日本の医療は完全に崩壊しはじめているようです。
連日、出産直後の女性の死亡事故(事件?)に対してマスコミは大騒ぎしていますが、
これは何を意味しているのでしょうか。
突然深夜の病院に、聞いたことのない病院から電話があり、
「分娩中に意識不明状態に陥った患者がいる。そちらの病院で診てもらえないか。」
コレを聞いただけで多くの病院では、
相当に重篤な状態を予想します。
次に考える事は、
「そんな患者が来て、もしウチの病院で不幸な機転をたどったら訴えられる」
「母子共に無事でなければウチが危ない」です。
その結果
「申し訳ありません。現在満床です。
他の病院をあたってください。」
という賢明な決まり文句の回答が用意されます。
その賢い当然の回答が18の病院で行われたようです。
先日起こった、福島県の産婦人科医の不当逮捕に象徴されていますが、
不幸な結末が起こると必ず誰かの責任にしないと気が済まない。
それが現在の日本人気質のようです。
自己責任という言葉は今の日本では死語になってしまったのでしょうか。
昔からある、しかし昔は冗談であった、
「触らぬ患者に祟り無し」
という医者の常識が本格化しはじめました。
30年近く前に私がまだ学生だった頃に、ある授業中に
「君たちは、目の前で交通事故にあったケガ人を見たらどうする?」
と、質問されました。
正解は、「見てみぬ振りして逃げる」でした。
「状況も良く判らないで、なまじ医者だからといって、
善意を見せても、そのケガ人が不幸な結末を辿ったら、
訴えられる可能性すら出てくるご時勢だから、
安っぽい正義感は出さないで、すぐに逃げなさい。
自分の身を守ることを第一に考えなさい。」
人を苦しみから救う医者になろうなどと、
崇高な目標を持っている血気盛んな若い医者のタマゴたちには、
大きな皮肉の言葉でした。
その当時から、現在の訴訟社会の傾向は出はじめていましたが、
まだ、「逃げなさい」は、半分冗談でした。
しかし、今は違います。
そんな状況を見たら医者は真剣に逃げることを考えなければなりません。
悪いことをしている訳ではないのに、
コソコソとその場から立ち去らなければなりません。
医者と判ってしまえば
診なければ「なぜ診ない」と攻められ、
正義感からケガ人を診て、
もしケガ人に障害が残ったりしたら、
「専門外で余計なことをしたからだ」と訴えられる。
ガン治療とてまったく一緒の構図です。
現在は情報が簡単に手に入り、
標準的な抗癌剤治療の本質が暴露されてきたおかげで、
標準的ではない休眠療法のような抗癌剤治療を望まれる患者さんはどんどん増えています。
患者さん個々に一番合った治療方法を望まれています。
しかし、それを行う医者はほとんどいません。
標準治療以外にはエビデンスはないのです。
切除不能状態にあるガンは、
多くの場合不治の病です。
残念ながら不幸な結末が待っています。
そのような病気に対して、エビデンスの無い治療を行って、
ご遺族から「何故、そんな根拠の無い治療をしたのだ」
と言われたら、
医者には返す言葉がありません。
勿論、患者さんが望んだから行ったのです。
しかし、お墓の中の患者さんは裁判で証言はしてくれません。
勿論、患者さんが望む休眠療法のような治療を行わないのは、
患者さんが自己責任を回避していることだけが理由ではありません。
標準的抗癌剤治療しか行ったことのない抗癌剤治療の専門医は、
真剣に、「少量の抗癌剤では効果が無い」
と考えれいる人もいるようです。
しかし根底には、「効かないかも知れない治療を行ったら、自分が訴えられる。」
という恐れも心の何処かには潜んでいるものと思われます。
10月16日の「私は負け組みです・医療崩壊」
で書いたように日本の医療は、ミシミシと音を立てながら、
崩壊しはじめています。
その大きな原因の一つは、
「犠牲・滅私奉公を強いられている医者が、
自己責任を放棄した患者を診療する。」
このあまりにも馬鹿げた日本の医療の構造のように思います。
患者さんの考え方一つで、
日本の医療は簡単に壊滅すると思います。
その日は遠くないように感じます。
ところで、昨日
「東京のM駅近くのOクリニックで、
Y医師の免疫療法に多大な効果があると騙されて、
法外に高い治療費を取られた、
Y氏の本に書いてある奏効率が
嘘であれば詐欺で訴えたい。」
というご遺族が弁護士事務所を訪れました。
私も同席して話を聞きましたが、
何とも酷い話でした。
間も無くY医師に対して損害賠償請求の民事裁判と同時に、
詐欺罪に対する刑事告訴が起こります。
現在の医療訴訟を見ていると、
患者さんのために全力を尽くした医者が、
当然何%の確率で発生する合併症で、
患者さんが不幸な機転を辿っただけで
業務上過失○○です。
逆に、患者さんを欺くような治療を行った医者には、
何らお咎めが無いのが実情のようです。
先日書類送検された元近畿大学教授八木田旭邦氏が、
起訴されるか否か見守りたいと思います。
今回が不起訴であっても、
彼を刑事告訴したいという患者さんはたくさんおられますので、
いずれは起訴される可能性が高いとますが・・・・
この現在の医療裁判も日本の医者を萎縮させてしまっている大きな原因です。
以上 文責 梅澤 充
追記:ウラ、オモテいずれかのコメントや、直接のメールでも、
ご自身あるいはご家族のご病気について多くの質問を受けています。
しかし、そのうち何通かは匿名あるいはペンネームになっています。
私は実名を提示し、勤務先も明らかにしています。
そのような人間に対して匿名で質問をしてくるのは如何なものでしょうか。
かつては、そのような質問にも答えていた時がありますが、
顔の見えないネットの世界で、
名前すら判らない患者さん(本当に患者か否かも不明)に、
返信をするのは止めました。
オモテのコメントで実名を出すことが憚られるのであれば、
ウラのコメントまたは直接のメールでご質問ください。
よろしくお願いします。
連日、出産直後の女性の死亡事故(事件?)に対してマスコミは大騒ぎしていますが、
これは何を意味しているのでしょうか。
突然深夜の病院に、聞いたことのない病院から電話があり、
「分娩中に意識不明状態に陥った患者がいる。そちらの病院で診てもらえないか。」
コレを聞いただけで多くの病院では、
相当に重篤な状態を予想します。
次に考える事は、
「そんな患者が来て、もしウチの病院で不幸な機転をたどったら訴えられる」
「母子共に無事でなければウチが危ない」です。
その結果
「申し訳ありません。現在満床です。
他の病院をあたってください。」
という賢明な決まり文句の回答が用意されます。
その賢い当然の回答が18の病院で行われたようです。
先日起こった、福島県の産婦人科医の不当逮捕に象徴されていますが、
不幸な結末が起こると必ず誰かの責任にしないと気が済まない。
それが現在の日本人気質のようです。
自己責任という言葉は今の日本では死語になってしまったのでしょうか。
昔からある、しかし昔は冗談であった、
「触らぬ患者に祟り無し」
という医者の常識が本格化しはじめました。
30年近く前に私がまだ学生だった頃に、ある授業中に
「君たちは、目の前で交通事故にあったケガ人を見たらどうする?」
と、質問されました。
正解は、「見てみぬ振りして逃げる」でした。
「状況も良く判らないで、なまじ医者だからといって、
善意を見せても、そのケガ人が不幸な結末を辿ったら、
訴えられる可能性すら出てくるご時勢だから、
安っぽい正義感は出さないで、すぐに逃げなさい。
自分の身を守ることを第一に考えなさい。」
人を苦しみから救う医者になろうなどと、
崇高な目標を持っている血気盛んな若い医者のタマゴたちには、
大きな皮肉の言葉でした。
その当時から、現在の訴訟社会の傾向は出はじめていましたが、
まだ、「逃げなさい」は、半分冗談でした。
しかし、今は違います。
そんな状況を見たら医者は真剣に逃げることを考えなければなりません。
悪いことをしている訳ではないのに、
コソコソとその場から立ち去らなければなりません。
医者と判ってしまえば
診なければ「なぜ診ない」と攻められ、
正義感からケガ人を診て、
もしケガ人に障害が残ったりしたら、
「専門外で余計なことをしたからだ」と訴えられる。
ガン治療とてまったく一緒の構図です。
現在は情報が簡単に手に入り、
標準的な抗癌剤治療の本質が暴露されてきたおかげで、
標準的ではない休眠療法のような抗癌剤治療を望まれる患者さんはどんどん増えています。
患者さん個々に一番合った治療方法を望まれています。
しかし、それを行う医者はほとんどいません。
標準治療以外にはエビデンスはないのです。
切除不能状態にあるガンは、
多くの場合不治の病です。
残念ながら不幸な結末が待っています。
そのような病気に対して、エビデンスの無い治療を行って、
ご遺族から「何故、そんな根拠の無い治療をしたのだ」
と言われたら、
医者には返す言葉がありません。
勿論、患者さんが望んだから行ったのです。
しかし、お墓の中の患者さんは裁判で証言はしてくれません。
勿論、患者さんが望む休眠療法のような治療を行わないのは、
患者さんが自己責任を回避していることだけが理由ではありません。
標準的抗癌剤治療しか行ったことのない抗癌剤治療の専門医は、
真剣に、「少量の抗癌剤では効果が無い」
と考えれいる人もいるようです。
しかし根底には、「効かないかも知れない治療を行ったら、自分が訴えられる。」
という恐れも心の何処かには潜んでいるものと思われます。
10月16日の「私は負け組みです・医療崩壊」
で書いたように日本の医療は、ミシミシと音を立てながら、
崩壊しはじめています。
その大きな原因の一つは、
「犠牲・滅私奉公を強いられている医者が、
自己責任を放棄した患者を診療する。」
このあまりにも馬鹿げた日本の医療の構造のように思います。
患者さんの考え方一つで、
日本の医療は簡単に壊滅すると思います。
その日は遠くないように感じます。
ところで、昨日
「東京のM駅近くのOクリニックで、
Y医師の免疫療法に多大な効果があると騙されて、
法外に高い治療費を取られた、
Y氏の本に書いてある奏効率が
嘘であれば詐欺で訴えたい。」
というご遺族が弁護士事務所を訪れました。
私も同席して話を聞きましたが、
何とも酷い話でした。
間も無くY医師に対して損害賠償請求の民事裁判と同時に、
詐欺罪に対する刑事告訴が起こります。
現在の医療訴訟を見ていると、
患者さんのために全力を尽くした医者が、
当然何%の確率で発生する合併症で、
患者さんが不幸な機転を辿っただけで
業務上過失○○です。
逆に、患者さんを欺くような治療を行った医者には、
何らお咎めが無いのが実情のようです。
先日書類送検された元近畿大学教授八木田旭邦氏が、
起訴されるか否か見守りたいと思います。
今回が不起訴であっても、
彼を刑事告訴したいという患者さんはたくさんおられますので、
いずれは起訴される可能性が高いとますが・・・・
この現在の医療裁判も日本の医者を萎縮させてしまっている大きな原因です。
以上 文責 梅澤 充
追記:ウラ、オモテいずれかのコメントや、直接のメールでも、
ご自身あるいはご家族のご病気について多くの質問を受けています。
しかし、そのうち何通かは匿名あるいはペンネームになっています。
私は実名を提示し、勤務先も明らかにしています。
そのような人間に対して匿名で質問をしてくるのは如何なものでしょうか。
かつては、そのような質問にも答えていた時がありますが、
顔の見えないネットの世界で、
名前すら判らない患者さん(本当に患者か否かも不明)に、
返信をするのは止めました。
オモテのコメントで実名を出すことが憚られるのであれば、
ウラのコメントまたは直接のメールでご質問ください。
よろしくお願いします。



