今年も、今日を含めてあと2日です。
失礼な喩えですが、
今年一年、
絶望的な状態からの、大当たり一発逆転満塁ホームランから、
当たりは悪くてもラッキーなポテンヒット、
そして空振りの三振まで、
たくさんの勝負、ドラマがありました。
多くは、当たりは良くないもののヒットだけは出ていました。
その中で、2塁打も3塁打もホームランもありました。
来年は無かったはずの患者さんが、
何人も新鮮な年を迎えることができます。
しかし、全くバットにかすることすらなく、
三振に終わってしまった打席も、6名様で経験しました。
その患者さんの一人が今、町田胃腸病院の病床に伏せっています。
膵ガンの患者さんです。
他の病院で3ヶ月と宣告され、
町田胃腸病院に来られました。
見事に何も効きませんでした。
抗癌剤に対しまったく反応を見せてくれないまま、
現在、重篤な状態で床に着いています。
今まで膵ガンの患者さんは数十人診てきましたが、
まったく反応をしてくれなかったのは二人目です。
そのお一人の患者さんは昨年の今日12月30日に亡くなられました。
診断後、即刻治療を開始し2ヶ月半でした。
勿論、少量の抗癌剤治療に拘ることはしません。
少量で効かなければ増量もしますし、
薬剤の変更、さらに薬剤の投与方法も工夫します。
しかし、どれもダメでした。
現在入院中の患者さんも
すべてダメでした。
経済的に恵まれている患者さんであり、
保険外の治療も行いましたがそれも反応してくれませんでした。
輸入での薬剤を使った治療も提案はしましたが、
そこまでは望まれませんでした。
もし、それを使っていたら、経過は少し違っていたかも知れませんが、
ご家族がそれを選択しなかったことは正解だと思います。
経過が多少違っただけで、到達点は同じですから、
その治療をしなかったことを悔いることはないと思います。
輸入の新薬には多大な期待を寄せる患者さんも多いのですが、
その結果は慎重に考えるべきだと思います。
経済的な問題も大きく圧し掛かってきます。
ただし、何回も書いているとおり、
効果の証明されていない高額な代替療法を行うくらいであれば、
その資金は、治療効果のハッキリと確認されている
保険外のクスリにまわすべきだと考えます。
話はそれましたが、
まったく、かすりもしない空振りの三振に終わったケースを検証してみますと、
抗癌剤を増量していってもまったく効果はありませんでしたので、
はじめから大量に使っていたら、
そのダメージだけが前面に出てしまい、
寿命を縮める結果になっていたものと思われます。
負け惜しみ、と聞こえるかも知れませんが、
標準的ではない抗癌剤治療で効かなかった患者さんこそ、
結果は残念ですが、
標準的抗癌剤治療を行わなくて良かったと思います。
それを、行っていたならばもっと短い人生で終わってしまった可能性が多分にあるように思います。
抗癌剤治療は、
延命効果を見る患者さんもいる代わりに、
寿命を縮めてしまう患者さんもいるので、
平均すると大きな延命効果は認められません。
ほんの10年チョット前まで、
平均するとまったく延命効果すら認められないのが抗癌剤治療でした。
逆に、標準的ではないごく少量の抗癌剤を使った治療で
効果があった患者さんでは、
標準的抗癌剤治療でも恐らく大きな治療効果を見たと思います。
当然延命効果も期待できると思います。
しかし、最大耐用量の抗癌剤により身体が大きく蝕まれてしまうため
大きな延命は期待できません。
また、一般的に副作用は免れ得ずQOLを低下させてしまいます。
空振りの三振に終わったとしても、
ホームラン狙いで力んでボールに向かっていき、
デッドボールを喰らいその場で倒れるより、
よほどマシなような気がします。
以上の文は朝診察開始前に書いたのですが、
本日のその後の外来診療で大きな出来事がありました。
抗癌剤治療を行うために外来に来られた患者さんが、
お正月を目前に、慌ただしく旅立たれてしまいました。
来院時、ビックリするほど全身状態が悪かったので
当然、抗癌剤治療はしませんでしたが、
普通の点滴だけをしていたところ、
状態が急変しそのまま亡くなられました。
ご家族も、病院に連れて行くべきが否か迷ったほどだったそうですが、
ご本人が、苦しいながら
「梅澤のいる病院に連れて行ってくれ」
とのことでお連れになられたそうです。
最後の最後まで「良くなりたい、治るかも知れない」
という希望だけは持っていただけたと思います。
某大学病院に入院していたのを退院して、
最後は、大好きなご自宅でご家族と一緒に生活されました。
再度の入院はとても嫌がっておられたようです。
結果は残念ですが、
そこに至る過程は間違いなかったと思います。
心より、ご冥福をお祈りします。
以上 文責 梅澤 充
失礼な喩えですが、
今年一年、
絶望的な状態からの、大当たり一発逆転満塁ホームランから、
当たりは悪くてもラッキーなポテンヒット、
そして空振りの三振まで、
たくさんの勝負、ドラマがありました。
多くは、当たりは良くないもののヒットだけは出ていました。
その中で、2塁打も3塁打もホームランもありました。
来年は無かったはずの患者さんが、
何人も新鮮な年を迎えることができます。
しかし、全くバットにかすることすらなく、
三振に終わってしまった打席も、6名様で経験しました。
その患者さんの一人が今、町田胃腸病院の病床に伏せっています。
膵ガンの患者さんです。
他の病院で3ヶ月と宣告され、
町田胃腸病院に来られました。
見事に何も効きませんでした。
抗癌剤に対しまったく反応を見せてくれないまま、
現在、重篤な状態で床に着いています。
今まで膵ガンの患者さんは数十人診てきましたが、
まったく反応をしてくれなかったのは二人目です。
そのお一人の患者さんは昨年の今日12月30日に亡くなられました。
診断後、即刻治療を開始し2ヶ月半でした。
勿論、少量の抗癌剤治療に拘ることはしません。
少量で効かなければ増量もしますし、
薬剤の変更、さらに薬剤の投与方法も工夫します。
しかし、どれもダメでした。
現在入院中の患者さんも
すべてダメでした。
経済的に恵まれている患者さんであり、
保険外の治療も行いましたがそれも反応してくれませんでした。
輸入での薬剤を使った治療も提案はしましたが、
そこまでは望まれませんでした。
もし、それを使っていたら、経過は少し違っていたかも知れませんが、
ご家族がそれを選択しなかったことは正解だと思います。
経過が多少違っただけで、到達点は同じですから、
その治療をしなかったことを悔いることはないと思います。
輸入の新薬には多大な期待を寄せる患者さんも多いのですが、
その結果は慎重に考えるべきだと思います。
経済的な問題も大きく圧し掛かってきます。
ただし、何回も書いているとおり、
効果の証明されていない高額な代替療法を行うくらいであれば、
その資金は、治療効果のハッキリと確認されている
保険外のクスリにまわすべきだと考えます。
話はそれましたが、
まったく、かすりもしない空振りの三振に終わったケースを検証してみますと、
抗癌剤を増量していってもまったく効果はありませんでしたので、
はじめから大量に使っていたら、
そのダメージだけが前面に出てしまい、
寿命を縮める結果になっていたものと思われます。
負け惜しみ、と聞こえるかも知れませんが、
標準的ではない抗癌剤治療で効かなかった患者さんこそ、
結果は残念ですが、
標準的抗癌剤治療を行わなくて良かったと思います。
それを、行っていたならばもっと短い人生で終わってしまった可能性が多分にあるように思います。
抗癌剤治療は、
延命効果を見る患者さんもいる代わりに、
寿命を縮めてしまう患者さんもいるので、
平均すると大きな延命効果は認められません。
ほんの10年チョット前まで、
平均するとまったく延命効果すら認められないのが抗癌剤治療でした。
逆に、標準的ではないごく少量の抗癌剤を使った治療で
効果があった患者さんでは、
標準的抗癌剤治療でも恐らく大きな治療効果を見たと思います。
当然延命効果も期待できると思います。
しかし、最大耐用量の抗癌剤により身体が大きく蝕まれてしまうため
大きな延命は期待できません。
また、一般的に副作用は免れ得ずQOLを低下させてしまいます。
空振りの三振に終わったとしても、
ホームラン狙いで力んでボールに向かっていき、
デッドボールを喰らいその場で倒れるより、
よほどマシなような気がします。
以上の文は朝診察開始前に書いたのですが、
本日のその後の外来診療で大きな出来事がありました。
抗癌剤治療を行うために外来に来られた患者さんが、
お正月を目前に、慌ただしく旅立たれてしまいました。
来院時、ビックリするほど全身状態が悪かったので
当然、抗癌剤治療はしませんでしたが、
普通の点滴だけをしていたところ、
状態が急変しそのまま亡くなられました。
ご家族も、病院に連れて行くべきが否か迷ったほどだったそうですが、
ご本人が、苦しいながら
「梅澤のいる病院に連れて行ってくれ」
とのことでお連れになられたそうです。
最後の最後まで「良くなりたい、治るかも知れない」
という希望だけは持っていただけたと思います。
某大学病院に入院していたのを退院して、
最後は、大好きなご自宅でご家族と一緒に生活されました。
再度の入院はとても嫌がっておられたようです。
結果は残念ですが、
そこに至る過程は間違いなかったと思います。
心より、ご冥福をお祈りします。
以上 文責 梅澤 充



