「ガンと食事」などというタイトルだと、
また、
「奇怪な偏食」に過ぎない、
何の効果も無い、
むしろ害のほうが遥かに大きな「食事療法」のことか、
と勘違いされるかたも多いと思いますが、
本日はそうではありません。
2ヶ月ほど前にも、
明らかに「餓死」と思われる患者さんがいました。
ご自宅での最期でした。
その前の週には、
ご自身の足で、
大塚北口診療所まで来られていましたが、
点滴の間中、
横になってぐったりしていたので、
食事は十分に摂れているのかをご家族に確認しましたが、
「十分に食べています」
とのことでしたので、
何故、疲れ果てたような状況になっているのか分からず、
その日は、そのままお帰りになりました。
数日後に、
「ご自宅で亡くなられた」
との訃報が届きました。
その数日後、
別のご家族が、
最後の挨拶に来てくれましたが、
最後の状況をお聞きすると、
ドウ考えても餓死ですので、
再度、食事について確認すると、
そのご家族の目からの判断は、
「ここしばらくの間、ほとんど食べられていなかった」
とのことでした。
悪い予想が当たってしまいました。
その患者さんは、
以前に数回、
ご自宅での食事摂取内容をすべて書き出してきてもらい、
カロリー計算をして、
その時には生命維持には、
ほぼ十分な量が摂れていましたが、
亡くなる前には、
経口食事摂取量は、
かなり減少していたようです。
しかし、ご家族の目には、
「食べている」
と映ってしまったようです。
食べられなければ生きていけませんよ。
口からが無理なら、
在宅中心静脈栄養もありますよ。
というお話をしていましたので、
ご家族の耳には、
「食べられなければ生きていけない」
という言葉だけが残り、
希望的観測から、
十分に食べているように見えてしまったのではないかと、
思われます。
本日も十分に食事が摂れなくなっている
と思われる患者さんが来られましたが、
ご家族は「十分に食べています」とのことでした。
ご本人ははじめから食欲が無いので、
どの程度の量を食べているのか、
まったく分からない状態です。
ガンを患うと、
何故か空腹感を感じなくなる患者さんが少なくありません。
空腹感が無いのですから、
当然、食欲は出ません。
しかしご家族の目には、
「食べなければ死ぬ」と思うと、
「食べているに違いない」と思いたい。
という思考回路が存在するように感じます。
勿論、その逆に、
神経質過ぎるとも思われるほど、
食事摂取量を気にされて、
毎回の来院の度毎に、
毎日の十分過ぎるほどの食事内容を詳細に書かれて来られる
患者さんご家族もいます。
本日の患者さんは、
ドウ見ても患者さんの食事摂取量は十分だとは思えません。
しかし、同伴のご家族は、
「十分に食べている」
と言われました。
幸い、三食ともに患者さんとご一緒のようですので、
「ご自身も患者さんが食べる量だけを食べてください」
「患者さん以上には絶対に食べないで、
その量でたりているか否か確認してください」
と言いましたが、
恐らく、
患者さんと同じ食事量では、
フラフラになって、
正常な日常生活はできなくなってしまうと思います。
ガン患者さんのご家族で、
患者さんの食事摂取量が心配なかたは、
患者さんとまったく同一・同量の食事を2~3日試してみてください。
患者さんに栄養が足りているか否か、
すぐに判明すると思います。
抗癌剤治療の副作用が如何に激しく、辛いものかは、
健康な人では確認することはできませんが、
多くのガン患者さんが至る、
餓死とは如何なる状態であるのかを、
確認するのは、
ダイエットにもなって、
けっして悪いことではありません。
そしてそれが患者さんの餓死を防ぐことにもなります。
巷の緩和ケアなどでは、
餓死される患者さんは、
少なくないと思われます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
また、
「奇怪な偏食」に過ぎない、
何の効果も無い、
むしろ害のほうが遥かに大きな「食事療法」のことか、
と勘違いされるかたも多いと思いますが、
本日はそうではありません。
2ヶ月ほど前にも、
明らかに「餓死」と思われる患者さんがいました。
ご自宅での最期でした。
その前の週には、
ご自身の足で、
大塚北口診療所まで来られていましたが、
点滴の間中、
横になってぐったりしていたので、
食事は十分に摂れているのかをご家族に確認しましたが、
「十分に食べています」
とのことでしたので、
何故、疲れ果てたような状況になっているのか分からず、
その日は、そのままお帰りになりました。
数日後に、
「ご自宅で亡くなられた」
との訃報が届きました。
その数日後、
別のご家族が、
最後の挨拶に来てくれましたが、
最後の状況をお聞きすると、
ドウ考えても餓死ですので、
再度、食事について確認すると、
そのご家族の目からの判断は、
「ここしばらくの間、ほとんど食べられていなかった」
とのことでした。
悪い予想が当たってしまいました。
その患者さんは、
以前に数回、
ご自宅での食事摂取内容をすべて書き出してきてもらい、
カロリー計算をして、
その時には生命維持には、
ほぼ十分な量が摂れていましたが、
亡くなる前には、
経口食事摂取量は、
かなり減少していたようです。
しかし、ご家族の目には、
「食べている」
と映ってしまったようです。
食べられなければ生きていけませんよ。
口からが無理なら、
在宅中心静脈栄養もありますよ。
というお話をしていましたので、
ご家族の耳には、
「食べられなければ生きていけない」
という言葉だけが残り、
希望的観測から、
十分に食べているように見えてしまったのではないかと、
思われます。
本日も十分に食事が摂れなくなっている
と思われる患者さんが来られましたが、
ご家族は「十分に食べています」とのことでした。
ご本人ははじめから食欲が無いので、
どの程度の量を食べているのか、
まったく分からない状態です。
ガンを患うと、
何故か空腹感を感じなくなる患者さんが少なくありません。
空腹感が無いのですから、
当然、食欲は出ません。
しかしご家族の目には、
「食べなければ死ぬ」と思うと、
「食べているに違いない」と思いたい。
という思考回路が存在するように感じます。
勿論、その逆に、
神経質過ぎるとも思われるほど、
食事摂取量を気にされて、
毎回の来院の度毎に、
毎日の十分過ぎるほどの食事内容を詳細に書かれて来られる
患者さんご家族もいます。
本日の患者さんは、
ドウ見ても患者さんの食事摂取量は十分だとは思えません。
しかし、同伴のご家族は、
「十分に食べている」
と言われました。
幸い、三食ともに患者さんとご一緒のようですので、
「ご自身も患者さんが食べる量だけを食べてください」
「患者さん以上には絶対に食べないで、
その量でたりているか否か確認してください」
と言いましたが、
恐らく、
患者さんと同じ食事量では、
フラフラになって、
正常な日常生活はできなくなってしまうと思います。
ガン患者さんのご家族で、
患者さんの食事摂取量が心配なかたは、
患者さんとまったく同一・同量の食事を2~3日試してみてください。
患者さんに栄養が足りているか否か、
すぐに判明すると思います。
抗癌剤治療の副作用が如何に激しく、辛いものかは、
健康な人では確認することはできませんが、
多くのガン患者さんが至る、
餓死とは如何なる状態であるのかを、
確認するのは、
ダイエットにもなって、
けっして悪いことではありません。
そしてそれが患者さんの餓死を防ぐことにもなります。
巷の緩和ケアなどでは、
餓死される患者さんは、
少なくないと思われます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。