手術不能の進行ガン、
根治手術が一度はできたものの、
その後再発してきたガンは、
残念ながら治ることはありません。
しかし、治らないということと、
すぐに命が奪われるということは、
まったく違います。
この事実は何回も書いています。
それは、それを知らずに、
苦あれば楽ありという日本人の大好きな言葉も手伝って、
「治る」と勘違いして(させられて)、
標準治療に突っ走るお気の毒な患者さんが多いからです。
しかし、いまだに、
「このブログを読んだ」
「手術不能と言われたが抗癌剤治療で治して欲しい」
「私は手術後に再発したが何とか治したい」
というリクエスト?のメールがたくさん来ます。
如何なる種類の病気であれ、
それを宿したならば誰でも、
「治したい」と考えるのは当然だと思います。
しかし、急性白血病などを除いた、
固形ガンを宿した患者さんの希望と、
甘くはない現実は大きくかけ離れています。
多くの患者さん、
と云うより、
ほとんどの患者さんでは、
「治る」とまでは思わなくても、
大きな延命が可能だと勘違いをして、
標準治療に突き進んでしまいます。
そこで一昨日の「10万年後」でチョッと書いた、
「標準治療のメリット」について考えたのですが、
固形ガンでは、
卵巣ガンの手術後の標準的な抗癌剤治療では、
治る確率は高くはありませんが、
奏功確率は高く、
標準治療の後、
平均20ヶ月程度の無治療での、
経過観察期間を得ることができることを考えると、
悪くはないと思います。
しかし卵巣ガンでも、
再発を来した場合、
標準治療を行っても治ることもありませんし、
無治療での経過観察期間も長くは得られませんので、
得か損かは、
ご自身の価値観と照らし合わせて考えてください。
進行スピードが極めて速い可能性がある、
小細胞肺ガンなどでも、
一気に大量の細胞毒を注入する標準治療は、
奏功確率が非常に高いことと、
また、放置した場合、
凄まじい勢いで進む可能性も多分に危惧されるため、
一発勝負に賭けるのも悪くはないと考えます。
しかし、一般的な肺ガンや胃ガン膵ガン、
比較的穏やかな経過の乳ガンなどでの標準治療は、
何を取っても、
標準治療の現実的なメリットは見つかりません。
敢えて考えると、
標準的に大量の細胞毒が注入されると、
激しい副作用の渦に巻き込まれて、
何も分からなくなり、
病気や将来への不安感など、
一発で吹き飛んでしまう、
ということが言えると思います。
治療の苦痛に如何に耐えるか、
それだけが生活の目的になり、
ガンという病気に対する不安など消え失せます。
「ガンだ、ガンだ、ドウしよう、ドウしよう」
と悩んでいる患者さんには、
そんな悩みはアッサリ取り去ってくれますので、
お勧めなのかも知れません。
また、標準治療だけを行っているのは、
多くは地域の基幹病院などの大病院ですので、
残されたご家族が、
「大病院でダメだったのだから仕方がない」
「標準的な治療で逝ったのだから仕方がない」
「あれが標準なのだから仕方がない」
というかなり捻じ曲がった納得が成立します。
またもう一点考えられます。
根治手術後の再発予防の標準的抗癌剤治療では、
患者さんが思い描くほど、
再発予防効果は大きくはありません。
何千何万という患者集団での比較では、
予防治療を受けた患者群のほうが、
受けなかった患者群よりも僅かですが確率が低下する。
手術後無治療で経過を診るよりは、
若干再発確率が減ることは事実のようです。
手術後に「皆が受けるから私も受ける」
主治医が勧めるから「受けるのが当たり前と思っていた」
と言われる患者さんが多いですが、
当然、その辛く厳しい治療の後に再発を見る患者さんもいます。
しかし、不幸にして再発した時、
「あれだけ辛い治療を受けても再発をしたのだから仕方がない」
という諦めの境地へ導いてくれる可能性があります。
「あの時、再発予防治療を受けていればよかった」
という後悔が少なくなる可能性があります。
標準治療には、
「医者の満足」以外にも、
患者さんの「こころの慰め」という大きなメリットはあります。
しかし、
数日前の「食事とビタミンC大量点滴」でも書いたとおり、
ほとんどの種類の固形ガンに対して、
命の長さと、
患者さんの肉体に対してのQOLを考えたなら、
標準的に大量の抗癌剤を使った、
日本全国民共通という不平等極まりない治療は、
受けるべきではない、
と考えます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
根治手術が一度はできたものの、
その後再発してきたガンは、
残念ながら治ることはありません。
しかし、治らないということと、
すぐに命が奪われるということは、
まったく違います。
この事実は何回も書いています。
それは、それを知らずに、
苦あれば楽ありという日本人の大好きな言葉も手伝って、
「治る」と勘違いして(させられて)、
標準治療に突っ走るお気の毒な患者さんが多いからです。
しかし、いまだに、
「このブログを読んだ」
「手術不能と言われたが抗癌剤治療で治して欲しい」
「私は手術後に再発したが何とか治したい」
というリクエスト?のメールがたくさん来ます。
如何なる種類の病気であれ、
それを宿したならば誰でも、
「治したい」と考えるのは当然だと思います。
しかし、急性白血病などを除いた、
固形ガンを宿した患者さんの希望と、
甘くはない現実は大きくかけ離れています。
多くの患者さん、
と云うより、
ほとんどの患者さんでは、
「治る」とまでは思わなくても、
大きな延命が可能だと勘違いをして、
標準治療に突き進んでしまいます。
そこで一昨日の「10万年後」でチョッと書いた、
「標準治療のメリット」について考えたのですが、
固形ガンでは、
卵巣ガンの手術後の標準的な抗癌剤治療では、
治る確率は高くはありませんが、
奏功確率は高く、
標準治療の後、
平均20ヶ月程度の無治療での、
経過観察期間を得ることができることを考えると、
悪くはないと思います。
しかし卵巣ガンでも、
再発を来した場合、
標準治療を行っても治ることもありませんし、
無治療での経過観察期間も長くは得られませんので、
得か損かは、
ご自身の価値観と照らし合わせて考えてください。
進行スピードが極めて速い可能性がある、
小細胞肺ガンなどでも、
一気に大量の細胞毒を注入する標準治療は、
奏功確率が非常に高いことと、
また、放置した場合、
凄まじい勢いで進む可能性も多分に危惧されるため、
一発勝負に賭けるのも悪くはないと考えます。
しかし、一般的な肺ガンや胃ガン膵ガン、
比較的穏やかな経過の乳ガンなどでの標準治療は、
何を取っても、
標準治療の現実的なメリットは見つかりません。
敢えて考えると、
標準的に大量の細胞毒が注入されると、
激しい副作用の渦に巻き込まれて、
何も分からなくなり、
病気や将来への不安感など、
一発で吹き飛んでしまう、
ということが言えると思います。
治療の苦痛に如何に耐えるか、
それだけが生活の目的になり、
ガンという病気に対する不安など消え失せます。
「ガンだ、ガンだ、ドウしよう、ドウしよう」
と悩んでいる患者さんには、
そんな悩みはアッサリ取り去ってくれますので、
お勧めなのかも知れません。
また、標準治療だけを行っているのは、
多くは地域の基幹病院などの大病院ですので、
残されたご家族が、
「大病院でダメだったのだから仕方がない」
「標準的な治療で逝ったのだから仕方がない」
「あれが標準なのだから仕方がない」
というかなり捻じ曲がった納得が成立します。
またもう一点考えられます。
根治手術後の再発予防の標準的抗癌剤治療では、
患者さんが思い描くほど、
再発予防効果は大きくはありません。
何千何万という患者集団での比較では、
予防治療を受けた患者群のほうが、
受けなかった患者群よりも僅かですが確率が低下する。
手術後無治療で経過を診るよりは、
若干再発確率が減ることは事実のようです。
手術後に「皆が受けるから私も受ける」
主治医が勧めるから「受けるのが当たり前と思っていた」
と言われる患者さんが多いですが、
当然、その辛く厳しい治療の後に再発を見る患者さんもいます。
しかし、不幸にして再発した時、
「あれだけ辛い治療を受けても再発をしたのだから仕方がない」
という諦めの境地へ導いてくれる可能性があります。
「あの時、再発予防治療を受けていればよかった」
という後悔が少なくなる可能性があります。
標準治療には、
「医者の満足」以外にも、
患者さんの「こころの慰め」という大きなメリットはあります。
しかし、
数日前の「食事とビタミンC大量点滴」でも書いたとおり、
ほとんどの種類の固形ガンに対して、
命の長さと、
患者さんの肉体に対してのQOLを考えたなら、
標準的に大量の抗癌剤を使った、
日本全国民共通という不平等極まりない治療は、
受けるべきではない、
と考えます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。