今年もすでに4日が過ぎていきます。
今日から仕事始めという企業・病院も少なくないと思います。
その今年、
間も無く、
認可されそうな抗癌剤がいくつかあります。
中には、
昨年の8月30日の「公知申請」で
紹介したような、
すでに健康保険で使うことが許されていても、
「認可」はされていない。
「我が子として養育費は渋々払っているけど、
認知はしていない」というような、
潔の悪い煮え切らない男みたいな、
中途半端な位置に置かれている私生児的なクスリが、
ようやく正式に「認知」される、
という馬鹿げた制度も間も無く浮き彫りにされます。
「公知申請で保険で使うことができる薬剤は、
製薬会社は医者に対して宣伝してはいけない」という、
わけの分からないルールもありますので、
使うことができるという事実事態、
知らない医者もたくさんいます。
それが、製薬会社が公に宣伝活動をできるようになるだけで、
使ってもらえる患者さんも、
圧倒的に増えることでしょう。
胃ガンに対してのカペシタビン(商品名・ゼローダ)
卵巣ガンに対するゲムシタビン(商品名・ジェムザール)
ノギテカン(商品名・ハイカムチン)などは、
公知申請ですでに、
日本中何処の病院でも、
健康保険で使うことが可能になっていますが、
製薬会社から医者に情報が流されないので、
あまり使われていないのが現状のようです。
ある患者さんのご家族のガンに対して、
その主治医にそれを使ってもらうことを勧めたところ、
その主治医からはっきりと、
「保険では使えない」といわれたそうです。
情報が止められているのです。
何のための申請なのか、
「認知」なのか意味不明です。
それとは別に、
新たに正式に認可されるクスリも幾つもあります。
胃ガンに対するハーセプチンや、
膵ガンに対してのタルセバなどです。
タルセバについては、
2006年2月25日「NHKのことをイロイロと書く理由」でも
書きましたが、
NHKは夢のクスリであるかのように取り上げていましたが、
認可されるといっても、
あまり大きな期待はできません。
当時は日本国内での認可はなく、
輸入に頼っていましたが、
現在では日本でもすでに肺ガンで認可(1日150mgまで)されています。
しかし副作用も小さくありません。
膵ガンでは、
健康保険ではジェムザールとの併用が義務付けられており、
その場合の副作用死亡確率は約2%。
100人飲むと二人死にます。
さらにジェムザールでの独治療患者群と比較して、
ジェムザールとタルセバ併用治療患者群で、
生存期間中央値は10日間延びるだけです。
タルセバでは間質性肺炎という副作用を合併して、
2%の患者さんが死に至るのですが、
死なないまでも、
辛い自覚症状を伴う、
皮膚症状、消化器症状も少なくはありません。
一般的にハーセプチン自身は、
分子標的薬であり、
目立った副作用はありませんが、
(タルセバも分子標的薬)
ハーセプチンと併用が義務付けられる、
細胞毒である抗癌剤には大きな副作用があります。
それとの併用でなければ、
原則、健康保険では認可されないはずです。
また、再発予防の使用は認可されないと思われます。
乳ガンのときと同じです。
せっかくのクスリが認可されても、
治らないガンを患う患者さんでは、
楽になるまでの時間が延びるだけです。
昨日の「仕事始め」
でも書いたように、
今年も製薬会社が作り出すエビデンスに踊らされる、
厳しい年であることは変わらないようです。
遥かに有効で、
副作用も少ないクスリもたくさんありますが、
健康保険で認められるまでには、
相当に時間はかかりそうです。
しかし、クスリがあるから幸せ、
無いから不幸とは限りません。
宝物のような時間をよりたくさん得ることができる患者さんが、
一番幸せです。
明日は一日中、
たくさんの患者さんで混みそうです。
多分、ブログを書いている時間は取れないと思います。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
今日から仕事始めという企業・病院も少なくないと思います。
その今年、
間も無く、
認可されそうな抗癌剤がいくつかあります。
中には、
昨年の8月30日の「公知申請」で
紹介したような、
すでに健康保険で使うことが許されていても、
「認可」はされていない。
「我が子として養育費は渋々払っているけど、
認知はしていない」というような、
潔の悪い煮え切らない男みたいな、
中途半端な位置に置かれている私生児的なクスリが、
ようやく正式に「認知」される、
という馬鹿げた制度も間も無く浮き彫りにされます。
「公知申請で保険で使うことができる薬剤は、
製薬会社は医者に対して宣伝してはいけない」という、
わけの分からないルールもありますので、
使うことができるという事実事態、
知らない医者もたくさんいます。
それが、製薬会社が公に宣伝活動をできるようになるだけで、
使ってもらえる患者さんも、
圧倒的に増えることでしょう。
胃ガンに対してのカペシタビン(商品名・ゼローダ)
卵巣ガンに対するゲムシタビン(商品名・ジェムザール)
ノギテカン(商品名・ハイカムチン)などは、
公知申請ですでに、
日本中何処の病院でも、
健康保険で使うことが可能になっていますが、
製薬会社から医者に情報が流されないので、
あまり使われていないのが現状のようです。
ある患者さんのご家族のガンに対して、
その主治医にそれを使ってもらうことを勧めたところ、
その主治医からはっきりと、
「保険では使えない」といわれたそうです。
情報が止められているのです。
何のための申請なのか、
「認知」なのか意味不明です。
それとは別に、
新たに正式に認可されるクスリも幾つもあります。
胃ガンに対するハーセプチンや、
膵ガンに対してのタルセバなどです。
タルセバについては、
2006年2月25日「NHKのことをイロイロと書く理由」でも
書きましたが、
NHKは夢のクスリであるかのように取り上げていましたが、
認可されるといっても、
あまり大きな期待はできません。
当時は日本国内での認可はなく、
輸入に頼っていましたが、
現在では日本でもすでに肺ガンで認可(1日150mgまで)されています。
しかし副作用も小さくありません。
膵ガンでは、
健康保険ではジェムザールとの併用が義務付けられており、
その場合の副作用死亡確率は約2%。
100人飲むと二人死にます。
さらにジェムザールでの独治療患者群と比較して、
ジェムザールとタルセバ併用治療患者群で、
生存期間中央値は10日間延びるだけです。
タルセバでは間質性肺炎という副作用を合併して、
2%の患者さんが死に至るのですが、
死なないまでも、
辛い自覚症状を伴う、
皮膚症状、消化器症状も少なくはありません。
一般的にハーセプチン自身は、
分子標的薬であり、
目立った副作用はありませんが、
(タルセバも分子標的薬)
ハーセプチンと併用が義務付けられる、
細胞毒である抗癌剤には大きな副作用があります。
それとの併用でなければ、
原則、健康保険では認可されないはずです。
また、再発予防の使用は認可されないと思われます。
乳ガンのときと同じです。
せっかくのクスリが認可されても、
治らないガンを患う患者さんでは、
楽になるまでの時間が延びるだけです。
昨日の「仕事始め」
でも書いたように、
今年も製薬会社が作り出すエビデンスに踊らされる、
厳しい年であることは変わらないようです。
遥かに有効で、
副作用も少ないクスリもたくさんありますが、
健康保険で認められるまでには、
相当に時間はかかりそうです。
しかし、クスリがあるから幸せ、
無いから不幸とは限りません。
宝物のような時間をよりたくさん得ることができる患者さんが、
一番幸せです。
明日は一日中、
たくさんの患者さんで混みそうです。
多分、ブログを書いている時間は取れないと思います。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。