昨夜、民放でガン治療(?)に関する放送を流していました。
ご覧になられた方も多いと思います。
本日も、その番組のことを話された患者さんが
4 〜 5名おられました。
昨日、ちょうど町田胃腸病院から帰宅し、
風呂に入り、唯一の楽しみである、
美味しいお酒とともに、大好きな健康に悪い食事をしていたときでした。
はじめの、ガン治療の地域格差については、
全部は見ることが出来ませんでしたが、
そのセッションのおしまいの方で、
「厳然と存在する地域格差」
「優秀な医者の都会への流出」
などとアナウンスされていたように記憶しています。
たしかに、それは多少はあるとは思います。
しかし、3月11日の「ガン治療の地域格差」
8月26日の「患者さんの地域格差」
をはじめ何回も書いてきましたが、
医療の地域格差は
医者の差ではなく、患者さんの差が非常に大きいように思います。
地方に行くと、ご自身、ご家族の病気に対してあまりにも無知な患者さんが
非常に多いように感じます。
それは、必ずしも地方だけではありません。
本日から、点滴による抗癌剤治療を開始した患者さんがいます。
まだ40代前半の患者さんです。
某都立病院で、
「無治療で放置したら7〜8ヶ月、抗癌剤治療をしても2〜3ヶ月の延命」
と真実の宣告を受け、無治療を選択した患者さんです
しかし周囲の人間の勧めで、
私のところにセカンドオピニオンに来られ、
その後、治療を開始した患者さんです。
本日、点滴前に患者さんに
「タキソールとカルボプラチンの組み合わせで点滴をしましょう」
と言ったとき、患者さん曰く
「点滴の中に抗癌剤が入っているのですか?」
その方は、病気に対する豊かな見識を持っているとは思っていませんでしたが、
目が点になりました。
そのような患者さんであれば、
何処に行っても受けることができる治療は限られていると思います。
患者さんのそのレベルの認識を知ってしまうと、
「工夫して治療を行い、何とか長生きさせてあげたい」
とは、医者は考えなくなってしまうと思います。
正直、私もガックリきました。
先週末から白鬚橋病院に入院している患者さんでは、
他の大きな病院で、乳ガンの再発治療中に、
数ヶ月前から頚椎の疼痛を訴えていましたが、
単純写真だけで筋肉痛の診断のもと湿布薬だけを処方されていました。
痛みで動けなくなり、救急車で白鬚橋病院に運ばれてきたときには、
頚椎転移で頚椎損傷ギリギリのところで、
もはや何もできないような状態でした。
数ヶ月前の普通に生活をすることができる状態であれば、
サイバーナイフ治療の良い適応であったはずです。
今では、治療のために患者さんを動かすだけで完全頚椎損傷の危険もあり不可能です。
珍しい一例かも知れませんが、大都会の大きな立派な病院でもそのようなこともあります。
都会の治療が優れていて、地方が遅れているとばかりはいえません。
昨日の「執念」でも書きましたが、
患者さんやご家族が自分自身で勉強して、
それを医者にぶつければ、それに答えない医者はいないと思います(そう信じたい…)
都会には、そのように問題意識のシッカリとした患者さんが多い。
ただそれだけのことだと思います。
問題意識の無い患者さんばかり診ていると、
その患者さんのレベルに医者が合わせてしまう。
ということではないでしょうか。
テレビ出演をして、地域格差を訴えることができるような患者さんは、
問題意識の薄い地方では、珍しい存在であり、
その地方でレベルを下げさせられている医者では物足りない、
のではないでしょうか。
後半のスキルス胃ガン再発からのガン性腹膜炎の話題も、
必ずしも東京の、しかも癌研病院の治療が最善ではないことを
ものがたっていたように思います。
「患者が自ら勉強し自分に合った治療」などという言葉があったように記憶していますが、
結局、残念ながらあの患者さんは、
癌研病院の勧めるエビデンスのある標準治療だけを行い、
「エビデンスどおりに9ヶ月で亡くなられていった」だけのように思います。
腹水がたまると、緩和ケアだけでガン治療はしてもらえませんでした。
昨日の「執念」のように
癌研病院では、突き放されてしまうでしょうが、
患者さんがもう少し医者に喰らいつけば、
別の道も開けた可能性はあります。
経済的にも不自由している患者さんではなさそうでしたし、
保険を度外視して考えれば、
ハーセプチン、アバスチン、アービタックス、ゼローダなどのクスリも
可能性はあったと思います。
その他にもまだまだあります。
それらについて、すべて放送でカットされたとは思えません。
現実に、癌研病院では患者さんがいくら訴えても、
標準治療以外は受け付けていないようです。
東京の真ん中の癌研病院がこの程度ですから、
地方の患者さんが悲観することはまったくないと思います。
むしろ、標準治療しか行わないお堅い病院よりも、
患者さんの勉強と知識次第では、
地方の病院の方が柔軟に対処してくれるかも知れません。
標準的抗癌剤治療のガイドラインからは外れますが、
腹水が溜まってもまだ治療が可能な患者さんもたくさんいます。
その中の一人が、
昨日の放送を見て深刻な顔で、心配されて来られました。
まだ若い女性で大きなお腹を抱えたその患者さんが、
半年前にはじめて病院に来られたとき、
オッチョコチョイな看護師が
「アラ、オメデタですか?」
と言ってしまった患者さんです。
オメデタではなく、ガン性腹膜炎による腹水でお腹がパンパンになっていました。
その後外来で抗癌剤治療を続け、
半年後の現在、腹水はなくなり明るいお正月を迎えることができます。
標準的抗癌剤治療のガイドラインに則ったならば、
その患者さんは、来年を迎えることは有り得なかったはずです。
その患者さん曰く、
「腹水が溜まるとアッチこっちにガンは転移するのですか、
私も腹水がたくさん溜まっていたからガンがそこらじゅうに広がっているのですか」
昨日の放送からは、
ごもっともな質問かも知れません。
しかし、腹水が溜まったらガン治療を止めてしまうから、
その後はアッチこっちに広がるだけで、
その患者さんのガン性腹膜炎は、
ほんの僅かな抗癌剤だけで抑えられていますから、
その心配はありません。
話はそれましたが、
医療の格差の原因は
地方と都会の差ではなく
患者さんの知識の差が一番大きいと思います。
ご自身で最善の治療をもぎ取ってください。
以上 文責 梅澤 充
ご覧になられた方も多いと思います。
本日も、その番組のことを話された患者さんが
4 〜 5名おられました。
昨日、ちょうど町田胃腸病院から帰宅し、
風呂に入り、唯一の楽しみである、
美味しいお酒とともに、大好きな健康に悪い食事をしていたときでした。
はじめの、ガン治療の地域格差については、
全部は見ることが出来ませんでしたが、
そのセッションのおしまいの方で、
「厳然と存在する地域格差」
「優秀な医者の都会への流出」
などとアナウンスされていたように記憶しています。
たしかに、それは多少はあるとは思います。
しかし、3月11日の「ガン治療の地域格差」
8月26日の「患者さんの地域格差」
をはじめ何回も書いてきましたが、
医療の地域格差は
医者の差ではなく、患者さんの差が非常に大きいように思います。
地方に行くと、ご自身、ご家族の病気に対してあまりにも無知な患者さんが
非常に多いように感じます。
それは、必ずしも地方だけではありません。
本日から、点滴による抗癌剤治療を開始した患者さんがいます。
まだ40代前半の患者さんです。
某都立病院で、
「無治療で放置したら7〜8ヶ月、抗癌剤治療をしても2〜3ヶ月の延命」
と真実の宣告を受け、無治療を選択した患者さんです
しかし周囲の人間の勧めで、
私のところにセカンドオピニオンに来られ、
その後、治療を開始した患者さんです。
本日、点滴前に患者さんに
「タキソールとカルボプラチンの組み合わせで点滴をしましょう」
と言ったとき、患者さん曰く
「点滴の中に抗癌剤が入っているのですか?」
その方は、病気に対する豊かな見識を持っているとは思っていませんでしたが、
目が点になりました。
そのような患者さんであれば、
何処に行っても受けることができる治療は限られていると思います。
患者さんのそのレベルの認識を知ってしまうと、
「工夫して治療を行い、何とか長生きさせてあげたい」
とは、医者は考えなくなってしまうと思います。
正直、私もガックリきました。
先週末から白鬚橋病院に入院している患者さんでは、
他の大きな病院で、乳ガンの再発治療中に、
数ヶ月前から頚椎の疼痛を訴えていましたが、
単純写真だけで筋肉痛の診断のもと湿布薬だけを処方されていました。
痛みで動けなくなり、救急車で白鬚橋病院に運ばれてきたときには、
頚椎転移で頚椎損傷ギリギリのところで、
もはや何もできないような状態でした。
数ヶ月前の普通に生活をすることができる状態であれば、
サイバーナイフ治療の良い適応であったはずです。
今では、治療のために患者さんを動かすだけで完全頚椎損傷の危険もあり不可能です。
珍しい一例かも知れませんが、大都会の大きな立派な病院でもそのようなこともあります。
都会の治療が優れていて、地方が遅れているとばかりはいえません。
昨日の「執念」でも書きましたが、
患者さんやご家族が自分自身で勉強して、
それを医者にぶつければ、それに答えない医者はいないと思います(そう信じたい…)
都会には、そのように問題意識のシッカリとした患者さんが多い。
ただそれだけのことだと思います。
問題意識の無い患者さんばかり診ていると、
その患者さんのレベルに医者が合わせてしまう。
ということではないでしょうか。
テレビ出演をして、地域格差を訴えることができるような患者さんは、
問題意識の薄い地方では、珍しい存在であり、
その地方でレベルを下げさせられている医者では物足りない、
のではないでしょうか。
後半のスキルス胃ガン再発からのガン性腹膜炎の話題も、
必ずしも東京の、しかも癌研病院の治療が最善ではないことを
ものがたっていたように思います。
「患者が自ら勉強し自分に合った治療」などという言葉があったように記憶していますが、
結局、残念ながらあの患者さんは、
癌研病院の勧めるエビデンスのある標準治療だけを行い、
「エビデンスどおりに9ヶ月で亡くなられていった」だけのように思います。
腹水がたまると、緩和ケアだけでガン治療はしてもらえませんでした。
昨日の「執念」のように
癌研病院では、突き放されてしまうでしょうが、
患者さんがもう少し医者に喰らいつけば、
別の道も開けた可能性はあります。
経済的にも不自由している患者さんではなさそうでしたし、
保険を度外視して考えれば、
ハーセプチン、アバスチン、アービタックス、ゼローダなどのクスリも
可能性はあったと思います。
その他にもまだまだあります。
それらについて、すべて放送でカットされたとは思えません。
現実に、癌研病院では患者さんがいくら訴えても、
標準治療以外は受け付けていないようです。
東京の真ん中の癌研病院がこの程度ですから、
地方の患者さんが悲観することはまったくないと思います。
むしろ、標準治療しか行わないお堅い病院よりも、
患者さんの勉強と知識次第では、
地方の病院の方が柔軟に対処してくれるかも知れません。
標準的抗癌剤治療のガイドラインからは外れますが、
腹水が溜まってもまだ治療が可能な患者さんもたくさんいます。
その中の一人が、
昨日の放送を見て深刻な顔で、心配されて来られました。
まだ若い女性で大きなお腹を抱えたその患者さんが、
半年前にはじめて病院に来られたとき、
オッチョコチョイな看護師が
「アラ、オメデタですか?」
と言ってしまった患者さんです。
オメデタではなく、ガン性腹膜炎による腹水でお腹がパンパンになっていました。
その後外来で抗癌剤治療を続け、
半年後の現在、腹水はなくなり明るいお正月を迎えることができます。
標準的抗癌剤治療のガイドラインに則ったならば、
その患者さんは、来年を迎えることは有り得なかったはずです。
その患者さん曰く、
「腹水が溜まるとアッチこっちにガンは転移するのですか、
私も腹水がたくさん溜まっていたからガンがそこらじゅうに広がっているのですか」
昨日の放送からは、
ごもっともな質問かも知れません。
しかし、腹水が溜まったらガン治療を止めてしまうから、
その後はアッチこっちに広がるだけで、
その患者さんのガン性腹膜炎は、
ほんの僅かな抗癌剤だけで抑えられていますから、
その心配はありません。
話はそれましたが、
医療の格差の原因は
地方と都会の差ではなく
患者さんの知識の差が一番大きいと思います。
ご自身で最善の治療をもぎ取ってください。
以上 文責 梅澤 充



