大きな勘違いをしている患者さんをいまだにみます。
先日セカンドオピニオンに来られた患者さんのご家族もそうでした。
まだ、お若い患者さんですが、
配偶者だけでセカンドオピニオンに来られました。
大学病院お決まりの、
標準治療ではなく準標準でしたが、
治らない治療でした。
その上非常に激しい副作用に悩まされて、
完全に普通の日常は奪われていました。
それでも、
患者さんは
「この治療を続ければ治る」
と信じておられるそうです。
困ったことに、
そのご両親も、
まったく疑いなく、
その辛そうな我が子を目の当たりにして、
「これだけ苦しんでいるのだから治る」
と、これまた文字通り致命的な勘違いをされていました。
その治療内容を聞いて、
間違いなく私が治療を行ったほうが長生きは可能であると考え、
私が治療を引き受けようと思いましたが、
患者さんご本人とそのご両親の、
大きな勘違いを聞いて、
私には治療はできない、
と考えました。
根治、直ったモドキへの道が
完全に閉ざされているわけではありませんが、
残念ながら、
その道に到る可能性は極めて低いと思われます。
いずれかの時期には、
不幸な結末が待っていることが予想されます。
そのときに、
「大学病院での治療で治る」
と信じているご両親は、
間違いなく、
「こんな無名の医者に診せたから死んだ」
と、恨むことになります。
そんなことより、
治ると信じて、
辛い副作用に悩まされ、
普通の生活を奪われてしまうのは、
あまりにもお気の毒過ぎます。
残酷なようですが、
「その治療は治すことが目的でない」
「死ぬことが大前提の治療である」
という事実を知らせるべきだと考えます。
それを知れば、
「それならば、如何なる治療を選ぶべきか」
を考えはじめると思います。
治ることはなく、
ただただ辛いだけの治療は消え去り、
目の前にはたくさんの選択肢が現れてくるはずです。
治らないという事実を知らせることは、
一見残酷なように思えますが、
知らないで間違った道を選択して、
そのために終生苦しませてしまうよりは、
患者さんにとって遥かに優しいことだと思います。
一方、
老夫婦だけで治療に通ってこられる
90歳近い患者さんのご配偶者が、
「最近食が細くなった、何故ですか?」
と言うので、
「それはガンが進んでいるからですよ」
というと、
「アラ嫌だ、それじゃ抗がん剤で早く治してくださいよ!」
・・・・・
何も言う気にはなりませんでした。
事実は正確に把握しておいたほうが、
無難だと思います。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
先日セカンドオピニオンに来られた患者さんのご家族もそうでした。
まだ、お若い患者さんですが、
配偶者だけでセカンドオピニオンに来られました。
大学病院お決まりの、
標準治療ではなく準標準でしたが、
治らない治療でした。
その上非常に激しい副作用に悩まされて、
完全に普通の日常は奪われていました。
それでも、
患者さんは
「この治療を続ければ治る」
と信じておられるそうです。
困ったことに、
そのご両親も、
まったく疑いなく、
その辛そうな我が子を目の当たりにして、
「これだけ苦しんでいるのだから治る」
と、これまた文字通り致命的な勘違いをされていました。
その治療内容を聞いて、
間違いなく私が治療を行ったほうが長生きは可能であると考え、
私が治療を引き受けようと思いましたが、
患者さんご本人とそのご両親の、
大きな勘違いを聞いて、
私には治療はできない、
と考えました。
根治、直ったモドキへの道が
完全に閉ざされているわけではありませんが、
残念ながら、
その道に到る可能性は極めて低いと思われます。
いずれかの時期には、
不幸な結末が待っていることが予想されます。
そのときに、
「大学病院での治療で治る」
と信じているご両親は、
間違いなく、
「こんな無名の医者に診せたから死んだ」
と、恨むことになります。
そんなことより、
治ると信じて、
辛い副作用に悩まされ、
普通の生活を奪われてしまうのは、
あまりにもお気の毒過ぎます。
残酷なようですが、
「その治療は治すことが目的でない」
「死ぬことが大前提の治療である」
という事実を知らせるべきだと考えます。
それを知れば、
「それならば、如何なる治療を選ぶべきか」
を考えはじめると思います。
治ることはなく、
ただただ辛いだけの治療は消え去り、
目の前にはたくさんの選択肢が現れてくるはずです。
治らないという事実を知らせることは、
一見残酷なように思えますが、
知らないで間違った道を選択して、
そのために終生苦しませてしまうよりは、
患者さんにとって遥かに優しいことだと思います。
一方、
老夫婦だけで治療に通ってこられる
90歳近い患者さんのご配偶者が、
「最近食が細くなった、何故ですか?」
と言うので、
「それはガンが進んでいるからですよ」
というと、
「アラ嫌だ、それじゃ抗がん剤で早く治してくださいよ!」
・・・・・
何も言う気にはなりませんでした。
事実は正確に把握しておいたほうが、
無難だと思います。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。