乳ガンという病気は、
患者数も多く、
他の種類のガンよりも長生きします。
ということは、
他の種類のガンよりも、
たくさんの薬剤が消費されることになります。
また乳ガンは薬剤がとても効きやすいガンの代表選手です。
したがって、
製薬会社にとっては、
乳ガンの治療薬はドル箱になります。
そのドル箱を作るためには、
各国での認可が必要になりますので、
そのための治験が行われます。
肺ガンなどでは、
いまだに無治療患者群と、
治療を受けた患者群との比較なども行われていますが、
乳ガンでは、
単純に無治療患者群と、
治療患者群との比較試験(治験)はできません。
乳ガンではほとんどの治療で、
有効性が確認されています。
再発予防の抗癌剤治療では、
2010年12月15日の「乳癌再発予防抗癌剤治療」
16日の「乳癌再発予防抗癌剤治療・続き」
はじめ何回も書いているとおり、
数字の真偽は、
闇の中ですが、
多少の再発予防効果はあるとされています。
エビデンスの数字は、
完全な捏造だと主張している学者先生もいるようですが、
御仁はドウも抗癌剤が大嫌いで、
腹癒せに言い張っているだけのような気がします。
乳ガンではその数字の信憑性は別にして、
抗癌剤治療を行うことで、
とりあえず再発予防効果があるとされています。
その時に、
新しい薬剤の再発予防効果を調べる試験(治験)を行うには、
無治療患者群との単純比較というのは、
人道的に許されなくなります。
Aという治療を行うと、
無治療よりは再発確率が下がる、
というエビデンスがとりあえず出されているときに、
そのA治療を行わずに、
無治療患者群と、
新しい薬剤での治療患者群を比較することは許されません。
したがって、
新しい薬剤での再発予防効果を調べるためには、
すべての患者さん全員に、
とりあえずAという治療を行い、
その上で、
治療効果が未知であるBという新しい薬剤を追加した患者群と、
追加しなかった患者群を比較することになります。
Bという薬剤での再発予防効果が未知であっても、
その手法だけは人道的に許されることになります。
したがって、
新しいエビデンスは、
以前にも何回か書いた通り、
上乗せ、上乗せの連続になります。
しかしその間に、
抗癌剤治療も進歩しますが、
手術や放射線治療の医療技術は確実に進化します。
さらに診断技術も大きく進みます。
手術後の再発予防治療の場合には、
手術技術および診断技術の進化は、
けっして無視できません。
手術後の抗癌剤治療など行わなくても、
再発確率はむかしの統計数字よりは、
間違いなく下がっているはずです。
その進化を無視しての、
上乗せデータだけが、
真実の数字で開示されていたとしても、
本当に信用できるのか否か、
大きな疑問があります。
乳ガンでは「ハーツー蛋白の過剰発現を認める」、
要するにハーツー陽性(Her2+)の場合、
再発予防のためのハーセプチンの使用が認められています。
しかし、前述のような理由から、
治験のデザインが、
とりあえずのエビデンスが確認されているとされる、
「標準的な抗癌剤治療」を行った後に、
ハーセプチンを使った患者群と、
使わなかった患者群との比較データしか出されていませんから、
日本の多くの病院では、
標準治療後でないと、
すなわち、最大耐用量の細胞毒が、
身体に注入された後でないと、
再発予防としてのハーセプチンは使ってくれません。
現在、標準的な抗癌剤治療を受けられないような、
体力のないご高齢者の乳ガンを対象に、
ハーセプチン単独での再発予防効果を確認する治験が進行中のようです、
製薬会社は勝算が無ければ、
莫大な経費がかかる治験など行いません。
ハーセプチン単独でも、
再発予防効果は認められるのではないかと考えます。
勿論、何%の抑制効果があるのかなどは分かりませんし、
仮に、その数字が出たとしても、
その恩恵に与るか否かは、
やってみなければ分かりません。
ただしハーセプチンには、
ほとんど副作用が無いことは事実であり、
「ダメもと」
という考え方もできると思います。
逆に、副作用満載の最大耐用量の細胞毒を注入する標準治療では、
「ダメもと」では済まされません。
「これだけ甚大な副作用を受けた上に再発・・・」
悔やんでも悔やみきれません。
ただし、
「これだけ苦労したうえでの再発だから仕方がない」
「みんなと同じことをやったうえで再発だから・・・」
という、
潔い、諦めの境地に入ることはできるかも知れません。
それは、標準治療の最大のメリットであるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
患者数も多く、
他の種類のガンよりも長生きします。
ということは、
他の種類のガンよりも、
たくさんの薬剤が消費されることになります。
また乳ガンは薬剤がとても効きやすいガンの代表選手です。
したがって、
製薬会社にとっては、
乳ガンの治療薬はドル箱になります。
そのドル箱を作るためには、
各国での認可が必要になりますので、
そのための治験が行われます。
肺ガンなどでは、
いまだに無治療患者群と、
治療を受けた患者群との比較なども行われていますが、
乳ガンでは、
単純に無治療患者群と、
治療患者群との比較試験(治験)はできません。
乳ガンではほとんどの治療で、
有効性が確認されています。
再発予防の抗癌剤治療では、
2010年12月15日の「乳癌再発予防抗癌剤治療」
16日の「乳癌再発予防抗癌剤治療・続き」
はじめ何回も書いているとおり、
数字の真偽は、
闇の中ですが、
多少の再発予防効果はあるとされています。
エビデンスの数字は、
完全な捏造だと主張している学者先生もいるようですが、
御仁はドウも抗癌剤が大嫌いで、
腹癒せに言い張っているだけのような気がします。
乳ガンではその数字の信憑性は別にして、
抗癌剤治療を行うことで、
とりあえず再発予防効果があるとされています。
その時に、
新しい薬剤の再発予防効果を調べる試験(治験)を行うには、
無治療患者群との単純比較というのは、
人道的に許されなくなります。
Aという治療を行うと、
無治療よりは再発確率が下がる、
というエビデンスがとりあえず出されているときに、
そのA治療を行わずに、
無治療患者群と、
新しい薬剤での治療患者群を比較することは許されません。
したがって、
新しい薬剤での再発予防効果を調べるためには、
すべての患者さん全員に、
とりあえずAという治療を行い、
その上で、
治療効果が未知であるBという新しい薬剤を追加した患者群と、
追加しなかった患者群を比較することになります。
Bという薬剤での再発予防効果が未知であっても、
その手法だけは人道的に許されることになります。
したがって、
新しいエビデンスは、
以前にも何回か書いた通り、
上乗せ、上乗せの連続になります。
しかしその間に、
抗癌剤治療も進歩しますが、
手術や放射線治療の医療技術は確実に進化します。
さらに診断技術も大きく進みます。
手術後の再発予防治療の場合には、
手術技術および診断技術の進化は、
けっして無視できません。
手術後の抗癌剤治療など行わなくても、
再発確率はむかしの統計数字よりは、
間違いなく下がっているはずです。
その進化を無視しての、
上乗せデータだけが、
真実の数字で開示されていたとしても、
本当に信用できるのか否か、
大きな疑問があります。
乳ガンでは「ハーツー蛋白の過剰発現を認める」、
要するにハーツー陽性(Her2+)の場合、
再発予防のためのハーセプチンの使用が認められています。
しかし、前述のような理由から、
治験のデザインが、
とりあえずのエビデンスが確認されているとされる、
「標準的な抗癌剤治療」を行った後に、
ハーセプチンを使った患者群と、
使わなかった患者群との比較データしか出されていませんから、
日本の多くの病院では、
標準治療後でないと、
すなわち、最大耐用量の細胞毒が、
身体に注入された後でないと、
再発予防としてのハーセプチンは使ってくれません。
現在、標準的な抗癌剤治療を受けられないような、
体力のないご高齢者の乳ガンを対象に、
ハーセプチン単独での再発予防効果を確認する治験が進行中のようです、
製薬会社は勝算が無ければ、
莫大な経費がかかる治験など行いません。
ハーセプチン単独でも、
再発予防効果は認められるのではないかと考えます。
勿論、何%の抑制効果があるのかなどは分かりませんし、
仮に、その数字が出たとしても、
その恩恵に与るか否かは、
やってみなければ分かりません。
ただしハーセプチンには、
ほとんど副作用が無いことは事実であり、
「ダメもと」
という考え方もできると思います。
逆に、副作用満載の最大耐用量の細胞毒を注入する標準治療では、
「ダメもと」では済まされません。
「これだけ甚大な副作用を受けた上に再発・・・」
悔やんでも悔やみきれません。
ただし、
「これだけ苦労したうえでの再発だから仕方がない」
「みんなと同じことをやったうえで再発だから・・・」
という、
潔い、諦めの境地に入ることはできるかも知れません。
それは、標準治療の最大のメリットであるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。