お正月早々から、セカンドオピニオンのために町田胃腸病院に来られた患者さんがいます。
その患者さんも、都内の某大病院から
「もはや治療方法は無い」とお決まりの宣告を受け、
昨年の12月9日の「続・がん難民」で書いたような
「真性がん難民」になられた方です。
その後、行き着いたのは代替療法でした。
しかし、代替療法で良くなるはずもなく、
当然ながら、徐々に悪化し、
宣告を受けたときよりも全身状態は悪くなり、
さらに、もはや治療のための資金も尽きてしまった。
とのことでした。
昨年にも何度も書きましたが、
本当に「治療方法が無い」などという状態は稀です。
少なくとも自宅で生活できるレベルであれば何らかの方法はあります。
標準的抗癌剤治療の適応ではないというだけです。
また、これも何度も書きましたが、
現在、高額な代替療法が横行しています。
治療を開始するときにすでに、
数十万円から百万円以上の治療費(?)を支払わなければならないような
代替療法も少なくないようです。
それを始めるときには、
患者さん、ご家族ともに冷静さを失ってしまっていますので、
先のことなどほとんど考える余裕などありません。
その治療の宣伝本やインターネットなどの宣伝にすぐに乗ってしまいます。
また「これだけ高額な治療だから、きっと良く効くのだろう」
程度のことしか頭に浮かびません。
非常に大切なことの一つは、
「その治療費は、はじめに支払った○○○万円で終わりではない」
ということを、考える余裕はありません。
多くの場合、生きている限り大金の支払いは続きます。
例えば、はじめに200万円支払い、
治療を開始し、
その200万円分の治療が終了したとき、
ガンが治っているなどということは、一般的に起こり得ません。
少なくとも、私の知る範囲で治った患者さんは見たことがありません。
その時、まだ患者さんが元気であれば、多くの場合
「もう一回はやった方がイイですよ」
と言われます。
その時には追加料金の数十万円かもしれません。
もし言われなくても、
患者さんとしても、
200万円もかけて治ってもいないのに、
そのうえ、「他に治療方法が無い」と言われているのに、
「終わりにします」とは言えないはずです。
その医者の言うがまま、
あるいは自分の意思でその治療は中止できなくなり、
継続することになります。
そこで止めてしまったなら、
「はじめに投じた大金がすべて無駄になる」
という心理が働きます。
それ故、その治療を止めることができなくなります。
その後、当然ガンは治っていませんから、
「もう一回」ときます。
その時には、すでに200万円プラス追加料金も投じています。
ますます止めることができなくなります。
完全に詐欺被害者の被害者心理になってしまいます。
こうして、ガンはまったく良くなっていないのに、
ドンドン泥沼にはまって行きます。
気が付くのは、
全身状態が取り返しの付かないところにまで悪化しているか、
治療資金が尽きたときです。
なかには借金までして治療費を捻出する患者さんもいます。
代替療法でガンが治る。
これは宝くじに当たるようなものです。
宝くじで夢を見るのは悪いことではないと思います。
しかし、宝くじの当選金をアテにして生計を立てる人はいないと思います。
また、宝くじは一枚300円だから夢を見ることができるのです。
一枚300万円だったら、
目は血走り、夢を追うどころではなくなります。
多くの代替療法は、ほとんど気休め程度に考えていた方が無難です。
気休めに対して、いくら投資するかは個人の価値観でお決めください。
もっとも、標準的抗癌剤治療も気休め程度の延命効果しかありませんが・・・
様々な代替療法のなかで、
リンパ球療法については、
患者さんから「リンパ球療法について、先生はドウ思われますか?」
と、よく質問されますが、
私の個人的な見解では、
将来的には、その高い治療費に見合った効果が期待できるようになるのではなかと思いますが、
それはまだ数十年先のことだと思います。
今は、まだ理想には程遠いように感じます。
今流行の分子標的薬などより遥かに有効な、
将来の「理想のガン治療」になる可能性は十分に秘めているとは思います。
しかし、現状では分子標的薬の方が遥かに有効だと感じます。
私の身内ならそれを受けさせようとは思いません。
もっと有意義なお金の使い方を考えます。
それに巨額の治療費を費やするか否かは、
患者さんご家族の死生観、価値観が決めることです。
その治療費も私には巨額ですが、
小遣い銭程度に感じる方もいると思います。
小遣い銭と感じることができる患者さんであれば、
副作用はほとんどありませんから、
試してみることは悪くないと思います。
昨日、本日と合計50名の患者さんが
抗癌剤の外来点滴治療に来られました。
今日もホトホト疲れました・・・・
以上 文責 梅澤 充
その患者さんも、都内の某大病院から
「もはや治療方法は無い」とお決まりの宣告を受け、
昨年の12月9日の「続・がん難民」で書いたような
「真性がん難民」になられた方です。
その後、行き着いたのは代替療法でした。
しかし、代替療法で良くなるはずもなく、
当然ながら、徐々に悪化し、
宣告を受けたときよりも全身状態は悪くなり、
さらに、もはや治療のための資金も尽きてしまった。
とのことでした。
昨年にも何度も書きましたが、
本当に「治療方法が無い」などという状態は稀です。
少なくとも自宅で生活できるレベルであれば何らかの方法はあります。
標準的抗癌剤治療の適応ではないというだけです。
また、これも何度も書きましたが、
現在、高額な代替療法が横行しています。
治療を開始するときにすでに、
数十万円から百万円以上の治療費(?)を支払わなければならないような
代替療法も少なくないようです。
それを始めるときには、
患者さん、ご家族ともに冷静さを失ってしまっていますので、
先のことなどほとんど考える余裕などありません。
その治療の宣伝本やインターネットなどの宣伝にすぐに乗ってしまいます。
また「これだけ高額な治療だから、きっと良く効くのだろう」
程度のことしか頭に浮かびません。
非常に大切なことの一つは、
「その治療費は、はじめに支払った○○○万円で終わりではない」
ということを、考える余裕はありません。
多くの場合、生きている限り大金の支払いは続きます。
例えば、はじめに200万円支払い、
治療を開始し、
その200万円分の治療が終了したとき、
ガンが治っているなどということは、一般的に起こり得ません。
少なくとも、私の知る範囲で治った患者さんは見たことがありません。
その時、まだ患者さんが元気であれば、多くの場合
「もう一回はやった方がイイですよ」
と言われます。
その時には追加料金の数十万円かもしれません。
もし言われなくても、
患者さんとしても、
200万円もかけて治ってもいないのに、
そのうえ、「他に治療方法が無い」と言われているのに、
「終わりにします」とは言えないはずです。
その医者の言うがまま、
あるいは自分の意思でその治療は中止できなくなり、
継続することになります。
そこで止めてしまったなら、
「はじめに投じた大金がすべて無駄になる」
という心理が働きます。
それ故、その治療を止めることができなくなります。
その後、当然ガンは治っていませんから、
「もう一回」ときます。
その時には、すでに200万円プラス追加料金も投じています。
ますます止めることができなくなります。
完全に詐欺被害者の被害者心理になってしまいます。
こうして、ガンはまったく良くなっていないのに、
ドンドン泥沼にはまって行きます。
気が付くのは、
全身状態が取り返しの付かないところにまで悪化しているか、
治療資金が尽きたときです。
なかには借金までして治療費を捻出する患者さんもいます。
代替療法でガンが治る。
これは宝くじに当たるようなものです。
宝くじで夢を見るのは悪いことではないと思います。
しかし、宝くじの当選金をアテにして生計を立てる人はいないと思います。
また、宝くじは一枚300円だから夢を見ることができるのです。
一枚300万円だったら、
目は血走り、夢を追うどころではなくなります。
多くの代替療法は、ほとんど気休め程度に考えていた方が無難です。
気休めに対して、いくら投資するかは個人の価値観でお決めください。
もっとも、標準的抗癌剤治療も気休め程度の延命効果しかありませんが・・・
様々な代替療法のなかで、
リンパ球療法については、
患者さんから「リンパ球療法について、先生はドウ思われますか?」
と、よく質問されますが、
私の個人的な見解では、
将来的には、その高い治療費に見合った効果が期待できるようになるのではなかと思いますが、
それはまだ数十年先のことだと思います。
今は、まだ理想には程遠いように感じます。
今流行の分子標的薬などより遥かに有効な、
将来の「理想のガン治療」になる可能性は十分に秘めているとは思います。
しかし、現状では分子標的薬の方が遥かに有効だと感じます。
私の身内ならそれを受けさせようとは思いません。
もっと有意義なお金の使い方を考えます。
それに巨額の治療費を費やするか否かは、
患者さんご家族の死生観、価値観が決めることです。
その治療費も私には巨額ですが、
小遣い銭程度に感じる方もいると思います。
小遣い銭と感じることができる患者さんであれば、
副作用はほとんどありませんから、
試してみることは悪くないと思います。
昨日、本日と合計50名の患者さんが
抗癌剤の外来点滴治療に来られました。
今日もホトホト疲れました・・・・
以上 文責 梅澤 充