がんという病を宿しただけで、
何の責任もない患者さんは、
様々な縛りに遭います。
拷問に近い儀式まで執行されるのが普通です。
患者さんが望む治療へは、
なかなか巡り会えません。
高額な薬剤費用を支払い続け、
その上QOLを犠牲にして、
僅かな延命を期待する抗がん剤とは、
まったく違った目的、
すなわち、根治を目指す手術治療とて、
患者さんにとっては、
嬉しい治療ではありません。
がん治療では、
無駄な苦痛を受ける患者さんは少なくありませんが、
大量の抗がん剤を注入する儀式は、
冷徹な腫瘍内科医だけが、
患者さんを苦しめるわけではありません。
むしろ、大病院などでは、
腫瘍内科医は、
無駄なことを知っていて、
大きく減量したいと考えても、
周辺スタッフが許さないことも少なくはないようです。
その一つは「薬剤部」という部署です。
戦争の際の弾薬庫の管理係のような仕事です。
ほとんど、患者さんと接触することがない、
薬剤師という資格を持った医療者が担当しています。
本来、直接患者さんに接する医師の指示のもとに、
毒薬・弾薬を調達する義務がありますが、
ご自身の院内でのステータスを誇示したいのか、
薬剤部が、当該患者さんの病名だけを聞き、
強引に、標準量を使うことを、
若い主治医に命令するような病院も多数存在しています。
主治医が大きく減量した処方箋を出すると、
「そんな量ではダメです」と、
主治医に進言する薬剤部も少なくありません。
大きな病院の医者は、
ほとんどが大学から派遣されていて、
長期間、同一の病院に留まることは多くはありません。
一方、病院薬剤部の職員は、
一度、その病院に就職すると、
あまり異動はありません。
人間の性で、
一箇所に長く居座ると、
ご自身の権力を誇示したがるようです。
医者からの一方的な指示だけの仕事では、
満足できなくなるようです。
その矛先が、
標準という大量の弾薬を、
ご自身の意のままに、
医師に使わせることに向かってしまうことも、
日常茶飯事に起こっています。
被害を受けるのは、
患者さんです。
大病院では、
「倫理委員会」なる定時会議が開かれます。
そこには医師はもちろん、
薬剤師、看護師他、医療従事者も顔を揃えます。
本当に「倫理」だけの議論ならば、
「治療の主体者である患者」が、
希望することだけを考えればイイのですが、
それぞれの立場の権利、権力を、
誇示したがる結果、
現在の「標準ガチガチのがん治療」ができあがってしまっている。
それが、日本の医療の悲しいがん医療の現実
であるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
何の責任もない患者さんは、
様々な縛りに遭います。
拷問に近い儀式まで執行されるのが普通です。
患者さんが望む治療へは、
なかなか巡り会えません。
高額な薬剤費用を支払い続け、
その上QOLを犠牲にして、
僅かな延命を期待する抗がん剤とは、
まったく違った目的、
すなわち、根治を目指す手術治療とて、
患者さんにとっては、
嬉しい治療ではありません。
がん治療では、
無駄な苦痛を受ける患者さんは少なくありませんが、
大量の抗がん剤を注入する儀式は、
冷徹な腫瘍内科医だけが、
患者さんを苦しめるわけではありません。
むしろ、大病院などでは、
腫瘍内科医は、
無駄なことを知っていて、
大きく減量したいと考えても、
周辺スタッフが許さないことも少なくはないようです。
その一つは「薬剤部」という部署です。
戦争の際の弾薬庫の管理係のような仕事です。
ほとんど、患者さんと接触することがない、
薬剤師という資格を持った医療者が担当しています。
本来、直接患者さんに接する医師の指示のもとに、
毒薬・弾薬を調達する義務がありますが、
ご自身の院内でのステータスを誇示したいのか、
薬剤部が、当該患者さんの病名だけを聞き、
強引に、標準量を使うことを、
若い主治医に命令するような病院も多数存在しています。
主治医が大きく減量した処方箋を出すると、
「そんな量ではダメです」と、
主治医に進言する薬剤部も少なくありません。
大きな病院の医者は、
ほとんどが大学から派遣されていて、
長期間、同一の病院に留まることは多くはありません。
一方、病院薬剤部の職員は、
一度、その病院に就職すると、
あまり異動はありません。
人間の性で、
一箇所に長く居座ると、
ご自身の権力を誇示したがるようです。
医者からの一方的な指示だけの仕事では、
満足できなくなるようです。
その矛先が、
標準という大量の弾薬を、
ご自身の意のままに、
医師に使わせることに向かってしまうことも、
日常茶飯事に起こっています。
被害を受けるのは、
患者さんです。
大病院では、
「倫理委員会」なる定時会議が開かれます。
そこには医師はもちろん、
薬剤師、看護師他、医療従事者も顔を揃えます。
本当に「倫理」だけの議論ならば、
「治療の主体者である患者」が、
希望することだけを考えればイイのですが、
それぞれの立場の権利、権力を、
誇示したがる結果、
現在の「標準ガチガチのがん治療」ができあがってしまっている。
それが、日本の医療の悲しいがん医療の現実
であるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。