覚醒剤の話題は、
日本の社会から途絶えることはありません。
30 年以上前に、
学会で行ったヨーロッパのある国では、
それを買うためのお金にまつわる犯罪を減らす目的で、
麻薬、覚醒剤の類を、
お役所が街の裏で、
欲しい人間にはタダで配布しているという、
異様な現場を見学したことがあります。
思考回路の違いだけで、
イロイロな対策法があることに関心しました。
幸いなことに、
まだ経験はありませんので、
どこまで魅力的な薬効があるのかは知りません。
しかし一度、手を染めてしまうと、
二度と足が抜けられなくなるとは怖くて不思議な話です。
それはともかく、
抗癌剤でも同じような薬物依存症の患者さんも、
稀ですが観ます。
幸い、副作用が致命的に大きくない状態では、
クスリを休む、
身体を休める、
という当たり前の状況判断に対して、
躊躇してしまう患者さんがいます。
正直な腫瘍内科医から、
「もう、休止するべき」という、
とても珍しくありがたい言葉を貰ってからも、
まだ、身体を苛め続けることを望むかたもいます。
手術時の状況から、
抗癌剤では治ることはない固形ガンは、
確実に存在しているはずですが、
画像診断上、さらに腫瘍マーカーでも、
まだ、姿を現してはいません。
それでも、その状態が維持できるのは、
大量の細胞毒だと信じて、
長生きするためには、
そこから逃れることはできない。
きわめて微妙で切ない患者心理だと思います。
しかし、肝心な厳しい現実を忘れてしまっています。
大量の細胞毒を、
何年も継続することは不可能であり、
ガンが患者さんの命を脅かす前に、
毒が身体を破壊してしまうという現実です。
固形ガンでも、
標準的に大量の抗癌剤が、
奏功することは珍しくはありません。
しかし、それが直接、延命に寄与するか否は、
まったく別の問題であり、
QALYは間違いなく低下させてしまいます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
日本の社会から途絶えることはありません。
30 年以上前に、
学会で行ったヨーロッパのある国では、
それを買うためのお金にまつわる犯罪を減らす目的で、
麻薬、覚醒剤の類を、
お役所が街の裏で、
欲しい人間にはタダで配布しているという、
異様な現場を見学したことがあります。
思考回路の違いだけで、
イロイロな対策法があることに関心しました。
幸いなことに、
まだ経験はありませんので、
どこまで魅力的な薬効があるのかは知りません。
しかし一度、手を染めてしまうと、
二度と足が抜けられなくなるとは怖くて不思議な話です。
それはともかく、
抗癌剤でも同じような薬物依存症の患者さんも、
稀ですが観ます。
幸い、副作用が致命的に大きくない状態では、
クスリを休む、
身体を休める、
という当たり前の状況判断に対して、
躊躇してしまう患者さんがいます。
正直な腫瘍内科医から、
「もう、休止するべき」という、
とても珍しくありがたい言葉を貰ってからも、
まだ、身体を苛め続けることを望むかたもいます。
手術時の状況から、
抗癌剤では治ることはない固形ガンは、
確実に存在しているはずですが、
画像診断上、さらに腫瘍マーカーでも、
まだ、姿を現してはいません。
それでも、その状態が維持できるのは、
大量の細胞毒だと信じて、
長生きするためには、
そこから逃れることはできない。
きわめて微妙で切ない患者心理だと思います。
しかし、肝心な厳しい現実を忘れてしまっています。
大量の細胞毒を、
何年も継続することは不可能であり、
ガンが患者さんの命を脅かす前に、
毒が身体を破壊してしまうという現実です。
固形ガンでも、
標準的に大量の抗癌剤が、
奏功することは珍しくはありません。
しかし、それが直接、延命に寄与するか否は、
まったく別の問題であり、
QALYは間違いなく低下させてしまいます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。