先日、肝臓多発転移を伴い手術不能の消化器ガンを患った患者さんが
セカンドオピニオンを求めて町田胃腸病院に来られました。
持参された、検査データを見ると
腫瘍マーカーはここ4ヶ月ほど著明に低下していました。
十分の一以下に下がっていました。
画像診断でも、3月と4月のCTを比較すると肝臓転移は縮小していました。
しかし、その後のデータは腫瘍マーカーだけで、
CT検査はありませんでした。
すぐにCTを撮ってみました。
すると、腫瘍マーカーの見事な低下とは裏腹に、
肝臓の転移病巣は著明に悪化・増大していました。
しかし、原発病巣およびリンパ節は改善・縮小を認めました。
再発ガンや、手術不能ガンの治療経過中には、
この様に、腫瘍マーカーの動きと、
画像診断上の所見とが大きく食い違うことは珍しくありません。
腫瘍マーカーの増大を見れば、ガンが悪化していることは間違いありません。
しかし、それが低下したからといって
必ずしもガンが快方に向かっている証拠にはなりません。
何故この様なことが起こるのでしょうか。
それには、様々な原因が考えられますが、
一つは、ガンの塊が必ずしも均一な細胞で構成されているのではないことに由来します。
1cm3すなわち1cm四方の大きさにまでガンが成長すると、
そこには、概ね10億個のガン細胞が存在していると言われています。
その10億個の中には、Aという腫瘍マーカーを作る細胞(A細胞)、
Bという腫瘍マーカーを作る細胞(B細胞)、
Cという腫瘍マーカーを作る細胞(C細胞)、
何もマーカーを出さない細胞(No細胞)など様々な細胞が混在しています。
ある抗癌剤治療を行なったとき、
A細胞がたくさん殺されたのであれば、
腫瘍マーカーAは低下します。
逆にB細胞は増加してしまえば、
腫瘍マーカーBは増大します。
C細胞が、増えも減りもしなければ、
腫瘍マーカーCに変化はありません。
治療経過中に腫瘍マーカーA、Bは低下するも、
腫瘍マーカーCだけは増加するという現象は珍しくありません。
また、A細胞もB細胞もC細胞も揃って減少すれば
すべての腫瘍マーカーは下がります。
しかし、No細胞がそのA、B、C細胞の減少以上に大きく増大すれば、
一つのカタマリとしてのガンは増大します。
この様に、均一でない細胞に対して、抗癌剤治療の効果も違う為に、
腫瘍マーカーが低下しても、ガンの増大を見る。
ということは珍しくありません。
また、腫瘍マーカーは30個程度ありますが、
その全部を測定することはありません。
腫瘍マーカーが低下しているのに、ガンが増大している時には、
その測定していない腫瘍マーカーが増大している可能性はあります。
次の理由としては、
ご相談の患者さんもそうなのですが、
全身に対して抗癌剤治療を行なう時、
一部のガンは縮小するも、
他の場所のガンは逆に増大することもしばしば認める現象です。
例えば、肺と肝臓に転移があるとき、
点滴で全身に抗癌剤治療を行なうと、
肺の転移病巣は縮小するも、
肝臓の病巣は増大する。
その逆もあります。
この時、肺の病巣のガン細胞が作り出している腫瘍マーカーが、
100から10にまで減少して、
肝臓の病巣のガン細胞が作り出す腫瘍マーカーが、
100から150にまで増加したなら、
全身では100+100=200から10+150=160にまで、
2割の減少を認めることになります。
腫瘍マーカーだけから判断すれば、
ガンはいい方向に向かっているかのように見えます。
ところが、肝臓の病巣が増大して、
それが致命傷になってしまうこともあります。
ご相談の患者さんは、今後町田胃腸病院で治療することになりましたが、
肝臓の転移病巣がこのまま増大すればそれが命取りになります。
先ず抗癌剤を変えて、治療してみて、
同時に、頻回にCTおよび腫瘍マーカーの検査を行い、
やはり、肝臓の病巣が増大するのであれば、
肝臓の動脈に抗癌剤を直接注入する治療も併用していきます。
腫瘍マーカーは血液だけで手軽にガンの状態を知ることができる、
ガン治療には無くてはならない存在ですが、
あくまで一つの指標に過ぎません。
腫瘍マーカーだけで、判断していると、大きな落とし穴が待っています。
ご注意下さい。
以上 文責 梅澤 充
追記 「出鱈目病院で働く職員」という方から、
隠しコメントを頂きました。
5月27日の「日本医療機能評価機構」
5月28日の「病院を決めるということ」
5月29日の「おまじない?」
5月30日の「ガンと長く仲良く付き合うために」の追記
5月31日の「実名を暴露しろ」
6月4日の「個人的なお知らせ」
で、書いてきた出鱈目病院の内情について、
「先生(梅澤 充)のブログの内容は間違いない。他の不正も教えて欲しい。」
というものでした。
私は、病院名は出していないのですが、
何故か、自分の勤務する病院のことだと思われたようです。
他にもある不正とは、内部の医者が告発するまで伏せておきます。
お得意の書類の改竄をされてしまうと困りますので・・・
セカンドオピニオンを求めて町田胃腸病院に来られました。
持参された、検査データを見ると
腫瘍マーカーはここ4ヶ月ほど著明に低下していました。
十分の一以下に下がっていました。
画像診断でも、3月と4月のCTを比較すると肝臓転移は縮小していました。
しかし、その後のデータは腫瘍マーカーだけで、
CT検査はありませんでした。
すぐにCTを撮ってみました。
すると、腫瘍マーカーの見事な低下とは裏腹に、
肝臓の転移病巣は著明に悪化・増大していました。
しかし、原発病巣およびリンパ節は改善・縮小を認めました。
再発ガンや、手術不能ガンの治療経過中には、
この様に、腫瘍マーカーの動きと、
画像診断上の所見とが大きく食い違うことは珍しくありません。
腫瘍マーカーの増大を見れば、ガンが悪化していることは間違いありません。
しかし、それが低下したからといって
必ずしもガンが快方に向かっている証拠にはなりません。
何故この様なことが起こるのでしょうか。
それには、様々な原因が考えられますが、
一つは、ガンの塊が必ずしも均一な細胞で構成されているのではないことに由来します。
1cm3すなわち1cm四方の大きさにまでガンが成長すると、
そこには、概ね10億個のガン細胞が存在していると言われています。
その10億個の中には、Aという腫瘍マーカーを作る細胞(A細胞)、
Bという腫瘍マーカーを作る細胞(B細胞)、
Cという腫瘍マーカーを作る細胞(C細胞)、
何もマーカーを出さない細胞(No細胞)など様々な細胞が混在しています。
ある抗癌剤治療を行なったとき、
A細胞がたくさん殺されたのであれば、
腫瘍マーカーAは低下します。
逆にB細胞は増加してしまえば、
腫瘍マーカーBは増大します。
C細胞が、増えも減りもしなければ、
腫瘍マーカーCに変化はありません。
治療経過中に腫瘍マーカーA、Bは低下するも、
腫瘍マーカーCだけは増加するという現象は珍しくありません。
また、A細胞もB細胞もC細胞も揃って減少すれば
すべての腫瘍マーカーは下がります。
しかし、No細胞がそのA、B、C細胞の減少以上に大きく増大すれば、
一つのカタマリとしてのガンは増大します。
この様に、均一でない細胞に対して、抗癌剤治療の効果も違う為に、
腫瘍マーカーが低下しても、ガンの増大を見る。
ということは珍しくありません。
また、腫瘍マーカーは30個程度ありますが、
その全部を測定することはありません。
腫瘍マーカーが低下しているのに、ガンが増大している時には、
その測定していない腫瘍マーカーが増大している可能性はあります。
次の理由としては、
ご相談の患者さんもそうなのですが、
全身に対して抗癌剤治療を行なう時、
一部のガンは縮小するも、
他の場所のガンは逆に増大することもしばしば認める現象です。
例えば、肺と肝臓に転移があるとき、
点滴で全身に抗癌剤治療を行なうと、
肺の転移病巣は縮小するも、
肝臓の病巣は増大する。
その逆もあります。
この時、肺の病巣のガン細胞が作り出している腫瘍マーカーが、
100から10にまで減少して、
肝臓の病巣のガン細胞が作り出す腫瘍マーカーが、
100から150にまで増加したなら、
全身では100+100=200から10+150=160にまで、
2割の減少を認めることになります。
腫瘍マーカーだけから判断すれば、
ガンはいい方向に向かっているかのように見えます。
ところが、肝臓の病巣が増大して、
それが致命傷になってしまうこともあります。
ご相談の患者さんは、今後町田胃腸病院で治療することになりましたが、
肝臓の転移病巣がこのまま増大すればそれが命取りになります。
先ず抗癌剤を変えて、治療してみて、
同時に、頻回にCTおよび腫瘍マーカーの検査を行い、
やはり、肝臓の病巣が増大するのであれば、
肝臓の動脈に抗癌剤を直接注入する治療も併用していきます。
腫瘍マーカーは血液だけで手軽にガンの状態を知ることができる、
ガン治療には無くてはならない存在ですが、
あくまで一つの指標に過ぎません。
腫瘍マーカーだけで、判断していると、大きな落とし穴が待っています。
ご注意下さい。
以上 文責 梅澤 充
追記 「出鱈目病院で働く職員」という方から、
隠しコメントを頂きました。
5月27日の「日本医療機能評価機構」
5月28日の「病院を決めるということ」
5月29日の「おまじない?」
5月30日の「ガンと長く仲良く付き合うために」の追記
5月31日の「実名を暴露しろ」
6月4日の「個人的なお知らせ」
で、書いてきた出鱈目病院の内情について、
「先生(梅澤 充)のブログの内容は間違いない。他の不正も教えて欲しい。」
というものでした。
私は、病院名は出していないのですが、
何故か、自分の勤務する病院のことだと思われたようです。
他にもある不正とは、内部の医者が告発するまで伏せておきます。
お得意の書類の改竄をされてしまうと困りますので・・・



