今まで何回も書いてきましたが、
抗癌剤治療には、
手術後の再発予防ための治療と
すでに、再発を来たしていて、あるいは切除不能で、
根治を望むことが難しい状態で行われる治療とがあります。
後者の場合には、
目の前の患者さんとその身体に巣食っているガンそのものがエビデンスであり、
過去にすでに亡くなられた患者さんから得られたデータであるエビデンスなどは、
参考程度の役割しかありません。
しかし、再発予防のための抗癌剤治療では、
その目印であるガンが見えないのですから、
過去のエビデンスだけが唯一の治療の指標になります。
しかし、卵巣ガンなどの場合の術後再発予防の治療では、
腫瘍マーカーが指標になる場合も少なくありません。
再発予防というより、
手術でガンの肉眼的な遺残が確認されている場合などは、
腫瘍マーカーが高い数字を示している場合も多々見られます。
そのときにはその腫瘍マーカーが治療の大きな指標になります。
卵巣ガンでは、
腹膜などにガンの遺残があっても
標準的抗癌剤治療を行うことによって、
その後何年という期間、
ガンが見えない状態になり、
無治療で経過を観ることができる状態が得られることも珍しくありません。
したがって、卵巣ガンの術後は、
是非、標準的な抗癌剤治療を受けるべきだと考えます。
これが、胃ガンや大腸ガンでは、
腹膜にガンの遺残が確認されてしまったならば、
副作用の小さくない標準的な抗癌剤治療を行っても、
無治療で経過を観るのと数ヶ月程度の違いしかでませんから、
人生最後の時間を副作用に苦しみながら生きることに
大きな意義があるとは思えません。
延命だけを考えた身体に優しい治療を選択するべきだと思います。
本日は、その卵巣ガン術後の患者さんがセカンドオピニオンに来られました。
術後の抗癌剤治療を受けています。
その患者さんの人生観・死生観がもっとも重要ですが、
一般的な、長生きしたいという感覚の患者さんであって、
ただ抗癌剤治療がつらいというだけであるならば、
その治療の御利益の大きさを説明して、
「是非、その治療は続けた方がいいですよ。」
とお話します。
しかし、本日お見えになられた患者さんの場合、
身体的につらいという副作用の他に、
非常に強い骨髄抑制という大きな副作用も伴っています。
さらに、一回目の治療で、
腫瘍マーカーの低下が認められていません。
というより、腫瘍マーカーの正確な動きが不明なのです。
手術前の、ガンがお腹の中にドカンと存在しているときの数字しか無く、
手術後で、抗癌剤治療を開始するときの数字が無いのです。
一回目の抗癌剤治療の後の数字は出ていますが、
抗癌剤治療を開始する前のデータが出ていません。
当然手術によりガンを切除したことにより、
大きく低下したはずですが、
その数字がありません。
手術後の低下を考えると、
一回目の抗癌剤治療による腫瘍マーカーの低下は、
ほとんど認められないように感じました。
来週再度、腫瘍マーカーの検査をするそうですので、
それで低下が認められないのであれば、
その治療を継続することには大きな疑問があります。
そもそも、腫瘍マーカーの確認もしないで
標準的な抗癌剤治療を開始する病院で治療を行うこと自体に疑問があります。
卵巣ガンに対する標準的な抗癌剤治療では、
7〜8割の確率で奏功します。
しかし、裏を返せば2〜3割の患者さんではハズレます。
再発ガンでも当然ですが、
予防的抗癌剤治療でも、
標準的に大量の抗癌剤を使う治療では、
それが効かなかった場合には、
大きく寿命を縮めてしまいます。
主治医は予定通り6クールを完遂するお積りのようですが、
効果が見られなければ、
途中ででも中止するべきだと考えます。
他の治療に切り替えるべきだと思います。
術後の抗癌剤治療といえども、
その効果が確認できるような場合には、
逐一その効果を見ながら治療を進めるべきだと思います。
それを確認しないで突っ走ってしまう病院も如何なものでしょうか。
以上 文責 梅澤 充
抗癌剤治療には、
手術後の再発予防ための治療と
すでに、再発を来たしていて、あるいは切除不能で、
根治を望むことが難しい状態で行われる治療とがあります。
後者の場合には、
目の前の患者さんとその身体に巣食っているガンそのものがエビデンスであり、
過去にすでに亡くなられた患者さんから得られたデータであるエビデンスなどは、
参考程度の役割しかありません。
しかし、再発予防のための抗癌剤治療では、
その目印であるガンが見えないのですから、
過去のエビデンスだけが唯一の治療の指標になります。
しかし、卵巣ガンなどの場合の術後再発予防の治療では、
腫瘍マーカーが指標になる場合も少なくありません。
再発予防というより、
手術でガンの肉眼的な遺残が確認されている場合などは、
腫瘍マーカーが高い数字を示している場合も多々見られます。
そのときにはその腫瘍マーカーが治療の大きな指標になります。
卵巣ガンでは、
腹膜などにガンの遺残があっても
標準的抗癌剤治療を行うことによって、
その後何年という期間、
ガンが見えない状態になり、
無治療で経過を観ることができる状態が得られることも珍しくありません。
したがって、卵巣ガンの術後は、
是非、標準的な抗癌剤治療を受けるべきだと考えます。
これが、胃ガンや大腸ガンでは、
腹膜にガンの遺残が確認されてしまったならば、
副作用の小さくない標準的な抗癌剤治療を行っても、
無治療で経過を観るのと数ヶ月程度の違いしかでませんから、
人生最後の時間を副作用に苦しみながら生きることに
大きな意義があるとは思えません。
延命だけを考えた身体に優しい治療を選択するべきだと思います。
本日は、その卵巣ガン術後の患者さんがセカンドオピニオンに来られました。
術後の抗癌剤治療を受けています。
その患者さんの人生観・死生観がもっとも重要ですが、
一般的な、長生きしたいという感覚の患者さんであって、
ただ抗癌剤治療がつらいというだけであるならば、
その治療の御利益の大きさを説明して、
「是非、その治療は続けた方がいいですよ。」
とお話します。
しかし、本日お見えになられた患者さんの場合、
身体的につらいという副作用の他に、
非常に強い骨髄抑制という大きな副作用も伴っています。
さらに、一回目の治療で、
腫瘍マーカーの低下が認められていません。
というより、腫瘍マーカーの正確な動きが不明なのです。
手術前の、ガンがお腹の中にドカンと存在しているときの数字しか無く、
手術後で、抗癌剤治療を開始するときの数字が無いのです。
一回目の抗癌剤治療の後の数字は出ていますが、
抗癌剤治療を開始する前のデータが出ていません。
当然手術によりガンを切除したことにより、
大きく低下したはずですが、
その数字がありません。
手術後の低下を考えると、
一回目の抗癌剤治療による腫瘍マーカーの低下は、
ほとんど認められないように感じました。
来週再度、腫瘍マーカーの検査をするそうですので、
それで低下が認められないのであれば、
その治療を継続することには大きな疑問があります。
そもそも、腫瘍マーカーの確認もしないで
標準的な抗癌剤治療を開始する病院で治療を行うこと自体に疑問があります。
卵巣ガンに対する標準的な抗癌剤治療では、
7〜8割の確率で奏功します。
しかし、裏を返せば2〜3割の患者さんではハズレます。
再発ガンでも当然ですが、
予防的抗癌剤治療でも、
標準的に大量の抗癌剤を使う治療では、
それが効かなかった場合には、
大きく寿命を縮めてしまいます。
主治医は予定通り6クールを完遂するお積りのようですが、
効果が見られなければ、
途中ででも中止するべきだと考えます。
他の治療に切り替えるべきだと思います。
術後の抗癌剤治療といえども、
その効果が確認できるような場合には、
逐一その効果を見ながら治療を進めるべきだと思います。
それを確認しないで突っ走ってしまう病院も如何なものでしょうか。
以上 文責 梅澤 充



