本日、一通の訃報が届きました。
北海道の患者さんのご家族からです。
まだ若い患者さんでした。
昨年、ご家族と一緒に相談に来られた方です。
その患者さんおよびご家族は、
「東京まで毎週通院してくるから、こちらで抗癌剤治療をして欲しい。」
と懇願されました。
しかし、往復の交通費だけで6万円もかかります。
それよりも、通院に伴う肉体的な負荷は計り知れません。
その歳では珍しいガンであり、
また、標準的な治療など存在せず、
地元の大病院も、治療方針でも、
患者さんの要望を取り入れるなど融通を利かせてくれいました。
それを聞いて、
「地元の病院で今までどおり診てもらったほうが良い」
と、私はお断りしました。
患者さんは「是非に」とのことでしたが、
断ってしまいました。
その後は、病状判断のメルクマールになっていた腫瘍マーカーを地元では、
健康保険の縛りで月に一回だけに限定されていましたので、
採血した血液をクール宅急便で毎週送ってもらいそれを東京で測定し、
メールで結果を知らせて、
それと、地元の病院の画像診断の結果を合わせて、
方針を決定するという
とてもヤヤッコシイことを繰り返していました。
私は、離れていて、電話で話すだけで、
患者さんを直接診ることはできませんので、
当然すべての主導権は地元の主治医に握っていただき、
患者さん本人に直接アドバイスする程度しかできませんでした。
その結果、残念ながら、
いつもどおりのガンの勝利に終わってしまいました。
今思うと、
結果はまったく同じ、
あるいは、もっと早く旅立たれることなっていたかも知れませんが、
患者さんの願いどおり、
東京で診てあげたほうが、
治療をしている間の、患者さんの気持ちは満たされていたようにも思われます。
そうであれば、願いを振り切って地元での治療を勧めたことがとても悔やまれます。
しかし、東京での治療が上手くいかなかったときには、
東京にまで通院に来させたことを悔やむことにもなります・・・・
肉体的な負担について医者が心配することは当然のことです。
北海道からの毎週の往復。
それは容易いことではありません。
しかし、私が、その患者さんの通院をお断りした、
大きな理由の一つは、
通院にかかる費用でした。
毎月20〜30万円もの出費になります。
そんな費用をかけるのであれば、
その分、別の治療費用に当てたほうが良いと、
貧乏根性を出してしまいました。
しかし、最悪の結果が早晩訪れることが分かっている病気では、
患者さんが満足するように、
好きなようにしてもらうことが
最善であるようにも感じてしまいました。
あまり明るい未来が期待できない状態での治療では、
患者さんの経済的な負担についても、
ついつい考えてしまいますが、
先が、暗いからこそ、
それは、医者などが、
考えてはいけない余計なことのようにも感じてしまいました。
いろいろ考えさせられる、
患者さんの旅立ちでした。
ご冥福をお祈りいたします。
以上 文責 梅澤 充
北海道の患者さんのご家族からです。
まだ若い患者さんでした。
昨年、ご家族と一緒に相談に来られた方です。
その患者さんおよびご家族は、
「東京まで毎週通院してくるから、こちらで抗癌剤治療をして欲しい。」
と懇願されました。
しかし、往復の交通費だけで6万円もかかります。
それよりも、通院に伴う肉体的な負荷は計り知れません。
その歳では珍しいガンであり、
また、標準的な治療など存在せず、
地元の大病院も、治療方針でも、
患者さんの要望を取り入れるなど融通を利かせてくれいました。
それを聞いて、
「地元の病院で今までどおり診てもらったほうが良い」
と、私はお断りしました。
患者さんは「是非に」とのことでしたが、
断ってしまいました。
その後は、病状判断のメルクマールになっていた腫瘍マーカーを地元では、
健康保険の縛りで月に一回だけに限定されていましたので、
採血した血液をクール宅急便で毎週送ってもらいそれを東京で測定し、
メールで結果を知らせて、
それと、地元の病院の画像診断の結果を合わせて、
方針を決定するという
とてもヤヤッコシイことを繰り返していました。
私は、離れていて、電話で話すだけで、
患者さんを直接診ることはできませんので、
当然すべての主導権は地元の主治医に握っていただき、
患者さん本人に直接アドバイスする程度しかできませんでした。
その結果、残念ながら、
いつもどおりのガンの勝利に終わってしまいました。
今思うと、
結果はまったく同じ、
あるいは、もっと早く旅立たれることなっていたかも知れませんが、
患者さんの願いどおり、
東京で診てあげたほうが、
治療をしている間の、患者さんの気持ちは満たされていたようにも思われます。
そうであれば、願いを振り切って地元での治療を勧めたことがとても悔やまれます。
しかし、東京での治療が上手くいかなかったときには、
東京にまで通院に来させたことを悔やむことにもなります・・・・
肉体的な負担について医者が心配することは当然のことです。
北海道からの毎週の往復。
それは容易いことではありません。
しかし、私が、その患者さんの通院をお断りした、
大きな理由の一つは、
通院にかかる費用でした。
毎月20〜30万円もの出費になります。
そんな費用をかけるのであれば、
その分、別の治療費用に当てたほうが良いと、
貧乏根性を出してしまいました。
しかし、最悪の結果が早晩訪れることが分かっている病気では、
患者さんが満足するように、
好きなようにしてもらうことが
最善であるようにも感じてしまいました。
あまり明るい未来が期待できない状態での治療では、
患者さんの経済的な負担についても、
ついつい考えてしまいますが、
先が、暗いからこそ、
それは、医者などが、
考えてはいけない余計なことのようにも感じてしまいました。
いろいろ考えさせられる、
患者さんの旅立ちでした。
ご冥福をお祈りいたします。
以上 文責 梅澤 充



