本日セカンドオピニオンに来られた患者さんの中で、
某がんセンターから逃げ出して来られた方がいます。
昨年手術不能のガンが発見され、
そのがんセンターで抗癌剤治療を受けることになりました。
治療開始前の、丁寧にワープロで印字された治療説明書をお持ちになりました。
「無治療の平均生存期間は6ヶ月。
抗癌剤治療を行った場合1~1.5年。」とハッキリと書かれています。
無治療の6ヶ月は正しい数字です。
生存期間中央値を表しています。
しかし、抗癌剤治療を行ったときの1~1.5年という数字には、
大いに疑問があります。
無治療は生存期間中央値で表現しているのですから、
抗癌剤治療のときもその数字を使うべきはずです。
それによると、8~12ヶ月です。
12~18ヶ月とは大きな隔たりがあります。
数字に幅があるのは報告した施設・医者により差があるからです。
この二つの数字を見て作為を感じてしまうのは私だけでしょうか。
明らかに、抗癌剤治療を行う方向へ誘導しているように感じます。
ちなみに同じ病気で治療の説明を受け、
本日、セカンドオピニオンに見えた他の患者さんの説明書には、
「無治療6ヶ月、抗癌剤治療9~12ヶ月」
と真実の数字が書かれていました。
その方も、地方のがんセンターでの説明でした。
1~1.5年という数字が何処から出てきたものか、
勝手に捏造したものか不明ですが、
無治療との比較が、
生存期間中央値という同じ土俵での話であるかのような書き方は、
詐欺に近いのではないでしょうか。
その患者さんは詐欺的な説明書に騙され、さらに、
「まだ新しい治験の治療であれば、
もっと長生きできるかも知れない」と誘導され、
結局、そのがんセンターでの「治験の治療」が開始されました。
文字通り身を挺しての大切な一つのデータ作りの手伝いをさせられてしまうことになりました。
しかし、その治療のあまりの辛さに耐えかねて、
別の病院での治療を申し出たときには、
大切なデータに逃げられてしまうことに、
余程、腹が立ったのだと思いますが、
散々、イヤミをいわれて追い出されるようにその
がんセンターを出てきたそうです。
そこには、「患者さんのための治療」という
当たり前の医者の姿勢のカケラも見られません。
何回も書いているとおり、
がんセンターは、標準的な治療を行うことだけが仕事ではなく、
データを出していくことも大きな使命です。
しかし、この患者さんのように、
虚偽の数字まで使った詐欺まがいの説明で、
完全に医者に治療の方針まで誘導され、
実験台にされていく姿を見ると、腹が立ちます。
勿論、データを出すことは悪いことではありません。
しかし、それは患者さんの自由意志で行われるべきことであり、
医者がそれを誘導することは許されるべきことではありません。
ましてウソをついてまで・・・・
その患者さんも
「みんなが行くから」
という安易な発想から、
その病院を選択してしまったようですが、
みんなが行く病院が、
みんなに最善の治療をしてくれる病院ではありません。
そこで行われているのは、
最低限度のガン治療である、
標準治療だけです。
標準的抗癌剤治療が適しているのは、
ごく限られた一部のとても頑丈な身体の患者さんだけです。
誰もが信頼する病院こそ
疑ってかかった方が無難だと思います。
以上 文責 梅澤 充
某がんセンターから逃げ出して来られた方がいます。
昨年手術不能のガンが発見され、
そのがんセンターで抗癌剤治療を受けることになりました。
治療開始前の、丁寧にワープロで印字された治療説明書をお持ちになりました。
「無治療の平均生存期間は6ヶ月。
抗癌剤治療を行った場合1~1.5年。」とハッキリと書かれています。
無治療の6ヶ月は正しい数字です。
生存期間中央値を表しています。
しかし、抗癌剤治療を行ったときの1~1.5年という数字には、
大いに疑問があります。
無治療は生存期間中央値で表現しているのですから、
抗癌剤治療のときもその数字を使うべきはずです。
それによると、8~12ヶ月です。
12~18ヶ月とは大きな隔たりがあります。
数字に幅があるのは報告した施設・医者により差があるからです。
この二つの数字を見て作為を感じてしまうのは私だけでしょうか。
明らかに、抗癌剤治療を行う方向へ誘導しているように感じます。
ちなみに同じ病気で治療の説明を受け、
本日、セカンドオピニオンに見えた他の患者さんの説明書には、
「無治療6ヶ月、抗癌剤治療9~12ヶ月」
と真実の数字が書かれていました。
その方も、地方のがんセンターでの説明でした。
1~1.5年という数字が何処から出てきたものか、
勝手に捏造したものか不明ですが、
無治療との比較が、
生存期間中央値という同じ土俵での話であるかのような書き方は、
詐欺に近いのではないでしょうか。
その患者さんは詐欺的な説明書に騙され、さらに、
「まだ新しい治験の治療であれば、
もっと長生きできるかも知れない」と誘導され、
結局、そのがんセンターでの「治験の治療」が開始されました。
文字通り身を挺しての大切な一つのデータ作りの手伝いをさせられてしまうことになりました。
しかし、その治療のあまりの辛さに耐えかねて、
別の病院での治療を申し出たときには、
大切なデータに逃げられてしまうことに、
余程、腹が立ったのだと思いますが、
散々、イヤミをいわれて追い出されるようにその
がんセンターを出てきたそうです。
そこには、「患者さんのための治療」という
当たり前の医者の姿勢のカケラも見られません。
何回も書いているとおり、
がんセンターは、標準的な治療を行うことだけが仕事ではなく、
データを出していくことも大きな使命です。
しかし、この患者さんのように、
虚偽の数字まで使った詐欺まがいの説明で、
完全に医者に治療の方針まで誘導され、
実験台にされていく姿を見ると、腹が立ちます。
勿論、データを出すことは悪いことではありません。
しかし、それは患者さんの自由意志で行われるべきことであり、
医者がそれを誘導することは許されるべきことではありません。
ましてウソをついてまで・・・・
その患者さんも
「みんなが行くから」
という安易な発想から、
その病院を選択してしまったようですが、
みんなが行く病院が、
みんなに最善の治療をしてくれる病院ではありません。
そこで行われているのは、
最低限度のガン治療である、
標準治療だけです。
標準的抗癌剤治療が適しているのは、
ごく限られた一部のとても頑丈な身体の患者さんだけです。
誰もが信頼する病院こそ
疑ってかかった方が無難だと思います。
以上 文責 梅澤 充