アバスチンやアービタックス、スーテント、タルセバなど
まだ日本には入っていない、いわゆる分子標的薬といわれる抗癌剤を
使って欲しいといわれる患者さんやご家族はあとを絶ちません。
それらの薬剤についても、
インターネットを使うと、
簡単に様々な情報を仕入れることができます。
そして、その簡単に入ってくる情報の良い面だけを鵜呑みにして、
「使ってください」
と言ってこられます。
しかし、多くの場合、
そのクスリのマイナス面はご存知ありません。
副作用についてはほとんど知識の無い状態で来られます。
また、そのコストについても知らない方も少なくありません。
いずれの新薬も、
ガンを治してくれるクスリではありません。
延命のためのクスリです。
すなわち、そのクスリのコストは終生続きます。
「お金が無くなったから治療を止める」
ということができるでしょうか。
例えば、アバスチンは100mg 1バイアルで、
720ドルします。(輸入業者により若干差はあるようです)
それに消費税と手数料が加わります。
アバスチンの標準量はいまだに明確には決まっていませんが、
現在は、体重1kgあたり5mgを2週間に1回がとりあえずの標準量です。
体重60kgの患者さんにおける標準的な使用量は、
2週間に1回300mg(3バイアル)ずつ使うことになります。
一月で50万円以上かかります。
延命のための治療は一月では終了しません。
それが終生続くのです。
中には、「金に糸目は付けない」という恵まれた患者さんもおられますが、
そのコストを平気で捻出できる患者さんはそれほど多くはないと思います。
たしかに、ほとんど治療効果の分かっていない代替療法に大金をつぎ込むのであれば、
エビデンスも出つつある新しい分子標的薬の方が、
遥かにリーズナブルだと思います。
代替療法でも一月数十万円もかかるモノも珍しくありません。
効いているのか否かも不明な治療に、
ダラダラと毎月トンデモない大金が飛んでいく・・・
同じ巨額の費用を賭けるのであれば
効果がハッキリしている治療に賭けるべきだと考えます。
しかし、今のガン保険は、
代替療法でも、実際にかかった費用だけは負担してくれる保障もあるようですので、
そのような有り難い保険に入られている患者さんには、
“ダメもと”で悪くはないと思います・・・・
もう一点、新しいクスリを希望される患者さんで、
欠落している知識は、
副作用についてです。
分子標的薬には、
死に至る副作用を発現する可能性のあるものが少なくありません。
かの、イレッサでも、
発売当初は「副作用の無い抗癌剤」が最大のウリでした。
新薬には、現在判明している副作用以外にも、
重大な副作用が発現する可能性も多分に存在しています。
現在の分子標的薬は、概念そのものが、
細胞毒として殺細胞効果を期待する従来の抗癌剤とは大きく違います。
そして、それらの薬剤を使われた患者さんの数も、
まだまだ多くはありません。
したがって、未知の副作用が発現する可能性もまったく未知の世界です。
そのことを知らずに、
闇雲に主治医に頼んでも、
使ってもらえることは期待できないと思います。
延命効果しか期待できない現実、
重篤な副作用、
経済的に大きな負担、
などすべてを理解されたうえで、
主治医にその決断をお話して頼んでください。
何回も書いている通り、
私も含め、現在の医者は、
自己責任を忘れた患者さんからの告訴を恐れています。
副作用による死は許されないのです。
患者さんが死ぬことが分かっていても、
ガンが患者さんを死なせてくれれば誰の責任にもなりません。
面倒な裁判を受けるリスクを犯してまで、
未知の薬剤を使う医者はいないと思います。
イレッサをはじめとした分子標的薬には、
大きな可能性が秘められていると思います。
膨大な数の症例から得られたエビデンスにより、
間も無く死に至るはずである患者さんを
死の淵から、一時的にせよ、救い上げる能力も持っていると思います。
しかし反面、
それにより寿命を縮める可能性も考えなければなりません。
そのリスクを犯すことを恐れたならば、
その恩恵に与ることは有り得ません。
新しい分子標的薬については、
十分にお考えの上検討してください。
以上 文責 梅澤 充
まだ日本には入っていない、いわゆる分子標的薬といわれる抗癌剤を
使って欲しいといわれる患者さんやご家族はあとを絶ちません。
それらの薬剤についても、
インターネットを使うと、
簡単に様々な情報を仕入れることができます。
そして、その簡単に入ってくる情報の良い面だけを鵜呑みにして、
「使ってください」
と言ってこられます。
しかし、多くの場合、
そのクスリのマイナス面はご存知ありません。
副作用についてはほとんど知識の無い状態で来られます。
また、そのコストについても知らない方も少なくありません。
いずれの新薬も、
ガンを治してくれるクスリではありません。
延命のためのクスリです。
すなわち、そのクスリのコストは終生続きます。
「お金が無くなったから治療を止める」
ということができるでしょうか。
例えば、アバスチンは100mg 1バイアルで、
720ドルします。(輸入業者により若干差はあるようです)
それに消費税と手数料が加わります。
アバスチンの標準量はいまだに明確には決まっていませんが、
現在は、体重1kgあたり5mgを2週間に1回がとりあえずの標準量です。
体重60kgの患者さんにおける標準的な使用量は、
2週間に1回300mg(3バイアル)ずつ使うことになります。
一月で50万円以上かかります。
延命のための治療は一月では終了しません。
それが終生続くのです。
中には、「金に糸目は付けない」という恵まれた患者さんもおられますが、
そのコストを平気で捻出できる患者さんはそれほど多くはないと思います。
たしかに、ほとんど治療効果の分かっていない代替療法に大金をつぎ込むのであれば、
エビデンスも出つつある新しい分子標的薬の方が、
遥かにリーズナブルだと思います。
代替療法でも一月数十万円もかかるモノも珍しくありません。
効いているのか否かも不明な治療に、
ダラダラと毎月トンデモない大金が飛んでいく・・・
同じ巨額の費用を賭けるのであれば
効果がハッキリしている治療に賭けるべきだと考えます。
しかし、今のガン保険は、
代替療法でも、実際にかかった費用だけは負担してくれる保障もあるようですので、
そのような有り難い保険に入られている患者さんには、
“ダメもと”で悪くはないと思います・・・・
もう一点、新しいクスリを希望される患者さんで、
欠落している知識は、
副作用についてです。
分子標的薬には、
死に至る副作用を発現する可能性のあるものが少なくありません。
かの、イレッサでも、
発売当初は「副作用の無い抗癌剤」が最大のウリでした。
新薬には、現在判明している副作用以外にも、
重大な副作用が発現する可能性も多分に存在しています。
現在の分子標的薬は、概念そのものが、
細胞毒として殺細胞効果を期待する従来の抗癌剤とは大きく違います。
そして、それらの薬剤を使われた患者さんの数も、
まだまだ多くはありません。
したがって、未知の副作用が発現する可能性もまったく未知の世界です。
そのことを知らずに、
闇雲に主治医に頼んでも、
使ってもらえることは期待できないと思います。
延命効果しか期待できない現実、
重篤な副作用、
経済的に大きな負担、
などすべてを理解されたうえで、
主治医にその決断をお話して頼んでください。
何回も書いている通り、
私も含め、現在の医者は、
自己責任を忘れた患者さんからの告訴を恐れています。
副作用による死は許されないのです。
患者さんが死ぬことが分かっていても、
ガンが患者さんを死なせてくれれば誰の責任にもなりません。
面倒な裁判を受けるリスクを犯してまで、
未知の薬剤を使う医者はいないと思います。
イレッサをはじめとした分子標的薬には、
大きな可能性が秘められていると思います。
膨大な数の症例から得られたエビデンスにより、
間も無く死に至るはずである患者さんを
死の淵から、一時的にせよ、救い上げる能力も持っていると思います。
しかし反面、
それにより寿命を縮める可能性も考えなければなりません。
そのリスクを犯すことを恐れたならば、
その恩恵に与ることは有り得ません。
新しい分子標的薬については、
十分にお考えの上検討してください。
以上 文責 梅澤 充



