昨日、関西の方からある患者さんのご家族が相談に来られました。
切除不能の胃ガンの患者さんについてです。
手術を行うも、腹膜転移を認め切除不能とのことでした。
その後は当然のごとく、標準的抗癌剤治療を勧められました。
しかし、そのあまり利益の大きくない治療は望まれず、
私のところへも何度かメールで相談され、
その後、イロイロ考え、
「標準ではない抗癌剤治療」を希望されましたが、
その病院では、これまた当然のごとく、
「それはここではできません」と言われ、
必死に病院を探し、休眠療法を行っている病院を探し当てて、
そこで治療することになりました。
手術を受けた病院から休眠療法の病院へ
転院する時に、主治医がボソッと一言、
「本当は抗癌剤は少しずつ使うのが一番いいんですよ」というようなことを言ったそうです。
これが、医者の本音だと思います。
そして、自分の身内が患者であったなら、
標準的抗癌剤治療は行なわないと思います。
「抗癌剤は少しずつ使う」ことだと思います。
何故「本当は一番いいんですよ」ということを患者さんに勧めないのか、
私には理解できません。
しかし、理解できないだけで、
そのような理不尽な行動をとるからには、何らかの理由があるはずです。
その理由の一つは
6月23日の「自己責任」
6月24日の「自己責任」(2)
で書いたように、患者さんおよびご家族自身が自分の治療に対して、
結果責任の所在の不明確さにもあるように思います。
もう一つは、
これも当ブログでしつこいほど書いてきた、
患者さん、ご家族の不勉強に起因しているように思います。
これも、自己責任に関連するのですが、
患者さんがガン治療について完全な無知であったなら、
標準的な治療以外の治療を勧めることは、
医者にリスクを負わせます。
現在の訴訟社会になりつつある日本では、
そんなリスクを負ってまで治療をする医者はいないと思います。
また、日本の病院の忙しい外来で、
標準的抗癌剤治療以外の治療を説明して、
「標準的ではない治療とどちらを選択しますか」
と、患者さんにいちいち説明する医者はいないと思います。
ただ当然理由はそれだけではないはずです。
実際に、このご相談の患者さんの場合、
自分から治療方法を提示しているのに、
それを、受け入れてもらえないのです。
自己責任も知識もしっかりしている患者さんです。
原因について邪推してみます。
○○ヵ月以内に半分の患者さんが死ぬというエビデンスが、
本当に素晴らしいと信じ込んで疑わない。
これは、十分にあると思います。
たしかに標準的ではない治療で、
エビデンスのしっかりしている治療は見当たりません。
しかし、多くの腫瘍内科医は、
抗癌剤治療にまったく延命効果が認められない時代から、
すなわち、まったくエビデンスの無い時代に、
ひたすら、その治療を行なっていた意味が判りませんが・・・
もう一つの邪推は、
病院のシステムが、
抗癌剤治療は、
エビデンスを錦の御旗にした標準的抗癌剤治療だけを至高の治療と崇める
腫瘍内科医だけが行ない、他科の医者は手を出せない決まりになっている。
ということもあるのかも知れません。
恐らく、
「本当は抗癌剤は少しずつ使うのが一番いいんですよ」
と本音を漏らしたのは外科の主治医だと思います。
外科医は、そのように考えるも、
内科医の手前「一番いい」ことはできないでいるのかも知れません。
縄張り争いがあるのかも知れません。
本日は、
医者の本音と病院の建前の大きな隔たりを
見せつけられましたので、
そのことについて邪推も込めて書きました。
以上 文責 梅澤 充
切除不能の胃ガンの患者さんについてです。
手術を行うも、腹膜転移を認め切除不能とのことでした。
その後は当然のごとく、標準的抗癌剤治療を勧められました。
しかし、そのあまり利益の大きくない治療は望まれず、
私のところへも何度かメールで相談され、
その後、イロイロ考え、
「標準ではない抗癌剤治療」を希望されましたが、
その病院では、これまた当然のごとく、
「それはここではできません」と言われ、
必死に病院を探し、休眠療法を行っている病院を探し当てて、
そこで治療することになりました。
手術を受けた病院から休眠療法の病院へ
転院する時に、主治医がボソッと一言、
「本当は抗癌剤は少しずつ使うのが一番いいんですよ」というようなことを言ったそうです。
これが、医者の本音だと思います。
そして、自分の身内が患者であったなら、
標準的抗癌剤治療は行なわないと思います。
「抗癌剤は少しずつ使う」ことだと思います。
何故「本当は一番いいんですよ」ということを患者さんに勧めないのか、
私には理解できません。
しかし、理解できないだけで、
そのような理不尽な行動をとるからには、何らかの理由があるはずです。
その理由の一つは
6月23日の「自己責任」
6月24日の「自己責任」(2)
で書いたように、患者さんおよびご家族自身が自分の治療に対して、
結果責任の所在の不明確さにもあるように思います。
もう一つは、
これも当ブログでしつこいほど書いてきた、
患者さん、ご家族の不勉強に起因しているように思います。
これも、自己責任に関連するのですが、
患者さんがガン治療について完全な無知であったなら、
標準的な治療以外の治療を勧めることは、
医者にリスクを負わせます。
現在の訴訟社会になりつつある日本では、
そんなリスクを負ってまで治療をする医者はいないと思います。
また、日本の病院の忙しい外来で、
標準的抗癌剤治療以外の治療を説明して、
「標準的ではない治療とどちらを選択しますか」
と、患者さんにいちいち説明する医者はいないと思います。
ただ当然理由はそれだけではないはずです。
実際に、このご相談の患者さんの場合、
自分から治療方法を提示しているのに、
それを、受け入れてもらえないのです。
自己責任も知識もしっかりしている患者さんです。
原因について邪推してみます。
○○ヵ月以内に半分の患者さんが死ぬというエビデンスが、
本当に素晴らしいと信じ込んで疑わない。
これは、十分にあると思います。
たしかに標準的ではない治療で、
エビデンスのしっかりしている治療は見当たりません。
しかし、多くの腫瘍内科医は、
抗癌剤治療にまったく延命効果が認められない時代から、
すなわち、まったくエビデンスの無い時代に、
ひたすら、その治療を行なっていた意味が判りませんが・・・
もう一つの邪推は、
病院のシステムが、
抗癌剤治療は、
エビデンスを錦の御旗にした標準的抗癌剤治療だけを至高の治療と崇める
腫瘍内科医だけが行ない、他科の医者は手を出せない決まりになっている。
ということもあるのかも知れません。
恐らく、
「本当は抗癌剤は少しずつ使うのが一番いいんですよ」
と本音を漏らしたのは外科の主治医だと思います。
外科医は、そのように考えるも、
内科医の手前「一番いい」ことはできないでいるのかも知れません。
縄張り争いがあるのかも知れません。
本日は、
医者の本音と病院の建前の大きな隔たりを
見せつけられましたので、
そのことについて邪推も込めて書きました。
以上 文責 梅澤 充



