患者さんにとって、はじめてのクスリを使うとき、
しばしば、「それは強いクスリですか?」
と質問されます。
ハッキリ言ってこれほどの、愚問はありません。
如何なる薬剤でも、大量に使えば「強いクスリ」ですし、
チョッとだけ使えば「弱いクスリ」になります。
また、強い、弱いの基準もありません。
どんなに弱いクスリだって、大量に使えば強いどころか、
命取りにもなります。
ステロイド剤には、
ベリーストロングVery Strong(とても強い)
ストロングStrong(強い)
などという分類もありますが、
それとて、ストロングでもたくさん使えば「ベリー」がついてきます。
人間は、他人に何かを尋ねるとき、
必ず、何らかの回答を予想するはずですが、
「それは強いクスリですか?」なる、質問の時には、医者からどのような回答を予期しているのでしょうか。
「強い」と言ったら、
「弱くしてくれ」という依頼をするのでしょうか。
「弱い」と答えたら、
「もっと強力に治療してくれ」となるのでしょうか。
あるいは単純に副作用だけを知りたいのでしょうか。
副作用についてお知りになりたいのであれば、
ストレートに副作用だけについてお聞き下さい。
但し、その時に
「どんな副作用がありますか?」
と聞かれたら、答えようがありません。
それは、抗癌剤などの場合、可能性を考えれば、
あらゆる副作用があるからです。
非常に頻度は低くても致死的な副作用も有ります。
頻度まで説明している時間はほとんど場合ありません。
副作用として「死ぬことがある」と聞かれたら、
誰だってそんなクスリは使いたいとは思わないのではないでしょうか。
聞かれるときは、
「良く起きる副作用には、どんなものがありますか?」
程度にしておいて下さい。
私は、現在多くのガン患者さんに、
ある種の胃のクスリと、消炎鎮痛剤を処方しています。
消炎鎮痛剤はCOX-2 阻害作用によるガン細胞の増殖抑制を期待して、
胃薬では、NK細胞活性という免疫力の向上を期待して、
それぞれ処方しています。
健康保険で使えますし、値段も一日当たり190円で、
患者さんの負担はその3割ですから、
ほとんど副作用も無く、
多くの患者さんでは、値段もさほど問題にならないので、
4月30日の「ホメオパシー」でも書いたとおり、
「ダメでモトモト」
「効けばメッケモノ」という、
スタンスでそれらのクスリを処方しています。
勿論、その旨、しつこいくらいに説明するのですが、
その時に「そのクスリは強いですか?」とこられると、
かなりガッカリします。
何と答えて良いのか判りません。
もう一度書きますが、
如何なるクスリでも、たくさん使えば強くなるし、
チョッピリならば、弱いクスリです。
但し、抗癌剤のタキソールなどの、
アレルギー反応が問題になる薬剤では、
極々僅かでも、重篤なアレルギー反応は起こります。
これは、強い、弱い、量が多い、少ないは関係ありません。
CTなどの時に使う造影剤なども同様です。
患者さんが、いろいろ質問をしてこられることは、
当然であり、いいことだと思います。
しかし、あまり見当ハズレのことや、
答えようがない様な質問には、閉口してしまいます。
患者さんが多くて、混んで忙しい時には、
腹立たしく思うこともあります。
なるべく、患者さんと話をする時間は取るように努力はしていますが、
それでも、十分な時間はなかなか取れません。
一般的な病院の外来診療も同様の環境か、
さらに、時間に追われた状況ではないかと思います。
それは、医者が悪いわけではなく、
日本の医療体系がそうさせているのですから仕方ありません。
そのように決まった貴重な時間内での、
重要な会話を無駄に浪費するべきではないと思います。
本日は、とても忙しい中で、
「そのクスリは強いですか?」の3連発に襲われましたので、
ご注意の意味も込めて書きました。
質問事項は、なるべく事前にメモにまとめておいて、
それを主治医にぶつけることをお勧めします。
貴重な時間を有効に使いましょう。
以上 文責 梅澤 充
しばしば、「それは強いクスリですか?」
と質問されます。
ハッキリ言ってこれほどの、愚問はありません。
如何なる薬剤でも、大量に使えば「強いクスリ」ですし、
チョッとだけ使えば「弱いクスリ」になります。
また、強い、弱いの基準もありません。
どんなに弱いクスリだって、大量に使えば強いどころか、
命取りにもなります。
ステロイド剤には、
ベリーストロングVery Strong(とても強い)
ストロングStrong(強い)
などという分類もありますが、
それとて、ストロングでもたくさん使えば「ベリー」がついてきます。
人間は、他人に何かを尋ねるとき、
必ず、何らかの回答を予想するはずですが、
「それは強いクスリですか?」なる、質問の時には、医者からどのような回答を予期しているのでしょうか。
「強い」と言ったら、
「弱くしてくれ」という依頼をするのでしょうか。
「弱い」と答えたら、
「もっと強力に治療してくれ」となるのでしょうか。
あるいは単純に副作用だけを知りたいのでしょうか。
副作用についてお知りになりたいのであれば、
ストレートに副作用だけについてお聞き下さい。
但し、その時に
「どんな副作用がありますか?」
と聞かれたら、答えようがありません。
それは、抗癌剤などの場合、可能性を考えれば、
あらゆる副作用があるからです。
非常に頻度は低くても致死的な副作用も有ります。
頻度まで説明している時間はほとんど場合ありません。
副作用として「死ぬことがある」と聞かれたら、
誰だってそんなクスリは使いたいとは思わないのではないでしょうか。
聞かれるときは、
「良く起きる副作用には、どんなものがありますか?」
程度にしておいて下さい。
私は、現在多くのガン患者さんに、
ある種の胃のクスリと、消炎鎮痛剤を処方しています。
消炎鎮痛剤はCOX-2 阻害作用によるガン細胞の増殖抑制を期待して、
胃薬では、NK細胞活性という免疫力の向上を期待して、
それぞれ処方しています。
健康保険で使えますし、値段も一日当たり190円で、
患者さんの負担はその3割ですから、
ほとんど副作用も無く、
多くの患者さんでは、値段もさほど問題にならないので、
4月30日の「ホメオパシー」でも書いたとおり、
「ダメでモトモト」
「効けばメッケモノ」という、
スタンスでそれらのクスリを処方しています。
勿論、その旨、しつこいくらいに説明するのですが、
その時に「そのクスリは強いですか?」とこられると、
かなりガッカリします。
何と答えて良いのか判りません。
もう一度書きますが、
如何なるクスリでも、たくさん使えば強くなるし、
チョッピリならば、弱いクスリです。
但し、抗癌剤のタキソールなどの、
アレルギー反応が問題になる薬剤では、
極々僅かでも、重篤なアレルギー反応は起こります。
これは、強い、弱い、量が多い、少ないは関係ありません。
CTなどの時に使う造影剤なども同様です。
患者さんが、いろいろ質問をしてこられることは、
当然であり、いいことだと思います。
しかし、あまり見当ハズレのことや、
答えようがない様な質問には、閉口してしまいます。
患者さんが多くて、混んで忙しい時には、
腹立たしく思うこともあります。
なるべく、患者さんと話をする時間は取るように努力はしていますが、
それでも、十分な時間はなかなか取れません。
一般的な病院の外来診療も同様の環境か、
さらに、時間に追われた状況ではないかと思います。
それは、医者が悪いわけではなく、
日本の医療体系がそうさせているのですから仕方ありません。
そのように決まった貴重な時間内での、
重要な会話を無駄に浪費するべきではないと思います。
本日は、とても忙しい中で、
「そのクスリは強いですか?」の3連発に襲われましたので、
ご注意の意味も込めて書きました。
質問事項は、なるべく事前にメモにまとめておいて、
それを主治医にぶつけることをお勧めします。
貴重な時間を有効に使いましょう。
以上 文責 梅澤 充



