ガン治療には、
ご承知のとおり、
手術、放射線、抗癌剤さらに免疫治療などがありますが、
そのほかにも、
温熱療法という治療法もあります。
現在、大塚北口診療所では、
主に抗癌剤治療と併用で、
温熱療法も行っています。
世界での状況は知りませんが、
現在の日本での温熱療法は、
健康保険上は「電磁波温熱療法」とよばれ、
健康保険の適応となっています。
すなわち健康保険で治療を受けることができます。
電子レンジと同じような原理で、
大きな電極の間に身体の病巣部を挟み、
そこに電磁波を流して、
内部を暖める構造になっています。
機械は日本では1機種しかありません。
大塚北口診療所では2年ほど前に導入しましたが、
それ以前の機械も、
それより新しい機械も、
基本性能はまったく同じです。
現在私が使っている機械は、
比較的新しいものですが、
旧型に比べて、
患者さんが治療中に見られるように、
小さなテレビが付いたり、
好きなCDを持参のかたは、
それを聞きながら治療ができるというだけで、
どの施設で治療を行っても効果は同じです。
私は基本的に抗癌剤治療との併用で使っていますが、
温熱群とそれをしなかったグループの対比はしたことが無いので、
その効果の程は分かりません。
ただ論文では、
比較研究も行われているようで、
温熱療法を加えた方が、
抗癌剤治療の効果は大きくなるという報告は、
いくつも出されています。
放射線治療との併用での有効性も知られています。
北九州の病院で盛んに行われており、
幾つもの報告が出されています。
勿論、健康保険で行っているようです。
温泉のように、
身体の外側だけを暖めても、
ガン病巣の温度が上がることは無く、
治療効果はまったく認められていません。
勿論、そのような治療?では、
健康保険も認めてはいません。
健康保険では、
「一連のガン治療」に対して、
電磁波温熱療法を行った場合9000点、
すなわち9万円、
3割負担の患者さんで27000円と定められています。
身体には優しい治療ですし、
健康保険でも認められていますので、
機械が置いてある病院では、
試してもらうのは悪くないと思います。
ただし身体に優しいといっても、
局所的に皮膚が熱くなり、
稀ですが軽い火傷を負うこともあります。
そのときには、
すぐにご本人が気づきますので、
機械のオペレーターに言えば、
それは回避できます。
大塚北口診療所に機械が導入されたときに、
はじめての実験台は私自身で行いましたが、
皮下脂肪が多いと、
その場所に熱がこもってしまい熱くなります。
私のようなデブには向きません。
終わった後は、
身体がポカポカしていたことを思い出します。
冬場は気持ち良いかも知れません。
そのポカポカが激しく、
長湯をして湯あたりのような状態になる患者さんもたまにいます。
そのような場合には、
時間を短縮するとか出力を下げてもらうなどの工夫も必要になります。
無理は良くないように感じます。
何故、本日、温熱療法のことを書いたかというと、
「1回○○万円で温熱療法を受けている」
という患者さんが来られたからです。
また最近、
「大塚北口診療所にある温熱療法の機械は最新鋭機か?」
との質問の電話があったからです。
正直に言って、
1回何万円もかけて治療を行うほどの効果があるか否かは疑問です。
また、いくらお金をかけても、
施設間での機械・性能の違いもありません。
当然、身体の外側を暖めるような治療?は意味はありません。
上腹部と下腹部に離れた病巣があり、
暖めた病巣のほうが、
腫瘍縮小効果が大きく見られたという患者さんもいますので、
治療効果はあると考えていますが、
何回も書いているとおり、
ガン治療では、
お金は大きな武器です。
無尽蔵にお金を使える患者さんであれば、
いくらかけてでも、
温熱療法は身体には大きな害はありませんし、
無駄ではありませんが、
一般的なお財布をお持ちの普通の患者さんは、
あまり高いお金を払ってまで受ける治療ではないように思います。
命の価値も、
治療効果も値段は付けられません。
個人の価値観だけで決めることですが、
ガンと長く付き合うには、
お金の有効利用は絶対に必要です。
勿論、ガンを支える身体をいたわることは最も重要ですので、
その意味からは、
温熱療法は悪くはありませんが、
お財布には優しくない病院も少なくないようですので、
ご自身への適否は慎重に考えてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ご承知のとおり、
手術、放射線、抗癌剤さらに免疫治療などがありますが、
そのほかにも、
温熱療法という治療法もあります。
現在、大塚北口診療所では、
主に抗癌剤治療と併用で、
温熱療法も行っています。
世界での状況は知りませんが、
現在の日本での温熱療法は、
健康保険上は「電磁波温熱療法」とよばれ、
健康保険の適応となっています。
すなわち健康保険で治療を受けることができます。
電子レンジと同じような原理で、
大きな電極の間に身体の病巣部を挟み、
そこに電磁波を流して、
内部を暖める構造になっています。
機械は日本では1機種しかありません。
大塚北口診療所では2年ほど前に導入しましたが、
それ以前の機械も、
それより新しい機械も、
基本性能はまったく同じです。
現在私が使っている機械は、
比較的新しいものですが、
旧型に比べて、
患者さんが治療中に見られるように、
小さなテレビが付いたり、
好きなCDを持参のかたは、
それを聞きながら治療ができるというだけで、
どの施設で治療を行っても効果は同じです。
私は基本的に抗癌剤治療との併用で使っていますが、
温熱群とそれをしなかったグループの対比はしたことが無いので、
その効果の程は分かりません。
ただ論文では、
比較研究も行われているようで、
温熱療法を加えた方が、
抗癌剤治療の効果は大きくなるという報告は、
いくつも出されています。
放射線治療との併用での有効性も知られています。
北九州の病院で盛んに行われており、
幾つもの報告が出されています。
勿論、健康保険で行っているようです。
温泉のように、
身体の外側だけを暖めても、
ガン病巣の温度が上がることは無く、
治療効果はまったく認められていません。
勿論、そのような治療?では、
健康保険も認めてはいません。
健康保険では、
「一連のガン治療」に対して、
電磁波温熱療法を行った場合9000点、
すなわち9万円、
3割負担の患者さんで27000円と定められています。
身体には優しい治療ですし、
健康保険でも認められていますので、
機械が置いてある病院では、
試してもらうのは悪くないと思います。
ただし身体に優しいといっても、
局所的に皮膚が熱くなり、
稀ですが軽い火傷を負うこともあります。
そのときには、
すぐにご本人が気づきますので、
機械のオペレーターに言えば、
それは回避できます。
大塚北口診療所に機械が導入されたときに、
はじめての実験台は私自身で行いましたが、
皮下脂肪が多いと、
その場所に熱がこもってしまい熱くなります。
私のようなデブには向きません。
終わった後は、
身体がポカポカしていたことを思い出します。
冬場は気持ち良いかも知れません。
そのポカポカが激しく、
長湯をして湯あたりのような状態になる患者さんもたまにいます。
そのような場合には、
時間を短縮するとか出力を下げてもらうなどの工夫も必要になります。
無理は良くないように感じます。
何故、本日、温熱療法のことを書いたかというと、
「1回○○万円で温熱療法を受けている」
という患者さんが来られたからです。
また最近、
「大塚北口診療所にある温熱療法の機械は最新鋭機か?」
との質問の電話があったからです。
正直に言って、
1回何万円もかけて治療を行うほどの効果があるか否かは疑問です。
また、いくらお金をかけても、
施設間での機械・性能の違いもありません。
当然、身体の外側を暖めるような治療?は意味はありません。
上腹部と下腹部に離れた病巣があり、
暖めた病巣のほうが、
腫瘍縮小効果が大きく見られたという患者さんもいますので、
治療効果はあると考えていますが、
何回も書いているとおり、
ガン治療では、
お金は大きな武器です。
無尽蔵にお金を使える患者さんであれば、
いくらかけてでも、
温熱療法は身体には大きな害はありませんし、
無駄ではありませんが、
一般的なお財布をお持ちの普通の患者さんは、
あまり高いお金を払ってまで受ける治療ではないように思います。
命の価値も、
治療効果も値段は付けられません。
個人の価値観だけで決めることですが、
ガンと長く付き合うには、
お金の有効利用は絶対に必要です。
勿論、ガンを支える身体をいたわることは最も重要ですので、
その意味からは、
温熱療法は悪くはありませんが、
お財布には優しくない病院も少なくないようですので、
ご自身への適否は慎重に考えてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。