日本では数年前から、
「医薬分業」の旗印のもとに、
病・医院は処方箋を出すだけで、
患者さんはその処方箋を持って、その処方された薬剤を、
病院の門前に立ち並ぶ調剤薬局で
お金を払って受け取るというシステムが定着しつつあります。
これは、薬価差益を病院が得ることで、
クスリを出しすぎているという一部の悲しい実態から、
医療費削減の一環として行われている政策です。
薬価差益とは、病・医院が購入するクスリの原価と
厚生労働省が定める患者さんに提供する薬価との差のことです。
薬価が1000円のクスリを病院が問屋から900円で仕入れれば、
病院は100円の利益になります。
(実際には900円に消費税がつきますから100−45 = 55円の利益ですが・・・・)
今では薬価と原価は非常に近くなり、
病院はほとんど薬価差益の恩恵を受けることは無くなりましたが、
ほんの10数年ほど前までは30%以上の利益が出ていました。
そこで、患者さんが院外に処方箋を持っていくシステムにすれば、
いくらたくさんクスリを処方しても、
病院の利益はなくなりますから、
病院のクスリの処方量は減るだろうと考えての政策でした。
病院としては、薬価差益がなくなっても、
クスリを処方するための薬剤師が必要なくなりますから
その分人件費が浮くので、ダメージはあまりありませんし、
差益の少なかった良心的な病院ではむしろ黒字になりました。
そしてその政策は、それなりの成果を挙げ、
日本の無駄な内服薬剤の消費量は減少したそうです。
もくろみどおり医療費の削減には貢献しているようです。
しかし弊害もたくさんあります。
先ず、患者さんの手間が増えること。
診察を受けた病院で会計を済ませ、
そこで処方箋を受け取り、
病院の門前に立ち並ぶ薬局、あるいはご自宅の近くの薬局に
その処方箋を持ってクスリを受け取りに行かなければなりません。
病院で待たされ、その後再び薬局で待たされる。
通院が1日がかりの仕事になってしまいます。
また、もう一つの欠点は、
同じクスリを受け取るにしても、病院から直接ではなく、
調剤薬局を通すとその分割高になってしまいます。
調剤料だとか○×料だとかイロイロな名目の料金が上乗せされます。
それは、すべて患者さんの負担になります。
さらに、もっと大きな問題点は、
患者さんは、時間的にも経済的にも負担が増えるにもかかわらず、
薬局の薬剤師には、
患者さんの病気の情報が伝わっていませんから、
その処方された薬剤についての情報しか、
患者さんに提供することができません。
例えばUFTという経口抗癌剤が処方された患者さんが薬局に来ても、
UFTの健康保険適応は消化器系のガンすべて、
さらに婦人科系、泌尿器科系のガン、
肺ガン、乳ガンなどなど非常に多岐に渡っていますので、
目の前の患者さんが何処のガンで、
ナンの目的でその抗癌剤を内服しているのかも分りません。
昨日の「抗癌剤治療の目的」でも書いた
1)〜4)のいずれかなのかも分かりません。
それでは、せっかくクスリの専門家である薬剤師として
的確な情報を提供することはできません。
また、多くの薬剤師のなかには抗癌剤の知識をあまり持ちあわせていない人も少なくありません。
消炎鎮痛剤、高血圧、糖尿病、高脂血症など圧倒的に大量に出る薬剤には詳しくても、
処方数の少ない抗癌剤については何も知らない薬剤師も少なくありません。
私も、調剤薬局からの電話での問い合わせがあったとき、
電話の主が、あまりにも抗癌剤を知らないので、薬局の事務員かと思って、
「悪いけど薬剤師さんを出してください。」と言ったところ、
「私は薬局長です。薬剤師です。」と言われて
恥をかかせてしまったこともあるくらいです。
また、5月17日の「ダメでもともと」などでも書いたとおり、
薬剤にはウラの使い方もあります。
本来のそのクスリの薬効以外にも、
制ガン効果が期待できるものもあります。
その時、ガン治療を理解している薬剤師ならば、
そのクスリについて的確な説明も可能ですが、
多くの薬局ではそれはできません。
私の知っている限りでは、
院外の調剤薬局でガン患者さんに対して的確な説明ができるのは、
町田胃腸病院の門前薬局の薬剤師と
拙著「間違いだらけの抗癌剤治療」の編纂も手伝ってくれた、
大井町にあるコトブキ調剤薬局品川店の滝田薬剤師くらいしか知りません。
したがって、内服抗癌剤(外用剤も含めて)が処方されていて、
病院の主治医と十分なコミュニケーションが得られていない多くの患者さんでは、
治療を進める上で、
的確なアドバイスをもらえる薬局を選択することもとても重要な要素になります。
薬局をチョクチョク変えるのは、
今までの処方内容の変化を認識することができなくなりますので、
あまり良いことではありませんが、
現在の薬局で的確なアドバイスがもらえないのであれば、
そこは離れて、ご自身に合った薬局を選択するべきだと思います。
本日は、わかすぎファミリークリニックに行ってきましたが、
彼のクリニックでは、
院外処方は昨年から止めています。
それは、患者さんの手間と費用を考えてのことです。
院内処方・調剤にして患者さんの時間とお金の節約をしています。
同時に、現在さかんにテレビなどで宣伝している、
薬価が3割以上安い後発薬品も使っています。
しかし、後発薬品は、必ずしもテレビの宣伝どおりではありません。
高血圧や高脂血症などでは、
「高価な先発品から廉価な後発品に変えた途端に効かなくなった」
ということはよく耳にします。
製造メーカーに問題がありそうですが、
日本の厚生労働省は後発薬品の審査に甘いらしいので
先発薬品と完全に同じではない後発薬品もかなり出回っているようです。
「安くて効果はまったく同一」という宣伝は
必ずしも正しくはないではないことを分かっておくべきです。
本日はわかすぎファミリークリニックで
院内薬局になっているのを見て、
現在のガン治療における院外調剤薬局の意味を少し考えさせられました。
勿論、若杉医師のクリニックでは、後発品も安いだけではなく、
その効果もシッカリ吟味してることは付け加えておきます。
以上 文責 梅澤 充
「医薬分業」の旗印のもとに、
病・医院は処方箋を出すだけで、
患者さんはその処方箋を持って、その処方された薬剤を、
病院の門前に立ち並ぶ調剤薬局で
お金を払って受け取るというシステムが定着しつつあります。
これは、薬価差益を病院が得ることで、
クスリを出しすぎているという一部の悲しい実態から、
医療費削減の一環として行われている政策です。
薬価差益とは、病・医院が購入するクスリの原価と
厚生労働省が定める患者さんに提供する薬価との差のことです。
薬価が1000円のクスリを病院が問屋から900円で仕入れれば、
病院は100円の利益になります。
(実際には900円に消費税がつきますから100−45 = 55円の利益ですが・・・・)
今では薬価と原価は非常に近くなり、
病院はほとんど薬価差益の恩恵を受けることは無くなりましたが、
ほんの10数年ほど前までは30%以上の利益が出ていました。
そこで、患者さんが院外に処方箋を持っていくシステムにすれば、
いくらたくさんクスリを処方しても、
病院の利益はなくなりますから、
病院のクスリの処方量は減るだろうと考えての政策でした。
病院としては、薬価差益がなくなっても、
クスリを処方するための薬剤師が必要なくなりますから
その分人件費が浮くので、ダメージはあまりありませんし、
差益の少なかった良心的な病院ではむしろ黒字になりました。
そしてその政策は、それなりの成果を挙げ、
日本の無駄な内服薬剤の消費量は減少したそうです。
もくろみどおり医療費の削減には貢献しているようです。
しかし弊害もたくさんあります。
先ず、患者さんの手間が増えること。
診察を受けた病院で会計を済ませ、
そこで処方箋を受け取り、
病院の門前に立ち並ぶ薬局、あるいはご自宅の近くの薬局に
その処方箋を持ってクスリを受け取りに行かなければなりません。
病院で待たされ、その後再び薬局で待たされる。
通院が1日がかりの仕事になってしまいます。
また、もう一つの欠点は、
同じクスリを受け取るにしても、病院から直接ではなく、
調剤薬局を通すとその分割高になってしまいます。
調剤料だとか○×料だとかイロイロな名目の料金が上乗せされます。
それは、すべて患者さんの負担になります。
さらに、もっと大きな問題点は、
患者さんは、時間的にも経済的にも負担が増えるにもかかわらず、
薬局の薬剤師には、
患者さんの病気の情報が伝わっていませんから、
その処方された薬剤についての情報しか、
患者さんに提供することができません。
例えばUFTという経口抗癌剤が処方された患者さんが薬局に来ても、
UFTの健康保険適応は消化器系のガンすべて、
さらに婦人科系、泌尿器科系のガン、
肺ガン、乳ガンなどなど非常に多岐に渡っていますので、
目の前の患者さんが何処のガンで、
ナンの目的でその抗癌剤を内服しているのかも分りません。
昨日の「抗癌剤治療の目的」でも書いた
1)〜4)のいずれかなのかも分かりません。
それでは、せっかくクスリの専門家である薬剤師として
的確な情報を提供することはできません。
また、多くの薬剤師のなかには抗癌剤の知識をあまり持ちあわせていない人も少なくありません。
消炎鎮痛剤、高血圧、糖尿病、高脂血症など圧倒的に大量に出る薬剤には詳しくても、
処方数の少ない抗癌剤については何も知らない薬剤師も少なくありません。
私も、調剤薬局からの電話での問い合わせがあったとき、
電話の主が、あまりにも抗癌剤を知らないので、薬局の事務員かと思って、
「悪いけど薬剤師さんを出してください。」と言ったところ、
「私は薬局長です。薬剤師です。」と言われて
恥をかかせてしまったこともあるくらいです。
また、5月17日の「ダメでもともと」などでも書いたとおり、
薬剤にはウラの使い方もあります。
本来のそのクスリの薬効以外にも、
制ガン効果が期待できるものもあります。
その時、ガン治療を理解している薬剤師ならば、
そのクスリについて的確な説明も可能ですが、
多くの薬局ではそれはできません。
私の知っている限りでは、
院外の調剤薬局でガン患者さんに対して的確な説明ができるのは、
町田胃腸病院の門前薬局の薬剤師と
拙著「間違いだらけの抗癌剤治療」の編纂も手伝ってくれた、
大井町にあるコトブキ調剤薬局品川店の滝田薬剤師くらいしか知りません。
したがって、内服抗癌剤(外用剤も含めて)が処方されていて、
病院の主治医と十分なコミュニケーションが得られていない多くの患者さんでは、
治療を進める上で、
的確なアドバイスをもらえる薬局を選択することもとても重要な要素になります。
薬局をチョクチョク変えるのは、
今までの処方内容の変化を認識することができなくなりますので、
あまり良いことではありませんが、
現在の薬局で的確なアドバイスがもらえないのであれば、
そこは離れて、ご自身に合った薬局を選択するべきだと思います。
本日は、わかすぎファミリークリニックに行ってきましたが、
彼のクリニックでは、
院外処方は昨年から止めています。
それは、患者さんの手間と費用を考えてのことです。
院内処方・調剤にして患者さんの時間とお金の節約をしています。
同時に、現在さかんにテレビなどで宣伝している、
薬価が3割以上安い後発薬品も使っています。
しかし、後発薬品は、必ずしもテレビの宣伝どおりではありません。
高血圧や高脂血症などでは、
「高価な先発品から廉価な後発品に変えた途端に効かなくなった」
ということはよく耳にします。
製造メーカーに問題がありそうですが、
日本の厚生労働省は後発薬品の審査に甘いらしいので
先発薬品と完全に同じではない後発薬品もかなり出回っているようです。
「安くて効果はまったく同一」という宣伝は
必ずしも正しくはないではないことを分かっておくべきです。
本日はわかすぎファミリークリニックで
院内薬局になっているのを見て、
現在のガン治療における院外調剤薬局の意味を少し考えさせられました。
勿論、若杉医師のクリニックでは、後発品も安いだけではなく、
その効果もシッカリ吟味してることは付け加えておきます。
以上 文責 梅澤 充



