「Risk & Benefit」という言葉で一括されますが、
がん治療に限らず、
病に対する治療では、
ほとんどの場合、
危険性・リスクを伴います。
そのリスクが、
得られるメリット・Benefitより小さい、
と判断される場合にだけ、
治療という行為は成立します。
随分とむかしに見てきたアメリカでは、
「Cost & Benefit」も、
国だけではなく、
個々の患者さんにとっても極めて重要な判断材料でした。
私の個人的な考えでは、
「治らない癌」に対する治療の場合、
吐き気、食欲不振、倦怠感、神経障害などの見えない副作用も、
リスクだと考えています。
限られた時間を、
奪ってしまうことになるのですから。
勿論、イレッサやアバスチンのように、
致死的な副作用・リスクを伴う場合には、
十分に注意して、
そのリスクをご本人ご家族に理解いただいた上でなければ、
使うことは許されません。
いずれの薬剤も、
そのリスクより、
メリットのほうが遥かに大きいと感じますが、
判断するのは患者さんの価値観です。
いろいろな患者さんを診ていると、
「Risk & Benefit」など、
当然、知っているはずなのに、
様々な情報から、
Benefitすなわち利益だけを追い求め、
それだけを得たいと考えて、
Riskについては、
医者に押し付けという印象を持ってしまうかたもおられます。
Riskは極めて小さい薬剤でも、
Benefitの確証が無ければ、
それこそエビデンスが無ければ、
そのような薬剤を使いたいとは考えません。
むしろ知識に乏しく、
「Risk & Benefit」についても、
あまり意識の無い患者さんでは、
私のほうから、
「こういう方法・クスリもあるけど、
確立された方策ではなく、
効くかも知れない、保険でも処方可能、
でも多少のリスクもありますけどドウしましょうか」
と投げかけることもあります、
そのとき、
多くの患者さんでは、
「試してみたい」という答えが返ってきます。
がん治療に限らずですが、
本来すべての治療において、
それを受ける患者さんが主導権を握っているはずです。
しかし、それは結果責任も負っていることにもなります。
結果責任を負うことは避け、
それは医者に任せて、
利益だけを得たいと考えていると思われる患者さんも、
ごく希に見ます。
それが見透かされてしまったら、
医者は無難な治療を選択すると思います。
自己責任は重要です。
標準治療だけが粛々と執行されていく背景には、
現在の日本人での、
ご自身の病・治療に対する自己責任の欠如も、
一因のような気がします。
随分と改善してきましたが、
私の腰痛に対する治療も、
少々ヘンテコな組み合わせの薬剤と、
物理的な方法を使っています。
これは他人様には絶対に勧められません。
すべて自己責任です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がん治療に限らず、
病に対する治療では、
ほとんどの場合、
危険性・リスクを伴います。
そのリスクが、
得られるメリット・Benefitより小さい、
と判断される場合にだけ、
治療という行為は成立します。
随分とむかしに見てきたアメリカでは、
「Cost & Benefit」も、
国だけではなく、
個々の患者さんにとっても極めて重要な判断材料でした。
私の個人的な考えでは、
「治らない癌」に対する治療の場合、
吐き気、食欲不振、倦怠感、神経障害などの見えない副作用も、
リスクだと考えています。
限られた時間を、
奪ってしまうことになるのですから。
勿論、イレッサやアバスチンのように、
致死的な副作用・リスクを伴う場合には、
十分に注意して、
そのリスクをご本人ご家族に理解いただいた上でなければ、
使うことは許されません。
いずれの薬剤も、
そのリスクより、
メリットのほうが遥かに大きいと感じますが、
判断するのは患者さんの価値観です。
いろいろな患者さんを診ていると、
「Risk & Benefit」など、
当然、知っているはずなのに、
様々な情報から、
Benefitすなわち利益だけを追い求め、
それだけを得たいと考えて、
Riskについては、
医者に押し付けという印象を持ってしまうかたもおられます。
Riskは極めて小さい薬剤でも、
Benefitの確証が無ければ、
それこそエビデンスが無ければ、
そのような薬剤を使いたいとは考えません。
むしろ知識に乏しく、
「Risk & Benefit」についても、
あまり意識の無い患者さんでは、
私のほうから、
「こういう方法・クスリもあるけど、
確立された方策ではなく、
効くかも知れない、保険でも処方可能、
でも多少のリスクもありますけどドウしましょうか」
と投げかけることもあります、
そのとき、
多くの患者さんでは、
「試してみたい」という答えが返ってきます。
がん治療に限らずですが、
本来すべての治療において、
それを受ける患者さんが主導権を握っているはずです。
しかし、それは結果責任も負っていることにもなります。
結果責任を負うことは避け、
それは医者に任せて、
利益だけを得たいと考えていると思われる患者さんも、
ごく希に見ます。
それが見透かされてしまったら、
医者は無難な治療を選択すると思います。
自己責任は重要です。
標準治療だけが粛々と執行されていく背景には、
現在の日本人での、
ご自身の病・治療に対する自己責任の欠如も、
一因のような気がします。
随分と改善してきましたが、
私の腰痛に対する治療も、
少々ヘンテコな組み合わせの薬剤と、
物理的な方法を使っています。
これは他人様には絶対に勧められません。
すべて自己責任です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。