オモテのコメントで質問を頂きました。
薬剤耐性について質問された方です。
再掲します。
どの抗癌剤にもまったく反応してくれなかった患者さんを診たことがあります。
正直お手上げです。
勿論ケースバイケースで全身投与では無効でも、
動脈注入ではじめて効果をみたという患者さんもいますし、
当然、放射線治療や温熱療法などと組み合わせるということも考えます。
ただし、温熱療法はそれを始めたとたんに急激に悪化をみた患者さんも
何人か見ていますので温熱療法の併用はあまり積極的には行っていません。
急激な悪化をみた患者さんは
いずれも温熱療法の直後に強い倦怠感を訴える方でした。
治療後「ぽかぽかして気持ち良い」という患者さんには、
少なくとも害はなさそうです。
これは、抗癌剤治療でもいえます。
強い倦怠感・脱力感はじめ嘔気・嘔吐を訴えるような使い方では、
患者さんは長生きしてくれません。
どのガンに対しても、使える抗癌剤は一つではありません。
健康保険でも何種類もの抗癌剤が用意されています。
勿論、健康保険の適応が有り、
一番効果が大きいと考えられる抗癌剤から使い始めますが、
エビデンスでは、一番効くはずの薬剤が無効でも、
ほとんどの患者さんでは、
次々に変えていく薬剤のどれかには、
反応してくれます。
「たくさんの薬剤を試すことができる」ということも
少量での抗癌剤治療の大きな利点です。
また、多くは単独で使うのではなく、
何種類か組み合わせて使いますので、
その組み合わせの変更で効果が出てくることも珍しくありません。
さらに、健康保険の枠を超えれば、
使える薬剤の種類は遥かに広がります。
高価になりますが分子標的薬なども使えます。
しかし、10種類以上の薬剤、
その組み合わせでもまったく反応してくれないシブトイガンにも
時々お目にかかります。
悲しくなります。
勿論、抗癌剤が万能などとはまったく考えていませんので、
他の手段も考えますが、
それでもダメな、強力なガンもいます。
免疫治療なども試みますが、
抗癌剤治療にまったく反応しないようなタイプには、
ほとんど無効です。
そもそも免疫治療そのものが、
抗癌剤治療との併用でなければ意味が無いと考えています。
勿論そのときの抗癌剤治療は免疫力を低下させない少量の抗癌剤を使った治療です。
大量の抗癌剤を使った治療では免疫治療も無効になります。
それと、薬剤耐性とは直接関係は無いのですが、
白血球が少ない患者さんも治療には難渋します。
ほとんどは標準的抗癌剤治療を受けてしまった患者さんですが、
そのときの骨髄のダメージがなかなか回復してこない方をしばしば見受けます。
いくら少ない量の抗癌剤といえども、
白血球が常に2000台では、
やはり抗癌剤を使うことには躊躇します。
実際にはごく小量で使えば、
多くの場合それ以上は落ちないのですが、
使うときはドキドキです。
怖くて、使わないで経過を見ていると、確実にガンは増大してくる。
それは必ず命取りになります。
少々冒険でも可能な限り量を減らして使います。
2000を切っていても、
白血球を増加させる薬剤を使いながら、
抗癌剤を使うこともあります。
ただし、そのクスリは白血球のなかの顆粒球という種類を増やすだけで、
ガンに対する免疫力を発揮するリンパ球は増やしてくれません。
強力な標準的抗癌剤治療を受けた後では
長期間にわたりガンに対する免疫力も失われている患者さんも少なくありません。
そして、免疫力が落ちたまま、
満足に少量の抗癌剤治療もできずに最期を迎えられる患者さんもおられます。
「何で、そこまで痛めつけてしまったのか」とても残念です。
逆に、標準治療後で白血球がごく少ない状態から、
少量の抗癌剤治療をだましだまし始めて、
だんだん、白血球が正常化してくるという患者さんも少なくありません。
また、まったくガン治療は受けたことがなく、
骨髄機能は正常であるはずの患者さんでも、
ごく少量での抗癌剤治療を行っているとき、
何故か、白血球が低下してしまう患者さんもたまにおられます。
抗癌剤を体内で分解する酵素の多寡には個人差がありますので、
その酵素が少ない患者さんなのかもしれません。
私は、お酒はかなり強いのですが、
お猪口一杯のお酒で顔が真っ赤になる人もいます。
1合の日本酒で二日酔いになる人もいます。
ボトル一本のウイスキーでも翌日なんでもないつわものもいます。
実際の治療では、その患者さんの白血球の数とガンの状態に合わせて
抗癌剤の量と種類を決めていきます。
金沢大学の高橋先生の言葉を借りれば、
「下戸も上戸も同じ量の酒を飲ませる」ような治療は如何なものでしょうか。
私は、日本酒1合の晩酌では、飲んだ気になりませんが、
1合では地獄を見る方もいるはずです。
適度のお酒を楽しんだ方が良いと思います。
以上 文責 梅澤 充
薬剤耐性について質問された方です。
再掲します。
薬剤の耐性についてのお話よくわかりました。もともと抗癌剤に対して感受性の低い組織型の癌の場合ではどのような治療になるのでしょうか。
以前にも書きましたが、他のガンに比べ抗癌剤に対する感受性の大きい乳ガンなどでもどの抗癌剤にもまったく反応してくれなかった患者さんを診たことがあります。
正直お手上げです。
勿論ケースバイケースで全身投与では無効でも、
動脈注入ではじめて効果をみたという患者さんもいますし、
当然、放射線治療や温熱療法などと組み合わせるということも考えます。
ただし、温熱療法はそれを始めたとたんに急激に悪化をみた患者さんも
何人か見ていますので温熱療法の併用はあまり積極的には行っていません。
急激な悪化をみた患者さんは
いずれも温熱療法の直後に強い倦怠感を訴える方でした。
治療後「ぽかぽかして気持ち良い」という患者さんには、
少なくとも害はなさそうです。
これは、抗癌剤治療でもいえます。
強い倦怠感・脱力感はじめ嘔気・嘔吐を訴えるような使い方では、
患者さんは長生きしてくれません。
どのガンに対しても、使える抗癌剤は一つではありません。
健康保険でも何種類もの抗癌剤が用意されています。
勿論、健康保険の適応が有り、
一番効果が大きいと考えられる抗癌剤から使い始めますが、
エビデンスでは、一番効くはずの薬剤が無効でも、
ほとんどの患者さんでは、
次々に変えていく薬剤のどれかには、
反応してくれます。
「たくさんの薬剤を試すことができる」ということも
少量での抗癌剤治療の大きな利点です。
また、多くは単独で使うのではなく、
何種類か組み合わせて使いますので、
その組み合わせの変更で効果が出てくることも珍しくありません。
さらに、健康保険の枠を超えれば、
使える薬剤の種類は遥かに広がります。
高価になりますが分子標的薬なども使えます。
しかし、10種類以上の薬剤、
その組み合わせでもまったく反応してくれないシブトイガンにも
時々お目にかかります。
悲しくなります。
勿論、抗癌剤が万能などとはまったく考えていませんので、
他の手段も考えますが、
それでもダメな、強力なガンもいます。
免疫治療なども試みますが、
抗癌剤治療にまったく反応しないようなタイプには、
ほとんど無効です。
そもそも免疫治療そのものが、
抗癌剤治療との併用でなければ意味が無いと考えています。
勿論そのときの抗癌剤治療は免疫力を低下させない少量の抗癌剤を使った治療です。
大量の抗癌剤を使った治療では免疫治療も無効になります。
それと、薬剤耐性とは直接関係は無いのですが、
白血球が少ない患者さんも治療には難渋します。
ほとんどは標準的抗癌剤治療を受けてしまった患者さんですが、
そのときの骨髄のダメージがなかなか回復してこない方をしばしば見受けます。
いくら少ない量の抗癌剤といえども、
白血球が常に2000台では、
やはり抗癌剤を使うことには躊躇します。
実際にはごく小量で使えば、
多くの場合それ以上は落ちないのですが、
使うときはドキドキです。
怖くて、使わないで経過を見ていると、確実にガンは増大してくる。
それは必ず命取りになります。
少々冒険でも可能な限り量を減らして使います。
2000を切っていても、
白血球を増加させる薬剤を使いながら、
抗癌剤を使うこともあります。
ただし、そのクスリは白血球のなかの顆粒球という種類を増やすだけで、
ガンに対する免疫力を発揮するリンパ球は増やしてくれません。
強力な標準的抗癌剤治療を受けた後では
長期間にわたりガンに対する免疫力も失われている患者さんも少なくありません。
そして、免疫力が落ちたまま、
満足に少量の抗癌剤治療もできずに最期を迎えられる患者さんもおられます。
「何で、そこまで痛めつけてしまったのか」とても残念です。
逆に、標準治療後で白血球がごく少ない状態から、
少量の抗癌剤治療をだましだまし始めて、
だんだん、白血球が正常化してくるという患者さんも少なくありません。
また、まったくガン治療は受けたことがなく、
骨髄機能は正常であるはずの患者さんでも、
ごく少量での抗癌剤治療を行っているとき、
何故か、白血球が低下してしまう患者さんもたまにおられます。
抗癌剤を体内で分解する酵素の多寡には個人差がありますので、
その酵素が少ない患者さんなのかもしれません。
私は、お酒はかなり強いのですが、
お猪口一杯のお酒で顔が真っ赤になる人もいます。
1合の日本酒で二日酔いになる人もいます。
ボトル一本のウイスキーでも翌日なんでもないつわものもいます。
実際の治療では、その患者さんの白血球の数とガンの状態に合わせて
抗癌剤の量と種類を決めていきます。
金沢大学の高橋先生の言葉を借りれば、
「下戸も上戸も同じ量の酒を飲ませる」ような治療は如何なものでしょうか。
私は、日本酒1合の晩酌では、飲んだ気になりませんが、
1合では地獄を見る方もいるはずです。
適度のお酒を楽しんだ方が良いと思います。
以上 文責 梅澤 充



