昨日、多くの患者さん待望のアバスチンがやっと承認されたようです。
何時、薬価が決まり健康保険で使えるようになるのかは、
分かりませんが、それほど遠くない時期に
本格的な治療での使用が可能になるものと思われます。
しかし、標準的に大量の抗癌剤を使った副作用の少なくない治療を嫌う、
多くの患者さんが望まれるような使用方法が可能になるのは
まだかなり先になるものと思われます。
それは、当面、アバスチンの使用は、
地域のガン治療拠点病院などの施設に限定され、
しかも、標準的な抗癌剤治療に上乗せするかたちでしか
健康保険では認められないもようだからです。
現在、私は、アバスチン単独、またはハーセプチンとの併用、
あるいは、アバスチンを使うまで行っていた、
ごく少量の抗癌剤との併用などで使っていますが、
いずれの患者さんでも明らかに治療効果は認められています。
アバスチンによる副作用は、
アバスチンの主作用によるガン病巣からの出血や鼻出血などが主で、
いわゆる細胞毒の抗癌剤のようなつらい症状の発現はまだ認めていません。
勿論、治療効果が認められなかった患者さんもいます。
しかし、必ずしも標準的に大量の抗癌剤を使った治療との併用でなければ効果がでないということではありません。
残念ながら、今回、アバスチンが日本への導入されても、
健康保険では5-FUを中心とした、
標準的に大量の抗癌剤治療との併用が条件になるようです。
抗癌剤治療との併用しか認められていないのは、
単独使用ではまだ承認に至るだけのデータが出ていないからです。
ほんの十数年ほど前までは、
何度か紹介しているとおり、
抗癌剤治療には延命効果すら認められませんでした。
したがって、抗癌剤治療の効果を確認する臨床試験を行うとき、
抗癌剤治療を行ったグループと
無治療のグループに分けて、
その二群間での生存期間の差を見ることに特別な問題はありませんでした。
ところが現在では、
抗癌剤治療を行ったグループと無治療のグループでは、
数ヶ月といえども、生存期間に有意な差が確認されています。
抗癌剤治療を行ったほうが、
僅かですが長生きできることが確認されています。
したがって、まだ治療効果の不明なクスリの効果を確認するために、
単独でその薬剤を使ったグループと
無治療あるいは抗癌剤治療のグループとの比較は人道上で不可能になりました。
その結果、
延命効果の確認されている標準的抗癌剤治療だけを行ったグループと
その標準的抗癌剤治療に治療効果のまだ不明な新しいクスリを併用したグループの比較を行うことになりました。
そして、明らかに併用グループの方が生存期間が長い、
すなわち延命効果が大きいということが判明し、
欧米で認められるようになりました。
したがって、日本の厚生労働省も
その基準に従って、
標準的抗癌剤治療に上乗せで使うことを義務付けるのです。
まだ、まだこの点については書きたいのですが時間が無くなりました。
本日は終わりにします。
患者さんが望むようにクスリが使える日が待ち遠しいです。
以上 文責 梅澤 充
何時、薬価が決まり健康保険で使えるようになるのかは、
分かりませんが、それほど遠くない時期に
本格的な治療での使用が可能になるものと思われます。
しかし、標準的に大量の抗癌剤を使った副作用の少なくない治療を嫌う、
多くの患者さんが望まれるような使用方法が可能になるのは
まだかなり先になるものと思われます。
それは、当面、アバスチンの使用は、
地域のガン治療拠点病院などの施設に限定され、
しかも、標準的な抗癌剤治療に上乗せするかたちでしか
健康保険では認められないもようだからです。
現在、私は、アバスチン単独、またはハーセプチンとの併用、
あるいは、アバスチンを使うまで行っていた、
ごく少量の抗癌剤との併用などで使っていますが、
いずれの患者さんでも明らかに治療効果は認められています。
アバスチンによる副作用は、
アバスチンの主作用によるガン病巣からの出血や鼻出血などが主で、
いわゆる細胞毒の抗癌剤のようなつらい症状の発現はまだ認めていません。
勿論、治療効果が認められなかった患者さんもいます。
しかし、必ずしも標準的に大量の抗癌剤を使った治療との併用でなければ効果がでないということではありません。
残念ながら、今回、アバスチンが日本への導入されても、
健康保険では5-FUを中心とした、
標準的に大量の抗癌剤治療との併用が条件になるようです。
抗癌剤治療との併用しか認められていないのは、
単独使用ではまだ承認に至るだけのデータが出ていないからです。
ほんの十数年ほど前までは、
何度か紹介しているとおり、
抗癌剤治療には延命効果すら認められませんでした。
したがって、抗癌剤治療の効果を確認する臨床試験を行うとき、
抗癌剤治療を行ったグループと
無治療のグループに分けて、
その二群間での生存期間の差を見ることに特別な問題はありませんでした。
ところが現在では、
抗癌剤治療を行ったグループと無治療のグループでは、
数ヶ月といえども、生存期間に有意な差が確認されています。
抗癌剤治療を行ったほうが、
僅かですが長生きできることが確認されています。
したがって、まだ治療効果の不明なクスリの効果を確認するために、
単独でその薬剤を使ったグループと
無治療あるいは抗癌剤治療のグループとの比較は人道上で不可能になりました。
その結果、
延命効果の確認されている標準的抗癌剤治療だけを行ったグループと
その標準的抗癌剤治療に治療効果のまだ不明な新しいクスリを併用したグループの比較を行うことになりました。
そして、明らかに併用グループの方が生存期間が長い、
すなわち延命効果が大きいということが判明し、
欧米で認められるようになりました。
したがって、日本の厚生労働省も
その基準に従って、
標準的抗癌剤治療に上乗せで使うことを義務付けるのです。
まだ、まだこの点については書きたいのですが時間が無くなりました。
本日は終わりにします。
患者さんが望むようにクスリが使える日が待ち遠しいです。
以上 文責 梅澤 充