12月19日の「ガン治療のオッズ」に対して、
徒然雲さんからコメントをいただきました。
表のコメントですから、ご覧になられた方も多いと思います。
重要な内容を含んだコメントだと思いますので再掲します。
患者さんには大きなインパクトがあったのか、
わざわざ直接のメールで知らせてくれた患者さんのご家族もいました。
この記事を読んで、昨日の「がん難民・裏のコメント」を思い出しました。
記事の中にあるように「推計で年間16000人(2年で32000人)に使われているクスリです。そのクスリの副作用で2年間で8人が死んだ。」
ただそれだけのことです。
この記事には、どのような患者さんに対して使われているクスリであるのかについては、
書かれていません。
対象の患者さんは、「治療を行わなければ、近い将来確実に死が訪れる」
悪性リンパ腫という病を患った方々です。
赤字の部分が記事には書かれていません。
2年間で8人程度の死者は、
ふぐ中毒でも、きのこ中毒でも発生する数字です。
交通事故では数百倍の死者が出ます。
中毒が怖くて美味しいふぐを敬遠する人はいるのでしょうか。
交通事故を恐れ外出を控える人も存在しないと思います。
(これは、チョットいんちきな喩えですが・・・・)
勿論、そのような副作用が出ていることを医者にも注意喚起することは重要なことです。
「4000人に一人の割合(0.025%)で死に至る副作用が発現する可能性がある」と
しかし、この報道を見た患者さんは如何に思うでしょうか。
イレッサの二の舞にならないかとても心配です。
現在そして今までイレッサを使った患者さんは20名以上おられますが、
多くの患者さんでは非常に有効に作用し、
確実な延命効果が得られています。
幸い間質性肺炎は起きませんでした。
すでに4年間飲み続けている患者さんもいます。
イレッサはそれほど優れた治療薬です。
しかし、諸刃の剣でもあり、
間質性肺炎という副作用で多くの患者さんが亡くなられています。
それを、当時、新聞をはじめ多くのメディアが
センセーショナルに「イレッサの副作用死」を煽り立てました。
その結果、医者も怖がるようになり、
有効性が期待できる患者さんにまでも、
使われなくなってしまいました。
「イレッサの副作用で患者さんが死んだら医者の責任になる」からです。
肺ガンが患者さんを殺してくれれば誰の責任でもありません。
多くの患者さんで肺ガンに対する極めて有効な武器を一つ奪われてしまいました。
有効な武器を使わせてもらえず目を瞑っていかれました。
イレッサの裁判は今も続いているようですが、
そのホームページでも
「ガンで死ぬことは許されるけれども、薬害で死ぬことは許されない」
とハッキリと書かれています。
ナンとも不思議な感覚だと思います。
そのような感覚をお持ちの患者さんには
医者はイレッサを処方することはないと思います。
イレッサの恩恵にあずかることはありません。
4年間飲み続けている患者さんもそうですが、
イレッサの恩恵にあずかる多くの患者さんは、
他の抗癌剤治療では「あと数ヶ月」という寿命しかない方々です。
あるいは、「抗癌剤治療はもはやできません」と宣告された患者さんです。
現在では、副作用死は概ね1 〜 2 %と思われますが、
あと3ヶ月しか残されていない患者さんが、
イレッサを内服することにより、
一月の命になってしまう可能性はあります。
しかし、数ヶ月・数年になる可能性もあります。
掛金とオッズを良く考えて選択しなければなりません。
頻度の高くはない副作用死を
無責任に煽り立てるマスメディアの報道がその冷静な判断を迷わせます。
冷静にオッズを考えてください。
また、治療の費用ですが、
リツキシマブ(商品名リツキサン)は薬剤料金だけで、
一回30万円程度です。
それを8回・・・・
現在アバスチンを使っている患者さんもいますが、
体重1kg当たり5mgが標準量であり、一回に200 〜 300 mg程度使います。
その結果、平均25万円程度かかります。
2週間に一回の割合で一生涯です。
その値段が高いか安いかは患者さん、ご家族の価値観次第です。
ただし、リツキサンは健康保険が使えますが、
アバスチンは今のところ保険は使えません。
直腸・大腸ガン以外では当分の間、保険適応は無いと思います。
アバスチンは高額な代替療法などを行うのであれば、
治療効果もはっきりしていますし、
効果の不明な代替療法よりは遥かにお得だと思います。
しかし、アバスチンにも頻度は低いながら
致命的な副作用が存在することはお忘れなく。
アメリカでは何例も報告されています。
今後、日本でも何例かその副作用が出てきたら、
マスコミはまたまた大騒ぎをするでしょうから、
そのときの心構えをシッカリとしておいてください。
以上 文責 梅澤 充
徒然雲さんからコメントをいただきました。
表のコメントですから、ご覧になられた方も多いと思います。
重要な内容を含んだコメントだと思いますので再掲します。
当たって欲しくない。ハズレのオッズ
読売新聞WEB
「抗がん剤「リツキシマブ」副作用?肝炎で8人死亡」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061221i212.htm
小生、少し前までは競馬を楽しんでおりました。オッズと聞くと血が騒ぐのですが、表題記事のように副作用のオッズと言うことも考えてしまいます。
そもそも抗ガン剤は毒薬という点から考えると至極当たり前のような気もしますが。
「当たり」を祈って副作用が当たるのは…これは切ないですね。
ところでリツキシマブは一回30万円ですか。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/nedan/20061013ik0d.htm
命の値段と抗ガン剤の値段。
考えさせられます。
患者さんには大きなインパクトがあったのか、
わざわざ直接のメールで知らせてくれた患者さんのご家族もいました。
この記事を読んで、昨日の「がん難民・裏のコメント」を思い出しました。
記事の中にあるように「推計で年間16000人(2年で32000人)に使われているクスリです。そのクスリの副作用で2年間で8人が死んだ。」
ただそれだけのことです。
この記事には、どのような患者さんに対して使われているクスリであるのかについては、
書かれていません。
対象の患者さんは、「治療を行わなければ、近い将来確実に死が訪れる」
悪性リンパ腫という病を患った方々です。
赤字の部分が記事には書かれていません。
2年間で8人程度の死者は、
ふぐ中毒でも、きのこ中毒でも発生する数字です。
交通事故では数百倍の死者が出ます。
中毒が怖くて美味しいふぐを敬遠する人はいるのでしょうか。
交通事故を恐れ外出を控える人も存在しないと思います。
(これは、チョットいんちきな喩えですが・・・・)
勿論、そのような副作用が出ていることを医者にも注意喚起することは重要なことです。
「4000人に一人の割合(0.025%)で死に至る副作用が発現する可能性がある」と
しかし、この報道を見た患者さんは如何に思うでしょうか。
イレッサの二の舞にならないかとても心配です。
現在そして今までイレッサを使った患者さんは20名以上おられますが、
多くの患者さんでは非常に有効に作用し、
確実な延命効果が得られています。
幸い間質性肺炎は起きませんでした。
すでに4年間飲み続けている患者さんもいます。
イレッサはそれほど優れた治療薬です。
しかし、諸刃の剣でもあり、
間質性肺炎という副作用で多くの患者さんが亡くなられています。
それを、当時、新聞をはじめ多くのメディアが
センセーショナルに「イレッサの副作用死」を煽り立てました。
その結果、医者も怖がるようになり、
有効性が期待できる患者さんにまでも、
使われなくなってしまいました。
「イレッサの副作用で患者さんが死んだら医者の責任になる」からです。
肺ガンが患者さんを殺してくれれば誰の責任でもありません。
多くの患者さんで肺ガンに対する極めて有効な武器を一つ奪われてしまいました。
有効な武器を使わせてもらえず目を瞑っていかれました。
イレッサの裁判は今も続いているようですが、
そのホームページでも
「ガンで死ぬことは許されるけれども、薬害で死ぬことは許されない」
とハッキリと書かれています。
ナンとも不思議な感覚だと思います。
そのような感覚をお持ちの患者さんには
医者はイレッサを処方することはないと思います。
イレッサの恩恵にあずかることはありません。
4年間飲み続けている患者さんもそうですが、
イレッサの恩恵にあずかる多くの患者さんは、
他の抗癌剤治療では「あと数ヶ月」という寿命しかない方々です。
あるいは、「抗癌剤治療はもはやできません」と宣告された患者さんです。
現在では、副作用死は概ね1 〜 2 %と思われますが、
あと3ヶ月しか残されていない患者さんが、
イレッサを内服することにより、
一月の命になってしまう可能性はあります。
しかし、数ヶ月・数年になる可能性もあります。
掛金とオッズを良く考えて選択しなければなりません。
頻度の高くはない副作用死を
無責任に煽り立てるマスメディアの報道がその冷静な判断を迷わせます。
冷静にオッズを考えてください。
また、治療の費用ですが、
リツキシマブ(商品名リツキサン)は薬剤料金だけで、
一回30万円程度です。
それを8回・・・・
現在アバスチンを使っている患者さんもいますが、
体重1kg当たり5mgが標準量であり、一回に200 〜 300 mg程度使います。
その結果、平均25万円程度かかります。
2週間に一回の割合で一生涯です。
その値段が高いか安いかは患者さん、ご家族の価値観次第です。
ただし、リツキサンは健康保険が使えますが、
アバスチンは今のところ保険は使えません。
直腸・大腸ガン以外では当分の間、保険適応は無いと思います。
アバスチンは高額な代替療法などを行うのであれば、
治療効果もはっきりしていますし、
効果の不明な代替療法よりは遥かにお得だと思います。
しかし、アバスチンにも頻度は低いながら
致命的な副作用が存在することはお忘れなく。
アメリカでは何例も報告されています。
今後、日本でも何例かその副作用が出てきたら、
マスコミはまたまた大騒ぎをするでしょうから、
そのときの心構えをシッカリとしておいてください。
以上 文責 梅澤 充



