競馬などでお馴染みの“オッズ”とは、賭けに対する予想配当のことをいいます。
ガン治療も一つの賭けです。
ただし、賭けるものがお金だけではなく命ですから、
その賭けには慎重の上にも慎重を期さなければなりません。
ほとんどの代替療法などは、極めて多額のお金を賭けても、
多くの場合、配当はほとんど期待できません。
ただし、代替療法の場合、他の真っ当な治療との併用であれば、
寿命を短縮するというリスクはあまりありません。
また、エビデンスを唯一の治療の根拠に行われる標準的抗癌剤治療でも、
その延命日数は、あくまで平均であり、
当たる患者さんも外れる患者さんもいます。
抗癌剤により寿命を縮める患者さんも確実に存在しています。
無治療の方が良かったと、悲しむご遺族は大勢います。
当たるも八卦、外れるも八卦です。
勿論、ガン治療に賭けるのはお金だけではなく、
時には命を賭けなければならない状況にも出会います。
それは、昨日の「治療法の無い患者さんさん」で書いた、
「もう治療方法はありません」と宣告された
「真性がん難民」の方々ではしばしばです。
治療法が無いとは、言い方を変えれば、
「エビデンスのある治療方法が存在しない。」
ということです。
理論的には十分に効く可能性があっても、
エビデンスはまだ無いという治療であればいくらでもあります。
しかし、治療効果に対してエビデンスが無いのですから、
不明な治療効果に対して、
副作用という被害だけは確実に受けることになります。
私は、ごく少量の抗癌剤を使った治療を行っていますが、
いくら少量といっても、抗癌剤は毒薬です。
標準量の十分の一でも副作用はゼロにはなりません。
可能性は極めて低いと思われますが、
その軽微とはいえ、
存在する副作用により寿命を縮めてしまうことも起こりえます。
しかし、極めて低いその可能性があるから、
治療は行わない、とすれば、
それは、無治療でのその病気の生存期間のエビデンスどおりの寿命しか得られません。
そのエビデンスの無い治療を受けることは一種の賭けです。
しかし、もし標準的な治療を行うことで、
生存期間が6ヶ月であることが判明しているようなガン患者さんや、
無治療でいたら生存期間は4ヶ月という数字が出されている患者さんでは、
とても乱暴な言い方をすれば、
その命を賭けた場合、寿命が半分になったとしても、
失う寿命は3ヶ月ないし2ヶ月ということになります。
また、寿命を短縮してしまう確率は、
少量の抗癌剤を使った治療ではけっして高くはありません。
もし、その賭けで1年間の延命が得られるとしたなら、
そのときの勝率が大きな問題になります。
50%の勝率があるなら、
期待値は6ヶ月になります。
3ないし2ヶ月の命を賭けたとしても
配当が6ヶ月の延命であれば
その賭けには是非参加するべきでしょう。
勝率が10%であれば、
期待値は1.2ヶ月です。
寿命を短縮する確率を確認してからでないと、
その賭けには安易には乗れません。
命の賭けの場合、
もう一つ重要なことがあります。
それは、天寿をまっとうする可能性が残されている場合です。
特に、若い患者さんの場合には、
慎重に検討しなければなりません。
先ず、天寿を全うする治療方法を模索するべきです。
安易に、死を前提とした標準的抗癌剤治療をはじめるべきではないと思います。
患者さんの年齢により、
残された平均余命は違います。
仮に20歳の患者さんであれば、
平均余命は60年間も残されています。
完治の確率が5%でもあれば、
その賭けにより得られる期待値は3年です。
標準治療で生存期間のエビデンスが1年であれば、
危険であっても、是非、完治を期待する治療に賭けるべきだと思います。
1年間を書けて3年間をもらえる計算になります。
平均余命が10年しかない患者さんでは、
その賭けで得られる期待値は0.5年、6ヶ月しかありません。
その賭けには乗るべきではありません。
年齢により、失う期間が大きく違います。
同時に完治により得られるご褒美もまったく違います。
人間の身体、そこに発生してきた病気について、
計算どおりには進められないことは分かっています。
しかし、この基本的な計算ができていないと、
治療を大きく踏み外してしまうことにもなりかねません。
慎重にお考えください。
現在、とても患者さんの数が少ないガンで、
しかも非常に珍しい形式の再発をして、
何処の病院にセカンドオピニオンを受けに行っても
一様に緩和ケアを勧められている患者さんがいます。
抗癌剤治療にまったくエビデンスがないガンですから、
緩和ケアを勧めるのは、当然といえば当然です。
しかし患者さんは「諦めずにまだ治療を続けたい」との意向を思っています。
その患者さんの場合、
エビデンスはありませんが、
無治療で放置したならば
常識的に考え数ヶ月間しか生きていることはできないと思われます。
そうであれば、治療により寿命を縮めても最大数ヶ月です。
治療によりどれだけの延命効果があるかも不明ですが、
副作用がなく、寿命を短縮させないレベルでの抗癌剤治療を行うことは
損ではないように思います。
すべての患者さんで、
賭けのリスクもオッズも違っています。
それぞれの患者さんの置かれた状況をシッカリと見つめて
最善の賭けをしてください。
以上 文責 梅澤 充
ガン治療も一つの賭けです。
ただし、賭けるものがお金だけではなく命ですから、
その賭けには慎重の上にも慎重を期さなければなりません。
ほとんどの代替療法などは、極めて多額のお金を賭けても、
多くの場合、配当はほとんど期待できません。
ただし、代替療法の場合、他の真っ当な治療との併用であれば、
寿命を短縮するというリスクはあまりありません。
また、エビデンスを唯一の治療の根拠に行われる標準的抗癌剤治療でも、
その延命日数は、あくまで平均であり、
当たる患者さんも外れる患者さんもいます。
抗癌剤により寿命を縮める患者さんも確実に存在しています。
無治療の方が良かったと、悲しむご遺族は大勢います。
当たるも八卦、外れるも八卦です。
勿論、ガン治療に賭けるのはお金だけではなく、
時には命を賭けなければならない状況にも出会います。
それは、昨日の「治療法の無い患者さんさん」で書いた、
「もう治療方法はありません」と宣告された
「真性がん難民」の方々ではしばしばです。
治療法が無いとは、言い方を変えれば、
「エビデンスのある治療方法が存在しない。」
ということです。
理論的には十分に効く可能性があっても、
エビデンスはまだ無いという治療であればいくらでもあります。
しかし、治療効果に対してエビデンスが無いのですから、
不明な治療効果に対して、
副作用という被害だけは確実に受けることになります。
私は、ごく少量の抗癌剤を使った治療を行っていますが、
いくら少量といっても、抗癌剤は毒薬です。
標準量の十分の一でも副作用はゼロにはなりません。
可能性は極めて低いと思われますが、
その軽微とはいえ、
存在する副作用により寿命を縮めてしまうことも起こりえます。
しかし、極めて低いその可能性があるから、
治療は行わない、とすれば、
それは、無治療でのその病気の生存期間のエビデンスどおりの寿命しか得られません。
そのエビデンスの無い治療を受けることは一種の賭けです。
しかし、もし標準的な治療を行うことで、
生存期間が6ヶ月であることが判明しているようなガン患者さんや、
無治療でいたら生存期間は4ヶ月という数字が出されている患者さんでは、
とても乱暴な言い方をすれば、
その命を賭けた場合、寿命が半分になったとしても、
失う寿命は3ヶ月ないし2ヶ月ということになります。
また、寿命を短縮してしまう確率は、
少量の抗癌剤を使った治療ではけっして高くはありません。
もし、その賭けで1年間の延命が得られるとしたなら、
そのときの勝率が大きな問題になります。
50%の勝率があるなら、
期待値は6ヶ月になります。
3ないし2ヶ月の命を賭けたとしても
配当が6ヶ月の延命であれば
その賭けには是非参加するべきでしょう。
勝率が10%であれば、
期待値は1.2ヶ月です。
寿命を短縮する確率を確認してからでないと、
その賭けには安易には乗れません。
命の賭けの場合、
もう一つ重要なことがあります。
それは、天寿をまっとうする可能性が残されている場合です。
特に、若い患者さんの場合には、
慎重に検討しなければなりません。
先ず、天寿を全うする治療方法を模索するべきです。
安易に、死を前提とした標準的抗癌剤治療をはじめるべきではないと思います。
患者さんの年齢により、
残された平均余命は違います。
仮に20歳の患者さんであれば、
平均余命は60年間も残されています。
完治の確率が5%でもあれば、
その賭けにより得られる期待値は3年です。
標準治療で生存期間のエビデンスが1年であれば、
危険であっても、是非、完治を期待する治療に賭けるべきだと思います。
1年間を書けて3年間をもらえる計算になります。
平均余命が10年しかない患者さんでは、
その賭けで得られる期待値は0.5年、6ヶ月しかありません。
その賭けには乗るべきではありません。
年齢により、失う期間が大きく違います。
同時に完治により得られるご褒美もまったく違います。
人間の身体、そこに発生してきた病気について、
計算どおりには進められないことは分かっています。
しかし、この基本的な計算ができていないと、
治療を大きく踏み外してしまうことにもなりかねません。
慎重にお考えください。
現在、とても患者さんの数が少ないガンで、
しかも非常に珍しい形式の再発をして、
何処の病院にセカンドオピニオンを受けに行っても
一様に緩和ケアを勧められている患者さんがいます。
抗癌剤治療にまったくエビデンスがないガンですから、
緩和ケアを勧めるのは、当然といえば当然です。
しかし患者さんは「諦めずにまだ治療を続けたい」との意向を思っています。
その患者さんの場合、
エビデンスはありませんが、
無治療で放置したならば
常識的に考え数ヶ月間しか生きていることはできないと思われます。
そうであれば、治療により寿命を縮めても最大数ヶ月です。
治療によりどれだけの延命効果があるかも不明ですが、
副作用がなく、寿命を短縮させないレベルでの抗癌剤治療を行うことは
損ではないように思います。
すべての患者さんで、
賭けのリスクもオッズも違っています。
それぞれの患者さんの置かれた状況をシッカリと見つめて
最善の賭けをしてください。
以上 文責 梅澤 充



