切除不能ガン、再発ガンに対する抗癌剤治療では、
初めに行なう抗癌剤治療をファーストライン治療といいます。
しかしその時に使う抗癌剤が、
初めの内は効いていても、いずれ効かなくなる。
または初めから効かない。
あるいは、副作用に耐え切れず継続することが不可能。
などの状態では、初めに使った抗癌剤の変更を余儀無くされます。
次に行なわれる抗癌剤治療をセカンドライン治療といいます。
ファーストラインの治療が奏功してくれたときには、
標準的抗癌剤治療で使われる最大耐用容量の抗癌剤により
身体にダメージは残りますが、
ガンも縮小してくれたのですから、
その分の延命は期待できます。
しかし、効かなかった時には、
最大耐用容量の抗癌剤による身体のダメージとガンの増大を残して、
セカンドラインへ移らなければならなくなります。
最大耐用容量については、
4月18日の「最大耐用容量と最大維持可能量」
で書きました。ご参考になさって下さい。
そしてセカンドライン治療も、
ファーストライン治療と同様に、
その治療の継続が不可能になると、
次にはサードラインの抗癌剤治療が待っています。
しかし、ガンの種類により違いはありますが、
標準的抗癌剤治療では、サードラインに辿りつくまでに、
多くの患者さんはすべての治療を終わってしまいます。
ガンの進行あるいは最大耐用容量の抗癌剤の副作用で、
生命を支えていくだけの体力が失われてしまします。
そもそも、ファーストラインの標準的抗癌剤治療のエビデンスは、
先ず、治験を行い、そのスケジュールの治療で、
どの程度の効果があるかを確認する過程で得られたデータですから、
その標準的抗癌剤治療で生存期間がどの程度かが判っているだけです。
次の治療など意識することなく行なわれる治験ですから、
そのファーストラインの治療で、
全身状態の大きく低下した状態で開始される
セカンドラインの治療効果などほとんど不明です。
古いエビデンスの治療であれば、
ファーストライン治療で生き残った運のいい患者さんを対象に、
セカンドライン治療を行い、その治療成績も出てきてはいますが、
○○がんセンターや大学病院で行なわれている、
最新のエビデンスに基づく標準的抗癌剤治療では、
セカンドラインのエビデンスは出ていません。
2月17日の「エビデンスが無いときは?」で書いたような、
セカンドラインのエビデンス作りに患者さんにご協力願うのかも知れません。
あるいは、全身状態が悪化している場合、セカンドラインに移る前に、
3月26日の「もはや治療方法はありません」で書いた、
その常套句が登場してきます。
その先は、ホスピスを勧められるか、
諦めきれない多くの患者さんやご家族は“ガン難民”になってしまいます。
勿論、ファーストライン、セカンドライン、サードラインと
効果が大きいと思われる順番に抗癌剤治療を進めてはいきますが、
それは、統計上、エビデンス上の問題であり、
今治療を受けている患者さんのガンが、
その順番で効果があるとは限りません。
また、患者さんの身体がその順番に抗癌剤に適合する、
すなわち副作用が少ないとはまったく言えません。
サードラインの次には当然、
フォースライン、第4の治療もあり得ます。
その次には第5も、第6治療もあります。
抗癌剤の種類を考えれば、
ほとんどのガンで10番目以上の抗癌剤治療が存在します。
いくら統計学上、エビデンス上その順番であっても、
目の前の患者さんに、
ファーストラインが一番有効とは限りません。
サードライン、フォースラインが最善かも知れません。
確率だけの問題です。
勿論、エビデンスに基づいて治療を進める時には、
確率が唯一無二の治療決定因子ですが、
はずれた時の代償はあまりにも大きくなります。
標準的抗癌剤治療のように最大耐用容量での治療が、
必ずしも間違っているとは考えてはいませんが、
はずれた時のダメージを考えると、
「当たるも八卦、はずれるも八卦」のような治療は、
やはり無謀ではないかと考えます。
唯一当たる確率を高くする方法は、
たくさんクジを買うことです。
宝くじだって一枚買った人より、
100枚買った人の方が、当たる確率は100倍になります。
私は競馬はやったことがありませんが、
同じ資金であるなら、一点買いするより、
勝ちそうな馬を中心に、
何点にも小分けにして買っていった方が、
当たる確率は高くなります。
大儲けはできませんが、
はずれてスッカラカンになる確率は、
一点買いより遥かに低くなります。
抗癌剤治療で賭けるのは患者さんの命です。
「最大耐用容量の一点買い」はけっしてお勧めしません。
最大耐用容量では、例え当たったとしても、
その利益は、エビデンスどおりの極めてお粗末な低配当です。
ファーストラインの一点買いではなく、
体力という虎の子の財産は可能な限り温存して、
それを使うときにはできるだけ小出しにして、
当りに出会うまで、少しずつ様々な抗癌剤治療を買っていって、
その患者さんに効果のある抗癌剤治療という当たりクジを引いたなら、
その配当で今までどおりの生活を続けていく。
そこで、いい気になって全財産を投げ売ってしまうと、
次に何か起こったとき、
対処の方法がなくなってしまいます。
一つのガンに対して効果が期待できる抗癌剤は一つや二つではありません。
ガンの種類で異なりますが、多くの場合、
組み合わせを考えると軽く十は超えます。
すべての抗癌剤治療がハズレクジであったならば、
残念なことですが、諦めがつくのではないでしょうか。
しかし、他の選択肢、
可能性のある武器を残しての敗戦では、
大きな悔いが残ります。
また、当たりの抗癌剤治療は、
いい気になって大量に使わなければ、
長〜く使い続けることができます。
これは間違いない事実です。
人生の賭けは慎重に考えて下さい。
以上 文責 梅澤 充
初めに行なう抗癌剤治療をファーストライン治療といいます。
しかしその時に使う抗癌剤が、
初めの内は効いていても、いずれ効かなくなる。
または初めから効かない。
あるいは、副作用に耐え切れず継続することが不可能。
などの状態では、初めに使った抗癌剤の変更を余儀無くされます。
次に行なわれる抗癌剤治療をセカンドライン治療といいます。
ファーストラインの治療が奏功してくれたときには、
標準的抗癌剤治療で使われる最大耐用容量の抗癌剤により
身体にダメージは残りますが、
ガンも縮小してくれたのですから、
その分の延命は期待できます。
しかし、効かなかった時には、
最大耐用容量の抗癌剤による身体のダメージとガンの増大を残して、
セカンドラインへ移らなければならなくなります。
最大耐用容量については、
4月18日の「最大耐用容量と最大維持可能量」
で書きました。ご参考になさって下さい。
そしてセカンドライン治療も、
ファーストライン治療と同様に、
その治療の継続が不可能になると、
次にはサードラインの抗癌剤治療が待っています。
しかし、ガンの種類により違いはありますが、
標準的抗癌剤治療では、サードラインに辿りつくまでに、
多くの患者さんはすべての治療を終わってしまいます。
ガンの進行あるいは最大耐用容量の抗癌剤の副作用で、
生命を支えていくだけの体力が失われてしまします。
そもそも、ファーストラインの標準的抗癌剤治療のエビデンスは、
先ず、治験を行い、そのスケジュールの治療で、
どの程度の効果があるかを確認する過程で得られたデータですから、
その標準的抗癌剤治療で生存期間がどの程度かが判っているだけです。
次の治療など意識することなく行なわれる治験ですから、
そのファーストラインの治療で、
全身状態の大きく低下した状態で開始される
セカンドラインの治療効果などほとんど不明です。
古いエビデンスの治療であれば、
ファーストライン治療で生き残った運のいい患者さんを対象に、
セカンドライン治療を行い、その治療成績も出てきてはいますが、
○○がんセンターや大学病院で行なわれている、
最新のエビデンスに基づく標準的抗癌剤治療では、
セカンドラインのエビデンスは出ていません。
2月17日の「エビデンスが無いときは?」で書いたような、
セカンドラインのエビデンス作りに患者さんにご協力願うのかも知れません。
あるいは、全身状態が悪化している場合、セカンドラインに移る前に、
3月26日の「もはや治療方法はありません」で書いた、
その常套句が登場してきます。
その先は、ホスピスを勧められるか、
諦めきれない多くの患者さんやご家族は“ガン難民”になってしまいます。
勿論、ファーストライン、セカンドライン、サードラインと
効果が大きいと思われる順番に抗癌剤治療を進めてはいきますが、
それは、統計上、エビデンス上の問題であり、
今治療を受けている患者さんのガンが、
その順番で効果があるとは限りません。
また、患者さんの身体がその順番に抗癌剤に適合する、
すなわち副作用が少ないとはまったく言えません。
サードラインの次には当然、
フォースライン、第4の治療もあり得ます。
その次には第5も、第6治療もあります。
抗癌剤の種類を考えれば、
ほとんどのガンで10番目以上の抗癌剤治療が存在します。
いくら統計学上、エビデンス上その順番であっても、
目の前の患者さんに、
ファーストラインが一番有効とは限りません。
サードライン、フォースラインが最善かも知れません。
確率だけの問題です。
勿論、エビデンスに基づいて治療を進める時には、
確率が唯一無二の治療決定因子ですが、
はずれた時の代償はあまりにも大きくなります。
標準的抗癌剤治療のように最大耐用容量での治療が、
必ずしも間違っているとは考えてはいませんが、
はずれた時のダメージを考えると、
「当たるも八卦、はずれるも八卦」のような治療は、
やはり無謀ではないかと考えます。
唯一当たる確率を高くする方法は、
たくさんクジを買うことです。
宝くじだって一枚買った人より、
100枚買った人の方が、当たる確率は100倍になります。
私は競馬はやったことがありませんが、
同じ資金であるなら、一点買いするより、
勝ちそうな馬を中心に、
何点にも小分けにして買っていった方が、
当たる確率は高くなります。
大儲けはできませんが、
はずれてスッカラカンになる確率は、
一点買いより遥かに低くなります。
抗癌剤治療で賭けるのは患者さんの命です。
「最大耐用容量の一点買い」はけっしてお勧めしません。
最大耐用容量では、例え当たったとしても、
その利益は、エビデンスどおりの極めてお粗末な低配当です。
ファーストラインの一点買いではなく、
体力という虎の子の財産は可能な限り温存して、
それを使うときにはできるだけ小出しにして、
当りに出会うまで、少しずつ様々な抗癌剤治療を買っていって、
その患者さんに効果のある抗癌剤治療という当たりクジを引いたなら、
その配当で今までどおりの生活を続けていく。
そこで、いい気になって全財産を投げ売ってしまうと、
次に何か起こったとき、
対処の方法がなくなってしまいます。
一つのガンに対して効果が期待できる抗癌剤は一つや二つではありません。
ガンの種類で異なりますが、多くの場合、
組み合わせを考えると軽く十は超えます。
すべての抗癌剤治療がハズレクジであったならば、
残念なことですが、諦めがつくのではないでしょうか。
しかし、他の選択肢、
可能性のある武器を残しての敗戦では、
大きな悔いが残ります。
また、当たりの抗癌剤治療は、
いい気になって大量に使わなければ、
長〜く使い続けることができます。
これは間違いない事実です。
人生の賭けは慎重に考えて下さい。
以上 文責 梅澤 充



