昨日の「やはり宣伝塔!?」は、
keiko氏からの幾つかのコメントを読み、
危ない情報を含むものは消去し、
その後、その矛盾点を早々と書いて、
アップしたつもりでいたのですが、
実際にアップされたのは、
他のたくさんのごもっともなコメントをいただいた後になってしまいました。
ちょっとピンボケになってしまいました。
sei 氏からいただいた
「善意であっても」というコメントは、
まったくそのとおりだと思います。
私も常々思っていることの一つです。
再掲したかったのですが、
ボリュームが大き過ぎるので、
一昨日の「生きる宣伝塔」のコメント欄で是非ご一読ください。
多くのかたは、
溢れる善意から、
ガンを患う患者さんに対して、
“とてもありがたい”アドバイスを与えているのだと思います。
「ガンが治る」と患者さんを騙して、
まったく無効なアロマ水を売り歩くような、
いかさまサプリメントの業者などでない限り、
けっして悪意などないと思います。
しかし、大きな迷惑になる可能性は十分にあります。
実際に私はその大きな迷惑を受けている患者さんを
何人も診てきました。
今も診ています。
keiko氏についても
昨日は宣伝塔、宣教師と書きましたが、
もしかしたら善意でのコメントだったのかも知れません。
その真意は分かりません。
しかし、結果として、
真実と大きく異なることまで書いて、
玄米菜食の有効性を主張されています。
ご自身にとっては一人に試して一人に有効であったのですから
100%の有効率です。
その100%を善意で他人に押し付けます。
大きな迷惑です。
そしてsei氏が言われるように、
当然の結果として効果が現れなかったときの責任は誰も取りません。
「玄米菜食では、絶対にガンは治りません」
という確証はありません。
かつて、ご自身の尿を飲まれて、
ガンが快方に向かった患者さんも診たことがあります。
ガンは何が起こるかまったく分かりません。
自然治癒もあります。
しかし、玄米菜食では、
まったく証明されていませんが、
完全な無治療よりは、
もしも僅かな延命効果があったとしても、
99%。
否、恐らく99.9%か99.99%の玄米菜食のガン患者さんは
最終的にはガンの進行による死に至ります。
人間はガンが進行し死が近くなると、
食事が摂れなくなってきます。
まして玄米や野菜など、
消化し難い食物はなおさらです。
その時、玄米菜食を治療と考えていた患者さんは、
如何するのでしょうか。
99.9%の患者さんは確実にその状態に至ります。
そこではじめてその治療が無効であったことを知り、
その治療を断念するのでしょうか。
あるいは、まだその時点でも、
玄米菜食の有効性を信じて、
それを続けようと試みるのでしょうか。
しかし、そのときには、
もはや玄米菜食など摂ることは不可能です。
断腸の思いで、
玄米菜食という唯一信じたガン治療?を断念するのでしょうか。
あるいは餓死する道を選ぶのでしょうか。
いずれにしても、
玄米菜食に囚われてしまった99.9%の患者さんでは、
長くはなかった闘病期間において、
食の楽しみを奪われて、
食べたかったものも食べることが許されずに
人生を終わるのです。
いつもご家族連れで外来に来られる患者さんが、
たまたまお一人で来たときなど、
「食事のときに、家の者に、
あれはダメ、これもダメ、
それは食べなければダメと、いつも言われて、
好きなものを食べることができない」
と言われるのを時々聞きます。
今も数名おられます。
勿論、毎回付き添って来られるようなご家族であり、
悪気などまったくありません。
「少しでも患者さんに長生きしてほしい」
ただそれだけの純粋な願いだけで、
藁を掴んでしまい、
「根拠の無い噂」に翻弄されているのです。
いい迷惑、お気の毒なのは患者さんご自身です。
患者さんも病気になってしまったという負い目がありますから、
ご家族の命令に従います。
しかし食べたいものを我慢させられても、
寿命は延びません。
むしろ、それがストレスになれば、
ガンの進行を加速し、
寿命を縮める可能性も十分に考えられます。
さらに、食べたいもの、好きなものを食べられなければ、
生きていたいという意欲が、
大きく削がれるのは事実だと思います。
その患者さんの意欲は寿命と極めて密接につながっています。
何回も書きますが、
玄米菜食などの食事療法では、
ガンは治りません。
ガンが治っている、
あるいは治ったモドキの状態の患者さんには、
その食事が楽しければ、
悪くはないかも知れません。
しかし、治らないと診断されたガンが、
治ることはありません。
勿論、「食事療法で治った」という患者さんがいることは事実であり、
それは私も知っています。
しかし、ガンという病気の多様性を考えれば、
治らないはずの抗癌剤治療でガンが治っている患者さんもいますから、
その奇跡は、
食事療法に限ったことではありません。
標準治療で治らないと同じに、
「玄米菜食・食事療法ではガンは治らない」
と考えたほうが無難です。
宝くじで絶対に1等賞を引き当てる自身のある患者さんは、
試してみるのも悪くはないと思いますが、
そこで失うものの大きさは
挑戦する前に考えておいたほうが無難です。
「食事療法でガンが良くなった」というただ一つの経験を
コメントする患者さんやご家族と同様に、
私も「食事療法の無力」と同時に
「食事療法の悲劇」を嫌というほど見せつけられてきたので、
サプリメントの業者などからは相当反発があることを覚悟で、
敢えて書いているのです。
また、これは食事だけではありません。
他の代替療法すべてでいえることです。
「爪を揉んでもガンは治りません」
ただし、爪を揉むことで失うものは無いように思います。
失うものが無ければ何を試しても悪くはないと考えています。
しかし、食事療法で失うものは小さくありません。
「玄米菜食・食事療法でガンが治る」
これは根拠の無いただの「ウワサ」です。
近づかないほうが無難です。
噂に翻弄されてしまうと、
被害を受けるのは患者さんです。
なお、今後、
「○○でガンが治った」
の類のコメントは実名、連絡先を明記の上で投稿お願いします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
keiko氏からの幾つかのコメントを読み、
危ない情報を含むものは消去し、
その後、その矛盾点を早々と書いて、
アップしたつもりでいたのですが、
実際にアップされたのは、
他のたくさんのごもっともなコメントをいただいた後になってしまいました。
ちょっとピンボケになってしまいました。
sei 氏からいただいた
「善意であっても」というコメントは、
まったくそのとおりだと思います。
私も常々思っていることの一つです。
再掲したかったのですが、
ボリュームが大き過ぎるので、
一昨日の「生きる宣伝塔」のコメント欄で是非ご一読ください。
多くのかたは、
溢れる善意から、
ガンを患う患者さんに対して、
“とてもありがたい”アドバイスを与えているのだと思います。
「ガンが治る」と患者さんを騙して、
まったく無効なアロマ水を売り歩くような、
いかさまサプリメントの業者などでない限り、
けっして悪意などないと思います。
しかし、大きな迷惑になる可能性は十分にあります。
実際に私はその大きな迷惑を受けている患者さんを
何人も診てきました。
今も診ています。
keiko氏についても
昨日は宣伝塔、宣教師と書きましたが、
もしかしたら善意でのコメントだったのかも知れません。
その真意は分かりません。
しかし、結果として、
真実と大きく異なることまで書いて、
玄米菜食の有効性を主張されています。
ご自身にとっては一人に試して一人に有効であったのですから
100%の有効率です。
その100%を善意で他人に押し付けます。
大きな迷惑です。
そしてsei氏が言われるように、
当然の結果として効果が現れなかったときの責任は誰も取りません。
「玄米菜食では、絶対にガンは治りません」
という確証はありません。
かつて、ご自身の尿を飲まれて、
ガンが快方に向かった患者さんも診たことがあります。
ガンは何が起こるかまったく分かりません。
自然治癒もあります。
しかし、玄米菜食では、
まったく証明されていませんが、
完全な無治療よりは、
もしも僅かな延命効果があったとしても、
99%。
否、恐らく99.9%か99.99%の玄米菜食のガン患者さんは
最終的にはガンの進行による死に至ります。
人間はガンが進行し死が近くなると、
食事が摂れなくなってきます。
まして玄米や野菜など、
消化し難い食物はなおさらです。
その時、玄米菜食を治療と考えていた患者さんは、
如何するのでしょうか。
99.9%の患者さんは確実にその状態に至ります。
そこではじめてその治療が無効であったことを知り、
その治療を断念するのでしょうか。
あるいは、まだその時点でも、
玄米菜食の有効性を信じて、
それを続けようと試みるのでしょうか。
しかし、そのときには、
もはや玄米菜食など摂ることは不可能です。
断腸の思いで、
玄米菜食という唯一信じたガン治療?を断念するのでしょうか。
あるいは餓死する道を選ぶのでしょうか。
いずれにしても、
玄米菜食に囚われてしまった99.9%の患者さんでは、
長くはなかった闘病期間において、
食の楽しみを奪われて、
食べたかったものも食べることが許されずに
人生を終わるのです。
いつもご家族連れで外来に来られる患者さんが、
たまたまお一人で来たときなど、
「食事のときに、家の者に、
あれはダメ、これもダメ、
それは食べなければダメと、いつも言われて、
好きなものを食べることができない」
と言われるのを時々聞きます。
今も数名おられます。
勿論、毎回付き添って来られるようなご家族であり、
悪気などまったくありません。
「少しでも患者さんに長生きしてほしい」
ただそれだけの純粋な願いだけで、
藁を掴んでしまい、
「根拠の無い噂」に翻弄されているのです。
いい迷惑、お気の毒なのは患者さんご自身です。
患者さんも病気になってしまったという負い目がありますから、
ご家族の命令に従います。
しかし食べたいものを我慢させられても、
寿命は延びません。
むしろ、それがストレスになれば、
ガンの進行を加速し、
寿命を縮める可能性も十分に考えられます。
さらに、食べたいもの、好きなものを食べられなければ、
生きていたいという意欲が、
大きく削がれるのは事実だと思います。
その患者さんの意欲は寿命と極めて密接につながっています。
何回も書きますが、
玄米菜食などの食事療法では、
ガンは治りません。
ガンが治っている、
あるいは治ったモドキの状態の患者さんには、
その食事が楽しければ、
悪くはないかも知れません。
しかし、治らないと診断されたガンが、
治ることはありません。
勿論、「食事療法で治った」という患者さんがいることは事実であり、
それは私も知っています。
しかし、ガンという病気の多様性を考えれば、
治らないはずの抗癌剤治療でガンが治っている患者さんもいますから、
その奇跡は、
食事療法に限ったことではありません。
標準治療で治らないと同じに、
「玄米菜食・食事療法ではガンは治らない」
と考えたほうが無難です。
宝くじで絶対に1等賞を引き当てる自身のある患者さんは、
試してみるのも悪くはないと思いますが、
そこで失うものの大きさは
挑戦する前に考えておいたほうが無難です。
「食事療法でガンが良くなった」というただ一つの経験を
コメントする患者さんやご家族と同様に、
私も「食事療法の無力」と同時に
「食事療法の悲劇」を嫌というほど見せつけられてきたので、
サプリメントの業者などからは相当反発があることを覚悟で、
敢えて書いているのです。
また、これは食事だけではありません。
他の代替療法すべてでいえることです。
「爪を揉んでもガンは治りません」
ただし、爪を揉むことで失うものは無いように思います。
失うものが無ければ何を試しても悪くはないと考えています。
しかし、食事療法で失うものは小さくありません。
「玄米菜食・食事療法でガンが治る」
これは根拠の無いただの「ウワサ」です。
近づかないほうが無難です。
噂に翻弄されてしまうと、
被害を受けるのは患者さんです。
なお、今後、
「○○でガンが治った」
の類のコメントは実名、連絡先を明記の上で投稿お願いします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。