昨日は、都内の病院で、
10名ほどの患者さんの抗癌剤治療を行ったのですが、
そのあと、その病院の夜間外来診療で、
「医者が足りないので手伝って欲しい」
と頼まれたました。
午後6時半ころから9時まで2時間半ほど
一般外来診療のお手伝いをしました。
久しぶりの一般外来診療だったのですが、
ビックリしました。
患者さんが来るわ来るわ!
2時間半で何人診たでしょうか。
20人以上は診たように思います。
インフルエンザ、ただの風邪、腹痛、腰痛、頚部リンパ節腫脹、下血などなど、
次から次へと来ました。
当然一人当たり5分です。
その5分の中で、
インフルエンザの検査結果、
レントゲン写真の結果、
血液検査結果などを見て、
次の検査を組んだり、
クスリを処方したりすることになります。
説明時間が無い今の日本の医療に対して、
「医師が説明できる環境を整える事の必要性を!」
と訴えるコメントをいただきましたが、
まさにそれを実感しました。
実際に開業医では、
そのくらいの数の患者さんを診ていかないと、
採算が合いません。
5分診療をしていかないと病院は赤字になります。
それが日本の医療の現実です。
これで、医療過誤をなくすのは無理のようにも思いました。
それに備えて保険に入っておく、
今の日本ではそれしかできないように思います。
昨日私が診た患者さんの中にも、
もしかしたらガンの患者さんもいたかもしれません。
その可能性もあるなと考え検査を組んだ方もいました。
しかし、その重要なことをその患者さんに
説明している時間はありません。
実際に、昨日、他の医者が診た、ある患者さんのカルテを見ると、
その日その病院で大腸ガンであることが判明した患者さんがいました。
私が検査をしたのではありませんが、
カルテに張ってあった検査所見を見ると間違いなく大腸ガンでした。
組織診断の結果が昨日返ってきていました。
人間ドックで「便の潜血反応陽性」と診断され、
その結果だけを受けて、
まったく無症状ながら行われた検査でした。
その患者さんには、
まだその検査結果については説明されていません。
後日、あらためてガンであった旨の説明をするはずですが、
病院も患者さんも忙しい中、検査を受け、
その結果が思いもしなかったガンと宣告され、
冷静にご自分が置かれたその状況を判断できる患者さんは少ないと思います。
しかも、早期ガンではありません。
ただただ慌てふためいてしまい、
冷静沈着な判断など失ってしまうものと思います。
アタマの中は真っ白で、
「ガン → すぐに死ぬ!」
との間違った認識だけが浮かんできて、
その誤解である「死」から逃れるために、
「ガン → がんセンター or 癌研 or 大学病院」
なる短絡的な誰もが考えるルートしか思い浮かばないことと思います。
手術は絶対に必要ですし、
がんセンターや癌研では、
手術症例数が半端ではありませんから、
どの外科医も手術技量には熟練しているはずです。
したがって、手術を受けるまでの経過は
慌てふためいたままの勢いで突っ走っても問題ないかも知れません。
しかし、「ガン治療は手術で終わり」と
誤解されている患者さんも少なくありませんが、
「手術は治療のはじまり」でしかありません。
そこから長い道のりが待っています。
それらの病院は、その長い道を一緒に歩む伴侶としては、
少なくとも私は推薦しません。
何事もなく経過すれば良いのですが、
手術したガンの約半分は再発を来たします。
その時、あまり頼りになる伴侶だとは思えません。
勿論、それらの病院は設備は立派ですから、
それだけを上手く利用させていただくのは、
非常に賢い方法です。
無事にガンの手術をされた患者さんやご家族は、
もし再発を来たしたならば、
何処の病院でその後の治療を任せるかについて、
今のうちから検討しておいた方が賢明だと思います。
ガンが再発した場合には、
それらの有名な病院では、
エビデンスどおりの治療だけしかしてくれません。そのエビデンスはこのインターネットを検索すれば、
相当に詳しく書かれています。
その内容で満足される方は、
そのままその病院でお世話になれば良いことですし、
そのエビデンスどおりの経過を辿ることを嫌われる方は、
どうぞ今のうちから
次の病院を探しておいてください。
がん難民になる前に・・・
昨日久しぶりに、
日本の医療の実情を目の当たりにしまして、
その医療現場から発見されてくるガン患者さん行く末がアタマを過ぎりました。
以上 文責 梅澤 充
10名ほどの患者さんの抗癌剤治療を行ったのですが、
そのあと、その病院の夜間外来診療で、
「医者が足りないので手伝って欲しい」
と頼まれたました。
午後6時半ころから9時まで2時間半ほど
一般外来診療のお手伝いをしました。
久しぶりの一般外来診療だったのですが、
ビックリしました。
患者さんが来るわ来るわ!
2時間半で何人診たでしょうか。
20人以上は診たように思います。
インフルエンザ、ただの風邪、腹痛、腰痛、頚部リンパ節腫脹、下血などなど、
次から次へと来ました。
当然一人当たり5分です。
その5分の中で、
インフルエンザの検査結果、
レントゲン写真の結果、
血液検査結果などを見て、
次の検査を組んだり、
クスリを処方したりすることになります。
説明時間が無い今の日本の医療に対して、
「医師が説明できる環境を整える事の必要性を!」
と訴えるコメントをいただきましたが、
まさにそれを実感しました。
実際に開業医では、
そのくらいの数の患者さんを診ていかないと、
採算が合いません。
5分診療をしていかないと病院は赤字になります。
それが日本の医療の現実です。
これで、医療過誤をなくすのは無理のようにも思いました。
それに備えて保険に入っておく、
今の日本ではそれしかできないように思います。
昨日私が診た患者さんの中にも、
もしかしたらガンの患者さんもいたかもしれません。
その可能性もあるなと考え検査を組んだ方もいました。
しかし、その重要なことをその患者さんに
説明している時間はありません。
実際に、昨日、他の医者が診た、ある患者さんのカルテを見ると、
その日その病院で大腸ガンであることが判明した患者さんがいました。
私が検査をしたのではありませんが、
カルテに張ってあった検査所見を見ると間違いなく大腸ガンでした。
組織診断の結果が昨日返ってきていました。
人間ドックで「便の潜血反応陽性」と診断され、
その結果だけを受けて、
まったく無症状ながら行われた検査でした。
その患者さんには、
まだその検査結果については説明されていません。
後日、あらためてガンであった旨の説明をするはずですが、
病院も患者さんも忙しい中、検査を受け、
その結果が思いもしなかったガンと宣告され、
冷静にご自分が置かれたその状況を判断できる患者さんは少ないと思います。
しかも、早期ガンではありません。
ただただ慌てふためいてしまい、
冷静沈着な判断など失ってしまうものと思います。
アタマの中は真っ白で、
「ガン → すぐに死ぬ!」
との間違った認識だけが浮かんできて、
その誤解である「死」から逃れるために、
「ガン → がんセンター or 癌研 or 大学病院」
なる短絡的な誰もが考えるルートしか思い浮かばないことと思います。
手術は絶対に必要ですし、
がんセンターや癌研では、
手術症例数が半端ではありませんから、
どの外科医も手術技量には熟練しているはずです。
したがって、手術を受けるまでの経過は
慌てふためいたままの勢いで突っ走っても問題ないかも知れません。
しかし、「ガン治療は手術で終わり」と
誤解されている患者さんも少なくありませんが、
「手術は治療のはじまり」でしかありません。
そこから長い道のりが待っています。
それらの病院は、その長い道を一緒に歩む伴侶としては、
少なくとも私は推薦しません。
何事もなく経過すれば良いのですが、
手術したガンの約半分は再発を来たします。
その時、あまり頼りになる伴侶だとは思えません。
勿論、それらの病院は設備は立派ですから、
それだけを上手く利用させていただくのは、
非常に賢い方法です。
無事にガンの手術をされた患者さんやご家族は、
もし再発を来たしたならば、
何処の病院でその後の治療を任せるかについて、
今のうちから検討しておいた方が賢明だと思います。
ガンが再発した場合には、
それらの有名な病院では、
エビデンスどおりの治療だけしかしてくれません。そのエビデンスはこのインターネットを検索すれば、
相当に詳しく書かれています。
その内容で満足される方は、
そのままその病院でお世話になれば良いことですし、
そのエビデンスどおりの経過を辿ることを嫌われる方は、
どうぞ今のうちから
次の病院を探しておいてください。
がん難民になる前に・・・
昨日久しぶりに、
日本の医療の実情を目の当たりにしまして、
その医療現場から発見されてくるガン患者さん行く末がアタマを過ぎりました。
以上 文責 梅澤 充