再発をきたし外科的完全切除が不可能なガン、発見時から切除不能のガン治療に対し、
抗癌剤はほとんどの場合、絶対的に必要な武器です。
そして、その武器をうまく使えば、辛い思いをせずに長生きすることが可能です。
しかし、使い方を間違えると、長生きどころか、辛い目に遭った上に、
寿命を縮めてしまいます。
患者さんから見れば、前者の場合、その抗癌剤は効いた。
後者の場合、その抗癌剤は効かない。
と判断されるはずです。
しかし、その治療を施す側、すなわち医者からみると、
必ずしもそのような判断にはなりません。
1月13日の「腫瘍(ガン)の縮小なくしてガン治療なし」
1月10日の「抗癌剤治療は有効に効いても長生きできない!?」
でも書きました。
本日は、その「抗癌剤が効いているか否か」について、誤解されている患者さんが、
来られましたので、そのことについて書きます。
4ヶ月前にCT検査で、乳ガンが肺に転移していることが発見された患者さんです。
その病院(一般民間病院)では、先ず内服のホルモン剤と抗癌剤を処方されました。
乳ガン再発に対しては、身体に優しい治療です。
まったく標準的抗癌剤治療からは外れていますが・・・・
また、内服といえども、はじめから抗癌剤はチョッと余計だと思いますが・・・
患者さんは4ヶ月間それを内服しました。
4ヵ月後に再度CT検査を行なったところ、
まったく変化がありませんでした。
腫瘍マーカーもすべて正常値で、やや高めのマーカーもありましたが、
それも、再発が発見された時と比較してまったく変動していません。
すなわち、腫瘍マーカー上もガンの悪化は証明できません。
他の採血データもすべて正常です。
白血球の減少もありません。
その2回のCT検査の写真、およびすべての検査データを持参し、
町田胃腸病院に来られました。
その患者さんは、そこの病院で4ヶ月間、抗癌剤とホルモン剤の内服で治療をしても、
「良くなっていないから、点滴で抗癌剤治療をしましょう」
と主治医に言われたので、
「私としては、症状は何もなく元気で生活しているのに、
抗癌剤治療をしなければならないのか?
髪の毛が抜けてカツラが必要になるとも言われた。
ホルモン剤も抗癌剤も、まったく副作用を感じないで飲んでいる。
でも、効いていないのですか?点滴で抗癌剤治療をしなければダメですか?」
という、ご質問でした。
早速、町田胃腸病院でもCT検査をして、持参した2回のCT検査の所見と比較すると、
はじめのCTより2回目(他院3週前)、3回目(町田胃腸病院)の方が、
贔屓目にみると、僅かながら、転移病巣(ガン)の縮小傾向も見られました。
確かに、ガンのカタマリの著明な縮小は見られませんが、
少なくとも悪化は、まったく見られません。
その結果で、「点滴で抗癌剤治療をしましょう」は、チョッと焦り過ぎだと思います。
確かに、抗癌剤治療の効果を判定する指標である奏効率から見れば、
ガンが縮小していないのですから、
その抗癌剤とホルモン剤の治療は「無効」ということになります。
奏効率の、「奏効」の意味については、1月10日に書いたとおりですが、
存在するガンが二分の一以下の大きさに縮小することです。
しかし、患者さんから見れば、
肺転移をしているガンの存在による自覚症状はまったくない。
検査の上でも、ガンが進行している所見もない。
さらに、ホルモン剤・抗癌剤を内服してもまったく副作用を感じない。
検査データの上からも副作用は認められない。
その上何を期待するのでしょうか。
勿論、ガンなど完全に消え失せて、
ガンが治ってしまうに越したことはありません。
乳ガンに対しての抗癌剤治療では、
「完全にガンが見えなくなる」ことはよくあります。
しかし、それは治ったのとは意味が違います。
機械の目で見えなくなっただけです。
その辛い抗癌剤治療を止めれば、また必ず姿を現してきます。
また、その辛い治療は長くは続けられません。
この患者さんが受けた(続けることにしました)治療は、
その患者さんにとっては非常に良く効いている治療であると考えるべきです。
しかし、医者の目から見ると、「効いていない」になってしまいます。
このように、医者の言う、「効いていない」は、
患者さんにとっては、「とても有効に効いている」
ということも珍しくありません。
また、逆に医者が「効いている」と言っても、
患者さんにとって、その治療は「とても辛くて耐えられない、生活ができない。」と言うことはしばしば起こります。
治療が「効く」「効かない」は患者さんご自身が判断して下さい。
3月1日の「患者さんからの質問に対する答え」
に、対しその患者さんからコメントを頂きました。
これから先も、どれだけ多くの患者さんを診ていってもエビデンスはでません。それが大きな問題です。
しかし、エビデンスを出そうとすれば、そのデータを得るために、
その患者さんにとって最善の治療が受けられない可能性がでてきます。
従って、出そうとは思いません。
抗癌剤を僅かに使い、
患者さんが、苦痛がなく長生きできることをだけを考えて治療をしている医者は、
少なくないと思います。
残念ながら、その治療ではエビデンスはでません。
しかし、2月27日の「メトロノームのように」
で、書きましたとおり、南蛮渡来を無上の宝物とする日本のセンセイ方により、
今後、抗癌剤の頻回投与による治療のエビデンスは出てくると思います。
如何なる治療を望まれるか、ゆっくり考えて下さい。
以上 文責 梅澤 充
抗癌剤はほとんどの場合、絶対的に必要な武器です。
そして、その武器をうまく使えば、辛い思いをせずに長生きすることが可能です。
しかし、使い方を間違えると、長生きどころか、辛い目に遭った上に、
寿命を縮めてしまいます。
患者さんから見れば、前者の場合、その抗癌剤は効いた。
後者の場合、その抗癌剤は効かない。
と判断されるはずです。
しかし、その治療を施す側、すなわち医者からみると、
必ずしもそのような判断にはなりません。
1月13日の「腫瘍(ガン)の縮小なくしてガン治療なし」
1月10日の「抗癌剤治療は有効に効いても長生きできない!?」
でも書きました。
本日は、その「抗癌剤が効いているか否か」について、誤解されている患者さんが、
来られましたので、そのことについて書きます。
4ヶ月前にCT検査で、乳ガンが肺に転移していることが発見された患者さんです。
その病院(一般民間病院)では、先ず内服のホルモン剤と抗癌剤を処方されました。
乳ガン再発に対しては、身体に優しい治療です。
まったく標準的抗癌剤治療からは外れていますが・・・・
また、内服といえども、はじめから抗癌剤はチョッと余計だと思いますが・・・
患者さんは4ヶ月間それを内服しました。
4ヵ月後に再度CT検査を行なったところ、
まったく変化がありませんでした。
腫瘍マーカーもすべて正常値で、やや高めのマーカーもありましたが、
それも、再発が発見された時と比較してまったく変動していません。
すなわち、腫瘍マーカー上もガンの悪化は証明できません。
他の採血データもすべて正常です。
白血球の減少もありません。
その2回のCT検査の写真、およびすべての検査データを持参し、
町田胃腸病院に来られました。
その患者さんは、そこの病院で4ヶ月間、抗癌剤とホルモン剤の内服で治療をしても、
「良くなっていないから、点滴で抗癌剤治療をしましょう」
と主治医に言われたので、
「私としては、症状は何もなく元気で生活しているのに、
抗癌剤治療をしなければならないのか?
髪の毛が抜けてカツラが必要になるとも言われた。
ホルモン剤も抗癌剤も、まったく副作用を感じないで飲んでいる。
でも、効いていないのですか?点滴で抗癌剤治療をしなければダメですか?」
という、ご質問でした。
早速、町田胃腸病院でもCT検査をして、持参した2回のCT検査の所見と比較すると、
はじめのCTより2回目(他院3週前)、3回目(町田胃腸病院)の方が、
贔屓目にみると、僅かながら、転移病巣(ガン)の縮小傾向も見られました。
確かに、ガンのカタマリの著明な縮小は見られませんが、
少なくとも悪化は、まったく見られません。
その結果で、「点滴で抗癌剤治療をしましょう」は、チョッと焦り過ぎだと思います。
確かに、抗癌剤治療の効果を判定する指標である奏効率から見れば、
ガンが縮小していないのですから、
その抗癌剤とホルモン剤の治療は「無効」ということになります。
奏効率の、「奏効」の意味については、1月10日に書いたとおりですが、
存在するガンが二分の一以下の大きさに縮小することです。
しかし、患者さんから見れば、
肺転移をしているガンの存在による自覚症状はまったくない。
検査の上でも、ガンが進行している所見もない。
さらに、ホルモン剤・抗癌剤を内服してもまったく副作用を感じない。
検査データの上からも副作用は認められない。
その上何を期待するのでしょうか。
勿論、ガンなど完全に消え失せて、
ガンが治ってしまうに越したことはありません。
乳ガンに対しての抗癌剤治療では、
「完全にガンが見えなくなる」ことはよくあります。
しかし、それは治ったのとは意味が違います。
機械の目で見えなくなっただけです。
その辛い抗癌剤治療を止めれば、また必ず姿を現してきます。
また、その辛い治療は長くは続けられません。
この患者さんが受けた(続けることにしました)治療は、
その患者さんにとっては非常に良く効いている治療であると考えるべきです。
しかし、医者の目から見ると、「効いていない」になってしまいます。
このように、医者の言う、「効いていない」は、
患者さんにとっては、「とても有効に効いている」
ということも珍しくありません。
また、逆に医者が「効いている」と言っても、
患者さんにとって、その治療は「とても辛くて耐えられない、生活ができない。」と言うことはしばしば起こります。
治療が「効く」「効かない」は患者さんご自身が判断して下さい。
3月1日の「患者さんからの質問に対する答え」
に、対しその患者さんからコメントを頂きました。
もしかしたら主治医は「臨床」と言う言葉は使わなかったかもしれません。
ただ、「過去に何人もの医師がそういう治療法は試してみている。
でも、はっきりしたエビデンスはえられなかった。
いろいろやってみて、一番エビデンス(エビデンスってわかります?、と念押しされました)のあがった治療をやっているのだ。」とは確かに言われました。
ブログを訪れる方に間違った話が伝わってはもうしわけないので、コメントいたしました。
これから先も、どれだけ多くの患者さんを診ていってもエビデンスはでません。それが大きな問題です。
しかし、エビデンスを出そうとすれば、そのデータを得るために、
その患者さんにとって最善の治療が受けられない可能性がでてきます。
従って、出そうとは思いません。
抗癌剤を僅かに使い、
患者さんが、苦痛がなく長生きできることをだけを考えて治療をしている医者は、
少なくないと思います。
残念ながら、その治療ではエビデンスはでません。
しかし、2月27日の「メトロノームのように」
で、書きましたとおり、南蛮渡来を無上の宝物とする日本のセンセイ方により、
今後、抗癌剤の頻回投与による治療のエビデンスは出てくると思います。
如何なる治療を望まれるか、ゆっくり考えて下さい。
以上 文責 梅澤 充



