昨日がん難民について書きましたが、
ちょうどタイムリーに、
インターネットで医療ニュースだけを配信しているところから、
「がん難民」についての記事が掲載されていました。
生憎、本日はそのサーバーのメンテナンスのためとかで、
記事の内容を読むことはできず、
タイトルと要旨だけしか読むことはできませんでしたが、
現在の日本の「がん難民」は推計68万人に達するということでした。
現在日本ではガンで亡くなられる患者さんは約32万人ですから、
その2倍以上の患者さんが難民になられているようです。
これは、昨日書いた、
私流の解釈での「本当のがん難民」ではなく、
ただ、はじめに行った病院・治療に不満があり、
納得できずに別の病院を探すというパターンのようです。
そして、68万人 − 32万人 = 36万人 の患者さんは
満足な病院が見つかったか否かは不明ですが、
ともかくガンからは逃れているということになるように思います。
記事が言っている「がん難民」とは、
その半数以上は、
いわば「積極的がん難民」であるように思います。
この方々は、自ら志願して難民になっていると思います。
ある程度の知識武装をされて、
はじめに行った病院で提案された治療では納得できずに
より自分に適した治療を望まれているのですから、
そのような難民が増えることはけっして悪いことではないように思います。
記事では、「幾つもの病院をハシゴすることにより医療費がかさむ」ことを
ひとつの問題点にしているようですが、
人生最大かもしれない決定事ですから、
その程度の医療費は許してくれても良いように思います。
勿論、どこの医療機関でも、
すべての患者さんが満足する治療をしてくれれば、
「積極的がん難民」も減少し、
その結果、医療費抑制にもつながり、
良いこと尽くめでしょう。
しかし、医者の考え方が均一などということは有り得ません。
また、患者さんのニーズもバラバラです。
すべての患者さんが、満足する医療など存在しません。
私は、標準的抗癌剤治療は
術後の補助抗癌剤治療以外では、
ほとんど行うことはありません。
その治療はけっして患者さんの満足する治療ではないと考えるからです。
勿論、自分自身や身内の人間には絶対に行わない治療です。
しかし、エビデンスの確立している標準的抗癌剤治療が
けっして間違った治療だとは思っていません。
僅か数ヶ月といえども、延命効果が証明されている治療ですから、
そのすべてを否定することはできません。
しかし「つらい思いをしても、半数の患者さんが、確実に○○ヶ月以内に亡くなる」
というエビデンスにしがみついた治療を拒否され、
もっと楽につらい思いをせずに長生きができる可能性を追求したい
という患者さんがいても当然です。
患者さんとしては、いくら知識武装をしたといっても、
どこの病院ではどのようなガン治療を行っているという
詳しい情報まで知っている人はほとんどいないはずです。
したがって、ある程度の数の患者さんは
実際にいくつかの病院にぶつかってみて、
難民にならざるを得ないと思います。
しかし、積極的であっても難民になれば、
流浪の旅の時間は無駄に経過することになります。
現在、乳ガンが発見されてから半年間近く
「積極的ながん難民」になられた患者さんを診ています。
最終的には、国立がんセンターで温存手術を行い
術後の管理は私が引き継いでいます。
結果的に手術まで時間がかかってしまいましたが、
リンパ節転移も無く、
はじめに提案された全摘術ではなく、
希望した温存手術になり、
その後も納得した治療を進めています。
どなたも最終的に自分で納得した治療を受けるべきで、
半年間というのは長すぎますが、
許される最短期間だけは積極的がん難民になるのも悪くはないように思います。
少なくとも、とても混み合う大病院で
手術まで何ヶ月も待たされるのであれば、
その時間は積極的に難民になり、
いろいろな治療方法・考え方を勉強することは必要だと思います。
他の治療を知らずに、一つの病院だけに頼り切ってしまった場合、
それが、自分の望む治療ではないことが後に判明したときには、
大き過ぎる悔いが残ります。
それが、再発ガンの治療であればなおさらです。
知識武装をしたうえでの「積極的難民志願」は悪くはないと思います。
しかし、昨日も書いたとおり、
「がん難民」の問題は、
まだまだ患者さんが元気で、
自宅でも生活ができる状態にもかかわらず、
「もはや治療方法はありません」
「この病院での治療はもうありません、できません」
「ホスピスに行ってください」
と宣告され、
「ガン治療をしてくれる他の病院を探さなければならなくなった」という、
「受身のがん難民」の存在です。
この「本当に行くところが無くなった難民」が現在のガン治療において
極めて大きな問題です。
68万人という数字は、
自ら活路を求める「積極的難民志願者」と
本当に住処を追い出された、「真の難民」の合計数だと思いますが、
毎年ガンで亡くなられる32万人のうち何人が真の難民にされているかが問題です。
少なくとも、私の周りには
一人の医者ではとても対応できないほど
真の難民の患者さんが溢れています。
本日白鬚橋病院に来られた患者さんの多くも
かつてがん難民だった方々です。
ただし、積極的難民も何人かおられました。
本当のがん難民にされてしまう前に
シッカリ知識武装をして
積極的がん難民になってください。
以上 文責 梅澤 充
ちょうどタイムリーに、
インターネットで医療ニュースだけを配信しているところから、
「がん難民」についての記事が掲載されていました。
生憎、本日はそのサーバーのメンテナンスのためとかで、
記事の内容を読むことはできず、
タイトルと要旨だけしか読むことはできませんでしたが、
現在の日本の「がん難民」は推計68万人に達するということでした。
現在日本ではガンで亡くなられる患者さんは約32万人ですから、
その2倍以上の患者さんが難民になられているようです。
これは、昨日書いた、
私流の解釈での「本当のがん難民」ではなく、
ただ、はじめに行った病院・治療に不満があり、
納得できずに別の病院を探すというパターンのようです。
そして、68万人 − 32万人 = 36万人 の患者さんは
満足な病院が見つかったか否かは不明ですが、
ともかくガンからは逃れているということになるように思います。
記事が言っている「がん難民」とは、
その半数以上は、
いわば「積極的がん難民」であるように思います。
この方々は、自ら志願して難民になっていると思います。
ある程度の知識武装をされて、
はじめに行った病院で提案された治療では納得できずに
より自分に適した治療を望まれているのですから、
そのような難民が増えることはけっして悪いことではないように思います。
記事では、「幾つもの病院をハシゴすることにより医療費がかさむ」ことを
ひとつの問題点にしているようですが、
人生最大かもしれない決定事ですから、
その程度の医療費は許してくれても良いように思います。
勿論、どこの医療機関でも、
すべての患者さんが満足する治療をしてくれれば、
「積極的がん難民」も減少し、
その結果、医療費抑制にもつながり、
良いこと尽くめでしょう。
しかし、医者の考え方が均一などということは有り得ません。
また、患者さんのニーズもバラバラです。
すべての患者さんが、満足する医療など存在しません。
私は、標準的抗癌剤治療は
術後の補助抗癌剤治療以外では、
ほとんど行うことはありません。
その治療はけっして患者さんの満足する治療ではないと考えるからです。
勿論、自分自身や身内の人間には絶対に行わない治療です。
しかし、エビデンスの確立している標準的抗癌剤治療が
けっして間違った治療だとは思っていません。
僅か数ヶ月といえども、延命効果が証明されている治療ですから、
そのすべてを否定することはできません。
しかし「つらい思いをしても、半数の患者さんが、確実に○○ヶ月以内に亡くなる」
というエビデンスにしがみついた治療を拒否され、
もっと楽につらい思いをせずに長生きができる可能性を追求したい
という患者さんがいても当然です。
患者さんとしては、いくら知識武装をしたといっても、
どこの病院ではどのようなガン治療を行っているという
詳しい情報まで知っている人はほとんどいないはずです。
したがって、ある程度の数の患者さんは
実際にいくつかの病院にぶつかってみて、
難民にならざるを得ないと思います。
しかし、積極的であっても難民になれば、
流浪の旅の時間は無駄に経過することになります。
現在、乳ガンが発見されてから半年間近く
「積極的ながん難民」になられた患者さんを診ています。
最終的には、国立がんセンターで温存手術を行い
術後の管理は私が引き継いでいます。
結果的に手術まで時間がかかってしまいましたが、
リンパ節転移も無く、
はじめに提案された全摘術ではなく、
希望した温存手術になり、
その後も納得した治療を進めています。
どなたも最終的に自分で納得した治療を受けるべきで、
半年間というのは長すぎますが、
許される最短期間だけは積極的がん難民になるのも悪くはないように思います。
少なくとも、とても混み合う大病院で
手術まで何ヶ月も待たされるのであれば、
その時間は積極的に難民になり、
いろいろな治療方法・考え方を勉強することは必要だと思います。
他の治療を知らずに、一つの病院だけに頼り切ってしまった場合、
それが、自分の望む治療ではないことが後に判明したときには、
大き過ぎる悔いが残ります。
それが、再発ガンの治療であればなおさらです。
知識武装をしたうえでの「積極的難民志願」は悪くはないと思います。
しかし、昨日も書いたとおり、
「がん難民」の問題は、
まだまだ患者さんが元気で、
自宅でも生活ができる状態にもかかわらず、
「もはや治療方法はありません」
「この病院での治療はもうありません、できません」
「ホスピスに行ってください」
と宣告され、
「ガン治療をしてくれる他の病院を探さなければならなくなった」という、
「受身のがん難民」の存在です。
この「本当に行くところが無くなった難民」が現在のガン治療において
極めて大きな問題です。
68万人という数字は、
自ら活路を求める「積極的難民志願者」と
本当に住処を追い出された、「真の難民」の合計数だと思いますが、
毎年ガンで亡くなられる32万人のうち何人が真の難民にされているかが問題です。
少なくとも、私の周りには
一人の医者ではとても対応できないほど
真の難民の患者さんが溢れています。
本日白鬚橋病院に来られた患者さんの多くも
かつてがん難民だった方々です。
ただし、積極的難民も何人かおられました。
本当のがん難民にされてしまう前に
シッカリ知識武装をして
積極的がん難民になってください。
以上 文責 梅澤 充



