昨日の「再発ガンと手術」で、
再発を来たしたガンであっても、
「確実な死」を目指した、
辛く苦しい標準的な抗癌剤治療だけではなく、
別の治療法も有り得るということを書きましたが、
再発病巣を手術で完全に切除できたとしても、
それで「根治」というわけではありません。
原発病巣から血液やリンパ液に乗って、
ガン細胞が他の臓器に飛んで行ったのですから、
それは身体中に飛び火しているはずであり、
偶然機械の目で見つかった病巣が一つであっても、
まだ見えない病巣は無数に存在していると考えなければなりません。
したがって、
手術や放射線治療で、
とりあえずガンが見えなくなった状態は、
「治ったモドキ」だと考えています。
しかし「モドキ」の状態でも、
それが終生続けば、
実質的に「治った」と同じことになります。
見える病巣に対して、
切除や焼却などの物理的な方法で、
消滅させた後に、
標準的な抗癌剤治療で、
残存していると思われるガン細胞を皆殺しにする、
という治療は大塚北口診療所では行っていません。
昨日も書いた通り、
大量の抗癌剤での、
「皆殺し効果」は大きくはない、
副作用に見合うだけの利益は無いと、
考えるからです。
勿論、それは私の価値観からの考えであり、
標準治療を希望される患者さんには、
その考えを阻止することはしていません。
治療方針はすべて患者さんが決めるべきだと考えています。
大塚北口診療所では、
再発病巣を消滅させる前に、
抗癌剤のターゲットになる病巣がまだ見えるうちに、
一生涯続けることが可能な程度の副作用の治療で、
その病巣が縮小もしくは増大が無いことが確認されたならば、
その後に手術や放射線などの物理的な治療を行います。
そして、見えるガンの消滅後も、
その治療を終生続けることで、
「治ったモドキ」状態を
生涯続けさせることを目指した治療を行っています。
一昔前までは、
「少量の抗癌剤治療ではすぐに耐性ができる」
という根拠のない理論を、
白衣を着た偉~い閻魔様が唱えて、
その間違った考えが、
さも真実であるかのように、
まかり通っていましたが、
実際に標準とされる最大耐用量よりも、
遥かに少ない量で治療を続けると、
耐性ができないこともしばしば経験しますし、
もし耐性ができてもそれまでの時間が極めて長いのが普通です。
また先日ある患者さんから聞いたのですが、
「副作用が無ければ効果も無い」
などとこれまたまったく根拠の無い独自の仮説?を、
患者さんに吹聴している「医者モドキ」もいるようですが、
抗癌剤の現実を知らない、知ろうともしない、
NHKのような無責任極まりない「医者モドキ」の言うことですから、
完全に無視してください。
副作用と効果はまったく関係ありません。
実際にその方法で5年以上、
モドキ状態が続いている患者さんは現在何人も診ています。
しかし毎回絵に描いた餅が食べられるわけではありません。
抗癌剤では全く歯が立たなかったり、
効果は認めるも終生続けるには、
副作用が大き過ぎたりと、
個性豊かな患者さんとガンが相手だと、
なかなか思った通りにはいきません。
しかし、もし抗癌剤で確実な効果が得られなかったとしても、
切除や放射線治療が可能な再発病巣であれば、
抗癌剤治療一辺倒ではなく、
その物理的な治療法も併用する方が、
確実に長生きができるように感じます。
再発ガンに対する抗癌剤治療は、
確実な死を意味します。
まして標準的に最大耐用量の抗癌剤を使った治療では、
そこに至るまでの時間も長くはなく、
QOLも無視されます。
ガン治療において、
もし「死」が「最悪の結果」だとすれば、
再発ガンに対する抗癌剤治療は、
その最悪に至ることが前提の治療ですから、
その最悪を阻止するためには、
エビデンスなどに従うわけにはいきません。
最悪な結末がエビデンスになっている治療よりは、
そんなエビデンスなど無い治療の道を探るべきだと考えます。
ガンは身近な病気としては、
最強の敵です。
抗癌剤も一つの大きな武器であることは間違いありません。
しかし、それ一つで戦うことができるほど、
甘い病気ではありません。
「再発 → 死への抗癌剤治療」
という、
あまりにも虚しい短絡的な思考からは、
早く脱却しないと取り返しのつかないことになります。
「使える武器はすべて使う」
その結果、ガンの勝利であったなら、
はじめから可能性を追求しないで敗れるよりは、
後悔が少ないと思います。
負けても悔いの残らない戦いをしてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
再発を来たしたガンであっても、
「確実な死」を目指した、
辛く苦しい標準的な抗癌剤治療だけではなく、
別の治療法も有り得るということを書きましたが、
再発病巣を手術で完全に切除できたとしても、
それで「根治」というわけではありません。
原発病巣から血液やリンパ液に乗って、
ガン細胞が他の臓器に飛んで行ったのですから、
それは身体中に飛び火しているはずであり、
偶然機械の目で見つかった病巣が一つであっても、
まだ見えない病巣は無数に存在していると考えなければなりません。
したがって、
手術や放射線治療で、
とりあえずガンが見えなくなった状態は、
「治ったモドキ」だと考えています。
しかし「モドキ」の状態でも、
それが終生続けば、
実質的に「治った」と同じことになります。
見える病巣に対して、
切除や焼却などの物理的な方法で、
消滅させた後に、
標準的な抗癌剤治療で、
残存していると思われるガン細胞を皆殺しにする、
という治療は大塚北口診療所では行っていません。
昨日も書いた通り、
大量の抗癌剤での、
「皆殺し効果」は大きくはない、
副作用に見合うだけの利益は無いと、
考えるからです。
勿論、それは私の価値観からの考えであり、
標準治療を希望される患者さんには、
その考えを阻止することはしていません。
治療方針はすべて患者さんが決めるべきだと考えています。
大塚北口診療所では、
再発病巣を消滅させる前に、
抗癌剤のターゲットになる病巣がまだ見えるうちに、
一生涯続けることが可能な程度の副作用の治療で、
その病巣が縮小もしくは増大が無いことが確認されたならば、
その後に手術や放射線などの物理的な治療を行います。
そして、見えるガンの消滅後も、
その治療を終生続けることで、
「治ったモドキ」状態を
生涯続けさせることを目指した治療を行っています。
一昔前までは、
「少量の抗癌剤治療ではすぐに耐性ができる」
という根拠のない理論を、
白衣を着た偉~い閻魔様が唱えて、
その間違った考えが、
さも真実であるかのように、
まかり通っていましたが、
実際に標準とされる最大耐用量よりも、
遥かに少ない量で治療を続けると、
耐性ができないこともしばしば経験しますし、
もし耐性ができてもそれまでの時間が極めて長いのが普通です。
また先日ある患者さんから聞いたのですが、
「副作用が無ければ効果も無い」
などとこれまたまったく根拠の無い独自の仮説?を、
患者さんに吹聴している「医者モドキ」もいるようですが、
抗癌剤の現実を知らない、知ろうともしない、
NHKのような無責任極まりない「医者モドキ」の言うことですから、
完全に無視してください。
副作用と効果はまったく関係ありません。
実際にその方法で5年以上、
モドキ状態が続いている患者さんは現在何人も診ています。
しかし毎回絵に描いた餅が食べられるわけではありません。
抗癌剤では全く歯が立たなかったり、
効果は認めるも終生続けるには、
副作用が大き過ぎたりと、
個性豊かな患者さんとガンが相手だと、
なかなか思った通りにはいきません。
しかし、もし抗癌剤で確実な効果が得られなかったとしても、
切除や放射線治療が可能な再発病巣であれば、
抗癌剤治療一辺倒ではなく、
その物理的な治療法も併用する方が、
確実に長生きができるように感じます。
再発ガンに対する抗癌剤治療は、
確実な死を意味します。
まして標準的に最大耐用量の抗癌剤を使った治療では、
そこに至るまでの時間も長くはなく、
QOLも無視されます。
ガン治療において、
もし「死」が「最悪の結果」だとすれば、
再発ガンに対する抗癌剤治療は、
その最悪に至ることが前提の治療ですから、
その最悪を阻止するためには、
エビデンスなどに従うわけにはいきません。
最悪な結末がエビデンスになっている治療よりは、
そんなエビデンスなど無い治療の道を探るべきだと考えます。
ガンは身近な病気としては、
最強の敵です。
抗癌剤も一つの大きな武器であることは間違いありません。
しかし、それ一つで戦うことができるほど、
甘い病気ではありません。
「再発 → 死への抗癌剤治療」
という、
あまりにも虚しい短絡的な思考からは、
早く脱却しないと取り返しのつかないことになります。
「使える武器はすべて使う」
その結果、ガンの勝利であったなら、
はじめから可能性を追求しないで敗れるよりは、
後悔が少ないと思います。
負けても悔いの残らない戦いをしてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。