少々、煩かったオリンピックも終わりましたが、
騒動の最中に、
穏やかな短歌に触れる機会がありました。
根治手術後に、
ガンが再発を来して、
余命まで宣告されてしまった、
まだ50代で亡くなられた患者さんの、
とある歌集を目にしました。
ご自身の最期を意識した歌がたくさんありましたが、
その中の一つ。
半分は 諦め残り 半分を 諦められず 樫の木あおぐ
という素敵な短歌がありました。
治らないガンを宿して、
しかも、お節介な余命まで宣告された患者さんの、
本当の心情だと感じます。
如何なる治療を経験されたのかは知りませんが、
再発後、入退院を繰り返して、
痩せ衰えていく描写の歌も幾つかありましたので、
辛い治療を強いられておられたのだと感じます。
しかし、そのような状況にあっても、
こころの機微を素敵な表現でまとめられています。
残されるご家族への配慮もシッカリと描かれていました。
辛い儀式でも、
幸いケモブレインには、
陥ることは免れたようです。
歌集を読んでいると、
他の歌にも、
細やかな心情が随所にみられます。
宗教色はまったく感じさせませんが、
生と死に対する、
一つの信念が感じられます。
その繊細な感情、信念が、
ケモブレインに陥ることを妨げたのかも知れません。
正常性バイアスが、
うまく作動した結果の、
こころの落ち着きなのかも知れません。
末期ガンではなく、
ガン末期の状態でも、
こころを冷静に保つことが、
素敵な時間を醸成していかれたように感じます。
素敵な歌を残された患者さんの、
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
騒動の最中に、
穏やかな短歌に触れる機会がありました。
根治手術後に、
ガンが再発を来して、
余命まで宣告されてしまった、
まだ50代で亡くなられた患者さんの、
とある歌集を目にしました。
ご自身の最期を意識した歌がたくさんありましたが、
その中の一つ。
半分は 諦め残り 半分を 諦められず 樫の木あおぐ
という素敵な短歌がありました。
治らないガンを宿して、
しかも、お節介な余命まで宣告された患者さんの、
本当の心情だと感じます。
如何なる治療を経験されたのかは知りませんが、
再発後、入退院を繰り返して、
痩せ衰えていく描写の歌も幾つかありましたので、
辛い治療を強いられておられたのだと感じます。
しかし、そのような状況にあっても、
こころの機微を素敵な表現でまとめられています。
残されるご家族への配慮もシッカリと描かれていました。
辛い儀式でも、
幸いケモブレインには、
陥ることは免れたようです。
歌集を読んでいると、
他の歌にも、
細やかな心情が随所にみられます。
宗教色はまったく感じさせませんが、
生と死に対する、
一つの信念が感じられます。
その繊細な感情、信念が、
ケモブレインに陥ることを妨げたのかも知れません。
正常性バイアスが、
うまく作動した結果の、
こころの落ち着きなのかも知れません。
末期ガンではなく、
ガン末期の状態でも、
こころを冷静に保つことが、
素敵な時間を醸成していかれたように感じます。
素敵な歌を残された患者さんの、
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。