再発予防の抗癌剤治療については何回も書いています。
実際にその治療を受けて、
副作用の激しさに、
ただちにその治療を断念して、
大塚北口診療所で診ている患者さんもいます。
最近でも、
手術後再発予防の標準的な抗癌剤治療を、
半年間続ける予定でしたが、
あまりにも辛い副作用により、
1回で治療を断念して逃げてこられた患者さんもいます。
手術所見と手術後の病理検査所見を見ると、
再発はほぼ必至と思われる状態でした。
すぐにCT検査を行ったところ、
すでに再発を来している可能性も十分に疑われたため、
PETの検査を行ったところ、
再発であることが確認されました。
再発に対する治療も、
再発予防に対する治療も、
標準治療ではまったく同じメニューであることも少なくありません。
その患者さんのガンでも、
再発も再発予防も同一スケジュールです。
唯一の違いは、
再発予防の場合には、
抗癌剤治療の期限が決まっていて、
再発が確認されている患者さんでは、
エンドレスにその治療が続けられるというだけです。
そして再発ガンに対するその治療では、
100%の確率で患者さんは亡くなられる、
その時までの生存期間中央値が統計的に知られています。
ガンが再発しているのか否か、
その診断は多くの場合、
画像診断で行われます。
最近の画像診断は、
機械の精度が向上して、
数ミリの病巣まで発見することも可能ですが、
1ミリ2ミリの病巣を描出するほどの解析度はありません。
ガンの塊は、
10ミリ立法の大きさになると10億個の細胞集塊だといわれています。
それがまだそこまで大きくなる前の、
1ミリ立法の大きさでは、
如何に優れた機械の目でも発見は不可能です。
しかし1ミリ立法の大きさでも、
体積は10ミリ立法の1000分の一であり、
100万個の細胞集塊になります。
2ミリでも機械の目では見えませんが、
細胞数は800万個になります。
1000万個でも機械の目には捕まりません。
10億個になると根治は不可能。
その治療では100%の確率の死。
抗癌剤治療の効果は無治療よりは若干長く生きることができるという、
生存期間中央治値という数字が示されるにとどまります。
しかし「再発していない」状態でも、
1000万個以上の細胞がすでに存在している可能性はあります。
10億では根治不能・100%の死。
1000万個なら再発しないで根治。
そんな馬鹿な数字は無いと思います。
何回も書いていますが、
再発予防の抗癌剤治療の治療成績、
すなわち再発予防確率の低下は、
患者さんが考えている数字とは、
大きくかけ離れています。
あの副作用の大きさと、
再発確率の低下率とを、
冷静に秤にかけたなら、
それを受ける患者さんは激減すると思います。
しかし、それにより、
実際に再発してくる患者さんの数は、
それほど増えないと思われます。
そのお粗末な効果しか出ない理由の一つが、
この10億、1000万という数字が示すトリックにあるように思います。
また、その数字が恣意的に操作されている可能性も、
十分にあることも念頭に置いて、
ご自身にとっての、
再発予防の抗癌剤治療の意義について、
再度、真剣に考えてください。
そのためには、
昨日の「ガン治療」で書いた、
ご自身の価値観をシッカリ持っていることが重要です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
実際にその治療を受けて、
副作用の激しさに、
ただちにその治療を断念して、
大塚北口診療所で診ている患者さんもいます。
最近でも、
手術後再発予防の標準的な抗癌剤治療を、
半年間続ける予定でしたが、
あまりにも辛い副作用により、
1回で治療を断念して逃げてこられた患者さんもいます。
手術所見と手術後の病理検査所見を見ると、
再発はほぼ必至と思われる状態でした。
すぐにCT検査を行ったところ、
すでに再発を来している可能性も十分に疑われたため、
PETの検査を行ったところ、
再発であることが確認されました。
再発に対する治療も、
再発予防に対する治療も、
標準治療ではまったく同じメニューであることも少なくありません。
その患者さんのガンでも、
再発も再発予防も同一スケジュールです。
唯一の違いは、
再発予防の場合には、
抗癌剤治療の期限が決まっていて、
再発が確認されている患者さんでは、
エンドレスにその治療が続けられるというだけです。
そして再発ガンに対するその治療では、
100%の確率で患者さんは亡くなられる、
その時までの生存期間中央値が統計的に知られています。
ガンが再発しているのか否か、
その診断は多くの場合、
画像診断で行われます。
最近の画像診断は、
機械の精度が向上して、
数ミリの病巣まで発見することも可能ですが、
1ミリ2ミリの病巣を描出するほどの解析度はありません。
ガンの塊は、
10ミリ立法の大きさになると10億個の細胞集塊だといわれています。
それがまだそこまで大きくなる前の、
1ミリ立法の大きさでは、
如何に優れた機械の目でも発見は不可能です。
しかし1ミリ立法の大きさでも、
体積は10ミリ立法の1000分の一であり、
100万個の細胞集塊になります。
2ミリでも機械の目では見えませんが、
細胞数は800万個になります。
1000万個でも機械の目には捕まりません。
10億個になると根治は不可能。
その治療では100%の確率の死。
抗癌剤治療の効果は無治療よりは若干長く生きることができるという、
生存期間中央治値という数字が示されるにとどまります。
しかし「再発していない」状態でも、
1000万個以上の細胞がすでに存在している可能性はあります。
10億では根治不能・100%の死。
1000万個なら再発しないで根治。
そんな馬鹿な数字は無いと思います。
何回も書いていますが、
再発予防の抗癌剤治療の治療成績、
すなわち再発予防確率の低下は、
患者さんが考えている数字とは、
大きくかけ離れています。
あの副作用の大きさと、
再発確率の低下率とを、
冷静に秤にかけたなら、
それを受ける患者さんは激減すると思います。
しかし、それにより、
実際に再発してくる患者さんの数は、
それほど増えないと思われます。
そのお粗末な効果しか出ない理由の一つが、
この10億、1000万という数字が示すトリックにあるように思います。
また、その数字が恣意的に操作されている可能性も、
十分にあることも念頭に置いて、
ご自身にとっての、
再発予防の抗癌剤治療の意義について、
再度、真剣に考えてください。
そのためには、
昨日の「ガン治療」で書いた、
ご自身の価値観をシッカリ持っていることが重要です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。