昨日の「無難なガン治療」に対して、
素敵なコメントがありました。
本当に生死を達観している医者は、
どれだけいるでしょうか。
何時でも死に対する覚悟と、
生への価値観はシッカリと持っているつもりですが、
私などの未熟者は、
人間の命を達観できるには至っていません。
癌という病気に直面する医者は、
少なくとも、
自分以外の人間への死に対して、
達観してはいけないとも考えます。
今も、今までも多くの治らないガンを宿した患者さんを診ていますが、
「ホスピスに入りたい」という患者さんは、
ほとんどいません。
しかし昨日はそのホスピス入院のための診療情報提供書(紹介状)を、
2通も書きました。
数年に1通書しか書かない書類を、
1日に2通書いた経験はありません。
お一人はまだ30歳代のお若い患者さんで、
もう一人は私がまだ外科医だった、
平成9年に私自身が手術をしてその後治療を続けてきた患者さんです。
お二人は人生を達観されておられるのだと思います。
しかし現在の日本全体は、
68年前のすべてを失った敗戦から、
「頑張って」復興を遂げてきた歴史があり、
その歴史を築いてくださった先輩もご健在なかたも多く、
現在はその子供たちの世代が中心になり、
日本を動かしているように思いますので、
「がんばれば報いられる」という思想は、
日本中に大きく広がっているように感じます。
しかしご指摘のように、
自然を相手に生計を営んでいるかたはでは、
その相手には、
太刀打ちできないことを身体で感じておられるのかも知れませんね。
しかしガンと云う病気も、
すべてサイエンスで解決できるような情報を、
NHKはじめ多くのマスコミが
視聴率稼ぎという邪心のために、
盛んに流していますので、
頑張って今を築いてこられた多くの真面目な日本人が、
騙されてしまっていると思います。
仕事柄、
ヒトの幸せ、
ということをよく考えます。
コメントにある農業・漁業者は、
「頑張れば何とかなる」という思想で固まった都会人よりは、
自然の理屈を理解されていると思いますが、
未開の地で衣服も電気もなく、
日の出と同時に起きて、
暗くなると寝る。
という、本当に自然に溶け込んで生活を営む人間こそが、
ヒトの生・死に対しても達観しているように思います。
神様が病を与えたから、
お祈りをして邪気を払う。
お祈りが足りなければ死ぬ。
生死を達観できると、
それは幸福であるように感じます。
しかし、様々な面で豊かになってしまった日本人では、
邪念が多過ぎて、
人生を達観できる人間は多くはないように思います。
ガンも自然災害であり、
ご自身の人生を達観させてくれるはずの病気ですが、
多くの患者さんは、
ただ慌ててしまって、
ご自身の望まない方向の道に迷い込んでしまいます。
その間違いに気付いたときに、
人生を達観できれば、
素敵な最期が得られるのだと思います。
今も残る、
数百年前の、
極めて貧しかった日本で、
即身仏になられたヒトは、
本当にヒトの生と死を達観されていたのだと思いますが、
現在の日本は豊か過ぎますね。
達観されて、
即身成仏したつもりの生臭いヒトはたくさんいるかも知れませんが。
自然への抵抗なんて、
河川の整備。
堤防を高くする。
防風林を作る。
砂防ダムを作る。
その程度でしょうけれど、
自然災害は無くなりません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
素敵なコメントがありました。
達観するしかない
ヒトの致死率は所詮100%。
生き死には運と思ってバタバタしないのが一番良いのかも。
臨床医の先生方は日々、そういう現実に相対している故か
達観されているようですね。
医療にかかわらず「がんばれば報いられる」と執着する方々は
サラリーマンとか都会で安定した仕事をされている方に多くないですか?
田舎の農家・漁業に従事されている方々は、
人生先が見えないことを十分承知されている方が多いような気がします。
本当に生死を達観している医者は、
どれだけいるでしょうか。
何時でも死に対する覚悟と、
生への価値観はシッカリと持っているつもりですが、
私などの未熟者は、
人間の命を達観できるには至っていません。
癌という病気に直面する医者は、
少なくとも、
自分以外の人間への死に対して、
達観してはいけないとも考えます。
今も、今までも多くの治らないガンを宿した患者さんを診ていますが、
「ホスピスに入りたい」という患者さんは、
ほとんどいません。
しかし昨日はそのホスピス入院のための診療情報提供書(紹介状)を、
2通も書きました。
数年に1通書しか書かない書類を、
1日に2通書いた経験はありません。
お一人はまだ30歳代のお若い患者さんで、
もう一人は私がまだ外科医だった、
平成9年に私自身が手術をしてその後治療を続けてきた患者さんです。
お二人は人生を達観されておられるのだと思います。
しかし現在の日本全体は、
68年前のすべてを失った敗戦から、
「頑張って」復興を遂げてきた歴史があり、
その歴史を築いてくださった先輩もご健在なかたも多く、
現在はその子供たちの世代が中心になり、
日本を動かしているように思いますので、
「がんばれば報いられる」という思想は、
日本中に大きく広がっているように感じます。
しかしご指摘のように、
自然を相手に生計を営んでいるかたはでは、
その相手には、
太刀打ちできないことを身体で感じておられるのかも知れませんね。
しかしガンと云う病気も、
すべてサイエンスで解決できるような情報を、
NHKはじめ多くのマスコミが
視聴率稼ぎという邪心のために、
盛んに流していますので、
頑張って今を築いてこられた多くの真面目な日本人が、
騙されてしまっていると思います。
仕事柄、
ヒトの幸せ、
ということをよく考えます。
コメントにある農業・漁業者は、
「頑張れば何とかなる」という思想で固まった都会人よりは、
自然の理屈を理解されていると思いますが、
未開の地で衣服も電気もなく、
日の出と同時に起きて、
暗くなると寝る。
という、本当に自然に溶け込んで生活を営む人間こそが、
ヒトの生・死に対しても達観しているように思います。
神様が病を与えたから、
お祈りをして邪気を払う。
お祈りが足りなければ死ぬ。
生死を達観できると、
それは幸福であるように感じます。
しかし、様々な面で豊かになってしまった日本人では、
邪念が多過ぎて、
人生を達観できる人間は多くはないように思います。
ガンも自然災害であり、
ご自身の人生を達観させてくれるはずの病気ですが、
多くの患者さんは、
ただ慌ててしまって、
ご自身の望まない方向の道に迷い込んでしまいます。
その間違いに気付いたときに、
人生を達観できれば、
素敵な最期が得られるのだと思います。
今も残る、
数百年前の、
極めて貧しかった日本で、
即身仏になられたヒトは、
本当にヒトの生と死を達観されていたのだと思いますが、
現在の日本は豊か過ぎますね。
達観されて、
即身成仏したつもりの生臭いヒトはたくさんいるかも知れませんが。
自然への抵抗なんて、
河川の整備。
堤防を高くする。
防風林を作る。
砂防ダムを作る。
その程度でしょうけれど、
自然災害は無くなりません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。