返信の意味も兼ねて私の考えを書きます。
先ず、コメントの順番がバラバラになってしまいましたことをお詫びしておきます。
申し訳ありません。
隠れコメントを紹介します。
……………………前省略……………………
梅澤先生のような治療をしてくれる医師を探し続けていますが、現実は厳しいです。皆さんどうやって見つけられたのでしょうか?休眠療法を行う病院があるのでしょうか?
母はイレッサの効果が認められず腫瘍が増大、進行しているとのことですが、現主治医の開業医ではイレッサ以外の抗がん剤はしていただけないので、大学病院の腫瘍臨床学教授にセカンドオピニオンを受けました。母の希望である「通院」で治療できることになりましたが、薬剤はいわゆる標準治療の2剤併用だそうです。「できるだけ少ない量でお願いします」とは言いましたが、実際にどうなるかはわかりません。通院でできるということはそれなりに量等も調節してくれるのでは?と淡い期待を抱いていますが・・・。梅澤先生と同じように考える医師は多いのでは?と想像しますが、実際に出会ったことはありません。患者にとってベストな治療で、誰が考えても理にかなった治療なのに、なぜ広まらないのでしょうか?
インターネットを主力兵器にして、
その後、ご家族が電話・足で探しておられます。
勿論、地域によって大きな差はあることだと思います。
地方では、私のような変わり者はあまりいないかも知れません・・・
7月16日の「休眠できない療法」でご紹介した岸和田市立病院での休眠療法も
患者さんのご家族が探し出されました。
ご自宅からはかなり遠方のようですが、
何とか通院できる範囲だそうです。
残念ながら、消化器ガンに限られているようですが・・・
大学病院の腫瘍臨床学での治療で、
「できるだけ少ない量」は有り得ないと思います。
「通院でできるということはそれなりに量等も調節してくれるのでは?と淡い期待・・・」
残念ながら、まさに淡い期待だと思います。
肺ガンの標準的抗癌剤治療は、多くの病院で今も入院で行いますが、
白血球の減少をあらかじめ予測して、
白血球を増加させるクスリを使っていれば、
大きな問題は起こりません。
死亡事故にはつながりません。
患者さんが吐き気や、全身倦怠感などの副作用でいくら苦しんでも
死ぬことはありませんから、医者は安心です。
現在、外来で抗癌剤治療を行う病院が増えてはいますが、
それは、厚生労働省の医療費削減のための
「できる限り入院させない」政策によるものであり、
副作用が減ったためではありません。
以前はその副作用のために入院して行なっていた治療を
入院させずらくなってきたので仕方なく、
ビクビクしながら外来で行なっている、
というのが、ほとんどの病院での真相です。
「梅澤先生と同じように考える医師は多いのでは?」
6月28日の「ある医者の本音」
5月21日の「内科医と外科医」
5月22日の「内科医と外科医」(2)でも書きましたとおり、
外科医の抗癌剤治療に対する考え方は、
私と同様な医者は多数いると思います。
しかし、治療そのものが面倒で、手間がかかります。
実際にそれを行ないたいと考える外科医は多くはないと思います。
外科医は手術だけでも十分に忙しいですから・・・
さらに、
7月10日の「日本崩壊?」で書いたとおり、
外科医を志望する医者そのものが激減しています。
現在の日本の社会の風潮が続けば外科医はいなくなると思います。
これはすべての日本人に責任があると思います。
自己責任を持たず、自分たちの権利ばかり主張すれば、
段々住み難い世の中に変わっていきます。
もう一通隠れコメントを紹介します。
7月2日の「脱がんセンターの勧め」に対して頂いたコメントです。
丁度、お聞きしたいと思っておりました。大阪府立成人病センターのHPにでていた、膵臓癌の手術後五年生存率が統計と比べて非常に良いので、一体どういうことなのかと。ステージ1,2では90%、しかも、再発無しと書いてありました。膵臓癌の検診に力を入れているともありましたけど。ほとんど、検診で見つけたものなんでしょうかね。
大阪府立成人病センターでの膵ガン治療の成績は眉唾ではありません。手術可能症例に限られますが、
(恐らく検診で早期発見できた患者さんだと思います・・・)
そこでは、手術、放射線治療、抗癌剤治療を組み合わせて行われています。
先ず、術前から局所再発防止のために放射線治療を行ないます。
そして、徹底的な拡大手術を行い局所再発防止に努めます。
その後、しっかりと再発予防の抗癌剤治療を行ないます。
それも、ノンベンダラリと行なうのではありません。
局所再発と同様に、
術後頻発して膵ガン患者さんの予後を大きく左右する肝臓転移再発を抑制するために、
まだ見えない微小転移のうちに
その微小転移ガンを根絶やしにしてしまう目的から、
肝動脈と門脈という肝臓に血液を送っている2本の動脈に、
直接チューブを挿入して抗癌剤を注入していく治療です。
そして、その後さらに局所再発防止のために再度の放射線治療を行います。
術後5週間ほどの入院が必要だそうですが、
それらの系統だった治療により確実に再発率は減少し、
公表しているような成績を上げているようです。
「膵ガンの術後再発 → 死亡」のメカニズムを調べ上げ、
膵ガン術後患者さんでは、局所再発と肝臓転移が主な死因であることを突き止め、
外科医の地道な努力で築き上げられた世界に誇る日本の膵ガン手術治療成績です。
この治療成績は、腫瘍内科医が一番大切にしている、
生存期間中央値が○ヶ月伸びたという、
極めて貧弱なエビデンスとはまったく違う、素晴らしい治療成績だと思いますが、
何故か日本ではあまり評価されていません。
標準的抗癌剤治療の○ヶ月の方が重要視されているように感じます。
現在の日本でのガン治療では、内科医が主導権を握っていると思っているようです。
ただし、この治療は何処の病院でもできるというものではありません。
膵ガン専属のスタッフを揃えて、
そのスタッフは膵ガンしか扱わないというしっかりした体制が整っているからだと思います。
すべての消化器ガンを扱う一般の大学病院などではとても不可能だと思います。
また、この治療には現在の日本の医療制度のもとでは大きな問題があります。
それは、現在包括医療費制度の導入が進んでいることです。
このような手間のかかる治療をしてもしなくても病院に入る収益は変わらないのです。
「膵ガン治療でイクラ」と決められており、
手術以外にイロイロな手間のかかるオプションを付ければ付けるだけ
病院は損をしてしまうのです。
公立病院だからできることでしょうけれども、
何とも、不愉快な矛盾を感じます。
7月13日の「日本の緩和医療」で書いたのと同じ矛盾です。
もう一通コメントを紹介します。
これは、隠れコメントではないので、
全文をご確認下さい。
7月15日の「医療費高騰」に対して寄せられたコメントです。
「医療費が家計を圧迫しています」
と題されたコメントです。一部抜粋します。
・・・・・前省略・・・・・
健康保険の戻りいれも76000円以上の場合で、そんなに簡単ではありません。イレッサ込みの医療費は月7〜8万弱で微妙な額なのです。
・・・中省略・・・
家族の財産を自分の闘病でなくし、あげく死んでしまうのだとしたら、こんな悲しいことはありません。高い薬の影でつらい思いをしている家族は、けして少なくないと思います。これ以上高額になったら、無治療に踏み込むしかなくなるかもしれません。標準治療で寿命を縮めるくらいならそのほうがましかもしれませんね。
しかし、上手く利用する方法もあります。
現在の日本の健康保険では長期処方が可能です。
76000円ぎりぎりで届かない額になってしまうことを避けて、
それを十分に超える日数分だけ処方してもらうのです。
そして、その月は高額医療費の請求をする。
高額医療費の請求が年間3回以上になると4回目からは、
高額の限度額がガクッと下がるはずです。
もう時効だから書きますが、
中途半端に高額な患者さんは、
月初めと月の終わりに2回患者さんに来てもらい、
その時2回とも4週間ずつ処方をしていたこともあります。
乳ガンのホルモン注射も同様のことをしていました。
その月は間違いなく高額医療になる。
次の月はほとんど負担は無い。(腫瘍マーカー検査程度にしておく)
また次の月は高額医療。(CTなどもどんどん入れる)
チョットインチキですけどね・・・
この程度は許されるのではないかと思ってやっていました・・・
今でも必要な患者さんにはするつもりです。
高額医療費については以下のホームページでも詳しく説明してあります。
参考にして下さい。
「高額医療費対策について」
http://www.timetable-info.com/memo/iryou.htm
「かけあしちょきんだいさくせん」
http://kakeashi.boo.jp/iryouhi-kogakuiryouhi.htm
本日も、隠れコメントを中心に私の考えを書きました。
以上 文責 梅澤 充



