マーカーは確認しながら、
抗癌剤治療は続いています。
同様の患者さんを現在何人も診ています。
それらの患者さんの場合、
頻回に腫瘍マーカーの検査をして、
3.0 → 7.0 → 13 → 25 → 50
となれば、
13の時点で「再発」と
決め付けて治療を開始することは間違いではないと思います。
しかし、標準治療では、
それを開始した時点から
「○○か月だけしか生きることはできない」
というエビデンスが出されていますので、
もし、上に例にあげた患者さんが、
腫瘍マーカーの異常増加だけで、
標準治療を開始していたら、
今年のお正月どころか去年のお正月も迎えることはなかった確率が
極めて高くなりますから、
画像上見えない、
だから腫瘍マーカーがいくら高くなっても、
再発とは判断しないで、
治療を行わない、
は大正解だともいえます。
他の多くのガンでも、
再発が確認されたなら、
行われる治療は決まっています。
そしてその治療が開始されるや、
あと○○か月という数字まで、
エビデンスとして、
はっきり提示されています。
したがって、
3ヶ月に1回の腫瘍マーカー検査、
それも一つだけだとしても、
標準治療だけしか許されない環境の患者さんにとっては、
けっして間違ってはいないと思います。
そう考えると、
標準治療の愚かさをあらためて感じます。
また、ガイドラン、規約などは、
実際にガンを患っている患者さんの立場に立って、
患者さんのために書かれたものではありません。
医者の立場から、
その病気・治療を分かりやすく分類、整理するために
作られているものであることを、
忘れないほうが賢明だと思います。
以上 文責 梅澤 充




