アメリカの有名な女優が、
BRCA1という遺伝子が発見されたというだけで、
乳ガン発症確率87%と診断されて、
両側乳腺切除を行ったとか、
そしてアメリカに右へ倣えの日本の医療も、
その方向に進むとか。
発症確率が高いのは事実のようであり、
その遺伝子BRCA1およびBRCA2を持った乳ガンは、
それを持たない乳ガンよりも予後がよろしくない、
ということは知られています。
しかし87%という数字は何処から出てきたのでしょうか。
日本人でもそんな数字は出るのでしょうか。
また、予防的乳房切除手術は、
私が現役外科医であった頃から、
アメリカでは行われているということは聞いていました。
乳ガンでは、
乳腺全摘が当たり前の1970年代に、
「おっぱいを撮られるくらいなら死んだほうがマシ」
という切ない患者さんの意を汲んで、
アメリカとイタリアで同時期に、
乳房温存手術がはじまりました。
そのアメリカで、
ガンでもないのに、
確率だけで両側乳腺の全摘とは、
随分だとは感じていました。
しかし実際に有名人がそれに踏み切ると、
日本人でもその手術を受けるという健康人は、
増えるのでしょうね。
しかし、私の勉強不足でしょうけれども、
予防的乳房切除を受けた健康人の生存確率が、
受けなかった健康人よりも高いというエビデンスも見たことはありません。
87%という数字を何処から引き出したのか、
その真偽、およびその数字の多寡は別にして、
日本人の半分はガンが発症することが知られています。
男性には卵巣癌も子宮癌も発生しません。
女性には前立腺癌・精巣癌は有りません。
はじめから発生母地が無いからです。
BRCA1および2は、
卵巣ガンの発症にも関与していると云われています。
今後、件の女史は卵巣も取るような報道もあるようですが、
イイのでしょうかね。
日本人に多い胃ガンも、
予防的胃全摘手術を受ければ、
胃ガンにはなりません。
乳ガンも前立腺ガンも子宮ガンも卵巣ガンも、
その臓器を取ってしまえばガンになる確率は大幅に減少します。
恐らく、それらのガンによる直接の死亡確率は、
大きく減少すると思われます。
しかし人間はそれで満足なのでしょうか。
発見されたら最期、
というような極めて予後不良の膵癌なども、
はじめから膵臓が無ければ、
ガンは発生しません。
インスリンと消化管ホルモンを、
適宜調節していけば、
膵臓を全摘しても生きてはいけます。
発癌確率が高いから、
その臓器を予防的に切除してしまう。
如何なものですかね。
何故、タバコを吸ったり、
大酒を飲むバカがいるのでしょうか。
それは私だけではないと思います。
我が家にもバカな居候が二匹いますが、
ペットを大切にする日本人はたくさんいます。
「家族同然・家族の一員」と言って憚らないヒトもいるようです。
しかし多くのペットの寿命は10年程度、
ネコではそれ以上でも、
犬などはネコの半分程度だそうです。
飼い主様の平均余命は同じ程度でしょうか。
一般的にペットのほうが先に死ぬはずです。
それは、それを飼った時から分かっていたはず。
しかしペットが死ぬ時に、
ヒトは異常に悲しむ。
ペットは飼わなければ、
絶対に別れの悲しみに遭遇することはありません。
でも何故ヒトはペットを飼うのでしょうか。
ヒトはペットの死を楽しむのでしょうか。
予防的乳房切除手術が、
脚光を浴びるのは、
その後の美容形成手術の発達に依るところが大きいと思いますが、
神様がくれた身体を破壊することが正しいことか、
大きな疑問を感じます。
人間の身体の一部はペット以上のモノだと思います。
勿論、すべて個人の価値観で決めることです。
私は外科医の時代、
治療という大義名分はあっても、
神様が創られた人間の身体を破壊する手術という行為に、
常に疑問を感じていました。
治らないことが分かっている細胞毒攻撃よりは、
遥かにマシですが。
世の中、何が正しいのか分かりません。
重たい気分です。
今晩は、勝手な人間に育てられた挙句に殺された牛のステーキでも食べて、
食道ガン発症確率を上げるウィスキーでも飲もうかしら。
大腸ガンの発生確率も高まってしまいますね。
肺ガン、舌ガン、食道ガン、胃ガン、膀胱ガンとも密接な関係にあるタバコも、
酒の肴として欠かせません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
BRCA1という遺伝子が発見されたというだけで、
乳ガン発症確率87%と診断されて、
両側乳腺切除を行ったとか、
そしてアメリカに右へ倣えの日本の医療も、
その方向に進むとか。
発症確率が高いのは事実のようであり、
その遺伝子BRCA1およびBRCA2を持った乳ガンは、
それを持たない乳ガンよりも予後がよろしくない、
ということは知られています。
しかし87%という数字は何処から出てきたのでしょうか。
日本人でもそんな数字は出るのでしょうか。
また、予防的乳房切除手術は、
私が現役外科医であった頃から、
アメリカでは行われているということは聞いていました。
乳ガンでは、
乳腺全摘が当たり前の1970年代に、
「おっぱいを撮られるくらいなら死んだほうがマシ」
という切ない患者さんの意を汲んで、
アメリカとイタリアで同時期に、
乳房温存手術がはじまりました。
そのアメリカで、
ガンでもないのに、
確率だけで両側乳腺の全摘とは、
随分だとは感じていました。
しかし実際に有名人がそれに踏み切ると、
日本人でもその手術を受けるという健康人は、
増えるのでしょうね。
しかし、私の勉強不足でしょうけれども、
予防的乳房切除を受けた健康人の生存確率が、
受けなかった健康人よりも高いというエビデンスも見たことはありません。
87%という数字を何処から引き出したのか、
その真偽、およびその数字の多寡は別にして、
日本人の半分はガンが発症することが知られています。
男性には卵巣癌も子宮癌も発生しません。
女性には前立腺癌・精巣癌は有りません。
はじめから発生母地が無いからです。
BRCA1および2は、
卵巣ガンの発症にも関与していると云われています。
今後、件の女史は卵巣も取るような報道もあるようですが、
イイのでしょうかね。
日本人に多い胃ガンも、
予防的胃全摘手術を受ければ、
胃ガンにはなりません。
乳ガンも前立腺ガンも子宮ガンも卵巣ガンも、
その臓器を取ってしまえばガンになる確率は大幅に減少します。
恐らく、それらのガンによる直接の死亡確率は、
大きく減少すると思われます。
しかし人間はそれで満足なのでしょうか。
発見されたら最期、
というような極めて予後不良の膵癌なども、
はじめから膵臓が無ければ、
ガンは発生しません。
インスリンと消化管ホルモンを、
適宜調節していけば、
膵臓を全摘しても生きてはいけます。
発癌確率が高いから、
その臓器を予防的に切除してしまう。
如何なものですかね。
何故、タバコを吸ったり、
大酒を飲むバカがいるのでしょうか。
それは私だけではないと思います。
我が家にもバカな居候が二匹いますが、
ペットを大切にする日本人はたくさんいます。
「家族同然・家族の一員」と言って憚らないヒトもいるようです。
しかし多くのペットの寿命は10年程度、
ネコではそれ以上でも、
犬などはネコの半分程度だそうです。
飼い主様の平均余命は同じ程度でしょうか。
一般的にペットのほうが先に死ぬはずです。
それは、それを飼った時から分かっていたはず。
しかしペットが死ぬ時に、
ヒトは異常に悲しむ。
ペットは飼わなければ、
絶対に別れの悲しみに遭遇することはありません。
でも何故ヒトはペットを飼うのでしょうか。
ヒトはペットの死を楽しむのでしょうか。
予防的乳房切除手術が、
脚光を浴びるのは、
その後の美容形成手術の発達に依るところが大きいと思いますが、
神様がくれた身体を破壊することが正しいことか、
大きな疑問を感じます。
人間の身体の一部はペット以上のモノだと思います。
勿論、すべて個人の価値観で決めることです。
私は外科医の時代、
治療という大義名分はあっても、
神様が創られた人間の身体を破壊する手術という行為に、
常に疑問を感じていました。
治らないことが分かっている細胞毒攻撃よりは、
遥かにマシですが。
世の中、何が正しいのか分かりません。
重たい気分です。
今晩は、勝手な人間に育てられた挙句に殺された牛のステーキでも食べて、
食道ガン発症確率を上げるウィスキーでも飲もうかしら。
大腸ガンの発生確率も高まってしまいますね。
肺ガン、舌ガン、食道ガン、胃ガン、膀胱ガンとも密接な関係にあるタバコも、
酒の肴として欠かせません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。