先日の「命は小道具」に対して、
コメントがありました。
残念ながら、
その祈りは叶わないと感じます。
抗癌剤の世界では、
二十数年前には、
固形ガンに対しては、
「延命効果は無い」がエビデンスであり、
抗癌剤の最大の目的は、
大きくなり過ぎて、
生活に支障を来すようになってしまった、
治らないガンを一時的に縮小させて、
症状の緩和を得ることが、
最大の目的で、
延命効果は無いことがエビデンスでした。
それが、
「僅かながら、延命効果があるかも知れない」
というエビデンスが出されてからは、
それを受ける患者さんの副作用などどこ吹く風で、
新しい抗癌剤が次々に市場に登場してきます。
治験時のプロフィールを観ると、
あまりの副作用の大きさに、
「とても使えない」と考えられる薬剤でも、
ドンドン使われはじめています。
「はじめている」と言うより、
積極的に患者さんで試している感じを受けます。
大塚北口診療所で治療を続けている患者さんでも、
すでにお二人が、
その薬剤の実験台になり、
かなり厳しい目に遭っています。
三人目の患者さんは、
いきなりその薬剤を提示されて、
思案されてセカンドオピニオンに来られて、
使うことは避けたと思われます。
製薬会社と病院、その病院の医師との間の、
オモテには出てこない不思議なつながりがあることは事実ですが、
それだけではなく、
純粋な医者の科学者としての好奇心も、
副作用も未知の新しい薬剤の積極利用につながっていると感じます。
その薬剤にはそれなりの、
病勢無進行生存期間中央治値が、
その時の治験で使われた、
プラセボと比較して、
僅かに長かったというデータは有ります。
逸れのデータだけを頼りに、
承認が下りています。
しかし、そのクスリが効かなくなった時のエビデンスは、
何も示されていません。
しかるに標準では、
何も無しの緩和ケアに移動していただくだけです。
医療機関であると同時に、
研究機関でも、教育機関でもある大学病院などに、
所属している医者には、
患者は、ある程度までは、
研究材料であり、
目の前の患者のためではなく
将来の患者のために、
興味を持ってクスリを使う、
と云う実験も必要であり、
それも許されています。
昨日の「つつじ祭り」で行った、
根津神社の近くにも大学病院は幾つもあります。
そこでも同じようなことが繰り返されていると思います。
健気に咲き誇るツツジとは裏腹に。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
コメントがありました。
たまたま、他の医師の感想を読んで違和感を感じていました。
梅澤先生のプログを読んでほっとしました。
医師という仕事を尊敬していますが、
患者は、医師の技量や知識の量を、証明するためのものと、
捉えている人が少ないというかいない事を祈ります。
残念ながら、
その祈りは叶わないと感じます。
抗癌剤の世界では、
二十数年前には、
固形ガンに対しては、
「延命効果は無い」がエビデンスであり、
抗癌剤の最大の目的は、
大きくなり過ぎて、
生活に支障を来すようになってしまった、
治らないガンを一時的に縮小させて、
症状の緩和を得ることが、
最大の目的で、
延命効果は無いことがエビデンスでした。
それが、
「僅かながら、延命効果があるかも知れない」
というエビデンスが出されてからは、
それを受ける患者さんの副作用などどこ吹く風で、
新しい抗癌剤が次々に市場に登場してきます。
治験時のプロフィールを観ると、
あまりの副作用の大きさに、
「とても使えない」と考えられる薬剤でも、
ドンドン使われはじめています。
「はじめている」と言うより、
積極的に患者さんで試している感じを受けます。
大塚北口診療所で治療を続けている患者さんでも、
すでにお二人が、
その薬剤の実験台になり、
かなり厳しい目に遭っています。
三人目の患者さんは、
いきなりその薬剤を提示されて、
思案されてセカンドオピニオンに来られて、
使うことは避けたと思われます。
製薬会社と病院、その病院の医師との間の、
オモテには出てこない不思議なつながりがあることは事実ですが、
それだけではなく、
純粋な医者の科学者としての好奇心も、
副作用も未知の新しい薬剤の積極利用につながっていると感じます。
その薬剤にはそれなりの、
病勢無進行生存期間中央治値が、
その時の治験で使われた、
プラセボと比較して、
僅かに長かったというデータは有ります。
逸れのデータだけを頼りに、
承認が下りています。
しかし、そのクスリが効かなくなった時のエビデンスは、
何も示されていません。
しかるに標準では、
何も無しの緩和ケアに移動していただくだけです。
医療機関であると同時に、
研究機関でも、教育機関でもある大学病院などに、
所属している医者には、
患者は、ある程度までは、
研究材料であり、
目の前の患者のためではなく
将来の患者のために、
興味を持ってクスリを使う、
と云う実験も必要であり、
それも許されています。
昨日の「つつじ祭り」で行った、
根津神社の近くにも大学病院は幾つもあります。
そこでも同じようなことが繰り返されていると思います。
健気に咲き誇るツツジとは裏腹に。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。