「責任は負えません!」これは、
前から気になっていた言葉ですが、
最近、頻繁に患者さんから聞きますので、
その言葉の意味について書きます。
勿論その言葉は、患者さんが言う言葉ではありません。
医者の常套句です。
特に腫瘍内科医の。
「前回の点滴では副作用がつらかったので、
今回は抗癌剤の量を減らしてもらうわけにはいきませんか。」
というような、患者さんの懇願に対して、
医者がそれを打ち砕くために使われる言葉です。
「それでは、標準的な治療ではなくなる。
そんな治療では、責任は負えません。」
「そのような標準的ではない治療では責任は負えません。」
「エビデンスの無い治療に責任は負えません。」
「負えません」が「持てません」に変わることもあります。
いろいろなバリエーションがあるようですが、
意味は同じです。
そして、その後に続く言葉は、
「できません。」または、
「この病院ではそのような治療はしません。」
「○○という健康食品がイイと聞いたのですが、飲んでも良いですか。」
または「○×療法も受けたいのですが良いですか。」
と、厳格な腫瘍内科医の主治医に尋ねたときに必ず用意されている言葉です。
このような場合、
「負えません」や「持てません」に、
「そんなものを飲むなら、」
「そんなエビデンスの無い治療法を受けるなら、」の後には、
「うちでは診ない、他の病院に行って下さい。」
という、駄目押しのオマケの脅迫的な殺し文句も同時についてくることもしばしば見受けます。
「○○では、責任は負えない。」
という言葉を素直に、常識的に解釈すると、
「○○でなければ責任を負う。」
ということになります。
彼らが言う○○とは、「エビデンスが無い治療」のことです。
そうであれば彼らは、
「エビデンスのある治療であれば責任を負ってくれる」ことになります。
しかし、医者が、どのようにして患者さんの治療に責任を負うのでしょうか。
エビデンスのある治療、
すなわち標準的抗癌剤治療を行ったとき、
その言葉を口にする医者は、患者さん、治療結果に対して、
如何に責任を負うのでしょうか。
標準的抗癌剤治療を行えば、
確率は低いものの抗癌剤の副作用で命を落とす患者さんだって、
エビデンスどおりに確実に存在します。
今までも、日本では相当数の患者さんが抗癌剤の副作用で亡くなられています。
そのような時、どのように医者は責任を負うのでしょうか。
その責任を負って、腹を切って死んだ医者など、聞いたことがありません。
もしかすると、ひそかに教会に行ったり、
自宅でお線香を上げる医者もいるのかも知れませんが、
私は、聞いたことはありません。
抗癌剤の副作用で患者さんが亡くなられても、
それは、エビデンスの一部であり、
医者は一切責任を負いません。
「残念でした」の一言でお終いです。
そもそも、
1月12日の「ガン医療現場で使われる言葉、生存期間中央値」
1月14日の「ガン医療現場で使われる言葉、エビデンスEBM(Evidence)」
1月15日の「ガン医療現場で使われる言葉、エビデンスEBM(Evidence)」(2)
をはじめ、散々書いてきたとおり、
再発ガン、切除不能ガンに対する抗癌剤治療のエビデンスとは、ほとんどの場合、
「無治療で経過を診たグループより、○ケ月長生きできる。」という、
患者さんは亡くなられることを前提としたエビデンスです。
そのエビデンスでは、仮に生存期間中央値が10ヶ月であっても、
1月で亡くなられる患者さんも存在しています。
それも、エビデンスです。
「責任は負えません。」という言葉を使い、
「責任を負うはずの治療」に導き、
その結果、患者さんがエビデンスどおり亡くなられても、
その医者は、一切「責任は負いません。」
こんな理不尽な話があるでしょうか。
あらゆる治療において、
すべての責任を負うのは患者さんタダ一人です。
勿論、医療ミスなどがあれば、
その責任は医療従事者が負うことになりますが、
それとは意味が違います。
外科医の場合、手術後に患者さんの経過が悪かった時など、
その手術に落ち度が無かったとしても、
懸命に患者さんを診ます。
責任を負います。
私が研修医の時代ですが、
手術後の経過が悪く、重篤な状態に陥り、
ICU(集中治療室)に入った患者さんを、
30日以上大学に泊り込みで治療をして、
30何日かぶりで自宅に帰り寝たところ、
翌朝、自分のベットの中で冷たくなって発見された先輩がいます。
極端な例ですが、外科医は手術に責任を負います。
しかし、抗癌剤治療に責任を負う腫瘍内科医を私は知りません。
再発、切除不能のガン治療に対して、
患者さんに、治療結果に、責任を負う医者は存在しません。
「責任は負えません。」などと、
無責任極まりない言葉を口にする医者は絶対に信用するべきではないと思います。
このブログをお読みになられている患者さんの中にも、
主治医からこの言葉を聞かれた方は多いのではないかと思います。
もし今後、医者から「責任は負えません。」と言われたら、
「先生の推奨する治療をした場合どのように責任を取ってもらえるのですか?」
と質問して下さい。
最近、患者さんから頻繁に聞く、主治医からの「責任は負えません。」という、
言葉の意味について書きました。
すべての結果責任を負わされてしまうのは、
如何なる場合にも患者さんご自身であることをお忘れなく。
以上 文責 梅澤 充
前から気になっていた言葉ですが、
最近、頻繁に患者さんから聞きますので、
その言葉の意味について書きます。
勿論その言葉は、患者さんが言う言葉ではありません。
医者の常套句です。
特に腫瘍内科医の。
「前回の点滴では副作用がつらかったので、
今回は抗癌剤の量を減らしてもらうわけにはいきませんか。」
というような、患者さんの懇願に対して、
医者がそれを打ち砕くために使われる言葉です。
「それでは、標準的な治療ではなくなる。
そんな治療では、責任は負えません。」
「そのような標準的ではない治療では責任は負えません。」
「エビデンスの無い治療に責任は負えません。」
「負えません」が「持てません」に変わることもあります。
いろいろなバリエーションがあるようですが、
意味は同じです。
そして、その後に続く言葉は、
「できません。」または、
「この病院ではそのような治療はしません。」
「○○という健康食品がイイと聞いたのですが、飲んでも良いですか。」
または「○×療法も受けたいのですが良いですか。」
と、厳格な腫瘍内科医の主治医に尋ねたときに必ず用意されている言葉です。
このような場合、
「負えません」や「持てません」に、
「そんなものを飲むなら、」
「そんなエビデンスの無い治療法を受けるなら、」の後には、
「うちでは診ない、他の病院に行って下さい。」
という、駄目押しのオマケの脅迫的な殺し文句も同時についてくることもしばしば見受けます。
「○○では、責任は負えない。」
という言葉を素直に、常識的に解釈すると、
「○○でなければ責任を負う。」
ということになります。
彼らが言う○○とは、「エビデンスが無い治療」のことです。
そうであれば彼らは、
「エビデンスのある治療であれば責任を負ってくれる」ことになります。
しかし、医者が、どのようにして患者さんの治療に責任を負うのでしょうか。
エビデンスのある治療、
すなわち標準的抗癌剤治療を行ったとき、
その言葉を口にする医者は、患者さん、治療結果に対して、
如何に責任を負うのでしょうか。
標準的抗癌剤治療を行えば、
確率は低いものの抗癌剤の副作用で命を落とす患者さんだって、
エビデンスどおりに確実に存在します。
今までも、日本では相当数の患者さんが抗癌剤の副作用で亡くなられています。
そのような時、どのように医者は責任を負うのでしょうか。
その責任を負って、腹を切って死んだ医者など、聞いたことがありません。
もしかすると、ひそかに教会に行ったり、
自宅でお線香を上げる医者もいるのかも知れませんが、
私は、聞いたことはありません。
抗癌剤の副作用で患者さんが亡くなられても、
それは、エビデンスの一部であり、
医者は一切責任を負いません。
「残念でした」の一言でお終いです。
そもそも、
1月12日の「ガン医療現場で使われる言葉、生存期間中央値」
1月14日の「ガン医療現場で使われる言葉、エビデンスEBM(Evidence)」
1月15日の「ガン医療現場で使われる言葉、エビデンスEBM(Evidence)」(2)
をはじめ、散々書いてきたとおり、
再発ガン、切除不能ガンに対する抗癌剤治療のエビデンスとは、ほとんどの場合、
「無治療で経過を診たグループより、○ケ月長生きできる。」という、
患者さんは亡くなられることを前提としたエビデンスです。
そのエビデンスでは、仮に生存期間中央値が10ヶ月であっても、
1月で亡くなられる患者さんも存在しています。
それも、エビデンスです。
「責任は負えません。」という言葉を使い、
「責任を負うはずの治療」に導き、
その結果、患者さんがエビデンスどおり亡くなられても、
その医者は、一切「責任は負いません。」
こんな理不尽な話があるでしょうか。
あらゆる治療において、
すべての責任を負うのは患者さんタダ一人です。
勿論、医療ミスなどがあれば、
その責任は医療従事者が負うことになりますが、
それとは意味が違います。
外科医の場合、手術後に患者さんの経過が悪かった時など、
その手術に落ち度が無かったとしても、
懸命に患者さんを診ます。
責任を負います。
私が研修医の時代ですが、
手術後の経過が悪く、重篤な状態に陥り、
ICU(集中治療室)に入った患者さんを、
30日以上大学に泊り込みで治療をして、
30何日かぶりで自宅に帰り寝たところ、
翌朝、自分のベットの中で冷たくなって発見された先輩がいます。
極端な例ですが、外科医は手術に責任を負います。
しかし、抗癌剤治療に責任を負う腫瘍内科医を私は知りません。
再発、切除不能のガン治療に対して、
患者さんに、治療結果に、責任を負う医者は存在しません。
「責任は負えません。」などと、
無責任極まりない言葉を口にする医者は絶対に信用するべきではないと思います。
このブログをお読みになられている患者さんの中にも、
主治医からこの言葉を聞かれた方は多いのではないかと思います。
もし今後、医者から「責任は負えません。」と言われたら、
「先生の推奨する治療をした場合どのように責任を取ってもらえるのですか?」
と質問して下さい。
最近、患者さんから頻繁に聞く、主治医からの「責任は負えません。」という、
言葉の意味について書きました。
すべての結果責任を負わされてしまうのは、
如何なる場合にも患者さんご自身であることをお忘れなく。
以上 文責 梅澤 充



