本日は、ガン患者さんが、判っている様で、
実は正確には理解されていない腫瘍マーカーについて書きます。
本日もその様な患者さんに出会いました。
国立がんセンターのホームページを開くと、
『腫瘍マーカーとは、がん細胞の目印(マーカー)になる物質の総称です。いいかえると「がん細胞がつくる物質、またはがん細胞と反応して体内の正常細胞がつくる物質のうちで、それらを血液や組織、排泄物(尿、便)などで検査することが、がんの診断または治療の目印として役立つもの」と定義することもできます。』
と書かれています。
そのとおりです。
「身体の中にガン細胞が増殖してきた時に、そのガン細胞作り出し、
血液や尿中に出現してくる物質のことです。」
よく誤解される点、その1、
①「腫瘍マーカーが正常値だから、私はガンではない。」
または、②「腫瘍マーカーが正常値だから、私は再発していない。」
さらに、③「治療して腫瘍マーカーが正常値になったから、私のガンは消えた。」
すべて大きな間違いです。
①のとおりであったならば、ガン発見のためのレントゲン検査や、バリウム検査、
乳ガンの触診、マンモグラフィー、子宮ガン細胞診断、
などなど面倒な健康診断など必要なくなります。
すべて、血液とおしっこを取るだけで済んでしまいます。
ほとんどのガンでは、
相当に進行した状態にならなければ、腫瘍マーカーには現われません。
例外的に前立腺ガンだけは、早期からPSAというマーカーが増加し、
早期前立腺ガンの診断が血液検査だけで可能です。
是非、血液検査を受けられるべきだと思います。
②は①で述べたとおり、ガンがかなり進行し、細胞数を相当に増やさなければ、
腫瘍マーカーは、増加してきません。
従って、腫瘍マーカーの値が正常だから、再発が無いとは言えません。
しかし、逆にガンの手術後の患者さんで、
腫瘍マーカーが異常に高い数値を示したならば、
先ず、ガンの再発を疑わなければなりません。
③は、②と同様です。
何か治療を行なって、正常値になったのであれば、その治療が有効に効いてくれて、
ガン細胞の数は減ったのですが、腫瘍マーカーが異常値を示さない範囲で、
減少しただけです。
治ったのではありません。
腫瘍マーカーが下がることはイイことですが、
正常値になることに大きな意味はありません。
腫瘍マーカーだけでガンが存在しないことを、証明することはできません。
よく誤解される点、その2、
「私はある腫瘍マーカーが1000だけど、あの人は300だから、
私のガンはあの人よりも悪い。」
これも、大きな間違いです。
腫瘍マーカーを、まったく増加させないガンもあります。
腫瘍マーカーとは、1人の患者さんでの、経時的な推移が問題です。
まったく同じ性質のガンなどこの世に二つと存在しません。
あなたが、この世に一人しかいないのと同じです。
あるマーカーが1000だった患者さんが何か治療を行い、
300に低下したのであれば、
それは、治療により、ガン細胞の数が減少していることが示唆されますが、
他人と比較してもまったく意味がありません。
例えば、一個の細胞で100作りだすガン細胞もあれば、
一個では10しか作りださないガン細胞もあります。
ゼロの細胞も存在します。
当然前者のガン細胞を持っている人の数字は高くなりますが、
それがガンの状態を表現するものではありません。
腫瘍マーカーはあくまでその推移が問題です。
腫瘍マーカーの経時的な推移を見ることにより、
1人の患者さんの病状を観察するための指標です。
よく誤解される点その3、
「腫瘍マーカーが、下がったまま上がってこないから、ずっとイイ状態が続いている。」
大きな間違いです。
腫瘍マーカーにだけ頼っていると取り返しのつかない落とし穴にはまってしまいます。
腫瘍マーカーは一つだけではありません。
実用化されている腫瘍マーカーはおよそ30種類くらいあります。
一つのガンで、すべての腫瘍マーカーが増加することはありません。
しかし、一つのガンで増加する腫瘍マーカーが一つだけとは限りません。
一つのガンで、Aというマーカーと、Bというマーカー、
さらにCというマーカーが増大しているというように、
3つも4つもの腫瘍マーカーが同時に増大しているケースは珍しくありません。
その時、ある治療を行なったところAとBは増加しなくなったけれど、
Cだけは大きく増加してしまった。
ということもあります。
もしその患者さんで、AとBしか測定していなかったなら、
一見ガンは落ち着いているように見えますが、
Cというマーカーを作り出すガン細胞だけは、しっかり増加していたのです。
その時、Cを測定していなければそのことに気付きません。
このように一つのガンでもイロイロな性質を持った細胞の集まりですから、
ある治療を行った時、AとBという細胞には効果があったけれど、
Cという細胞には効かなかった。
ということがしばしばあります。
従って一つや二つの腫瘍マーカーだけに頼っていたならば、
その影でしっかり細胞数を増やしている、ガンを見落とすことになります。
従って、腫瘍マーカーでガン治療の経過を観ることは、
簡便な方法でもあり、有用性も大きく、無駄ではありませんが、
ガンは、CTなどの画像診断などと合わせ観ていかないと落とし穴にはまります。
ガンは性質を変えてしまい、
腫瘍マーカーを作り出さないガン細胞だけが増えてくることもあります。
本日はガン治療になくてはならない腫瘍マーカーについて書きました。
以上 文責 梅澤 充
実は正確には理解されていない腫瘍マーカーについて書きます。
本日もその様な患者さんに出会いました。
国立がんセンターのホームページを開くと、
『腫瘍マーカーとは、がん細胞の目印(マーカー)になる物質の総称です。いいかえると「がん細胞がつくる物質、またはがん細胞と反応して体内の正常細胞がつくる物質のうちで、それらを血液や組織、排泄物(尿、便)などで検査することが、がんの診断または治療の目印として役立つもの」と定義することもできます。』
と書かれています。
そのとおりです。
「身体の中にガン細胞が増殖してきた時に、そのガン細胞作り出し、
血液や尿中に出現してくる物質のことです。」
よく誤解される点、その1、
①「腫瘍マーカーが正常値だから、私はガンではない。」
または、②「腫瘍マーカーが正常値だから、私は再発していない。」
さらに、③「治療して腫瘍マーカーが正常値になったから、私のガンは消えた。」
すべて大きな間違いです。
①のとおりであったならば、ガン発見のためのレントゲン検査や、バリウム検査、
乳ガンの触診、マンモグラフィー、子宮ガン細胞診断、
などなど面倒な健康診断など必要なくなります。
すべて、血液とおしっこを取るだけで済んでしまいます。
ほとんどのガンでは、
相当に進行した状態にならなければ、腫瘍マーカーには現われません。
例外的に前立腺ガンだけは、早期からPSAというマーカーが増加し、
早期前立腺ガンの診断が血液検査だけで可能です。
是非、血液検査を受けられるべきだと思います。
②は①で述べたとおり、ガンがかなり進行し、細胞数を相当に増やさなければ、
腫瘍マーカーは、増加してきません。
従って、腫瘍マーカーの値が正常だから、再発が無いとは言えません。
しかし、逆にガンの手術後の患者さんで、
腫瘍マーカーが異常に高い数値を示したならば、
先ず、ガンの再発を疑わなければなりません。
③は、②と同様です。
何か治療を行なって、正常値になったのであれば、その治療が有効に効いてくれて、
ガン細胞の数は減ったのですが、腫瘍マーカーが異常値を示さない範囲で、
減少しただけです。
治ったのではありません。
腫瘍マーカーが下がることはイイことですが、
正常値になることに大きな意味はありません。
腫瘍マーカーだけでガンが存在しないことを、証明することはできません。
よく誤解される点、その2、
「私はある腫瘍マーカーが1000だけど、あの人は300だから、
私のガンはあの人よりも悪い。」
これも、大きな間違いです。
腫瘍マーカーを、まったく増加させないガンもあります。
腫瘍マーカーとは、1人の患者さんでの、経時的な推移が問題です。
まったく同じ性質のガンなどこの世に二つと存在しません。
あなたが、この世に一人しかいないのと同じです。
あるマーカーが1000だった患者さんが何か治療を行い、
300に低下したのであれば、
それは、治療により、ガン細胞の数が減少していることが示唆されますが、
他人と比較してもまったく意味がありません。
例えば、一個の細胞で100作りだすガン細胞もあれば、
一個では10しか作りださないガン細胞もあります。
ゼロの細胞も存在します。
当然前者のガン細胞を持っている人の数字は高くなりますが、
それがガンの状態を表現するものではありません。
腫瘍マーカーはあくまでその推移が問題です。
腫瘍マーカーの経時的な推移を見ることにより、
1人の患者さんの病状を観察するための指標です。
よく誤解される点その3、
「腫瘍マーカーが、下がったまま上がってこないから、ずっとイイ状態が続いている。」
大きな間違いです。
腫瘍マーカーにだけ頼っていると取り返しのつかない落とし穴にはまってしまいます。
腫瘍マーカーは一つだけではありません。
実用化されている腫瘍マーカーはおよそ30種類くらいあります。
一つのガンで、すべての腫瘍マーカーが増加することはありません。
しかし、一つのガンで増加する腫瘍マーカーが一つだけとは限りません。
一つのガンで、Aというマーカーと、Bというマーカー、
さらにCというマーカーが増大しているというように、
3つも4つもの腫瘍マーカーが同時に増大しているケースは珍しくありません。
その時、ある治療を行なったところAとBは増加しなくなったけれど、
Cだけは大きく増加してしまった。
ということもあります。
もしその患者さんで、AとBしか測定していなかったなら、
一見ガンは落ち着いているように見えますが、
Cというマーカーを作り出すガン細胞だけは、しっかり増加していたのです。
その時、Cを測定していなければそのことに気付きません。
このように一つのガンでもイロイロな性質を持った細胞の集まりですから、
ある治療を行った時、AとBという細胞には効果があったけれど、
Cという細胞には効かなかった。
ということがしばしばあります。
従って一つや二つの腫瘍マーカーだけに頼っていたならば、
その影でしっかり細胞数を増やしている、ガンを見落とすことになります。
従って、腫瘍マーカーでガン治療の経過を観ることは、
簡便な方法でもあり、有用性も大きく、無駄ではありませんが、
ガンは、CTなどの画像診断などと合わせ観ていかないと落とし穴にはまります。
ガンは性質を変えてしまい、
腫瘍マーカーを作り出さないガン細胞だけが増えてくることもあります。
本日はガン治療になくてはならない腫瘍マーカーについて書きました。
以上 文責 梅澤 充



