ほとんどの患者さんや、
ご家族では、患者さんに
ある程度身体の自由が利き、
耐え難い苦痛がないのであれば、
少しでも延命したいと考えることだと思います。
そのためには、
ガンの進行を抑制するための
抗癌剤は欠くことができない最大の武器です。
標準的抗癌剤治療では、
その治療対象は、PS0または1 の全身状態の良好な患者さんだけであり、
ガンの進行と同時に、
全身状態が悪化すると、
状態の良くないPS3以上の患者さんではエビデンスがないため、
「もはや治療方法はありません」
と決まり文句がまっており、
当然ながら諦めきれない、
患者さんやご家族は、
その後は、流浪のガン難民としての険しい道が待っています。
PS. については1月18日の「緩和医療」で説明しました。
ご参照下さい。
どのような全身状態になっていても、
ガン治療ができないなどということはありません。
本日も86歳の元気なお爺ちゃんの胃ガン再発に対して抗癌剤治療をはじめました。
高齢者であれば、その年齢相応の治療もあるはずです。
しかし、エビデンスのない高齢者でも、
標準的抗癌剤治療は対象外になってしまいます。
はじめから、対象外ですから、
一から、他の治療を探すことが出来ますので、
むしろ、標準的抗癌剤治療を進められて、
ガンの悪化と同時に、
「もはや治療方法はありません」
と、放り出されるよりは、余程マシかも知れません。
現在、少しずつ患者さんに浸透してきた感のある、
休眠療法的な、
抗癌剤治療による副作用で苦痛を伴うことなく行われる
延命のための抗癌剤治療では、
健康保険で許された範囲内の薬剤であれば、
厚生労働省は文句を言うことはありません。
むしろ、保険医療財政の逼迫した現在の日本の医療財政事情からすると、
使われる抗癌剤の量が、
標準治療と比較して圧倒的に少ないですから、
治療費用は標準的抗癌剤治療より遥かに安くなるため、
歓迎されていると思います。
しかし、実は患者さんが長生きするため、
その患者さんが一生涯で使う抗癌剤の量は標準治療よりは、
遥かに多くなるのですが、
そのことについての追求はまだありません。
3月7日の「ガン患者さんが働くということ」でも書いたとおり、
少量の抗癌剤を使った治療では、
患者さんは働くことができますので、
社会に対する生産性を維持することが可能です。
したがって、治療に多少のお金がかかっても、
国としてみれば標準治療よりは有り難いのかもしれません。
ところが、ガンという病気に対する延命治療は、
抗癌剤治療だけではありません。
ガンの進行と同時に、
全身状態が悪化してくると、
血液中のアルブミンというタンパク質が作られなくなってきます。
その状態が続けば全身状態はさらに悪化していきます。
それを、改善させるには、
アルブミンというタンパク質を、
点滴で患者さんの体内に直接注入していかなければなりません。
そのアルブミンというタンパク質は
人間の身体しか作ることができません。
すなわち、人間の身体が作ったアルブミンをもらうしかないのです。
ほとんどは、献血から得られるアルブミンが使われますが、
それは、とても高価である上に、
供給源が献血ですから数にも限りがあります。
残念ながら、延命だけで救命は難しい患者さんでは、
厚生労働省はその使用を極度に制限しています。
健康保険でそれを使うと、
病院が損するようになっています。
いわゆる「保険で切られる」
「査定される」
という状態です。
損を押してまで、
薬剤を使えるほど、裕福な病院は
今の健康保険制度は存在し得ません。
使えば、少しは延命も可能だと思われる患者さんでも、
ほとんどの場合使うことができません。
世知辛い世の中です。
そのうち、健康保険での抗癌剤治療では、
年齢制限までも出現してくるかも知れません。
「○○歳以上は、抗癌剤治療をしてはいけません」
「○○歳以上の患者さんは、健康保険では抗癌剤治療はできません」
という時代も遠くないように思います。
何とも、無情を感じます。
本日はアルブミンを自由に使えない状況を見て感じたことを書きました。
以上 文責 梅澤 充
ご家族では、患者さんに
ある程度身体の自由が利き、
耐え難い苦痛がないのであれば、
少しでも延命したいと考えることだと思います。
そのためには、
ガンの進行を抑制するための
抗癌剤は欠くことができない最大の武器です。
標準的抗癌剤治療では、
その治療対象は、PS0または1 の全身状態の良好な患者さんだけであり、
ガンの進行と同時に、
全身状態が悪化すると、
状態の良くないPS3以上の患者さんではエビデンスがないため、
「もはや治療方法はありません」
と決まり文句がまっており、
当然ながら諦めきれない、
患者さんやご家族は、
その後は、流浪のガン難民としての険しい道が待っています。
PS. については1月18日の「緩和医療」で説明しました。
ご参照下さい。
どのような全身状態になっていても、
ガン治療ができないなどということはありません。
本日も86歳の元気なお爺ちゃんの胃ガン再発に対して抗癌剤治療をはじめました。
高齢者であれば、その年齢相応の治療もあるはずです。
しかし、エビデンスのない高齢者でも、
標準的抗癌剤治療は対象外になってしまいます。
はじめから、対象外ですから、
一から、他の治療を探すことが出来ますので、
むしろ、標準的抗癌剤治療を進められて、
ガンの悪化と同時に、
「もはや治療方法はありません」
と、放り出されるよりは、余程マシかも知れません。
現在、少しずつ患者さんに浸透してきた感のある、
休眠療法的な、
抗癌剤治療による副作用で苦痛を伴うことなく行われる
延命のための抗癌剤治療では、
健康保険で許された範囲内の薬剤であれば、
厚生労働省は文句を言うことはありません。
むしろ、保険医療財政の逼迫した現在の日本の医療財政事情からすると、
使われる抗癌剤の量が、
標準治療と比較して圧倒的に少ないですから、
治療費用は標準的抗癌剤治療より遥かに安くなるため、
歓迎されていると思います。
しかし、実は患者さんが長生きするため、
その患者さんが一生涯で使う抗癌剤の量は標準治療よりは、
遥かに多くなるのですが、
そのことについての追求はまだありません。
3月7日の「ガン患者さんが働くということ」でも書いたとおり、
少量の抗癌剤を使った治療では、
患者さんは働くことができますので、
社会に対する生産性を維持することが可能です。
したがって、治療に多少のお金がかかっても、
国としてみれば標準治療よりは有り難いのかもしれません。
ところが、ガンという病気に対する延命治療は、
抗癌剤治療だけではありません。
ガンの進行と同時に、
全身状態が悪化してくると、
血液中のアルブミンというタンパク質が作られなくなってきます。
その状態が続けば全身状態はさらに悪化していきます。
それを、改善させるには、
アルブミンというタンパク質を、
点滴で患者さんの体内に直接注入していかなければなりません。
そのアルブミンというタンパク質は
人間の身体しか作ることができません。
すなわち、人間の身体が作ったアルブミンをもらうしかないのです。
ほとんどは、献血から得られるアルブミンが使われますが、
それは、とても高価である上に、
供給源が献血ですから数にも限りがあります。
残念ながら、延命だけで救命は難しい患者さんでは、
厚生労働省はその使用を極度に制限しています。
健康保険でそれを使うと、
病院が損するようになっています。
いわゆる「保険で切られる」
「査定される」
という状態です。
損を押してまで、
薬剤を使えるほど、裕福な病院は
今の健康保険制度は存在し得ません。
使えば、少しは延命も可能だと思われる患者さんでも、
ほとんどの場合使うことができません。
世知辛い世の中です。
そのうち、健康保険での抗癌剤治療では、
年齢制限までも出現してくるかも知れません。
「○○歳以上は、抗癌剤治療をしてはいけません」
「○○歳以上の患者さんは、健康保険では抗癌剤治療はできません」
という時代も遠くないように思います。
何とも、無情を感じます。
本日はアルブミンを自由に使えない状況を見て感じたことを書きました。
以上 文責 梅澤 充



