医者の給料につていのコメントがたくさん寄せられていますが、
私の誤解であれ、お役所の企みであれ、
「私は、このように感じています。」
というメッセージですので、
違うと思われる方、そのとおりと思われる方さまざまで、
誰がどのように感じてもご自由です。
医者の待遇について書いても、
現在の患者さんの病気とは直接関係ありませんので、
この話題を書くのはひとまず止めておきます。
それよりも、
4月8日の「コメント徒然」に対しての
コメントのコメントがありました。
2006年1月12日の「ガン医療の現場で使われる言葉 生存期間中央値」
で説明しました。
ご存知でない方はご参照ください。
数百人数千人のまったく均一の治療を受けて、
すでに亡くなられた患者さんから得られた統計データです。
肺ガンでは、その数字はたしかに一年足らずです。
そして、その標準的な抗癌剤治療はけっしてラクな治療ではありません。
しかし、分子標的薬という新しい概念のクスリには、
従来の、細胞毒であり、殺細胞効果を期待する抗癌剤とは、
大きくその趣を異にする効果が見られます。
大量の細胞毒を使っての標準的な治療では、
けっして得られないような、
副作用を伴わない大きな延命が可能であった患者さんを何人も診てきました。
イレッサを使った経験のある医者であれば、
大きな副作用を伴わず年単位の延命効果を得た患者さんを多数見ているはずです。
発売から4年半経ちますが、
発売と同時、あるいは発売前から、いまだに続けている患者さんもいます。
勿論、細胞毒の抗癌剤は無効だけれどもイレッサで延命できる患者さんもいますし、
その逆の患者さんも存在します。
イレッサがまったく無効であった患者さん、
僅かな延命効果に終わった患者さんもたくさん診ています。
そちらの患者さんの方が多いと思います。
私が言いたかったことは、
その個々の患者さん、ガンの資質に合わせた治療を考えるときに、
イレッサというクスリは非常に大きな武器になることは、
紛れもない事実だと考えています。
その武器を、
十把一絡げの臨床試験結果だけを根拠に、
はじめから放棄してしまうことは、
あまりにもモッタイナイと思います。
私が診ている患者さんにはそれはしません。
ガンという病気は甘くはありません。
考えられる限りの武器を総動員してはじめて互角に戦える相手だと思います。
手術も、放射線も、細胞毒の抗癌剤も、分子標的薬も、免疫もすべて必要です。
はじめから生存期間中央値○○ヶ月と決まっている治療だけに、
固守することは極めて愚かな戦術だと考えます。
負けのエビデンスがはっきりしている戦略だけに、
命を賭けるべきではないと思います。
科学的には、エビデンスは重要な治療の根拠には違いないと思います。
しかし、一人の人間の命がかかったガン治療の現場では、
それは、治療指針の一つでしかなく、
それ以上のモノであってはならないようにも思います。
現在は、エビデンス崇拝、
エビデンスがなければ何もできない・しないような時代ですが、
肺ガンに対する抗癌剤治療では、
1995年まで、無治療患者群と抗癌剤治療患者群との間で生存期間に
科学的な有意差は証明されていません。
抗癌剤治療患者群で無治療患者群より
1.5ヶ月長生きできると証明されたのは、
1995年、阪神淡路大震災の起きた年です。
あの地震は、記憶にそれほど遠くない時代だと思います。
それまで、抗癌剤治療には延命効果があるというエビデンスはありませんでした。
胃ガンでも差が出たのは同じ頃です。
大腸ガンは1992年のことだったと記憶しています。
現在エビデンス一辺倒の医者は、
当時は何を頼りに抗癌剤治療を行っていたのか大いに興味があります。
何を目的に抗癌剤治療を行っていたのでしょうか。
私は、ガン治療における数字など、
その程度のモノだと考えています。
以上 文責 梅澤 充
私の誤解であれ、お役所の企みであれ、
「私は、このように感じています。」
というメッセージですので、
違うと思われる方、そのとおりと思われる方さまざまで、
誰がどのように感じてもご自由です。
医者の待遇について書いても、
現在の患者さんの病気とは直接関係ありませんので、
この話題を書くのはひとまず止めておきます。
それよりも、
4月8日の「コメント徒然」に対しての
コメントのコメントがありました。
・・・・・・前文略・・・・・
一年足らずの生存期間中央値をもって「多くの患者さんがそのクスリにより寿命を大きく伸ばしている」というふうに受け止めよ、というのはいささか無理があるのではないかという感想を持ったということです。標準抗がん剤治療による延命を「ほんの数ヶ月」という表現で指弾する一方で、一年足らずの生存期間が梅澤先生にとっては「大きく伸ばしている」ということになるのでしょうか。それとも、「多くの患者さん」とは、患者さん全体の中での比率は低いけれど、絶対数としては少なくない人数という意味だったのでしょうか。あるいは、タキソテールは無効だがイレッサは奏効する患者がいるからということでしょうか。はたまた、「多くの患者さん」は、梅澤先生の診ておられる患者さんに限る話なのでしょうか。
2006年1月12日の「ガン医療の現場で使われる言葉 生存期間中央値」
で説明しました。
ご存知でない方はご参照ください。
数百人数千人のまったく均一の治療を受けて、
すでに亡くなられた患者さんから得られた統計データです。
肺ガンでは、その数字はたしかに一年足らずです。
そして、その標準的な抗癌剤治療はけっしてラクな治療ではありません。
しかし、分子標的薬という新しい概念のクスリには、
従来の、細胞毒であり、殺細胞効果を期待する抗癌剤とは、
大きくその趣を異にする効果が見られます。
大量の細胞毒を使っての標準的な治療では、
けっして得られないような、
副作用を伴わない大きな延命が可能であった患者さんを何人も診てきました。
イレッサを使った経験のある医者であれば、
大きな副作用を伴わず年単位の延命効果を得た患者さんを多数見ているはずです。
発売から4年半経ちますが、
発売と同時、あるいは発売前から、いまだに続けている患者さんもいます。
勿論、細胞毒の抗癌剤は無効だけれどもイレッサで延命できる患者さんもいますし、
その逆の患者さんも存在します。
イレッサがまったく無効であった患者さん、
僅かな延命効果に終わった患者さんもたくさん診ています。
そちらの患者さんの方が多いと思います。
私が言いたかったことは、
すべての患者さん、そしてそこに巣食うガンは、
すべて違う資質を持っている。
その違いに合った治療をするべきだと考えます。
それを十把一絡げに標準治療という列車に乗せてしまったならば、
その到達地点ははじめから決められてしまいます。
その個々の患者さん、ガンの資質に合わせた治療を考えるときに、
イレッサというクスリは非常に大きな武器になることは、
紛れもない事実だと考えています。
その武器を、
十把一絡げの臨床試験結果だけを根拠に、
はじめから放棄してしまうことは、
あまりにもモッタイナイと思います。
私が診ている患者さんにはそれはしません。
ガンという病気は甘くはありません。
考えられる限りの武器を総動員してはじめて互角に戦える相手だと思います。
手術も、放射線も、細胞毒の抗癌剤も、分子標的薬も、免疫もすべて必要です。
はじめから生存期間中央値○○ヶ月と決まっている治療だけに、
固守することは極めて愚かな戦術だと考えます。
負けのエビデンスがはっきりしている戦略だけに、
命を賭けるべきではないと思います。
科学的には、エビデンスは重要な治療の根拠には違いないと思います。
しかし、一人の人間の命がかかったガン治療の現場では、
それは、治療指針の一つでしかなく、
それ以上のモノであってはならないようにも思います。
現在は、エビデンス崇拝、
エビデンスがなければ何もできない・しないような時代ですが、
肺ガンに対する抗癌剤治療では、
1995年まで、無治療患者群と抗癌剤治療患者群との間で生存期間に
科学的な有意差は証明されていません。
抗癌剤治療患者群で無治療患者群より
1.5ヶ月長生きできると証明されたのは、
1995年、阪神淡路大震災の起きた年です。
あの地震は、記憶にそれほど遠くない時代だと思います。
それまで、抗癌剤治療には延命効果があるというエビデンスはありませんでした。
胃ガンでも差が出たのは同じ頃です。
大腸ガンは1992年のことだったと記憶しています。
現在エビデンス一辺倒の医者は、
当時は何を頼りに抗癌剤治療を行っていたのか大いに興味があります。
何を目的に抗癌剤治療を行っていたのでしょうか。
私は、ガン治療における数字など、
その程度のモノだと考えています。
以上 文責 梅澤 充



