NHKのガン治療番組
※NHKのガン治療に関する番組(2006/1/7 NHKスペシャル〜第一夜 がん医療を問う〜、2006/1/8 第二夜 がんの苦痛は取り除ける)
ガンの治療、およびガンそのものについて、多くの方々が誤解されている点、
また、正しく理解して頂きたいことは、たくさん有り過ぎて、何から書いてゆけばいいのか迷ってしまいます。。。。
先日(1月7日と8日)、NHKがガン治療について特集した番組を放送していましたので、その内容について、忘れないうちに(ビデオには撮ってありますが…)、番組に登場する某がんセンターの偉いお医者様や腫瘍内科医に負けないくらい、ガン患者さんのことを真剣に考えているつもりの一ガン治療医として、私なりの意見を述べたいと思います。
昨年の5月の連休に放送された番組よりは、少しはマシでした。
しかし、大きな偏り、作為は、無視できないように思いました。
第一日目の番組では、特に際立って、某がんセンターの素晴らしさ、および腫瘍内科医の重要性について延々と番組が作られていましたが、
アレは、視聴者を「NHKが理想とするガン治療が正しい」と、洗脳したかったのでしょうか?
昨今、「健康食品のキノコの一種のアガリクスやメシマコブが、ガン治療に有効だ」と虚偽の宣伝し、逮捕者まで出ている事件がありました。
いわゆる「バイブル本」といわれる、それら健康食品の「宣伝本」で誇大宣伝を行ない、逮捕者が出た事件です。
(その詳しい内容につきましては、雑誌「ガンサポート」の2005年11月号に詳しく出ています。)
私は、あのNHKの放送を見て、その「バイブル本」を思い出してしまいました。
何故、NHKがあそこまで、某がんセンターや、腫瘍内科医を宣伝しなければならないのか理解できません。
そのがんセンターの抗癌剤治療が、本当に至高の治療なのでしょうか。
本当にガンを患う患者さんに最高の幸せをもたらす治療なのでしょうか。
私は、そのがんセンターでの治療方法・内容は、概ね理解しているつもりです。
しかし、その治療を自分の身内や、自分自身には絶対に行なうつもりはありません。
勿論、私が診ている患者さんにも行なっていません。
自分の身内に出来ないような治療をしません。
事実、私のもとには、そのがんセンターから、逃げてきた患者さんが何人もおられます。
余りにも辛い副作用に耐え切れなくなって・・・
昨日のブログでも、チョッとだけ触れましたが、そのがんセンターで、至高の治療として行なわれている抗癌剤治療では、無治療で経過を見た患者さんのグループと比較して、ほんの僅かな延命効果しか認められていません。
その、僅かな延命効果を得るために、患者さんに耐え難い副作用という苦痛を与えていいものでしょうか。
「その様な患者さんは、ごく一部で、ほとんどの患者さんは、番組に登場した患者さんのように、副作用なんか感じていない。」と反論されるかもしれませんが、私のもとに来た患者さんに内情を伺うと、「同室の同じ治療を受けている患者たちは皆同じように苦しんでいた。でも先生は来てくれなかった。」と、証言(?)されています。
私は実際にはその病院の病室を覗いたことはありませんので、それらの患者さんの言うことを信用するしかありません。それから考えると、その病院のほとんどの患者さんは、抗癌剤治療の副作用により相当に、苦しんでいるように、想像されますが、下衆の勘ぐりでしょうか。
第2夜目であったかと思いますが、
番組に登場するような優秀な病院では、「しっかりとした副作用予防対策のためのレジメンが出来ているから、副作用に苦しむことはない。」というようなことを言っていたように思いますが、本当でしょうか。
確かに、一般病院にそれは存在せず、行き当たりバッタリの副作用対策しか採られていない場合が多いのかも知れません。
しかし、確定されたレジメンが、存在するということと、副作用が完全に防止できるということとは、全く違います。
標準的な抗癌剤治療を行い、その上で完全に副作用が押さえられるような、対策(レジメン)が存在するのであれば、誰でも、何処の病院でも、それを採用しています。
地方病院の医者は、全く抗癌剤治療の副作用対策は行なわずに、それに対する知識がなく、副作用をそのままにして、患者さんを苦しめても平気でいるかのように番組が作られていましたが、
それは地方で努力されている先生方への大きな侮辱ではないでしょうか。
自分で診ている患者さんが、苦しんでいて、しかもその苦しみが、自分が行なっている治療により発生しているような時に、それを黙って何もせずにただ眺めているだけの医者が存在するとは思えません。
患者さんの苦痛を少しでも取り除こうと、必死に努力するはずです。
もし、完全に副作用が消失するような対策法があるのであれば、すぐにそれを採用します。
また、そのがんセンターなどでは、何故その「完璧な副作用の対処法」を、日本中の病院に広めないのでしょうか。
経費の問題などがあるのであれば、お金の余っている製薬メーカーにお願いすれば、喜んで協力してくれるはずです。
それにより、日本中で高価な抗癌剤や制吐剤が湯水のように使われるようになるのですから・・・
腫瘍内科医
番組全体で、腫瘍内科医の必要性、重要性が潜在的に流されていたように感じましたが、
腫瘍内科医とは、それ程患者さんにとってありがたい存在なのでしょうか?
番組の中で若い(若そうな)腫瘍内科医が、
「拠点病院以外では、ガン治療は出来ないようにしてほしい。」と言うような発言がありましたが。
耳を疑いたくなりました。
何と思い上がった考えでしょうか。
極めて多面的な性格を持つガンという病気に対して、
自分たちこそが最高の治療をしていると、
とんでもない勘違いをしているように思います。
腫瘍内科医とは、ガンという病気に対して、抗癌剤を唯一の武器にする医者です。
ガンと戦うにあたり、武器が一つであれば、当然それを使わざるを得なくなります。
すなわち、「何が何でも、唯一の武器である、抗癌剤でガンを叩こう」と考えてしまうのではないでしょうか。
それが、本当に患者さんが望む治療でしょうか・・・・
一昨年ガンで他界した私の実父にも、その様な馬鹿げた治療は一切行ないませんでした。
ただただ、他の多くの患者さんやご家族が望んでいると思われる、苦痛を伴わないで、長生きすることだけを考えて治療を行ないました。
あの番組については、まだまだ書きたいことはあるのですが、
キリが無いので、本日はここら辺で止めておきます。
また、後日機会を見て書きます。
以上 文責 梅澤 充
※NHKのガン治療に関する番組(2006/1/7 NHKスペシャル〜第一夜 がん医療を問う〜、2006/1/8 第二夜 がんの苦痛は取り除ける)
ガンの治療、およびガンそのものについて、多くの方々が誤解されている点、
また、正しく理解して頂きたいことは、たくさん有り過ぎて、何から書いてゆけばいいのか迷ってしまいます。。。。
先日(1月7日と8日)、NHKがガン治療について特集した番組を放送していましたので、その内容について、忘れないうちに(ビデオには撮ってありますが…)、番組に登場する某がんセンターの偉いお医者様や腫瘍内科医に負けないくらい、ガン患者さんのことを真剣に考えているつもりの一ガン治療医として、私なりの意見を述べたいと思います。
昨年の5月の連休に放送された番組よりは、少しはマシでした。
しかし、大きな偏り、作為は、無視できないように思いました。
第一日目の番組では、特に際立って、某がんセンターの素晴らしさ、および腫瘍内科医の重要性について延々と番組が作られていましたが、
アレは、視聴者を「NHKが理想とするガン治療が正しい」と、洗脳したかったのでしょうか?
昨今、「健康食品のキノコの一種のアガリクスやメシマコブが、ガン治療に有効だ」と虚偽の宣伝し、逮捕者まで出ている事件がありました。
いわゆる「バイブル本」といわれる、それら健康食品の「宣伝本」で誇大宣伝を行ない、逮捕者が出た事件です。
(その詳しい内容につきましては、雑誌「ガンサポート」の2005年11月号に詳しく出ています。)
私は、あのNHKの放送を見て、その「バイブル本」を思い出してしまいました。
何故、NHKがあそこまで、某がんセンターや、腫瘍内科医を宣伝しなければならないのか理解できません。
そのがんセンターの抗癌剤治療が、本当に至高の治療なのでしょうか。
本当にガンを患う患者さんに最高の幸せをもたらす治療なのでしょうか。
私は、そのがんセンターでの治療方法・内容は、概ね理解しているつもりです。
しかし、その治療を自分の身内や、自分自身には絶対に行なうつもりはありません。
勿論、私が診ている患者さんにも行なっていません。
自分の身内に出来ないような治療をしません。
事実、私のもとには、そのがんセンターから、逃げてきた患者さんが何人もおられます。
余りにも辛い副作用に耐え切れなくなって・・・
昨日のブログでも、チョッとだけ触れましたが、そのがんセンターで、至高の治療として行なわれている抗癌剤治療では、無治療で経過を見た患者さんのグループと比較して、ほんの僅かな延命効果しか認められていません。
その、僅かな延命効果を得るために、患者さんに耐え難い副作用という苦痛を与えていいものでしょうか。
「その様な患者さんは、ごく一部で、ほとんどの患者さんは、番組に登場した患者さんのように、副作用なんか感じていない。」と反論されるかもしれませんが、私のもとに来た患者さんに内情を伺うと、「同室の同じ治療を受けている患者たちは皆同じように苦しんでいた。でも先生は来てくれなかった。」と、証言(?)されています。
私は実際にはその病院の病室を覗いたことはありませんので、それらの患者さんの言うことを信用するしかありません。それから考えると、その病院のほとんどの患者さんは、抗癌剤治療の副作用により相当に、苦しんでいるように、想像されますが、下衆の勘ぐりでしょうか。
第2夜目であったかと思いますが、
番組に登場するような優秀な病院では、「しっかりとした副作用予防対策のためのレジメンが出来ているから、副作用に苦しむことはない。」というようなことを言っていたように思いますが、本当でしょうか。
確かに、一般病院にそれは存在せず、行き当たりバッタリの副作用対策しか採られていない場合が多いのかも知れません。
しかし、確定されたレジメンが、存在するということと、副作用が完全に防止できるということとは、全く違います。
標準的な抗癌剤治療を行い、その上で完全に副作用が押さえられるような、対策(レジメン)が存在するのであれば、誰でも、何処の病院でも、それを採用しています。
地方病院の医者は、全く抗癌剤治療の副作用対策は行なわずに、それに対する知識がなく、副作用をそのままにして、患者さんを苦しめても平気でいるかのように番組が作られていましたが、
それは地方で努力されている先生方への大きな侮辱ではないでしょうか。
自分で診ている患者さんが、苦しんでいて、しかもその苦しみが、自分が行なっている治療により発生しているような時に、それを黙って何もせずにただ眺めているだけの医者が存在するとは思えません。
患者さんの苦痛を少しでも取り除こうと、必死に努力するはずです。
もし、完全に副作用が消失するような対策法があるのであれば、すぐにそれを採用します。
また、そのがんセンターなどでは、何故その「完璧な副作用の対処法」を、日本中の病院に広めないのでしょうか。
経費の問題などがあるのであれば、お金の余っている製薬メーカーにお願いすれば、喜んで協力してくれるはずです。
それにより、日本中で高価な抗癌剤や制吐剤が湯水のように使われるようになるのですから・・・
腫瘍内科医
番組全体で、腫瘍内科医の必要性、重要性が潜在的に流されていたように感じましたが、
腫瘍内科医とは、それ程患者さんにとってありがたい存在なのでしょうか?
番組の中で若い(若そうな)腫瘍内科医が、
「拠点病院以外では、ガン治療は出来ないようにしてほしい。」と言うような発言がありましたが。
耳を疑いたくなりました。
何と思い上がった考えでしょうか。
極めて多面的な性格を持つガンという病気に対して、
自分たちこそが最高の治療をしていると、
とんでもない勘違いをしているように思います。
腫瘍内科医とは、ガンという病気に対して、抗癌剤を唯一の武器にする医者です。
ガンと戦うにあたり、武器が一つであれば、当然それを使わざるを得なくなります。
すなわち、「何が何でも、唯一の武器である、抗癌剤でガンを叩こう」と考えてしまうのではないでしょうか。
それが、本当に患者さんが望む治療でしょうか・・・・
一昨年ガンで他界した私の実父にも、その様な馬鹿げた治療は一切行ないませんでした。
ただただ、他の多くの患者さんやご家族が望んでいると思われる、苦痛を伴わないで、長生きすることだけを考えて治療を行ないました。
あの番組については、まだまだ書きたいことはあるのですが、
キリが無いので、本日はここら辺で止めておきます。
また、後日機会を見て書きます。
以上 文責 梅澤 充



