昨日の「小林麻央氏がオプジーボ?」でも書きましたが、
オプジーボという、
桁外れに高額な薬剤が、
日本中に出回っています。
じつは他にも幾つもある高額な薬剤では、
その恩恵を受けている患者さんがたくさん存在していることは事実です。
それは、ありがたいことであり、
医学の進歩だと感じます。
しかし、オプジーボの場合、
腫瘍内科医が、
「それしか認めない標準量」だと、
体重60Kgの患者さんで、
二週間に一回の点滴の値段が、
一回当たり130万円という金額には、
考えさせられてしまいます。
そんなこと、一町医者が考えさせられても仕方ありません。
国民全体で考えなければならない問題です。
町医者には考えがまとまりませんので、
はじめからあのクスリに手を出すことはまったく考えていません。
現在使っている高額な薬剤では、
数年前に発売された分子標的薬程度です。
もちろん、一民間診療所に、
健康保険でオプジーボの使用が許されることもありません。
お国が羽目を外してしまったら、
健康保険財政は破綻してしまいます。
「末期がん」の状態から、
「がん末期」の状態に至ってしまったなら、
その上、ご丁寧に余命など宣告されたなら、
副作用は毒とは比較になりませんから、
「ダメもとでも使って欲しい」と誰でも考えます。
しかも費用の90%以上が、
公費ですから、
その要求は当たり前です。
オプジーボの薬価は25%下がるそうですが、
焼け石に水という感じがします。
現実には、
公立病院の腫瘍内科でも、
標準的な細胞毒儀式は終わり、
立派に健康保険適応が存在している状態の肺がんでも、
「効かなかった場合、がんが進行してしまうリスクが高い」
などと、あまりにも苦しい言い訳をして、
使うことを拒んでいる病院もあります。
その結果、二か月間も無治療状態が続いています。
二ヶ月もあれば、
5回の点滴はできたはずであり、
その上で、病勢進行が確認されれば、
別の方策を考えても良いはずですが、
それは行われません。
一番困るのは、
もし、その薬剤が効いてしまった場合、
それを止められなくなる、
止める時期が分かっていない、
という現実です。
困ったことに、
効いていることが確認されてしまったら、
止めることには、
それを提案して提供した医療者に大きな躊躇が発生してきます。
「健康保険では〇回まで」
「その後の希望者は高度先進医療で自費です」
とでも、
シッカリと線引きすれば、
オプジーボは多くの患者さんに夢を与える、
ありがたいクスリになり得るかも知れません。
しかし、現状では治ることは起こり得ない、
末期がんを宿してしまった患者さんは、
目の前にニンジンをぶら下げられた哀れな馬に過ぎないように思います。
30分の1程度ならば、
確実な死を前にしている患者さん、ご家族では、
自費でも使いたいというかたは、
少なくないように感じますが、
現在のオプジーボは、
一握りの人間の大きな利権のために、
食べることは許されないニンジンです。
ちぎって、みんなで味わえば良いのに。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
オプジーボという、
桁外れに高額な薬剤が、
日本中に出回っています。
じつは他にも幾つもある高額な薬剤では、
その恩恵を受けている患者さんがたくさん存在していることは事実です。
それは、ありがたいことであり、
医学の進歩だと感じます。
しかし、オプジーボの場合、
腫瘍内科医が、
「それしか認めない標準量」だと、
体重60Kgの患者さんで、
二週間に一回の点滴の値段が、
一回当たり130万円という金額には、
考えさせられてしまいます。
そんなこと、一町医者が考えさせられても仕方ありません。
国民全体で考えなければならない問題です。
町医者には考えがまとまりませんので、
はじめからあのクスリに手を出すことはまったく考えていません。
現在使っている高額な薬剤では、
数年前に発売された分子標的薬程度です。
もちろん、一民間診療所に、
健康保険でオプジーボの使用が許されることもありません。
お国が羽目を外してしまったら、
健康保険財政は破綻してしまいます。
「末期がん」の状態から、
「がん末期」の状態に至ってしまったなら、
その上、ご丁寧に余命など宣告されたなら、
副作用は毒とは比較になりませんから、
「ダメもとでも使って欲しい」と誰でも考えます。
しかも費用の90%以上が、
公費ですから、
その要求は当たり前です。
オプジーボの薬価は25%下がるそうですが、
焼け石に水という感じがします。
現実には、
公立病院の腫瘍内科でも、
標準的な細胞毒儀式は終わり、
立派に健康保険適応が存在している状態の肺がんでも、
「効かなかった場合、がんが進行してしまうリスクが高い」
などと、あまりにも苦しい言い訳をして、
使うことを拒んでいる病院もあります。
その結果、二か月間も無治療状態が続いています。
二ヶ月もあれば、
5回の点滴はできたはずであり、
その上で、病勢進行が確認されれば、
別の方策を考えても良いはずですが、
それは行われません。
一番困るのは、
もし、その薬剤が効いてしまった場合、
それを止められなくなる、
止める時期が分かっていない、
という現実です。
困ったことに、
効いていることが確認されてしまったら、
止めることには、
それを提案して提供した医療者に大きな躊躇が発生してきます。
「健康保険では〇回まで」
「その後の希望者は高度先進医療で自費です」
とでも、
シッカリと線引きすれば、
オプジーボは多くの患者さんに夢を与える、
ありがたいクスリになり得るかも知れません。
しかし、現状では治ることは起こり得ない、
末期がんを宿してしまった患者さんは、
目の前にニンジンをぶら下げられた哀れな馬に過ぎないように思います。
30分の1程度ならば、
確実な死を前にしている患者さん、ご家族では、
自費でも使いたいというかたは、
少なくないように感じますが、
現在のオプジーボは、
一握りの人間の大きな利権のために、
食べることは許されないニンジンです。
ちぎって、みんなで味わえば良いのに。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。