昨日NHKで、
ガン患者さんの就労問題が取り上げられていました。
検査技術の進歩が大きく貢献していると思いますが、
概ね、半分のガン患者さんが、
「治った」という状態になり、
天寿を全うすることが可能になりつつありますので、
治った「元ガン患者さん」が、
仕事を失ってしまうことは、
日本社会の大きな問題だと思います。
不景気を脱出できない、
日本の政府の責任も大きいと感じます。
しかし治らない患者さんの場合には、
政府の責任ではなく、
治療を行う医者の責任も大きいように感じます。
治らないガンを宿した患者さん、
すなわち早晩退職を余儀なくされる患者さんを雇い続けて、
その上、
治療のために、
たくさん休暇を取る、
ということでは、
相当に経済的に余裕のある会社や、
税金を無尽蔵に使える親方日の丸の大企業でなければ、
難しいのが現実だと思います。
しかし治らないガンを宿した多くの患者さんは、
検査を受けてガンが発見されなければ、
普通の健康人と変わりなく仕事を続けることができます。
しかし、副作用のために、
何日も入院したり、
自宅での療養生活を余儀なくされる患者さんでは、
会社は雇いたくないのは当然です。
また、そのような激しい副作用に襲われる標準的な治療では、
エビデンスどおりに、
長く生きることができないことも、
統計数字として知られています。
ある一定規模以上の企業には、
「産業医」を選任することが義務付けられています。
勿論、ガン治療の専門医はいないと思いますが、
医者として、
論文、統計データを読むことができます。
産業医は、
企業で働く職員の健康管理のために選任されており、
労働者の健康状態や精神的な悩みなどの個人情報(秘密)を、
無暗に会社の上司(事業者)などに漏洩することは、
守秘義務違反で罰せられますが、
「労働安全衛生法」という法律では、
労働者が「治らないガン」であることを知った場合には、
産業医は、
当然「労働者の健康を確保するために」
企業者に報告することになります。
その上で、
治療のために長い休暇が必要になれば、
企業はその保障義務も発生してきますので、
企業としては、
早晩退職することが分かっている職員には
「居て欲しくない」
「早く退職して欲しい」
と考えるのが、
現在の不景気な日本では当然の姿勢だと思います。
「治らないガン」
それは休職を余儀なくされる副作用を受けても、
絶対に治りません。
勿論、白血病や手術後の抗癌剤治療の場合は、
その限りではありません。
大塚北口診療所では、
仕事を持っている患者さんは、
その仕事は続けていただく、
という大原則でガン治療を行っています。
副作用が日常生活上容認できるレベルであれば、
仕事も十分に可能であり、
そのほうが、
激しい副作用に悩まされた挙句、
職を失うような治療よりは、
遥かに長生きができます。
大塚北口診療所では特殊なことをしているのではありません。
標準は「参考治療」として、
副作用を最重要視した治療を行っているだけです。
残念ながら、
ガンが進行してきたことによる、
全身状態の悪化により、
仕事を続けることは不可能という時期は、
何時かは訪れるかも知れません。
しかし、その前に、
正規の定年退職で、
離職できた患者さんも何人もいます。
皆さんその後の再就職は、
希望されませんでしたが、
あとは悠悠自適に、
仕事とではなく、
ガンだけと付き合う、
というお考えでした。
ガンを宿してしまうと、
治療による経済的な負担も大きくのしかかってくるのが現実です。
その現実を前にして、
収入源まで失い、
さらに寿命まで縮めるのは、
あまりにも馬鹿げていると考えます。
仕事ができるうちは、
無治療という方がよほどマシだと感じます。
ご自身の治療を、
シッカリと見つめ直してください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ガン患者さんの就労問題が取り上げられていました。
検査技術の進歩が大きく貢献していると思いますが、
概ね、半分のガン患者さんが、
「治った」という状態になり、
天寿を全うすることが可能になりつつありますので、
治った「元ガン患者さん」が、
仕事を失ってしまうことは、
日本社会の大きな問題だと思います。
不景気を脱出できない、
日本の政府の責任も大きいと感じます。
しかし治らない患者さんの場合には、
政府の責任ではなく、
治療を行う医者の責任も大きいように感じます。
治らないガンを宿した患者さん、
すなわち早晩退職を余儀なくされる患者さんを雇い続けて、
その上、
治療のために、
たくさん休暇を取る、
ということでは、
相当に経済的に余裕のある会社や、
税金を無尽蔵に使える親方日の丸の大企業でなければ、
難しいのが現実だと思います。
しかし治らないガンを宿した多くの患者さんは、
検査を受けてガンが発見されなければ、
普通の健康人と変わりなく仕事を続けることができます。
しかし、副作用のために、
何日も入院したり、
自宅での療養生活を余儀なくされる患者さんでは、
会社は雇いたくないのは当然です。
また、そのような激しい副作用に襲われる標準的な治療では、
エビデンスどおりに、
長く生きることができないことも、
統計数字として知られています。
ある一定規模以上の企業には、
「産業医」を選任することが義務付けられています。
勿論、ガン治療の専門医はいないと思いますが、
医者として、
論文、統計データを読むことができます。
産業医は、
企業で働く職員の健康管理のために選任されており、
労働者の健康状態や精神的な悩みなどの個人情報(秘密)を、
無暗に会社の上司(事業者)などに漏洩することは、
守秘義務違反で罰せられますが、
「労働安全衛生法」という法律では、
産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、
事業者に対し、
労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
労働者が「治らないガン」であることを知った場合には、
産業医は、
当然「労働者の健康を確保するために」
企業者に報告することになります。
その上で、
治療のために長い休暇が必要になれば、
企業はその保障義務も発生してきますので、
企業としては、
早晩退職することが分かっている職員には
「居て欲しくない」
「早く退職して欲しい」
と考えるのが、
現在の不景気な日本では当然の姿勢だと思います。
「治らないガン」
それは休職を余儀なくされる副作用を受けても、
絶対に治りません。
勿論、白血病や手術後の抗癌剤治療の場合は、
その限りではありません。
大塚北口診療所では、
仕事を持っている患者さんは、
その仕事は続けていただく、
という大原則でガン治療を行っています。
副作用が日常生活上容認できるレベルであれば、
仕事も十分に可能であり、
そのほうが、
激しい副作用に悩まされた挙句、
職を失うような治療よりは、
遥かに長生きができます。
大塚北口診療所では特殊なことをしているのではありません。
標準は「参考治療」として、
副作用を最重要視した治療を行っているだけです。
残念ながら、
ガンが進行してきたことによる、
全身状態の悪化により、
仕事を続けることは不可能という時期は、
何時かは訪れるかも知れません。
しかし、その前に、
正規の定年退職で、
離職できた患者さんも何人もいます。
皆さんその後の再就職は、
希望されませんでしたが、
あとは悠悠自適に、
仕事とではなく、
ガンだけと付き合う、
というお考えでした。
ガンを宿してしまうと、
治療による経済的な負担も大きくのしかかってくるのが現実です。
その現実を前にして、
収入源まで失い、
さらに寿命まで縮めるのは、
あまりにも馬鹿げていると考えます。
仕事ができるうちは、
無治療という方がよほどマシだと感じます。
ご自身の治療を、
シッカリと見つめ直してください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。