一昨年の11月28日から約1年半診てきた患者さんが
5月10日に旅立たれました。
肺ガンでした。
昨日ご家族から連絡をいただきました。
私は最後の1年半を診ましたが、
その前に肺ガンとしては、
異例に長い再発後の闘病生活を続けてこられた患者さんでした。
はじめて診たときには、
かなり厳しい全身状態でしたが、
続けていたイレッサと
それに経口抗癌剤を併用しただけで、
不思議なくらいに全身状態が安定して、
1年以上経った時点では
点滴の抗癌剤治療も併用しましたが、
長い時間頑張られました。
しかし、数ヶ月前に脳梗塞を合併してしまいました。
それもあって最近、急激に全身状態の悪化をきたし、
ご自宅近くに病院に入院し、
その後、ホスピスに移られ穏やかに逝かれたそうです。
この患者さんはイレッサが極めて有効に効いてくれたために
長生きすることができましたが、
副作用も半端ではありませんでした。
間質性肺炎ではありません。
皮膚症状に散々苦しめられました。
そのため、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤を併用しながら、
隔日の内服しかできませんでした。
それでも、有効に効いてくれました。
もともと、イレッサは半減期(薬が体内から消失していく時間)が長い薬剤ですから、
一日おきでも十分に効いてくれる可能性はあります。
この1年半の間に、お孫さんとの旅行なども楽しまれていたようです。
充実した闘病生活だったと思います。
ところで、私のところへ来る前に、
散々ガンと戦ってきた経験から、
「最期はホスピスに入りたい」との強いご希望が本人にあったそうで、
そのご希望通りにホスピスでの最期を迎えられました。
在宅療養から、
ホスピスに移られて4日後のことだったそうです。
旅立ちの2日前まで食事も取られていたそうです。
ご家族は、希望だったホスピスでの生活が短く終わってしまったことを
悔いておられました。
しかし、ホスピスでの心のケアがどの程度なされるものかはわかりませんが、
最期のときを待つだけの場所であるはずです。
その状態で、
物理的な環境だけは整っていたとしても、
心穏やかに生活ができるとはとても思えません。
精神的に穏やかな日々を過ごすことができるとは、
私には想像できません。
本人のご希望通り、
まったく苦痛を伴わない最期だったそうですが、
それが、ご本人とっては最善の結果だったように思います。
ホスピスに入られてからの時間は、
短ければ短いほど、患者さんにとっては幸福なことであるように感じます。
それよりも、過去にも何度か書きましたが、
ホスピスは必要なのでしょうか。
緩和ケアは必要です。
しかし、ガン治療を止めてしまって、
座して死を待つ状態に
患者さんは満足するのでしょうか。
どのような全身状態であっても、
ほとんどの場合、何らかの治療方法は残されています。
ホスピスでは現実的にガン治療は不可能です。
「現実的に」と書いたのは、
「ホスピスでガン治療を行ってはいけない」
という決まりは無く、
本来はどのような治療を行ってもかまわないのです。
しかし、その医療費支払い体系が、
高額なガン治療を行えば病院が損をしてしまうように作られていますから、
現実問題できないのです。
ガン治療の部分だけ、自費での支払いにすれば可能ですが、
そうなると、健康保険でのホスピスへの入院との、
混合診療になってしまうため、
結局その道も閉ざされています。
現在、政府の医療費削計画の一環として、
在宅ケアに対しては手厚い支援が得られます。
緩和ケアは在宅でもかなりの部分まで可能になってきました。
同時にガン治療も可能です。
「在宅での緩和ケア + ガン治療」が
患者さんにとっては最善のホスピスであるように思います。
深く記憶に残る患者さんがお一人逝かれました。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充
5月10日に旅立たれました。
肺ガンでした。
昨日ご家族から連絡をいただきました。
私は最後の1年半を診ましたが、
その前に肺ガンとしては、
異例に長い再発後の闘病生活を続けてこられた患者さんでした。
はじめて診たときには、
かなり厳しい全身状態でしたが、
続けていたイレッサと
それに経口抗癌剤を併用しただけで、
不思議なくらいに全身状態が安定して、
1年以上経った時点では
点滴の抗癌剤治療も併用しましたが、
長い時間頑張られました。
しかし、数ヶ月前に脳梗塞を合併してしまいました。
それもあって最近、急激に全身状態の悪化をきたし、
ご自宅近くに病院に入院し、
その後、ホスピスに移られ穏やかに逝かれたそうです。
この患者さんはイレッサが極めて有効に効いてくれたために
長生きすることができましたが、
副作用も半端ではありませんでした。
間質性肺炎ではありません。
皮膚症状に散々苦しめられました。
そのため、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤を併用しながら、
隔日の内服しかできませんでした。
それでも、有効に効いてくれました。
もともと、イレッサは半減期(薬が体内から消失していく時間)が長い薬剤ですから、
一日おきでも十分に効いてくれる可能性はあります。
この1年半の間に、お孫さんとの旅行なども楽しまれていたようです。
充実した闘病生活だったと思います。
ところで、私のところへ来る前に、
散々ガンと戦ってきた経験から、
「最期はホスピスに入りたい」との強いご希望が本人にあったそうで、
そのご希望通りにホスピスでの最期を迎えられました。
在宅療養から、
ホスピスに移られて4日後のことだったそうです。
旅立ちの2日前まで食事も取られていたそうです。
ご家族は、希望だったホスピスでの生活が短く終わってしまったことを
悔いておられました。
しかし、ホスピスでの心のケアがどの程度なされるものかはわかりませんが、
最期のときを待つだけの場所であるはずです。
その状態で、
物理的な環境だけは整っていたとしても、
心穏やかに生活ができるとはとても思えません。
精神的に穏やかな日々を過ごすことができるとは、
私には想像できません。
本人のご希望通り、
まったく苦痛を伴わない最期だったそうですが、
それが、ご本人とっては最善の結果だったように思います。
ホスピスに入られてからの時間は、
短ければ短いほど、患者さんにとっては幸福なことであるように感じます。
それよりも、過去にも何度か書きましたが、
ホスピスは必要なのでしょうか。
緩和ケアは必要です。
しかし、ガン治療を止めてしまって、
座して死を待つ状態に
患者さんは満足するのでしょうか。
どのような全身状態であっても、
ほとんどの場合、何らかの治療方法は残されています。
ホスピスでは現実的にガン治療は不可能です。
「現実的に」と書いたのは、
「ホスピスでガン治療を行ってはいけない」
という決まりは無く、
本来はどのような治療を行ってもかまわないのです。
しかし、その医療費支払い体系が、
高額なガン治療を行えば病院が損をしてしまうように作られていますから、
現実問題できないのです。
ガン治療の部分だけ、自費での支払いにすれば可能ですが、
そうなると、健康保険でのホスピスへの入院との、
混合診療になってしまうため、
結局その道も閉ざされています。
現在、政府の医療費削計画の一環として、
在宅ケアに対しては手厚い支援が得られます。
緩和ケアは在宅でもかなりの部分まで可能になってきました。
同時にガン治療も可能です。
「在宅での緩和ケア + ガン治療」が
患者さんにとっては最善のホスピスであるように思います。
深く記憶に残る患者さんがお一人逝かれました。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充



