7月21日に“小池様”から頂いたコメントはとても大きな問題を含んでいますので、私の考えを書きます。
申し訳ありませんが、コメントを細切れにして再掲します。
ただ、文献報告が散見される程度の治療法で、
エビデンスにはなっていない治療を参照することもありますし、
まったくのオリジナルもたくさんあります。
エビデンスとは、何回も書いているとおり、
多くのガン患者さんに対し、すべての個性を無視して、十把一絡げにして、
そこから導き出されたデータです。
当然すべての患者さんは皆違います。
Aという治療法を行ったグループでは生存期間中央値12ヶ月。
Bのグループでは8ヶ月。
無治療のグループは6ヶ月というエビデンスがあっても。
それは、3つの十把一絡げのグループのデータであり。
A治療を受けたグループの患者さんでも、
もしかしたら、B治療あるいは無治療の方が長生きできたかも知れない
という患者さんもいるはずです。
私が言いたいこと(していることは)、
ガンを背負ったすべての患者さん一人一人がエビデンスだということです。
目の前にガンを抱えた患者さんがいれば、
A治療がイイというエビデンスがあっても、
それがダメなら、すぐに切り替える。
B治療にするか、C治療にするか、未知の治療にするか、
あるいは無治療にするか速やかに軌道修正を繰り返す。
それだけです。
目の前のガンがすべてを教えてくれるということです。
そのガンが誘導してくれるままに治療をする。
という当たり前の治療をしているだけです。
残念ながら、すべての患者さんのガンが
最善の治療法に導いてくれるとは限りませんが・・・
あくまでエビデンスは、借用、参考にするだけであり、
もとの効果などまったく期待していません。
もとの効果というのは、
現在のほとんどのエビデンスが
「縮小なくしてガン治療無し」という、
抗癌剤治療の憲法のような考えのもとで
4月18日の「最大耐用容量と最大持続可能量」で書いた
最大耐用容量の抗癌剤を使った治療での成績です。
そのようにデザインされた治験から得られたデータです。
したがって治療効果をガンの縮小という尺度で観ているところが多分にあります。
そして副作用の発現は当たり前という考えです。
そのような効果ははじめから保障してもらいたいなどとはまったく考えていません。
多くの場合、様々なエビデンスを見て、生存期間の一番長い治療を参考に
それをアレンジして使っているだけです。
当然、オリジナルではなく、アレンジすることにより、エビデンスより劣っている可能性も十分にあります。
逆に生存期間においてエビデンスより優れているという可能性だって十分にあります。
しかし、その科学的な証拠がまだ得られていないのです。
「生存期間においてエビデンスより優れている」という確証が得られれば
それは立派なエビデンスになります。
あるのは、実際に患者さんと接して治療を行い、
そこから得られる手応えという、極めて曖昧な結果でしかありません。
7月19日の「統計データの落とし穴」で書いたとおり、言い訳に聞こえるかも知れませんが、
なかなかデータが取れないのが現実です。
しかし、そのような状況下でも
非常に進行スピードの速い切除不能の膵ガンでの治療成績だけは、
何とか20例ほどでまとめられそうですので、
間も無く公表できると思います。
現在までのデータでは、
標準治療よりは遥かに長生きができるという数字が出ています。
勿論、膵ガンに対しては、
最高の治療成績を示しているエビデンスを参考にして、
ジェムザールをベースに使いますが、
その使用量と点滴間隔、併用薬剤をアレンジしています。
さらに保険適応のない内服薬も併用した治療です。
エビデンスとして確認されている「もとの効果」を保障されたいのであれば、
エビデンスどおりの標準的抗癌剤治療を受けるしかありません。
それには、国立がんセンターが最適だと思います。
現在のエビデンスでは無治療よりは多少の延命は可能ですが、
エビデンスどおりに○○ヶ月以内に50%の確率で亡くなられてしまいます・・・
「無料の治験」という一つの治療のカタチになっています。
実験台になることは了承済みであり、
それにより患者さんも大きな恩恵を受けていることも事実です。
日本人が、上手くいいとこ取りができるのであれば、
日本のガン治療はもっともっと進化していると思います。
2月27日の「メトロノームの様に」
2月28日の「南蛮渡来のジャパンオリジナル」
3月9日の「アメリカ追従」
などで書いてきたとおり、
せっかく日本人が開発した抗癌剤でも、
日本の腫瘍内科医に無視され、
欧米で認められてはじめて日本に逆輸入されてくるクスリもあるくらいです。
現在の日本の抗癌剤治療を見ていると、
何処かの総理大臣のようにアメリカべったり、
金魚のフン、太鼓持ちのように思えます。
クルマでも家電でも何でも、オリジナルは無くとも、
人様の成功を見るとそれを日本流にアレンジして、
世界に発信することを最大の取り柄として、
発展してきた国のはずですが、
ガン治療に関しては完全なモノマネだけで終わっているように思われ、
残念でなりません。
最後に厳しいことを言わせて頂きますが、
「この応用治療が逆にエビデンスより劣っているという可能性はありませんか。」
このようなお考えをお持ちの患者さんには、
エビデンスのしっかりした標準的抗癌剤治療しかありません。
ナンといってもエビデンスのある治療だけしか、
「その治療を行った時の生存期間」は確認されていないのですから・・・・
そのエビデンスの呪縛から逃げることはできないと思います。
ただし、何回も言うとおり、
死を前提にしたエビデンス・証拠です。
そのエビデンスでは納得できず、
誰もその治療効果を保障してくれない他の治療を行なうのは自己責任です。
しかし昨日の「再び国立がんセンター」で書いたとおり、
エビデンスだけが頼りの再発予防治療において
エビデンスがあるにもかかわらず、それを無視して、
敢えてエビデンスの無い治療を
騙まし討ちで行なってしまう病院もありますのでご注意を!
以上 文責 梅澤 充
申し訳ありませんが、コメントを細切れにして再掲します。
気になります
少し分からないところがあるので教えてください。
先生が御自分のさじ加減で治療をなさっていると言われておりますが、その基本となっている薬の組み合わせはもともと、アメリカでエビデンスが得られたものであって、それを借りて応用している、エビデンスをそのまま、すべての患者に使うことは大変危険であり、患者は一人ひとり違うのだから、同じ治療はあり得ないではないかと言う主張だと認識しました。
ただ、文献報告が散見される程度の治療法で、
エビデンスにはなっていない治療を参照することもありますし、
まったくのオリジナルもたくさんあります。
エビデンスとは、何回も書いているとおり、
多くのガン患者さんに対し、すべての個性を無視して、十把一絡げにして、
そこから導き出されたデータです。
当然すべての患者さんは皆違います。
Aという治療法を行ったグループでは生存期間中央値12ヶ月。
Bのグループでは8ヶ月。
無治療のグループは6ヶ月というエビデンスがあっても。
それは、3つの十把一絡げのグループのデータであり。
A治療を受けたグループの患者さんでも、
もしかしたら、B治療あるいは無治療の方が長生きできたかも知れない
という患者さんもいるはずです。
私が言いたいこと(していることは)、
ガンを背負ったすべての患者さん一人一人がエビデンスだということです。
目の前にガンを抱えた患者さんがいれば、
A治療がイイというエビデンスがあっても、
それがダメなら、すぐに切り替える。
B治療にするか、C治療にするか、未知の治療にするか、
あるいは無治療にするか速やかに軌道修正を繰り返す。
それだけです。
目の前のガンがすべてを教えてくれるということです。
そのガンが誘導してくれるままに治療をする。
という当たり前の治療をしているだけです。
残念ながら、すべての患者さんのガンが
最善の治療法に導いてくれるとは限りませんが・・・
エビデンスのいいところだけ借りて、応用して(患者の体調にあわせて量を減らす)投与するということは、もとの効果はまったく保障されていないことになりませんか? この応用治療が逆にエビデンスより劣っているという可能性はありませんか。
患者側からすると、副作用なく抗がん剤治療をしてもらえるというのは本当にありがたいのですが、それが気になります。
あくまでエビデンスは、借用、参考にするだけであり、
もとの効果などまったく期待していません。
もとの効果というのは、
現在のほとんどのエビデンスが
「縮小なくしてガン治療無し」という、
抗癌剤治療の憲法のような考えのもとで
4月18日の「最大耐用容量と最大持続可能量」で書いた
最大耐用容量の抗癌剤を使った治療での成績です。
そのようにデザインされた治験から得られたデータです。
したがって治療効果をガンの縮小という尺度で観ているところが多分にあります。
そして副作用の発現は当たり前という考えです。
そのような効果ははじめから保障してもらいたいなどとはまったく考えていません。
多くの場合、様々なエビデンスを見て、生存期間の一番長い治療を参考に
それをアレンジして使っているだけです。
当然、オリジナルではなく、アレンジすることにより、エビデンスより劣っている可能性も十分にあります。
逆に生存期間においてエビデンスより優れているという可能性だって十分にあります。
しかし、その科学的な証拠がまだ得られていないのです。
「生存期間においてエビデンスより優れている」という確証が得られれば
それは立派なエビデンスになります。
あるのは、実際に患者さんと接して治療を行い、
そこから得られる手応えという、極めて曖昧な結果でしかありません。
7月19日の「統計データの落とし穴」で書いたとおり、言い訳に聞こえるかも知れませんが、
なかなかデータが取れないのが現実です。
しかし、そのような状況下でも
非常に進行スピードの速い切除不能の膵ガンでの治療成績だけは、
何とか20例ほどでまとめられそうですので、
間も無く公表できると思います。
現在までのデータでは、
標準治療よりは遥かに長生きができるという数字が出ています。
勿論、膵ガンに対しては、
最高の治療成績を示しているエビデンスを参考にして、
ジェムザールをベースに使いますが、
その使用量と点滴間隔、併用薬剤をアレンジしています。
さらに保険適応のない内服薬も併用した治療です。
エビデンスとして確認されている「もとの効果」を保障されたいのであれば、
エビデンスどおりの標準的抗癌剤治療を受けるしかありません。
それには、国立がんセンターが最適だと思います。
現在のエビデンスでは無治療よりは多少の延命は可能ですが、
エビデンスどおりに○○ヶ月以内に50%の確率で亡くなられてしまいます・・・
それと、アメリカ人ばかりが人体実験され、そのいいとこ取りを日本人がしているようにおもえてなりません。アメリカ式にも感謝の気持ちが必要ではないでしょうか
人体実験といえば聞こえは悪いですが、「無料の治験」という一つの治療のカタチになっています。
実験台になることは了承済みであり、
それにより患者さんも大きな恩恵を受けていることも事実です。
日本人が、上手くいいとこ取りができるのであれば、
日本のガン治療はもっともっと進化していると思います。
2月27日の「メトロノームの様に」
2月28日の「南蛮渡来のジャパンオリジナル」
3月9日の「アメリカ追従」
などで書いてきたとおり、
せっかく日本人が開発した抗癌剤でも、
日本の腫瘍内科医に無視され、
欧米で認められてはじめて日本に逆輸入されてくるクスリもあるくらいです。
現在の日本の抗癌剤治療を見ていると、
何処かの総理大臣のようにアメリカべったり、
金魚のフン、太鼓持ちのように思えます。
クルマでも家電でも何でも、オリジナルは無くとも、
人様の成功を見るとそれを日本流にアレンジして、
世界に発信することを最大の取り柄として、
発展してきた国のはずですが、
ガン治療に関しては完全なモノマネだけで終わっているように思われ、
残念でなりません。
最後に厳しいことを言わせて頂きますが、
「この応用治療が逆にエビデンスより劣っているという可能性はありませんか。」
このようなお考えをお持ちの患者さんには、
エビデンスのしっかりした標準的抗癌剤治療しかありません。
ナンといってもエビデンスのある治療だけしか、
「その治療を行った時の生存期間」は確認されていないのですから・・・・
そのエビデンスの呪縛から逃げることはできないと思います。
ただし、何回も言うとおり、
死を前提にしたエビデンス・証拠です。
そのエビデンスでは納得できず、
誰もその治療効果を保障してくれない他の治療を行なうのは自己責任です。
しかし昨日の「再び国立がんセンター」で書いたとおり、
エビデンスだけが頼りの再発予防治療において
エビデンスがあるにもかかわらず、それを無視して、
敢えてエビデンスの無い治療を
騙まし討ちで行なってしまう病院もありますのでご注意を!
以上 文責 梅澤 充



