手術だけで十分に根治している可能性の高い、
しかしハーツー蛋白の過剰発現を認める細胞で構成された、
ステージⅡの乳がん手術後、
「FECを4回繰り返して、
その後、大量のドセタキセルをさらに4回注入して、
その後にハーセプチンを4回?点滴する、
という儀式しか選択肢は無い、
それを受ける以外の道は無い」と、
××センターで宣告された患者さんが、
セカンドオピニオンを求めて来られました。
その患者さんは、
一般的な患者さん同様、
赤インクのような鮮やかな色の、
しかし悪魔のような副作用を伴う治療を、
望むはずもなく、
副作用は細胞毒とは比較にならない、
身体に優しいハーセプチンだけの点滴を懇願したそうですが、
当然ながら、
「細胞毒と組み合わせでなければ意味が無い」と、
予想どおりあらかじめ用意されていた口上で、
アッサリ却下され、
とりあえず初回の赤インクの注入を受けてしまいました。
「意味が無い」
のではなく、
「データが無い」
「しかし健康保険では認められています」
と答えるのが、
医者として誠意のある回答です。
もっと親切に言えば、
終生残るかも知れない、
多大な副作用が予想される細胞毒の後に、
ハーセプチンを1年間使うと、
再発の確率が下がるというデータが有ります。
しかし、あなたが再発をしないということを、
保証するデータは存在していません。
したがって、副作用でどれだけ苦しんでも、
再発を来して命を落とすは可能性はあります。
再発予防効果は、
あくまで「患者集団」の統計学的な話です。
と付け加えなければなりません。
それはともかく、
その患者さんは、
閻魔様にご都合のよい方向に向かわせる、
巧みな話術・口上に押し切られて、
悲しい儀式が開始されてしまいました。
当然、一発で完全脱毛、
その他、言葉には表現できない、
様々な激しい副作用により平穏な日常は奪われてしまいました。
その副作用は、
今後どれだけ残るのかは不明です。
賢明な患者さんは、
あまりにも厳しい現実を体験して、
それ以降の毒の注入は拒否されていました。
しかし××センターの閻魔さまからは、
「早く2回目を執行しなければ、
きわめて危険である」
という根拠の無い脅しを受けているそうです。
何がドウ危険なのか、
そもそも何故その儀式が必須なのでしょうか。
その患者さんは無治療でも、
天寿を全うする可能性は高く、
また、ホルモン剤だけ、
という選択肢も十分に考えられる細胞です。
ハーセプチンはADCC活性という、
がんを宿した生物の免疫活性も利用して、
効果を発揮するという性格を持っていますので、
むしろ、細胞毒で、
宿主としての人間の免疫能力を低下させないほうが、
ハーセプチンの効果をより高める可能性は十分にありますが、
ハーセプチン単独での、
手術後再発予防の臨床データはまだ出されていません。
赤インクに若干でも再発確率低下効果があると分かってからは、
その後、新しく開発されたハーセプチン単独で、
赤インク無しで、
再発予防効果を確認するという臨床試験が、
倫理的におこなえなくなった、
という背景があるが故です。
過酷な副作用が分かっている細胞毒の後でなければ、
辿り着くことができない、
身体に優しいハーセプチン。
患者さんは何ともお気の毒な状況です。
ニンジンを目の前にぶら下げられて、
走らされている馬のように感じます。
大塚北口診療所では、
細胞毒から逃げて、
ハーセプチン単独の再発予防治療をおこなっている患者さんは、
何人もいます。
健康保険適応上も、
ハーツー蛋白の過剰発現の確認が、
「病理検査結果報告書」のコピーなどで確認できれば、
健康保険適応上の問題もありません。
3週間に1回の点滴を1年間、
合計17回です。
乳がんを知っている主治医ならハーセプチン単独でも、
十分に再発予防の可能性はあることは知っているはずです。
細胞毒を提案されたら、
先ず、主治医と交渉してみてください。
がん治療の拠点となっているブランド病院でも、
交渉に成功した患者さんは何名か診ています。
皆さん、
「他の患者さんには絶対に内緒ですよ」
という主治医からの一言は付いています。
それが広まったら困る事情も、
閻魔様の世界にはあるのです。
標準が「必須」である理由は、
患者さんの人生・生活とは、
まったく別の世界にあることは、
当然、一般の患者さんは知りません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
しかしハーツー蛋白の過剰発現を認める細胞で構成された、
ステージⅡの乳がん手術後、
「FECを4回繰り返して、
その後、大量のドセタキセルをさらに4回注入して、
その後にハーセプチンを4回?点滴する、
という儀式しか選択肢は無い、
それを受ける以外の道は無い」と、
××センターで宣告された患者さんが、
セカンドオピニオンを求めて来られました。
その患者さんは、
一般的な患者さん同様、
赤インクのような鮮やかな色の、
しかし悪魔のような副作用を伴う治療を、
望むはずもなく、
副作用は細胞毒とは比較にならない、
身体に優しいハーセプチンだけの点滴を懇願したそうですが、
当然ながら、
「細胞毒と組み合わせでなければ意味が無い」と、
予想どおりあらかじめ用意されていた口上で、
アッサリ却下され、
とりあえず初回の赤インクの注入を受けてしまいました。
「意味が無い」
のではなく、
「データが無い」
「しかし健康保険では認められています」
と答えるのが、
医者として誠意のある回答です。
もっと親切に言えば、
終生残るかも知れない、
多大な副作用が予想される細胞毒の後に、
ハーセプチンを1年間使うと、
再発の確率が下がるというデータが有ります。
しかし、あなたが再発をしないということを、
保証するデータは存在していません。
したがって、副作用でどれだけ苦しんでも、
再発を来して命を落とすは可能性はあります。
再発予防効果は、
あくまで「患者集団」の統計学的な話です。
と付け加えなければなりません。
それはともかく、
その患者さんは、
閻魔様にご都合のよい方向に向かわせる、
巧みな話術・口上に押し切られて、
悲しい儀式が開始されてしまいました。
当然、一発で完全脱毛、
その他、言葉には表現できない、
様々な激しい副作用により平穏な日常は奪われてしまいました。
その副作用は、
今後どれだけ残るのかは不明です。
賢明な患者さんは、
あまりにも厳しい現実を体験して、
それ以降の毒の注入は拒否されていました。
しかし××センターの閻魔さまからは、
「早く2回目を執行しなければ、
きわめて危険である」
という根拠の無い脅しを受けているそうです。
何がドウ危険なのか、
そもそも何故その儀式が必須なのでしょうか。
その患者さんは無治療でも、
天寿を全うする可能性は高く、
また、ホルモン剤だけ、
という選択肢も十分に考えられる細胞です。
ハーセプチンはADCC活性という、
がんを宿した生物の免疫活性も利用して、
効果を発揮するという性格を持っていますので、
むしろ、細胞毒で、
宿主としての人間の免疫能力を低下させないほうが、
ハーセプチンの効果をより高める可能性は十分にありますが、
ハーセプチン単独での、
手術後再発予防の臨床データはまだ出されていません。
赤インクに若干でも再発確率低下効果があると分かってからは、
その後、新しく開発されたハーセプチン単独で、
赤インク無しで、
再発予防効果を確認するという臨床試験が、
倫理的におこなえなくなった、
という背景があるが故です。
過酷な副作用が分かっている細胞毒の後でなければ、
辿り着くことができない、
身体に優しいハーセプチン。
患者さんは何ともお気の毒な状況です。
ニンジンを目の前にぶら下げられて、
走らされている馬のように感じます。
大塚北口診療所では、
細胞毒から逃げて、
ハーセプチン単独の再発予防治療をおこなっている患者さんは、
何人もいます。
健康保険適応上も、
ハーツー蛋白の過剰発現の確認が、
「病理検査結果報告書」のコピーなどで確認できれば、
健康保険適応上の問題もありません。
3週間に1回の点滴を1年間、
合計17回です。
乳がんを知っている主治医ならハーセプチン単独でも、
十分に再発予防の可能性はあることは知っているはずです。
細胞毒を提案されたら、
先ず、主治医と交渉してみてください。
がん治療の拠点となっているブランド病院でも、
交渉に成功した患者さんは何名か診ています。
皆さん、
「他の患者さんには絶対に内緒ですよ」
という主治医からの一言は付いています。
それが広まったら困る事情も、
閻魔様の世界にはあるのです。
標準が「必須」である理由は、
患者さんの人生・生活とは、
まったく別の世界にあることは、
当然、一般の患者さんは知りません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。